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『入管法改正と法曹実務』 |
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本講演は,2004年末から施行された入管法の改正箇所を取り上げ,弁護士がどのように対応すればよいのかを実務の観点から考察したものである。まず不法滞在者対策としては,罰金の引き上げ,上陸拒否期間の見直し,出国命令制度の新設,在留資格取消制度の新設がある。出国命令制度は,超過滞在のみの外国人にとっては,メリットが大きいようにみえるが,実際には再度の入国はきわめて困難となることに注意を要する。また在留資格取消制度は,従来からの実務を明文化したものにすぎない。つぎに難民認定制度の見直しとしては,仮滞在許可制度の創設,不服申立制度の見直し(難民審査参与員制度の創設)などがあり,まさに大改正といえるが,不服申立の際に,外国人の側から意見陳述の申立ができるのか,また弁護士の付き添いが許されるのか否か等の点が不明確である(この点は,その後5月に公布された施行規則の改正でも十分に明らかにされなかった)。全体として,今回の法改正は,難民法については,一定の前進があったが,本来の出入国管理の面では,現状を大きく変えるものではないと評価される。実務家としては,従来からの退去強制制度が変わらない以上,しかるべき理由のある外国人については,在留特別許可を取得できる方向で弁護を続けていくことになるであろう。
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開催日 |
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2005年2月26日(土)15:00〜18:00 |
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会場 |
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今出川校地 寒梅館 203番教室 |
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講師 |
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奥田 安弘氏(中央大学教授) 柳川 昭二氏(弁護士) |
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