(前半から続く)
l Google,
Gazprom, and Appleと戦う
FP MARCH
18, 2016
Meet the
Woman Leading Europe’s War Against Google, Gazprom, and Apple
BY SUZY HANSEN
タクス・ヘイブンtax
havensはユーロ圏にまだあると思うか? と聞かれた彼女は、課税の楽園(a tax
heaven)とは、だれもが公平な分担を行うことだと思う。その意味では、われわれはまだ楽園にいない、と答えた。
Margrethe Vestager,は、ヨーロッパの反独占を指揮する責任者である。
金融危機前の、民営化や規制緩和がヨーロッパでもてはやされた時代に、ベルギーは35社ほど多国籍企業が進出した。Vestager,は、企業が7億ユーロも課税を免れ、中小企業に比べて不正な優位を得ている、と主張した。
l AIと人類の闘い
FP MARCH
18, 2016
AlphaGo
and the Clash of Civilizations
BY YIFU DONG
FT March
21, 2016
Machines
use their own intelligence not ours
Daniel Susskind
FT March
23, 2016
Financial
advice: New race for the saver’s dollar
Stephen Foley, Alistair Gray and Ben
McLannahan
Project Syndicate MAR 24, 2016
Our Collective Brain
JOSEPH
HENRICH
l カラジッチへの判決
FP MARCH
18, 2016
‘They Are Proud of What They Are Doing’
BY AMANDA SPERBER
FP MARCH 24, 2016
Radovan Karadzic and the (Very) Long
Arc of Justice
BY
ERIC STOVER, VICTOR PESKIN, ALEXA KOENIG
l エルドアンの戦争
FP MARCH
18, 2016
Erdogan’s
War
BY FIRAT DEMIR
l SF化する現実
FT March
19, 2016
Science
fiction can create almost any future we want
James Lovegrove
SF作家が創造したことは、科学によって次々に実現している。
l 中国企業による国際企業買収
FT March
19, 2016
China Inc:
The quest for cash flow
James Kynge, Gabriel Wildau and Don
Weinland
中国人民銀行が金融緩和する中で、中国企業は人民元建の資産を外国に移転するために活発な外国資産の購入、企業買収、などを進めている。
それはまた、グローバルな中国人消費の台頭と重なっている。世界各地の高級住宅街で、中国人資産家が住宅を購入している。あるいは、技術力のある企業や西側のブランド企業を買収する。そのような行動パターンは、国有企業のものではなく、中国に民間企業が育ってきたことの反映である。
他方、西側企業にとっては、たとえ株主が少しでも高い価格で売りたいと思っても、様々なステーク・ホルダーの中国企業との関係が障害となる。
NYT MARCH
21, 2016
Chinese
Problems on America’s Shores
By THE EDITORIAL BOARD
中国の汚職撲滅キャンペーンにより、人々は嫌疑を恐れて、安全な外国に(その多くがアメリカへ)資産を移転している。それは、中国の外貨準備が急速に減少した背景にある事情だ。
2008年の金融危機は教訓を残した。危機の前に、融資は水準が悪化し、問題の多いものになる。実物経済の拡大を超える融資の増大は、利益の機会を追って悪質な融資や投機的取引が増える。現在、いくつかのアメリカのヘッジ・ファンドは人民元が12から18か月で大幅に切り下げられることを予想して投棄している。金融監督者はその影響に注意するべきだ。
アメリカの金融システムの脆弱性は、2010年のドッド=フランク金融改革法により、厳格なストレス・テストが求められて、抑制されている。しかし、システムはいまだに非常にわかりにくく、規制を逃れることに熱心である。ミューチュアル・ファンドは、より多くの準備を保有するよう求めるルールに反対している。
金融危機の教訓は明らかでも、それを金融監督が共生できる手段を持っているか、新しい条件や脅威に対して行使するか、というのは明らかではない。
Project
Syndicate MAR 22, 2016
China’s
Incompatible Goals
CARMEN REINHART
FT March
23, 2016
China
plays ball with its development lending
FT March
23, 2016
China’s
struggle for a new normal
Martin Wolf
Project Syndicate MAR 24, 2016
China’s Next Stimulus
YU
YONGDING
l トルコとの難民送還協定
FT March
19, 2016
EU and
Turkey agree deal to return migrants
Duncan Robinson and Alex Barker in Brussels
FT MARCH
19, 2016
Major
doubts over workability of EU-Turkey migrant deal
Gideon Rachman
EUとトルコの合意は、ギリシャに来た難民をトルコに戻し、その代わりに、トルコは援助を得て、トルコ市民がEUをビザなしで旅行できるようにする、というものだ。
