(前半から続く)
l インド中産階級の怒り
Project Syndicate 11 January 2013
India’s
Outrage
Jaswant Singh
インドに蓄積された不満が爆発した.汚職や犯罪を減らすこともできないガバナンスに対して,国民は不信感を高めている.
何の説明もないまま,7日が経って,新首相はようやく強姦事件について発言した.しかし,その内容はありきたりなものだ.謙虚な彼は,これで良かったか,と周囲に尋ねたそうだ.・・・だめだ.マキャヴェリが述べたように,政治指導者は侮蔑されるより,恐れられる方が良い.
インドにとって,これがタハリール広場になるかどうか,まだわからない.しかし,外部の試練も続発している.カシミールでパキスタン軍と衝突し,死者が出た.北東アジアでは,中国,日本,韓国,北朝鮮が競い合っている.NATO軍はアフガニスタンから撤退する.インドの西では,イラン,エジプト,など,中東地域の危機が続いている.
さらに,インド経済は依然のような成長力を失いつつある.国民の怒りはインド政府の覚醒を促すか?
WSJ January 13, 2013
The
Great Indian Middle-Class Awakening
By ROHIT PRADHAN
BLOOMBERG Jan 13, 2013
India’s
Empty Democracy Can’t Protect Its People
By Pankaj Mishra
Project Syndicate 15 January 2013
The
Global Indian
Shashi Tharoor
WP January 17, 2013
India
awakens to its grass-roots power
By Fred Hiatt
WP January 18, 2013
The
Indian Spring
By Fareed Zakaria
反汚職のNGO代表であるArvind Kejriwalは,「インド人は最高だ」・・・「しかし,彼らのガバナンスは最悪だ.その政治も最悪だ」と述べた.抗議運動と国民の憤慨は,インドの経済発展を示している.
過去においても,さまざまな政治運動が起きた.宗教的ナショナリズム,カーストの身分,優遇策,など.しかし,最近の運動は異なる.彼らは政府に基本的な仕事を求めている.女性たちは特別な支出を求めるのではなく,法と裁判によって,強姦罪を訴えるように求めている.
インドの最近の重大な傾向として,中産階級が増大し,政治的な発言を始めたのだ.抗議運動は都市と農村から起きている.かつて都市の住民は政治に無関心であった.政治家たちは農村の利益を約束し,争っていたからだ.都市の中産階級は,治安や学校など,自分たちの問題を民間で解決していた.
この20年間で,成長の結果,中産階級が2億5000万人以上に増えた.都市の人口が国民の35%に達する.彼らが求めるガバナンスgood governanceこそが,政治の中心問題になっている.
政治家たちは古いシステムに固執するが,変化は三つの力でやってくる.民主主義,資本主義,技術革新だ.市場改革が富をもたらし,政治エリートへの依存から抜け出して,経済の自律性を高める.資本主義はカーストや女性に関わらない.開放的で自由奔放な民主主義と,新興市場の成長が合わさって,インドに情報革命の爆発をもたらした.数十の言語で,300チャンネルを超えるテレビ番組が放送され,国民の4分の3が携帯電話を持つ.それは政治的変化を促す.
インド版の「アラブの春」が進行している.人々がシステムに要求する.中国では,習近平が改革派であるかどうか,を問題にする.インドでは,国民が改革を支持するかどうか,が問題だ.インドのように巨大で,開放的な,騒々しい民主主義では,それが変革の唯一の道だ.アメリカもそうである.
l アフガニスタン
YaleGlobal, 11 January 2013
Two
Diverging Roads for Afghanistan
Thomas Barfield
WP January 17, 2013
Afghanistan’s
improving ways
By David Ignatius
l ソマリア
FP January 11, 2013
"Good
enough" global governance, Pirates 0
Posted By Daniel W. Drezner
FP JANUARY 11, 2013
Sorry,
but Africa's Rise Is Real
BY CHARLES ROBERTSON, MICHAEL MORAN
l オバマⅡの外交政策
NYT January 12, 2013
The
Obama Synthesis
By ROSS DOUTHAT
ヘーゲルChuck HagelとブレナンJohn Brennanの指名は,オバマが2期目の外交政策を,ジョージ・W・ブッシュの外交,特に反テロ政策を支えた2人の総合によって推進することを示している.ヘーゲルは,共和党員でありながら,イラク戦争に反対する立場に代わった人物であり,ブレナンは,外国における容疑者への尋問,という論議を呼んだ方法を指導した人物だ.
