機能性Scaffodについて,次のようなテーマを軸に研究を行ってます.
組織工学において,スキャホールド(足場)は3次元的な細胞把持,疾患/欠損部の空間確保,細胞周辺の環境維持といった役割を担っています.組織再生の促進のため,さらに細胞の接着・増殖・分化の促進や,組織内への栄養供給の維持が可能となる新規機能性スキャホールドを開発しています.
アルギン酸ファブリックの開発
Keywords:アルギン酸,マイクロファイバー,ファブリックシート,創傷被覆,癒着防止
アルギン酸ゲルは生体適合性が高く,不織布状やスポンジなどの形態で,医療材料として利用されています.しかし,不織布あるいはスポンジの形態では,用途に応じて溶液や細胞の遊走を最適化するような繊維径や目開き(メッシュ数)・開口率の制御が難しい.そこで,アルギン酸ゲルマイクロファイバーをメッシュ状に巻き取ることで用途に応じた形態に制御可能なアルギン酸ファブリックを開発しています.
図1 アルギン酸ファブリック 図2 アルギン酸マイクロファイバー
ゼラチンスポンジ/ナノファイバースキャホールド
Keywords:創傷被覆,ゼラチン,スポンジ,ナノファイバー,エレクトロスピニング法
ゼラチンは優れた生体適合性と高い細胞接着性を有しており,創傷被覆材などに広く応用されている.創傷被覆材としてスポンジ構造として利用されることが多いが,スポンジ構造は生体との接触部が小さく細胞遊走には劣ることが危惧される.そこで,接着材などを用いずにスポンジに直接的にナノファイバーを積層することで,2層構造を有するゼラチンスポンジ/ナノファイバースキャホールドを開発しています.
図1 ゼラチンスポンジ/ナノファイバースキャホールド