視覚障がい学生の為の移動補助

ガイドヘルプとは,視覚障がいや全身性がい,知的障がいなどにより,一人で移動や外出ができない方に付き添って,歩行の介助や誘導をする活動です.
 安全かつ確実に学内を移動できるように,歩行介助および誘導を行います.主に,講義間の教室移動をサポートします.

誘導の基本

①「何かお手伝いしましょうか」と声をかける

②基本姿勢

視覚障がい者にガイドヘルパーの肘の上を握ってもらう
ガイドヘルパーは視覚障がい者に肘を握ってもらい,歩調に合わせながら半歩前に立つ.
→肘の上を握ってもらうように声をかける
 誘導する腕は左右どちらでも〇
 白杖を持っていない側に立つ
※肩を貸す:手が離れやすいため,身長差が大きい場合にのみ用いるのが安全

③誘導の仕方

ガイドヘルパーは握られた腕は自然に下におろし,歩くときは前後に振ったり,脇から離したりしないようにする.
※白杖を持ったり,手や衣服を引っ張ったりしない

④歩く速さ

相手に合わせる.視覚障がい者の肘の振り方に不安度が現れる.
強く握られたり,後ろに引っ張られるように感じるときは,歩行に不安を持っていたり,早すぎると思われるため速度を落とす.
※ゆっくり歩きすぎると不安を与える.自然なリズムで歩く.

⑤2人分の幅を確保・高さを忘れずに

ガイドヘルパーは常に2人分の幅を確保しながら誘導する.
ガイドヘルパーは,視覚障がい者に肘を持ってもらっている側に余裕を持って歩くようにする.
→足元に加え,頭や顔,腕など身体全体に障害物が当たらないように気を配る.

【こんな場合には…】

●狭いところでは
①混雑していること・狭いところを通るなど伝える (2人分の幅を確保できない狭いところや人ごみの中) ②掴まれている腕を後ろに回し、ガイドヘルパーは1列になるように声をかける
③狭いところを通過し終えたら、基本姿勢に戻る

●段差や坂道があるとき
段差があることを伝え,スピードを緩めて歩調を調整する
坂道でも同様に声をかける

●階段の昇り降り
① 段に対し直角に近づき,「上り」か「下り」の階段があると一声かけ,誘導者は1段昇り一度止まる. ② 視覚障がい者が足先などで階段を確認した後,歩調を合わせて一段先を昇る
③ 最後の段に上ったら、階段が終了したことを伝える
※上りか下りかを伝えることが重要 急に途中で止まったりしない

●着席
①椅子があることを伝え、座面と背もたれを触らせる
②机がある場合には机との位置関係も伝える

視覚障がい者の支援で大切なこと

誘導する時にはその場その場で適切な判断が必要

<判断の基準>
① 安全性(安心感)
② 能率性(効率的・効果的)
③ みための自然さ
④ 視覚障がい者、誘導者の両者にとっての分かりやすさ