2011年 プロジェクト科目 京都企業の優秀なDNAを探る

 

 

 

 

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私たちは今回ニューリー株式会社を訪問しました。実際にスキャナーで撮影し印刷したものを拝見させて頂きましたが、どれもまるでそこに本物があるようで私たちはただただ驚くばかりでした。

 

 

◆ニューリーとは

 

ニューリーとは1979年創業の京都を代表する中小企業です。創業当時の社員数は12名でした。スキャナーカメラ(スキャメラ)・画像処理ソフトウェア・テストエンジニアリングメーカーとして企画・開発・製造・販売・サービスまで対応できる企業であり、非常に高い技術力から生まれる先端技術製品を作り出す、いわゆる「モノづくりの会社」です。

資本金は5584万円、社員は142名、中小企業としては比較的大きい会社であり、第三回モノづくり日本大賞「経済産業大臣賞」を受賞するなど、技術力の高さは目を見張るものがあります。またニューリーは現在進行形で発展している会社です。

 

 

 

◆ニューリーの経営理念

 

 ニューリーは「きらりと光る」モノづくりに邁進し、ニューリー独自で生み出したオリジナルの技術・製品・サービスで、広く社会に貢献することです。そのために、常にイノベーションが必要になってくるのです。こういった経営理念を貫くことによってニューリーは日々進化していっているのです。

 

 

 

◆脱・下請け!〈7つの挑戦〉井田社長が目指す技術経営

 

 今は中小企業といえども下請けだけでは生き残れない時代です。約10年前のITバブルの崩壊を機に主に日本の中小企業がうけもっていた下請けの仕事が中国にシフトし企業はどう生き残るか、そういった時代に突入しているのだと井田社長はおっしゃっていました。そういった中で、ニューリーは7つのことに挑戦していきました。

 

 

1,人材改革

 中小企業に多く見られる鍋蓋組織(社長がトップにいて、ほかの社員はすべて同じ身分の組織)からピラミッド&マトリックス組織(鍋蓋組織とは違い上の身分、下の身分などがある組織)に変革していきました。

 WLB(ワークライフバランス)を早い段階から推進し、仕事と家庭の両立することができるような制度を設けていきました。大企業ではなく中小企業でこのような制度が進んでいることに非常に驚きました。

 

2,社風変革

 社員全員のCS対応。一足制や校内放送禁止など、ニューリーを訪問するお客様ありきで考えているのです。お客様があって会社がある。この言葉が非常に印象的でした。また社風変革の一環で様々な展示企画等も行っています。

 

3,経営システム

 やるからには黒字をめざし、毎朝八時に会議をしているのです(土曜日も)。また社員向けビジネス経営塾を開くなど、日々社員のモチベーションを上げる努力をなされています。

 

 

4,独自製品

 ニューリーではスキャナの常識を破るあらゆる物体表面の画期的質感のデジタル化を実現したスキャメラを開発、製造、販売しています。ちょうどスキャナの正確さとカメラの深みを足しあわせたものがスキャメラだそうですあらゆる三次元の対象物をリアルに二次元化することができ、それに触れるまであたかも立体であるかのような錯覚を覚えます。古墳などの壁画をはじめとする文化財などのデジタル化、レプリカ作成、映画ロケなど多分野で実用化がされてきています。人の目を対象に作られていて、非常に精巧で感動すら覚えました。

 

5,知財に挑戦

 社員アイデアシート制度などで年間1500件以上のアイデアを生み出しています。社長は人は常に考えなければならないとおっしゃっていました。日々のアイデアが今日ニューチーに60件の特許、15件の登録商標、1件の意匠登録をもたらしました。

 

6,営業

 ニューリーのシンボルにもなっている「ニュージアム」というショールームがありました。自社の製品を余すことなく紹介されていて非常に分かりやすかったです。またサテライトショールームを東京、大阪よりも先にシカゴに新設されました。

 

7,広告

 最後は、広告。中小企業で広告というのは、ないがしろにされている傾向がありましたが、ニューリーは積極的に広報活動を行っていました。

 

 

◆まとめ

ニューリーは小さな大企業を目指しています。大企業が一概に優秀とは言えません。確かに規模という観点だけでみれば大企業に分があるかも知れません。しかしニューリーは規模ではなく中身で勝負する会社を目指しています。小さくても存在感があり価値のある会社を目指しているのだと井田社長はおっしゃっていました。経営理念を貫き、常に挑戦する会社、人財で勝負するのです。何をやってきたのか、何をやろうとしているのか。こういった問いに答えていくことが、会社の存続、繁栄に繋がっていくのだと思いました。

お客様があって会社がある。この気持ちを忘れずにしていかなければならないのです。