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連続公開講演会 「グローバル・コミュニティの法的課題」第1回
  ”Resolution of International Economic Disputes: Focusing on the WTO Dispute Settlement” 『国際経済紛争解決 − WTOの紛争処理を中心として』
 国際経済紛争の処理、判定機関としてのWTOの重要性についてはよくいわれますが、この機関が実際にどのような手続で動き、どのような機能を果たしているのかについては、あまり知られていません。
 講師の谷口安平氏はWTO上級委員会の委員であり、この機関の裁判官です。また民事手続法の専門家でもあります。本講演はWTOの役割と紛争処理の実際について豊富な情報を伝え、明快な分析を提供するものでした。
 WTO上席委員の仕事は実にハードで、しかも綿密な注意と配慮をたえず要求されるものであります。当事者の弁論主意の読解、先例との関連、法理の確定など、その仕事には膨大な時間とエネルギーを要します。他の委員との討論、調整には論理だけでなく外交的な感覚も必要であり、大変な重責です。
 WTOの抱える課題として、この紛争解決手続を活用するためには、当事者が能力のある専門家を揃え、十分な情報、資料を整える資力を必要とすることです。この点で、途上国と先進国の格差は大きいです。国際経済活動がグローバル化すればするほど、規模の大きな紛争が多くなり、かつ知的財産権やITなど専門化された分野の事例がWTOに持ち込まれることになります。WTOの重要性は今後ますます大きくなるにちがいありません。
開催日 12月13日(月) 16:45〜18:15
  会場 神学館礼拝堂
  講師 谷口 安平 氏
(WTO上級委員会委員、弁護士、
 東京経済大学教授、京都大学名誉教授)
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