オバマは,ブッシュのような中東民主化のような目標を掲げず,革命的な見解が求める軍事的関与を拒んだ.ヘーゲルは国防予算を削減するだろう.またブレナンの指名は,オバマがブッシュ政権の反テロ政策を継承し,拷問は否定しても,殺害目標を公表しないドローンによる攻撃を続けることを示している.
こうして2期目の「オバマ・ドクトリン」が定義される.地上部隊は減らすが,空からのドローン攻撃は続ける.暗殺は認めるが,国家再建(体制転換)は認めない.グローバルな帝国の目標を持たない,帝王的な大統領だ.
このドクトリンは,戦争に疲れたが,9・11の記憶を失わないアメリカ国民に支持されるものだ.リアリスト的な外交政策は,政治的な勝利でもある.民主党の反戦論者を中立化し,共和党の軍事的タカ派を孤立させる.
しかし,予期しない形で危機はこれからも起きる.オバマの国家戦略はブッシュの大失敗から後の修正に成功した.重大な選択の及ぼす波紋は,今も広がっている.イラク撤退,アフガニスタン増派と撤退,リビア介入とシリア不介入.政策選択が成功したとは決して断言できない.
外交において,いかなるイデオロギーも成功を保証せず,すべてはバランスの中での行動である.コストのともなわない有効な行動もない.新しい政策の結果を,常に精査し続けることだ.
guardian.co.uk, Sunday 13 January 2013
Obama's
new team shows the Iraq lessons are forgotten
Gary Younge
FT January 13, 2013
No
peacocks, jerks or whiners in Obama 2.0
By Edward Luce
WP January 14, 2013
America
is not in decline or retreat
By E.J. Dionne Jr.
FP JANUARY 14, 2013
The
Bidenization of America
BY DAVID ROTHKOPF
l ハッカーの描く世界秩序
guardian.co.uk, Saturday 12 January 2013
The
inspiring heroism of Aaron Swartz
Glenn Greenwald
NYT January 13, 2013
What
is a ‘Hacktivist’?
By PETER LUDLOW
FT January 16, 2013
Aaron
Swartz’s illusion over research
By John Gapper
l マリへの軍事介入
BLOOMBERG Jan 13, 2013
Arab
Spring Needs a Mini-Marshall Plan
FT January 14, 2013
Towards
Timbuktu
NYT January 14, 2013
Why
We Must Help Save Mali
By VICKI HUDDLESTON
マリの民主政権が,犯罪者,テロリスト,イスラム過激派のネットワークによって破壊されるのを阻止するため,フランスが空爆しなければならなかった.それをしなければ,内陸の貧しい国が,ジハード主義者たちに占拠されるだろう.
アメリカは各地で軍事行動に関与しており,リビアにも協力した.これ以上,アフリカ北部まで部隊を派遣できない.フランスが負担するべきだ.マリの軍隊は砂漠の暴力的な過激派たちを恐れている.ナイジェリアが部隊を送るのでは役に立たない.アルジェリアだけが,この地域で,有効な軍隊を持っている.アルジェリアの協力が必要だ.彼らならテロ集団と交渉できるだろう.
guardian.co.uk, Tuesday 15 January 2013
Mali's
crisis caused by development failures, not military aid
Heather Hurlburt
FT January 16, 2013
France
had to intervene in Mali
By Gérard Errera
マリの部隊には能力が無く,アフリカ諸国の動きは遅かった.テロ集団がマリの首都に向かう速さが,フランスに単独介入を迫った.
行動しないことは選択肢になかった.首都バマコを制圧され,マリがアフガニスタンのようなテロリストの拠点になるのを許すことはできないからだ.北アフリカはヨーロッパの対岸であり,地中海の縁に直接の脅威が広がる.
この軍事行動は,6000人のフランス人を守るものであり,ロシアや中国を含めて,国連安保理やアフリカ諸国からの支持を得ている.アフリカのフランス語圏を守る新植民地主義だ,という批判は意味が無い.