それはメルケルが道徳的な高い見地から唱えた難民救済を諦め、「ドイツにはできる」という姿勢から、難民たちを非合法で、不道徳なものと非難する姿勢に同調することだろう。アムネスティー・インターナショナルはこの合意成立を「人道の暗黒日」と呼んだ。
合意が実行できるかどうかについて、3つの問題がある。1.ギリシャ政府の処理能力、2.トルコ政府の協力姿勢(EU諸国はビザなしの受け入れに反対している)、3.ギリシャを迂回する難民の動き(例えば、リビアに向かう)。
ドイツ政府の高官は、この合意のためにドイツ政府は多くの政治資本を費やしたが、それでも成功しないかもしれない、と述べた。
FT March
21, 2016
The EU
sells its soul to strike a deal with Turkey
Wolfgang Münchau
FP MARCH
23, 2016
Erdogan’s
Epic Europe Trolling
BY NICK DANFORTH
l 新しい「ゲームのルール」
Project
Syndicate MAR 21, 2016
New Rules
for the Monetary Game
RAGHURAM RAJAN
先進経済も新興経済も、政治的な緊張を緩和するには成長を必要とする。もし政府が他国の成長を損なうような政策を採れば、そうした「近隣窮乏化」戦術は単に他国の不安定化をもたらすだけだ。われわれは新しいゲームのルールを必要としている。
なぜ危機前の成長率を回復できないのか? 短く答えるなら、それは債務超過が残されているからだ。(公的資金による)債務の償却が政治的にできるか、その結果として需要は持続的に増えるか、明らかではない。さらに、人口や生産性上昇に関する構造的要因がある。
政治家たちは、構造的な制約には構造改革が必要であることを知っている。競争と技術革新を促し、制度を改革する。しかし、改革の痛みはすぐに現れるが、その成果が示されるには時間がかかり、しかも誰が利益を得るかは不確実だ。かつてルクセンブルグ首相としてJean-Claude
Junckerが述べたように、「なすべきことは知っているが、それをして再選されるとは思えないのだ。」
中央銀行にとっては、インフレが目標より低いことが問題だ。すでに金利も非常に低く、通常の金融政策を超えて進むか、あるいは、インフレに関する信認を失うことになる。「ヘリコプターで現金をばら撒く」か、大量に資産を購入するか、マイナス金利を採用するか。しかし、人々の期待が変化しなければ、金融政策には効果がない。
もし人々が金融政策は破滅的な結果をもたらしかねず、結局、元に戻ると思えば、むしろ貯蓄を増やして支出しない。また、人々が政策の転換を確信して、短期では効果を発揮しても、最終的に金融政策を変えるときに、金融資産の価格が大幅な下落する(金融危機)かも知れない。
しかも、金融政策は国外に波及効果を生じる。正常な状況では、低金利が国内消費と投資を刺激し、為替レートの減価も輸出を促す。しかし、現在のように正常でないときには、国内需要が伸びず、金融政策によってゆがんだ国内資産市場から、年金基金や保険会社などが外国の金融資産に向けて資本を流出させる。それは為替レートをさらに減価させて、競争的切下げのリスクを生じる。
先進経済の中央銀行が自分たちの政策を正当化するとき、為替レートが主要な波及経路であると認めている。そうであれば、国内の目標を達成する金融政策が国際的な責任と対立しないような、金融政策のルールが必要である。
私は、最終的に、ブレトン・ウッズのような新しい国際合意を求めている。それはIMF第4条を基にして、国際的に影響力のある中央銀行が政策を決定する権限を規定するものだ。21世紀の統合された世界にふさわしいグローバルな金融システムが、国際社会の選択によって誕生する。
FT March
22, 2016
Negative
interest rates are a high-risk experiment
Huw van Steenis
l EU離脱論争
Project
Syndicate MAR 21, 2016
Brexit’s
Questions for Europe
JAVIER SOLANA
FT March
22, 2016
Wake up —
Britain is heading for Brexit
Gideon Rachman
EU離脱論は、アメリカで聞くドナルド・トランプの議論を思い出させる。成功するはずがない、と言われていたが、そんな状況は変わってしまった。イギリスにも、アメリカのような、ポピュリスト的、予想不可能な局面が生じている。
左派に傾いた労働党も、あいまいなビジネス界も、インテリ層も、国民を説得することに成功しない。もはやキャメロン首相の権威と、オバマ大統領の訪問が離脱への流れを阻む最後のチャンスだろう。
The Guardian, Thursday 24 March 2016
Boris Johnson is the best hope for
the Tories – and for Britain
Alexander
Temerko
FT March 24, 2016
Crystal balls are no way to predict
a post-Brexit world
Chris
Giles
l ドイツ政治
SPIEGEL
ONLINE 03/21/2016
Fury and
the AfD
Inside the
Revolt against Angela Merkel
By SPIEGEL Staff
l チェルノブイリ
NYT MARCH
21, 2016
Exposure:
Chernobyl
By MICHAEL
MARDER
l プエルトリコ
Bloomberg
MAR 21, 2016
As Cuba
Rises, Puerto Rico Falls
By James Gibney
NYT MARCH 24, 2016
Plan to Rescue Puerto Rico Advances,
Led by House Republicans
By
MARY WILLIAMS WALSH
l インターネットと政策革新
FT March
22, 2016
Easy?
