視覚障がい

視力・視野のどちらか,または両方の機能が十分でないため,眼鏡やコンタクトレンズなどを使用しても,ある程度以上には改善されない状態のことをいいます.授業の中では教科書をはじめ黒板に書かれた文字,配布される資料など多くの視覚情報があります.
見えにくい,または見えない学生はどのようにして情報を得ているのでしょう.

視覚障がいを持つ学生が使用する授業教材を作る流れについては,以下の(視覚障がい学生のための)「教材ができるまで」のページで紹介しています.

文字の拡大

低視力や弱視などで見えづらい人は,文字を拡大することで読み書きができたり困難さを軽減することができます.
拡大読書器や高倍率ルーペ,単眼鏡など,読み書きを支援するロービジョングッズがあります.

情報変換

視覚障がい学生への情報変換

視覚障がいの学生が,教科書,黒板,配付資料に書かれた文字や画像などの情報を取得できるように,視覚情報を別の感覚情報に変換します.
ここでは,点字や音声に変換する方法について紹介します.

 視覚情報→触覚情報(点訳)

文字や図などの視覚情報を触覚情報である点字に置き換えます(点訳といいます).
授業で一般学生に配布される資料の中の文字や図表の部分をテキストデータに一旦変換し,それを点字化します.
テキストデータ化とは,教科書やレジュメなどの紙媒体の文字情報を電子媒体に変換することです.
テキストデータにすることによって電子データになり,点字ディスプレイという機械を通して利用できたり,パソコンを通して音声で情報を聞くことができたりします.また,かさばらない為,持ち運びや保管にも便利です.


テキストデータに変換する方法については以下のページで紹介しています.

 

 視覚情報→聴覚情報(音声化)

文字や図などの視覚情報を音声に置き換えます.
授業で一般学生に配布される資料の中の文字や図表の部分を携帯やパソコンの機能を使って音声で情報をきくことができます.
また,人に読み上げてもらう方法もあります.特に,黒板に書かれた文字や掲示されている情報は人による読み上げが求められます.


視覚障がい学生からの情報変換

文字や図などの視覚情報を,触覚情報である点字に置き換える方法を紹介しましたが,逆に点字ユーザーは点字を使います.点字を読むためには,見える文字にしなければなりません.
ここでは,点字を見える文字へ変換することについて紹介します.

 視覚情報(点字)→視覚情報(墨訳)

点字に対して,点字ではない書いたり印刷した文字を墨字といいます.点字を晴眼者(視覚に障がいがない者)が読めるよう墨字にすることを墨訳といいます.