ヨーロッパ市民が事態の深刻さを理解するなら,アメリカ人に火星の軍事介入は任せて,自分たちは金星で芸術を語る,という主張に終わらないはずだ.ヨーロッパの重大な利益を守るのは,必要なら軍事力を使っても,自分たちでしなければならない.
Project Syndicate 16 January 2013
Hollande
in Mali
Dominique Moisi
FT January 17, 2013
Mali
could become France’s Afghanistan
Mark Malloch-Brown
FP JANUARY 17, 2013
A
More Sacred Union
BY ROBERT ZARETSKY
l 世界貿易の自由
FT January 13, 2013
Too
much legitimacy can hurt global trade
By Arvind Subramanian
IMFや世銀と違って,WTOの正統性が低下しているのは,民主主義が過剰に制度を制約しているからだ.WTOの小さな加盟諸国が,事実上,拒否権を行使できるために,主要な貿易国はWTOの外で二国間や地域通商協定を結び始めた.その最大の責任はアメリカにある.
主要国が互いに条約を結ばなかったから,貿易自由化は一方的な自由化や地域協定で実現してきた.しかし,アメリカが進めるTPPに日本も参加し,アメリカが大西洋自由貿易圏も目指すのであれば,WTOの支持した世界的な自由化は終わるだろう.
VOX 15 January 2013
Trade
liberalisation and embedded institutional reform: Evidence from Chinese
exporters
Amit Khandelwal, Peter K. Schott , Shang-Jin Wei
自由化による輸出は,制度や政治による国内の非効率さから資源を解放することに大きな有利さを示す.
FT January 16, 2013
Trade’s
added value
l アジアの海の秩序
Global Times | 2013-1-13
Sea
disputes bring unprecedented challenges
By Zheng Yongnian
YaleGlobal, 14 January 2013
In
Disputes Over Asian Seas, Winner May Take Zilch
Robert A. Manning
Global Times | 2013-1-16
US
won’t let Japan go its own way
Global Times | 2013-1-17
Time
for Abe to leave hard-line diplomacy path
By Liu Gang
Global Times | 2013-1-18
Reaching
out to sympathetic Japanese
guardian.co.uk, Monday 14 January 2013
To
understand the deepening mess we are in now, it's worth looking to the words of
a Polish economist in 1944
Aditya Chakrabortty
FT January 14, 2013
Netanyahu:
tactical genius, strategic idiot
By Gideon Rachman
Project Syndicate 14 January 2013
Ethics
and Agriculture
Peter Singer
l 雇用への圧力
WSJ January 14, 2013
The
Debt Ceiling Is Scarier Than the Fiscal Cliff
By ALAN S. BLINDER
Project Syndicate 15 January 2013
Technology
and the Employment Challenge
Michael Spence
新技術,グローバリゼーション,雇用の地理的再配分,・・・グローバル・サプライ・チェーンは,ますます競合する経済活動の間で,人的資源や他の生産資源を再配置する.その結果は,グローバル・サプライ・チェーンの「原子化」である.それぞれの生産活動は近接性や地域性を剥奪され,世界のどことでもつながるが,誰とも緊密な関係を維持しない.
そのもっとも重要な要素は,投資,である.個人,制度,教育システム,先進諸国の政府にとって,広範な基礎に立つ,高度かつ効率的な,教育や技量への投資が重要だ.競争的であるには,人的資本だけでなく,インフラ,税制,規制,政策のもたらす不確実さ,エネルギー,医療コスト,といった要素にも関係する.
FT January 16, 2013
A
proposal for UK pensioner bonds
DeAnne Julius
FT January 17, 2013
A
funny way of firing up the locomotive
By Samuel Brittan
l 金の引き出し
FT January 16, 2013
The
meaning of Germany’s gold decision
Mohamed El-Erian
l ベルギー分裂
WSJ January 16, 2013
Belgium
at the Brink
By MARTIN BUXANT
l アメリカの銃規制問題
guardian.co.uk, Wednesday 16 January 2013
Obama's
show of leadership on gun control was show – but very necessary
Gary Younge
アメリカ大統領は,銃規制の問題で,断固とした姿勢で論争に介入した.オバマは,犠牲者とその家族のために祈るだけでなく,事件の再発を防ぐために,議会と国民に行動を求めた.