Fast? Reliable? What we should know about the internet
Anne-Marie Slaughter
人生のますます大きな時間を、ますます多くの人がインターネットとの接続によって過ごすようになっている。貧困、教育、失業、病気、など、インターネットの利用と人々の社会的適応とは深く関係している。デジタル空間の情報から、政府は人々への新しい政策を模索する必要がある。
YaleGlobal,
22 March 2016
International
Students Find Roles in US Presidential Campaign
Paul Elish and Susan Froetschel
l ベルギー国家とテロリズム
The
Guardian, Tuesday 22 March 2016
Bombers
take advantage of Belgium’s history as a country divided
Martin Kettle
テロリストによる暴力は世界中で起きている。しかし、事件にはその土地の性格も反映される。微細な医学的証拠から事件の関係者が追跡されると同時に、より長期の視点で、テロリストたちの前線基地となったベルギーの首都が注目される。なぜベルギーなのか?
ベルギーは国民意識の定まらない「弱い」国民国家である。シーザーがBelgaeと呼んだ、部族紛争の絶えない土地であり、他のヨーロッパ諸国に比べて、ルーツのない、制約された制度しか持たない、最近になって発明された国家である。また19世紀にはアフリカや中東を植民地化した他の帝国にも似ている。強力な他者の利害を反映する国家である。
ベルギーに最も影響を与えた他者はイギリスだ。1830年、ベルギー蜂起の後、イギリスはフランスとオランダの間に緩衝国家を創るために強い行動に出た。アントワープとScheldt川の河口が敵対する勢力の支配下に入れば、それはテムズ川に及ぶ脅威である、と当時の首相Lord
Salisburyは述べた。ベルギーの独立と中立性は、1839年、Lord
Palmerstonがまとめたロンドン条約によって保障されており、1914年、イギリスが第1次世界大戦に参戦した理由である。
ベルギーの弱さは、国民の5分の3がフラマン語を話す北部の近代オランダに文化的なつながりを持つ人々であり、そして5分の2はフランス語を話す南部のワロン人で、現在、急速に周辺化されており、フランスとの文化的つながりが深い。 ベルギーの歴史は、その最初から、イギリスによって据えられた立憲王制による妥協として、緩やかに結びついた連邦国家であった。
ベルギーの諸制度が分裂状態にあることは、2010年から2011年にかけて、589日も選挙で決めた政府が成立しなかったことに示された。こうした統合を欠く国家は、テロに迅速に対処する手段や能力を持たなかった。同時に、テロ攻撃の対象となる条件として注目されるのは、1.治安機関同士の連携を欠く。2.近隣諸国との境界管理を欠く。3.EU諸機関の本部が集中する、ということだ。
その遠い起源から、また、現在のEUの混乱から、ベルギーの弱さはテロリストを有利にした。
The
Guardian, Tuesday 22 March 2016
Apologies
and imperialism are never the right answers to terror attacks
Deborah Orr
テロには効果がある。それは生き残った者たちを分断し、両極化し、われわれに立場の選択を迫るからだ。テロがわれわれを過激化する。
真実と和解の過程は、長い、つらい、複雑な、コストのかかるものだ。しかし、それは終わりの見えない戦争、怨恨、憎悪によっても同じである。そして、後者を選択すれば、テロリストたちが勝利するのだ。
The
Guardian, Tuesday 22 March 2016
Our
response to the Brussels bombings requires patience and restraint
Simon Jenkins
NYT MARCH
22, 2016
In
Brussels, Europe Is Struck at Its Heart
Roger Cohen
FT March
23, 2016
An assault
on Brussels, and on European values
The
Guardian, Wednesday 23 March 2016
The
Guardian view on the Brussels political aftermath: both dangerous and wrong
Editorial
NYT MARCH
23, 2016
The
Islamic State’s European Front
By DANIEL BYMAN
FP MARCH
23, 2016
The Rotten
Heart of Europe
BY LEELA JACINTO
