授業では役に立たないかもしれない菌類の話

2018年5月18日、大阪府立大手前高校で開催された、平成30年度大阪府高等学校生物教育研究会の総会にて講演しました。

タイトル
授業では役に立たないかもしれない菌類の話:系統・ライフスタイル・生態

講演要旨
【系統・多様性】菌類はかび、きのこ、酵母として知られる生き物です。世界中でこれまで約10万種が知られていますが、未知種はその10倍以上いると推定されており、地球上の生物多様性の大きな部分を担う生物群といえます。
【ライフスタイル】菌類は大部分の種が、「菌糸」とよばれる糸状の細胞で生活を営んでいます。この点で、菌類は一様性が高いといえます。菌糸の網状のネットワークは「菌糸体」とよばれ、環境の変化に巧みに適応することができます。
【生態・研究法】私自身のこれまでの研究では、落葉分解菌の種多様性が熱帯から極域までの地理的勾配に沿って低下する傾向が見出されました。最近ではDNAメタバーコーディングとよばれる新手法が菌類分野に導入され、飛躍的な研究展開の契機となっています。

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