「アメリカ国民が望まないなら,このようなことは二度と起きない.両親と先生,警察官,牧師が,もう十分だ,これで終わりにする,と言うべきだ.猟師,スポーツマンも,賢明な銃保有者も,すべての職業の人が,もう十分だ,終わりにしよう,と言うべきだ.我々は余りにも多く苦しんできたし,子どもたちのことを心配した.変化は起きる.」
議会が行き詰まった国で,大統領は道徳的な大義のため,市民が強く望む関与を呼び掛けた.議会は攻撃的な武器,大容量の弾奏を禁止するべきだ.銃器の販売や購入者のチェックを全国で行えるようにするべきだ.密売や精神病への対策,学校の警護を厳格にするべきだ,と.
この20年間,進歩派は規制法案が議会を通過しないことが分かっていたため,この問題を避けてしまった.しかしその結果,逆に,NRA(the National Rifle Association)とその支援する政治家たちによって,銃器の保有権は拡大されたのだ.
政治は可能なものをあつかう技術である.それは必要なものと同じではない.本当の指導力とは,新しい可能性を見出し,必要な変化をもたらす,勇気と洞察力である.オバマがそれを示した.国民は彼にどこまで従うだろうか.
FT January 16, 2013
Ending
the culture of US gun violence
NYT January 16, 2013
Lessons
From Guns and a Goose
By NICHOLAS D. KRISTOF
アメリカの話をすると,アメリカ人の命はそれほど安いのか,と言われる.
私は,オレゴン州のYamhillにある牧場で,銃を愛する風土に育った.12歳の誕生日に,父がライフルを買ってくれた.農場にはライフルが必要だ.子羊を狙うコヨーテを追い払う.実際,銃を撃つのは楽しい.しかし,銃があれば安全とは限らない.
ガチョウを飼う隣人がいた.ガチョウはどこにでも入り込み,他人の牧場で羊の水飲み場に飛び込んだ.羊の飼い主はこうしたことに不満を高め,ついにガチョウに銃を向けた.それは脅すためであっただろうが,これを観た隣人はガチョウを守るために銃を取った.彼らは銃を持って対峙したのだ.
羊の飼い主の妻が冷静に説得して,二人は銃を下した.ガチョウは救われたが,隣人たちも生き延びた.
アメリカにおける銃の保有は,身を守ることを超えて,対立を殺し合いにする.食器を投げ合う恋人たちが,最後には銃を取る.脅しであっても,間違いが起きる.銃による死亡は,侵入者による殺害より,12倍も多い.銃を保有する過程では,自殺率が3倍も高い.
交通事故による犠牲者を減らすために,公共政策として,いわば「カー・コントロール」を行った.免許書,エアバッグ,シートベルト,自動車の登録,など.次第に交通事故による死亡件数は減った.「銃規制」も同じである.銃による殺害や自殺は消滅しないが,真剣な規制はそれを減らす.
アメリカ人がそれほど命を安いものと思わないなら,できるはずだ.
YaleGlobal, 16 January 2013
Conservative
Causes Go Global
Clifford Bob
グローバルな市民社会とは何か? それは左派だけの理想ではなくなった.右派も左派も,グローバルに連携する要求で政治空間を築き始めた.
NYT JANUARY 16, 2013
Now
What, Liberalism?
By THOMAS B. EDSALL
l 高等教育の革新
NYT January 16, 2013
Next
Made-in-China Boom: College Graduates
By KEITH BRADSHER
FT January 17, 2013
Education:
From blackboard to keyboard
By Andrew Edgecliffe-Johnson and Chris Cook
大学は保守的だ.古代から存在する.しかし大学教育も,黒板ではなくインターネットを介して,世界に向けて開かれていく.そのビジネスモデルは.まだ模索中だ.高等教育にも,“the Napster moment”が訪れた.問題は,学生たちではなく,教授陣だ.
FP JANUARY 16, 2013
What
I Learned from Gérard Depardieu
BY CHRISTIAN CARYL
l 朝鮮半島
BLOOMBERG Jan 17, 2013
Grandchildren
Run South Korea’s Economy
By William Pesek
WSJ January 17, 2013
A
New Focus on North Korean Human Rights
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The Economist December 21st 2012
(時間切れのため,次週に回します.)
