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"The clash of Paradigms; Japanese Law from a distance" 『外から見た日本法の論争』 |
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本講座では、外国研究者による日本法の研究が危機的状況にあるということを最近の研究状況に焦点を当てて論説されました。危機的状況の理由は、研究の観点・枠組(パラダイム、paradigm)の衝突にあります。パラダイム相互間で整合性がなく、研究者の対話から新たに有益なものが生み出される状況になっていません。確かに、パラダイムがいくつもあるというのは、悪いことではなく、むしろ健全であるとも考えられます。しかし、問題を各パラダイムに押し込めていくことによって、日本法研究が閉塞状態にあるので、それが危機的状況にあると考えられます。より具体的には、三つのD問題があります。一つ目はDiversityの問題で、パラダイムは、多様な状況や法の種類を捉えられていません。というのは、例えば、経済法・商法分野の分析に有益なパラダイムは、人権・社会政策法分野の分析には必ずしも適していないからです。二つ目はDynamismの問題で、パラダイムは静的なものを捉えても、変化・発展しているものを捉えられていません。三つ目は、Disorderの問題で、法的な現象は、整然としておらず、しばしば混乱状況にありますが、パラダイムはそれを包摂できるものでなければなりません。本講演ではこれらの問題が掘り下げて検討されました。
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開催日 |
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2004年11月26日(金) 11:30〜12:30 |
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会場 |
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寒梅館203番教室 |
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講師 |
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Leon Wolff 氏 (オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学) |
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