NYT MARCH 23, 2016
Steps That Europe Must Take Now
After Brussels
By
THE EDITORIAL BOARD
ベルギーやフランスでは、テロリストの関係者に対する強制捜査が強化されている。犯人はヨーロッパ生まれの若者、貧しい育ちであった。イスラム教徒が多数の地区で、軽犯罪から麻薬取引にも関係していた。警察は同じような経歴のものを容疑者として、エスニックな選別による捜査、強制的な探索を行っている。それは地区の住民たちをますます政府や警察から疎外する。
ヨーロッパは市民を守るために行動すると同時に、テロリズムに対抗するカギとして、ヨーロッパ内のイスラム教徒から信頼を得ることが重要である。
FP MARCH 23, 2016
A Brief History of a Broken Country
BY
GLEN NEWEY
古い格言にあるが、ラクダとは委員会が作った馬である。同様に、ベルギーとは委員会が作った国である。ベルギーという国家は、オランダの連合国家から生じて、ナポレオン戦争後の連合諸国がウィーン会議で創った。カソリックとカルヴァンのプロテスタントとが、言語の違いに加えて存在し、その国旗は共和主義と王室との間の選択が成功しなかったことを示すような3色である。国王は双方に配慮して2つの名前を持つ。
ベルギーの市民と政府がバルカン化していることは、確かにテロリストたちが組織を育てる環境であったが、ヨーロッパ各地に同じ条件がある。ベルギーはしばしばEUの小宇宙と呼ばれる。同様に、ブラッセルはベルギーのミニチュアだ。過去の帝国化、シャルルマーニュやナポレオンの思想的・軍事的な制服が、テロリストたちの背景にある。
The Guardian, Thursday 24 March 2016
We must mourn the dead of Brussels –
and those of Ankara, Baghdad and Raqqa
Allan
Hennessy
FT March 24, 2016
The roots of radical Islam in
Belgium
Tony
Barber
NYT MARCH 24, 2016
Overreacting to Terrorism?
Nicholas
Kristof
NYT MARCH 24, 2016
Can the European Center Hold?
Jochen
Bittner
FP MARCH 24, 2016
Monsters of Our Own Imaginings
BY
STEPHEN M. WALT
9・11以来、私の考えは変わらない。1.100%の安全は不可能だ。グローバリゼーションにより、遠くの、小さな集団が、暴力によって関心を集めることが可能になった。2.現代のテロには様々な理由がある。単一の対策で解決できることではない。3.問題は深刻であるが、文明の生存を脅かすことはない。パニックになるな。4.テロリストに敗北するのではなく、われわれの社会の反応によって敗北するのだ。優れた指導者たちは冷静であった。平常通りの生活を続けるべきだ。社会の強さ、回復力を信頼し、夏になれば、ヨーロッパの長期休暇を楽しめ。
FT March 25, 2016
The lessons from the Brussels terror
attacks
Gideon
Rachman
l 経済学の適用
Project
Syndicate MAR 22, 2016
The
Economist’s Concubine
ROBERT SKIDELSKY
経済学はなんにでもその考え方を適用する。ノーベル賞受賞者Gary
Beckerはシカゴ大学で「愛に経済学」を展開した。結婚は愛のコストを減らすメカニズムだ。最近では、妻と売春婦とを代替サービスとして扱っている。側室、売春、奴隷労働の経済学。
なぜ売春の報酬は倒しごとに比べて高いのか。もし主婦が価格を支払われたら、売春の報酬は減って、多くの女性が他の仕事に就くだろう。取引を規制することは必要だが、買春を非合法化・犯罪化することは正しくない。人身売買がグローバリゼーションのリスクになる。買春に反対する強力な理由は、経済学のほかにある。
l 経済政策の挑戦
Project
Syndicate MAR 22, 2016
Reckoning
With Inequality
JEFFREY FRANKEL
Project
Syndicate MAR 23, 2016
Economics
in a Time of Political Instability
MICHAEL SPENCE and DAVID BRADY
Project
Syndicate MAR 23, 2016
Entrepreneurship
as a Diplomatic Tool
ANNE-MARIE SLAUGHTER and ELMIRA BAYRASLI
FP MARCH
23, 2016
The U.S.
