それでは第5回目の講義を始めまーす。わぁ〜〜〜〜ぱちぱち♪
今回のゲスト講師の方は、吉忠株式会社取締役社長・吉田忠嗣さんです!
今回の吉田社長さん、TAの個人的な感想としては個性的な人だなぁと印象に残りました。
あんなに個性的だと魅力があるだろうなぁ…
では議事録に移っていきます。
--------------------------以下議事録------------------------
<吉忠株式会社 取締役社長 吉田忠嗣講師の講演>
〈ビデオ〉:吉忠の概要
吉忠の創業から現在に至るまでの数々の革新(戦後の洋装化、貿易部の設立、コンピューター導入)や危機(大正の大恐慌、第二次世界大戦、オイルショック)、経営戦略(分社化、買収)などについて。
〈お話〉:吉忠のDNAについて
・大企業ではなく中小企業
大企業にはできない「人を大切にする経営」をする。厳しくとも温かみのある、社員が吉忠の社員でよかったと思えるような家族的な会社となる。理屈ではなく情が根底である。
・伝統の中のしなやかな革新
「大衆を忘れず、時の流れに従え」という社是のもとに創業以来、絶え間なく新しいものに挑戦してきた。過去の伝統を守りながらも甘えることなく、新しい伝統を作り出そうと切磋琢磨する。
・大正6年 株式会社への転換
当時京都の創業の企業としては珍しかった。その根底にはやはり「人を大切にする経営」があった。社員に株を分配しすることによって、社員は株主ともなり、社員やその声はもっとも大切にされる。また、会社に緊張感が与えられる。社員は給料以外に配当も受け取ることができるため、働く動機付けもできる。
・昭和32年 貿易部の設立
やはりその当時早めの設立であった。日本では知られていなかったチャコールグレーという色をフランスから初めて紹介した。
・昭和43年 コンピューター導入
周りの商店からばかにされながらも、いち早くコンピューターを導入し計算のほかにシミュレーション等を行った。
・平成3年 英国アデル社買収
マネキン業界では世界一の感性を持つアデル社を買収、マネキン業界を世界規模に拡大した。世界からの情報が入るようになり、海外のデパートやファッション関連の取引がなされるようになった。
・衰退する経営者の3つの要因
1.過去の伝統に甘え、それを守るだけで革新を怠る
2.過去の栄華栄達がおごりになって何でも自信過剰になる
3.過去の経営者を否定して新しいものばかりを導入する
吉田社長は以下の3つを衰退する要因に挙げられた。
大きくなれたのは仲間や社員のおかげであると考え、自己節制、セルフコントロールすることが大切。甘え、うぬぼれ、慢心は社員に伝わり、衰退する原因となる。先代の社長とともに推進してきた革新の方針は変えず、伝統を守り、それに何か付加して新しい伝統を作り出す使命感を持つことが大切だ。
〈質問〉
・京都の利点、不利な点はあるか?
京都は排他的な土地であるといわれるが、京セラ、ワコール、オムロンなどの京都を代表する大企業は京都以外の土地から進出して成功を収めた企業である。京都では、出る杭は打たれる。しかし出すぎた杭は躍進し、それ以上に出た杭は讃えられ認められる。ベンチャービジネスの祖であり、本物志向の京都は日本一になることのできる土地である。また京都にはその名前自体にブランドがある(京都ブランド)。
・社会の動向を見るコツとは?
経営の経験を積むこと。そのなかで、物を見る目、時(タイミング)を見る目、人を見る目を養うことが大切である。
・学生時代どんな経験をされてきたか?
3つのクラブに所属。そのうち2つは自分で立ち上げたもので、その経験は今の自分に役立っている。自分から世話役、まとめ役、リーダーを買って出てやることは将来役に立つ。
・京都で成功している企業に共通するものは?
LOVE COMPANY。会社に対する愛情である。人が動かす会社は生き物であり、人を大切にしていることが成功する秘訣。