|
|
|
『コモン・ロー国際私法の特徴』 |
|
|
第13・14回国際セミナー
(2005年2月5日・11日)では、英国オックスフォード大学のAdrian Briggs国際私法教授が、国際私法における当事者自治と合意に焦点を当てて、コモン・ロー国際私法の特徴的側面を論じました。第13回では国際裁判管轄と外国判決の承認・執行について、第14回では準拠法選択および外国法の適用についてを扱いました。いずれも半日かけて、質疑応答も含めて密度の濃い議論が展開されました。コモンローは理解されにくく、また誤解も多いのですが、そのエッセンスが斬新な切り口で説明され、日本法を見る観点としても示唆に富むものでした。特に管轄合意違反や準拠法条項の違反に基づく損害賠償請求の可否と要件という問題は、これまで論じられる機会が少なく、新たな論点を提示するものとなりました。全体に高度な内容であったため、聴衆は国際私法専門家が多かったのですが、熱心な学生の姿も見られました。
第14回に先立つ2月10日には、国際私法に限らずイギリス法全般にわたり、学生との間で懇談形式で質疑応答する機会が設けられました。試験期間中にもかかわらず多くの学生が集まり、イギリスの家屋売買の方法から、エクイティーとコモンローの違いに至るまで幅広い話題について話し合いました。また、法学の学び方に話が及ぶと、Briggs教授は裁判官の推論の仕方を習得するために判決の原文を読むことの重要性を力説し、オックスフォードでは学部学生に週に一科目当たり60事件もの判例を読むよう指導していると話されました。わが国の法科大学院教育でも判例の原文に当たる重要性が指摘されてきていますが、コモンローの伝統ではそれがより強調されていることを印象付けた懇談会でした。 |
|
|
「裁判管轄と合意の重要性」 |
|
開催日 |
: |
2005年2月5日(土) |
「紛争審理:準拠法選択合意および外国法の適用」 |
|
開催日 |
: |
2005年2月11日(祝) |
|
会場 |
: |
今出川校地 寒梅館203番教室 |
|
講師 |
: |
Adrian Briggs氏(オックスフォード大学教授) |
|
|