創造都市の自律的発展を可能にするためには、21世紀における成長産業が都市の産業構造の中で大きな比重を占める必要がある。21世紀型産業は、環境、バイオ、クリーンエネルギーといった第2次産業に含まれるものと、コンテンツ産業、観光産業といった第3次産業に含まれるものがある。これらの産業の基盤と資源の賦存状態において優位性を持っている場合に、どのような創造都市戦略によって経済競争力の強化と都市における戦略的投資との好循環を生み出するかを分析する必要がある。
経済競争力の強化は、固定資産価格の上昇をもたらし、安定的な都市財政基盤の構築とグローバルレベルでの投資資金の流入を可能にし、更なる戦略的投資を可能にする。このような戦略が、どのような条件の下で有効性を高めるかを理論的に明らかにし、有効性を予測するための指標の提示を行う。