Isn’t Ready for Something That Could Drastically Change the Global Economy
BY DAVID FRANCIS
FT March
24, 2016
The
inequity at the heart of France’s labour market
YaleGlobal, 24 March 2016
A Flat World Gets Bumpy With
Globalization in Retreat
David
Dapice
l ユーロ危機の解釈
VOX 22
March 2016
Causes of
the Eurozone Crisis: A nuanced view
Lars P Feld, Christoph M Schmidt, Isabel
Schnabel, Volker Wieland
ドイツの経済諮問会議(the
German Council of Economic Experts)はユーロ危機に関して,Barry Eichengreen, Charles Wyploszとは異なる,独自の見方を示す.すなわち,1.政策に関するルールが欠けていたために,債務の累積や競争力の低下が進んだ.2.銀行や政府債券の危機に対処する制度がなかったため,モラル・ハザードが放置され,市場の規律が失われた.
Project
Syndicate MAR 23, 2016
The
Success of Greek Structural Reforms
DIMITRIS PAPADIMOULIS
VOX 23
March 2016
Completing
Maastricht 2.0 to safeguard the future of the Eurozone
Lars P Feld, Christoph M Schmidt, Isabel
Schnabel, Volker Wieland
l 中年の危機は存在しない
NYT MARCH
22, 2016
The
Middle-Age Surge
David Brooks
l タイの軍政
NYT MARCH
22, 2016
How
America Can Put Thailand Back on Track
By TOM FELIX JOEHNK and ILYA GARGER
l 北朝鮮の挑発
The
Guardian, Wednesday 23 March 2016
North Korean
rhetoric has reached new heights – and the world is losing patience
Aidan Foster-Carter
l ウーバー
NYT MARCH
23, 2016
The Uber
Model, It Turns Out, Doesn’t Translate
Farhad Manjoo
Bloomberg
MAR 24, 2016
Free Markets Aren't Free. Who Pays
the Price?
Megan
McArdle
l ニュージーランド国旗投票
FP MARCH 24, 2016
After $17 Million, Ponytail-Pulling
New Zealand Prime Minister Loses Flag Referendum
BY
SIOBHÁN O'GRADY
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The Economist March 12th 2016
The future of computing
Farming in Africa: Miracle grow
African agriculture: A green revolution
Europe’s migrant crisis: A messy but
necessary deal
Europe’s migrant crisis: Desperate times,
desperate measures
Rwanda: A hilly dilemma
(コメント) 「ムーアの法則」は自然の法則ではなく、業界の人工的な協力ルールであった。今後は変化する。ルワンダの成功は、人口や自然資源、インフラが乏しい内陸国で、著しい成果である。しかし、指導者の内政には批判が強い。
興味深いのは、アフリカの農業革命と、EU(特にドイツ)とトルコの移民に関する合意です。アフリカの小規模な農民が、様々な新しい技術や情報を利用することで、農業生産を急速に拡大しつつあります。また、EUの移民・難民危機をシステムとして吸収するための枠組みが、政治力を駆使して(一部、欠陥はあっても)構築されました。
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IPEの想像力 3/28/16
誘拐・監禁事件の報道には,わからないことだらけです.ある若者が(報道で伝えられることが正しいのであれば)大学生として卒業する期間に,並行して中学生の少女を誘拐し,アパートに監禁し続けた,ということに驚き,恐れを感じます.犯人の青年は,少女を自分のペットのように考え,彼女の不安や恐怖を利用していたのでしょうか?