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IPEの想像力 1/21/13
アベノミクスに関するNHK「日曜討論」を観ました.
浜田宏一,野口悠紀雄,岡村正日本商工会議所会頭(元東芝会長),甘利明大臣が出席していました.浜田氏は安倍首相の相談役(内閣官房参与)であり,野口氏は日銀の主張を支持しています.岡村氏は産業界の意向を代表し,甘利氏は安倍政権の経済再生担当大臣,という適切かつ興味深い人選であったと思います.
浜田氏は,デフレを放置してきた日本銀行の姿勢(金融緩和が不十分,引き締めに傾く)を批判しました.大恐慌や日本のバブルに関して,バーナンキ連銀議長が主張したことを挙げたと思います.これに対して野口氏は,過去のデータが日銀の金融緩和には効果が無かったことを示している,と主張しました.日銀が資金供給しても,民間銀行は融資できなかった,企業の側で借入需要が無い,というのです.
浜田氏が,これについて野口氏に反駁したのは,日銀が広範な金融資産を買い入れるべきだ,という点でした.中小企業が融資を得られないのは,担保が無いからである.日銀が土地や株式も含めて,欧米が今やっているような,金融緩和を行えば,担保の価値も増大し,融資が増えるはずだ,ということです.
安倍政権の財政刺激策については,両者が一致して,新しい産業を生み出せなければ効果は持続しない,と考えます.(そして民間企業が投資する結果は,厳しい市場競争にさらして判断するしかない,という意味であったと思います.)
また浜田氏は,円安にすることは金融緩和の正しい過程であり,IMFのラガルド専務理事が「通貨戦争」と非難したことは間違っている,と主張しました.(マンデルが主張したように,資本移動のある変動レート制下では,金融緩和で円安が進むからこそ,円高になる財政刺激策よりも,効果がある.)
野口氏は,政府が日銀に国債を買い取らせるような事態が起きないように,日銀の独立性は重要だ,と主張します.特に,日本の国債残高は債券市場で極端な反応を引き起こしかねない,と日銀を攻撃する政府に警告していたと思います.浜田氏も,将来,どのような政府が現れて日銀に間違った政策を強制しないとも限らないから,金融政策手段の決定は政府から独立しているべきだ,と同意しました.しかし,インフレ目標は政府が決めるべきだ,と区別します.
甘利大臣は,日銀法の改正ではなく,政府と日銀との合意文書にする,と説明しました.しかし,民主党政権が中長期のインフレ目標を合意したことを批判し,長期ではだめだ,と主張します.岡村会頭は,政府と日銀が協力して(デフレと円高を解消して)ほしい,と望みました.
経済再生を政府からの補助金に頼るような発想は間違いだ,と浜田氏は自民党の姿勢を批判し(野口氏を支持し)ました.甘利大臣は,公共投資が被災地の復興や防災のためのインフラ整備など,効果的なものに絞っている,と説明しました.
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Peter Tasker,Paul Krugman,Adam Posen,Martin Feldsteinの論説を見てください.とても面白いはずです.
私は,金融緩和で円安をもたらし,デフレを解消することに賛成です.政府による日銀批判には反対です.被災地の復興支援やインフラ整備には賛成です.特に,新規の民間投資や技術革新に結びつくものであれば.しかし,財政赤字には限界があるでしょう.債券市場の転換がいつ起きても不思議ではない,と思います.消費税の引き上げや,公務員の削減など,政府が模索するのは重要です.それは緊縮策としてではなく,ガバナンスを改善し,活発な民間投資と雇用を増やす,と思うからです.円安による「通貨戦争」を避けることも重要です.
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Reviewの2つの話に注目しました.銃を向け合った隣人の話と,ヨーロッパではなく,アメリカとの統合を目指すイギリスの話です.前者は,日本と中国との関係,後者は,日本とアメリカとの関係,を示しているように感じるでしょう.
宇宙人の修学旅行生が京都に来たら,今の日本を少しは楽しむかもしれません.なるほど,こうして地球の秩序も変わるのかな? と思って.
http://www1.doshisha.ac.jp/~yonozuka/ipe_notes_2010/020110note.htm
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