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第32回国際セミナー
  『イギリスにおける動物保護法とその底流』
 まず、シェイクスピアの時代に行われていた動物を戦わせるゲームなどの動物への虐待と動物の保護がヨーロッパでどのようになされてきたかとその思想的背景が説明された。中世には、動物は人間に奉仕するべきものと考えられてきた。そして、デカルト、カント、ヒューム、ベンサムなどの思想家の動物観が要領よくまとめられた。19世紀には、功利主義思想、ワーズワースなど感傷的な作品を書いた詩人、動物に同情的であったビクトリア女王、進化論を唱えたダーウィンなどの影響で、動物に対する態度が変わった。そして、Society for the Prevention of Cruelty to Animalsや Battersea Dogs homeなど動物に対する虐待を防ぐ機関の設立が相次いだ。それらはProtection of Animals Act、Cruelty to Animals Act、Animals(Scientific Experiments) Act 1986、Welfare of Animals Slaughter or Killing Regulations、Hunting with Dogs Actなどの今世紀にいたるまでの一連の立法に結びついている。そして、現在審議中のAnimal Welfare Billについて紹介された。さらに、動物の権利をめぐる現代的な問題として狩猟を禁じる法に対する良心的遵法拒否、動物実験反対運動と公序法による対処が検討された。最後に、動物の権利についての最近の思想として、シンガー、リーガン、ワイズの思想が紹介された。
 動物の権利について、一家言もつ数少ない専門家による稀有な講演機会となり、基礎法学に関心のある学生が聴衆の中心となった。環境の保護が動物の権利との関係で論じられることがあるかなどの質問も数多く出された。
開催日 2005年6月28日(火)16:45〜18:15
  会場 今出川校地 寒梅館 204番教室
  講師 Andrew Watson 氏 (カレッジ・オブ・ロー教授、バリスター)
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