調査結果

東アジア四大都市環境意識調査

調査の趣旨
 このページは、統計数理研究所研究プロジェクト「データ科学に基づく日中国民性比較の研究」の一環として2001年11月~2003年3月に実施した北京市・上海市、杭州市、昆明市の市民意識調査の1次成果を公表している。現地調査は各都市から約1,000名ずつの成人男女を無作為に抽出した上で、個別面接聴取法により調査票を用いて実施した。各調査地域の調査方法及び調査実施の概要は以下の通りである。その詳細について「日本・中国の国民性比較のための基礎研究」統計数理研究所研究リポートNo.89とNo.90及び総合地球環境学研究所研究リポートNo.1を参照されたい。
 この調査は、日中の国民性比較のための基礎研究として、中国の調査環境に適した標本調査法を実践的に構築することを重要な目的とした。中国の4つの主要都市において、統計的標本抽出方法を構築した上で無作為に抽出した一般市民を対象に、個別面接聴取法により現地調査を行った。中国の行政体制が複雑で、統計的標本抽出に必要な基礎資料がほとんど公開されていないため、この調査は理想的な調査からかなり離れたものとなったが、中国における標本調査の問題点が明らかになり、その後の調査企画にとって大きな参考となった。調査内容は、社会・生活・価値観などに関する意識を中心とした。
 ここでは、四大都市における調査の標本抽出方法、現地調査方法、調査票及び質問文別の単純集計を中心に公表している。
東京調査の概要

東京調査は、人口稠密地帯の23区を対象地域とし、従来の標準的な標本抽出法と調査住宅地図を用いたエリア・サンプリングにより個人標本抽出を行うための2本の調査を同時に遂行した。従来の標準的な標本抽出法(以下、調査Ⅰと略す)と住宅地図を用いたエリア・サンプリングによる調査(以下、調査Ⅱと略す)の概要は次の通りである。

1)
母集団:23区在住20歳~79歳の成人男女
2)
調査地点数:調査Ⅰと調査Ⅱはともに80地点
3)
標本抽出方法:調査Ⅰ:2段無作為抽出法;調査Ⅱ:3段無作為抽出法
4)
回収標本数:1,064人(調査Ⅰ:525人;調査Ⅱ:539人)
5)
調査時期:調査Ⅰ:2005年12月 6日~12月25日
       調査Ⅱ:2006年 1月12日~ 1月30日
6)
調査実施主体:株式会社 サーベイリサーチセンター
北京調査の概要
北京調査は、13区5県のうち、人口稠密地帯の中心部8区(崇文、宣武、東城、西城、朝阳、豊台、石景山、海淀)においてエリア・サンプリングを用いて無作為に選ばれた個人を対象に調査票を用いて実施した。これまで遂行した調査の成果を踏まえ、調査計画を立案した。調査の概要は次の通りである。
1)
母集団:心部8区在住の18歳以上の男女
2)
調査地点数:50社区
3)
標本抽出方法:3段抽出法(社区→世帯→個人の順)
4)
回収標本数:1,049人
5)
調査時期:2005年10月10日~26日
6)
調査実施主体:中国人民大学
台北調査の概要
台北調査では、同市が管轄する12区を全て対象地域とし、標本計画、抽出方法、調査実施方法などを含む調査計画を策定した。調査地域では利用可能な名簿は整備されていないため、エリア・サンプリングを用いることにした。現地調査は調査票を用いて実施した。調査の概要は次の通りである。
1)
母集団:台北市在住18歳以上の成人男女
2)
調査地点数:120地点
3)
標本抽出方法:3段抽出法(里→世帯→個人の順)
4)
回収標本数:1,008人
5)
調査時期:2006年9月 21日~10月31日
6)
調査実施主体:天主教輔仁大学
ソウル調査の概要

ソウル調査では、ソウル市が管轄する25区を全て調査地域とし、エリア・サンプリングによる調査計画を立てた。現地調査は無作為に選ばれた成人男女を対象に調査票を用いて実施した。調査の概要は次の通りである。

1)
母集団:ソウル市25区在住の18歳以上の男女
2)
調査地点数:50洞(Dong)
3)
標本抽出方法:5段抽出法(洞(Dong)→トン(Tong)→班(Ban)→戸(Ho)→個人の順)
4)
回収標本数:1,017人
5)
調査時期:2006年7月20日~9月30日
6)
調査実施主体:慶熙大学