2011年 プロジェクト科目 京都企業の優秀なDNAを探る

 

 

 

 

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6月7日(火)に私たちは、ニチコン(株)を訪問させていただきました。

 

   

 

ニチコン本社のビルは京都らしさを意識した扇形になっており、1階の外壁には格子がつけられ、京都の風情ある建物になっています。

 

また、環境にも配慮していて、外の明るさに応じて部屋の電気の明るさ調節が自動で行われたり、また屋上には太陽光発電の装置が備え付けられていました。今回は、屋上に特別にご案内いただきまして、上ってみると、畳二畳分ぐらいの発電装置(これは5年前のもので、今の技術だとこれの半分ぐらいになる)や、屋上緑化のためのつつじ、またビル内の温度調節をする通風孔など、ニチコンの環境を意識した、先進性に富んだ工夫が随所になされていました。

 

また、特別に社員さんが実際に仕事をしているオフィスも覗かせていただき、実際に目の前で見る現場に私たちは圧倒されました。

 

会議室は2種類あり、一つは座ってじっくり話せるもの。

 

もう一つは立った姿勢で相手との距離が近い状態で会議できるように、椅子を排除した会議室で、仕事に対するニチコンの意識の高さを私たちは垣間見ることが出来ました。

 

また、この社内見学の案内をしてくださった社員の方々の丁寧なご案内に、ニチコンの懐の深さを知ることができました。厚く御礼を申し上げます。

 

武田一平取締役会長のお話

 

   

 

  ニチコンに入社したいきさつ

武田会長は、ニチコンは当時珍しく年功序列がなかったことから、頑張ったぶんだけチャンスがあると思い、入社試験を受けようと決めたそうです。面接は最初から社長が直接なさっていたようで、そこでも武田会長は人は外見でなく中身だという考えを貫いたそうです。

 

そこにも会長の意思の強さを見ることが出来ました。

 

しかし、同時に外見で損をすると言われて、納得すると素直に忠告を受けたそうで、本当に成功するひとには、強い意思と忠告に耳を傾ける素直さの両方が必要なのだと感じました。

 

  真の国際人とは

武田会長は、当時の社長からアメリカに行くことを命じられ、そこで17年間もアメリカでのニチコンの発展に寄与なさったそうです。当時あまり評判の良くなかった日本製品を売ることは容易ではなかったそうですが、それでも全米中に売り込みに行った武田会長の勇気や意思の強さに、私たちが同じ状況に放り込まれたらやり遂げられるだろうかと考えさせられました。会長いわく、

 

『真の国際人とはただ外国の文化に自分を合わせるのではなく、しっかりと自分の国への思いを持ち、いい所を出していった上で、他の国のそれぞれの長所を取り入れていくこと』

 

だそうです。

 

  経営するにあたって

ニチコンの経営理念として、

 

  価値ある製品を作る

  地球環境を考える

   

というものがあり、価値ある製品というのには、京都企業らしく、質を重視する傾向が見られます。

 

また、企業経営の基本としては、

 

  使命を持つ

  戦略を立てる

  実行する

   

の3つがあり、これらにはニチコンの仕事への強みが見れると思います。

上記のもの以外でもためになるお話がたくさんあり、その中でも努力をしなければならないと会長がおっしゃっていたことが印象に残りました。

 

特に、入社してからの心構えについても、丁寧にお話しいただきました。

 

『会社に入ると努力するのは当たり前。結果がついてはじめて認められるもので、その代償が給料なのだ。しかし、努力すれば、必ず見ていてくれる人がいるので、あきらめずに努力し続けることが大事だ』

 

と強調されていました。

 

  まとめ

   今回の訪問では、わざわざ私たちのために時間を割いてくださった社員の方々と、多忙でいらっしゃる武田会長のお話を聞くことができて、とても良い勉強になりました。今後の参考になる経験も多くさせていただき、大変実りのある時間になったと思います。