気候変動による森林の変化と菌類への影響

森林科学シリーズ第10巻「森林と菌類」が出版されました。
http://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320058262

この本の第7章、総説「
気候変動による森林の変化と菌類への影響」(松岡俊将・大園享司)を執筆しました。

総説は4つの節からなり、温度や降水量をはじめとする環境条件の変化が、菌類に及ぼす影響についての既存の知見をまとめています。

7.1節:導入として、環境変化の捉え方と、環境変化に対する菌類の応答を調べるための研究アプローチについてまとめました。

7.2節:「群集集合」について概説し、生物の環境応答の分野で近年注目されている「空間要因」とは何かについてと、環境要因と空間要因の相対的な重要性の評価方法についてまとめました。

7.3節:菌類の環境応答と群集集合に関する具体例を、外生菌根菌、内生菌、分解菌、そして土壌菌の4つの機能群について紹介します。

7.4節:菌類と森林樹木の環境応答と群集集合について比較し、最後にまとめとして今後の研究の方向性について考察しました。


(森林と菌類、升屋勇人編、共立出版、2018)