情報保障支援のひとつとして,授業を受ける際に使う教科書やレジュメの情報を保障することがあります.視覚障がいを持つ学生が使用する教材が完成するまでの流れを紹介します.
教材ができるまで
①学期前に相談
学生とコーディネータが面談を行い,どのような支援が必要なのかについて話し合います.
授業で使用する教科書やガイドヘルプについて,学生から申請を行ってもらいます.
その上でコーディネータが配慮提案を作成し,学生が所属する学部や科目担当教員に提出します.問題がなければ同意,変更が必要であれば内容の見直し行って調整を図ります.
②テキストデータ化
学生からの申請を受けて,必要な教科書やレジュメのデータ化を行います.
視覚障がいの学生が点字ディスプレイを使用しながら授業を受けるためには,教科書やレジュメの内容(紙媒体)をデータ(電子媒体)にすることが必要です(文字情報テキスト化).
1冊の教科書をテキストデータ化するのに,15人体制で約1週間かかるので,履修をする科目の資料をすべて行うとなると,膨大な時間がかかります.しかし,初回授業を受講してから履修の決定を行うことや,学生が所属する学部事務室が先生に連絡を取って配慮を行ってもらうことなどから,テキストデータ化を行うまでに時間がかかってしまうことが多くあります.この工程をスムーズに行い,学生にいい環境で授業を受けてもらうには,先生方の理解が必要不可欠です.
詳しい方法については,「テキストデータ化」のページで詳しく紹介します.
③本人にわたる
テキスト化されたデータが完成したら学生にわたり,そのデータをUSB等に保存します.
パソコンからUSB等に差し替える作業が必要な為,前日までには学生にデータを送ることができるようにしています.
④授業当日
テキスト化されたデータを点字ディスプレイに読みこんで,授業資料の内容を理解します.
点字ディスプレイだけでなく,ボイスレコーダーやパソコンを使用したり,ガイドスタッフの支援を利用したりしている学生もいます.