大きな自然災害や戦場でも,多くの孤児や,親と離れて行き場のない子どもたちを,誘拐し,外国などへ販売する人身売買組織がある,と読みます.学校からの帰り道や,自宅からでさえSNSで誘い出し,家族を困らせる話,犯罪にかかわる事情,さまざまな暴力的威嚇によって被害者に混乱と服従を強いる,さらに実際に傷つけ,自由を奪って,暗闇や空腹状態を長期間強いる,薬物や狂気を促す医学知識を悪用する,・・・
現代の文明が示す病的な,危機の日常的側面が,少女の誘拐・監禁事件にも表れたのではないか,と思うと,これほど身近に,日常生活の中に,文明の暗渠が口を開けているものか,という恐怖に襲われます.
もちろん,あなたが想像するように,これはインド洋大津波,『ショック・ドクトリン』が紹介したテロ容疑者や関係者への尋問・拷問,アブグレイブ収容所での暴行・虐待,戦場や国際政治で外交の一部として行われるスパイの要員確保や育成,オウム真理教の行った洗脳,極右・人種差別集団による弱者への示威行為や施設への放火,繰り返されるジェノサイドで指導者たちが広める集団的狂気,性的・暴力的な表現にあふれるマンガ,動画サイト,テレビや映画,小説,アミューズメント・パークなどの娯楽産業,老人たちから資産をだまし取る詐欺集団,介護や貧困の果てに心中する家族の苦しみ,などとつながるのです.
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ブリュッセルの空港・地下鉄に対するテロ攻撃と、加速する警察国家によって,市民の生活や態度も変わってしまうでしょう.強い警察や軍事行動を誇示することが,政治的なメリットになっても,テロを防ぎ,市民の生活や文化を守ることにはならない,と指摘するいくつかの論説を読みます.
むしろ,テロ攻撃の標的やテロを組織・準備する場所としてベルギーやブリュッセルが注目されたことに,ヨーロッパの歴史やEU統合の限界,が語られます.そして,大国間の緩衝国家として強いられた疑似政治モデルの中に住む人々,世界の紛争地から漂着する移民たちにとって,極めて限られた有効性しかない意図的に分割された公共システムが機能停止し,「国家」というシンボリックな統合効果をすべて失う未来の世界を予見させます.
アメリカ大統領の候補者選挙では、トランプが東アジアの紛争に自主解決を勧め,在日米軍基地も撤収することを示唆します.たとえトランプではなく,ヒラリーが大統領になっても,オバマとトランプが残した国際秩序の溶解は止まらないでしょう.
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新聞や雑誌も,町の書店,古本屋,喫茶店,下宿,家族経営の飯屋さんも消滅してしまいます.
インターネット世界にリンクする人々の言動や生活スタイルは,産業構造変化・人口移動を加速することで,富や権力の在り方を大きく変えます.IT革命と競争激化で,企業経営や人々の働き方,暮らし方がすでに変わってしまった分野が,変わらない者たちを道義的に非難し,理不尽に苦しい思いをする時代になりました.価格破壊がもはや話題にもならず,リスク・マネージメントの必要性が説かれるだけです.
インドのe-コマースをめぐる巨人たちの闘いが加速して,素晴らしい投資や融資,雇用の機会がカースト制の障壁を超えて多くの貧しい人々にまで及ぶでしょう.コミュニティーや集落、企業,団体,地域や国家,通貨まで,マージナリゼーション(限界化,辺境化,インフォーマル化)とジェントリフィケーション(高級化,富裕層向け再開発)の波を経験します.旧産業の赤さび地帯と新興産業の新しい立地,都市の再生やオフショア生産,3Dプリンターや国際ロジスティックのもたらす価格と競争力の変化は,従来の成長予測を一瞬で破壊します.
中国を追って成長のフロンティアが各地に広がります.しかし,旧産業諸国の側の銀行や企業には予想できない速さと激しさで影響が広がり,次々に中身のよくわからない契約を私たちに強要します.さまざまな「ストレス・テスト」と財務・会計学が,破たん国家への介入と再建のように,世界の様相を変えて行きます.
この政治経済空間に君臨するのは、どのような21世紀の権力者なのか?
境界線の消えた,平坦な,流動化する世界の秩序の中で,次の文明圏がインフラを整備し,失業者や難民となった多くの人々に,安全に移動できる「平和の回廊」を築くまで,文明の暗渠に落ちた少女の悲鳴は多くのスキャンダルの1つでしかありません.
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