IPEの果樹園2012
今週のReview
10/1-6
*****************************
デモとプロパガンダ ・・・権力の腐敗 ・・・中東からの撤退 ・・・ヨーロッパ合衆国 ・・・共和党候補の破綻 ・・・インドの成長政治 ・・・日中関係の悪化 ・・・世界経済の均衡回復 ・・・モンゴルの資源 ・・・韓国の不安 ・・・ガスプロムとプーチンの失脚
[長いReview]
******************************
主要な出典 Bloomberg, China Daily, FP:
Foreign Policy, FT: Financial Times, Global Times (China), The Guardian,
NYT: New York Times, Project Syndicate, SPIEGEL, VOX: VoxEU.org, WP: Washington
Post, WSJ: Wall Street Journal Asia, Yale Global そして、The Economist (London)
l デモとプロパガンダ
FP
SEPTEMBER 21, 2012
China's
Brainwashed Youth
BY QI GE
このデモは政府が用意したものだ.参加した若者たちは政府による洗脳を受け続けてきた.退屈なスローガンでも,街頭で日本人を攻撃することを楽しんだ.デモに参加した若者たちは,日本政府が釣魚島を買収したおかげで,ネットに許された情報交換の場を利用し,街頭に集まることができた.抗日戦争の映画に出てくる,愚かで,攻撃的で,残忍な日本人は,絶滅するべきゴキブリだ,と信じている.
彼らの多くが,いつもはおとなしく,低賃金で物価の高い都市生活に苦しんでいる.住宅を買えず,家族を持てず,子供を育てることも両親の面倒を見ることもできない.誰も彼らに注目したりしない.しかし今や,この踏み潰された操り人形たちは政治舞台の中央に躍り出た.
党のスローガン,「合理的な愛国主義」は,かつてのようなプロパガンダを改良した呼びかけだ.共産党とその宣伝部の間で,「合理的」という言葉が流行しているから.奇妙なことに,優れた知識人のブログにまで,合理的愛国主義のスローガンが載っている.彼らは,小学校の道徳の時間に,まじめに聞いたのだ.
NYT September
22, 2012
Free
Speech in the Age of YouTube
By SOMINI SENGUPTA
企業は,株主だけに説明すればよいのか? YouTube上にあふれる扇情的な反イスラムのビデオの増加が論争を刺激している.YouTubeの親会社であるGoogleは,アメリカ大使とスタッフが殺害された後,エジプトトリビアにおいてビデオへのアクセスを制限した.
国によってはYouTubeを完全に遮断している.それでも流血は止まらないが.パキスタンでは選挙を控えており,金曜日の暴動は19人の死者を出した.
YouTubeは社内での編集を認めている.しかし,その方針について十分な説明はない.Google, Facebook and Twitterには,毎週,その中身についての苦情が殺到している.「最強の民間による表現統制の実態について,精査し,監視し,国民の関心を向ける必要があることに,われわれは気付きつつある」と,コロンビア大学教授でオバマ政権の顧問(consumer protection regulations online)でもあったTim Wuは語った.
各地域の専門家や,世界中から,まじめなYouTube利用者を集めて,難しい意思決定に関する監督委員会を設置してはどうか? Googleはその提案に答えていない.
これは非常に困難な作業だ.さまざまな諸国に及ぶ,異なる法律と規範を考慮して,数十億のビデオを分析することなどできるだろうか? The Global
Network Initiativeでは専門家たちが自発的なガイドラインを模索しており,the Anti-Defamation Leagueは“hate speech”の定義や,それに対する処置を検討している.
「ユーザーから集めたビデオを管理する以上,利用者には内容に関する明確なコミュニティー基準が存在しており,その一部を取り除くことはそれらを破壊することになる」と,Googleは慎重な対応の理由を述べている.
言論が虐殺をもたらしたルワンダや,ホロコーストをもたらした人種差別や特定集団への攻撃を忘れてはいけない.世界の一部で作られたビデオが,世界の他の部分では殺人を引き起こす,という現実がある.
「表現の自由」は他の価値,たとえば「公衆の安全」を損なうケースがある.その境界を決めるのは難しい.しかし,もっと詳しい説明がなされなければ,法廷ではなく民間企業が「表現の自由」を定義する権力を得てしまう.
WSJ
September 24, 2012
How
to Win an Ideological War
By YURI YARIM-AGAEV
1938年11月9日,ドイツで多数の兵士が行った,「水晶の夜」というユダヤ人への迫害,ポグロムがあった.ナチスの宣伝相であったゲッベルスは,これをユダヤ人青年によるドイツ外交官殺害に対して自然発生的に起きたもの,と説明した.それは後のホロコーストにつながる.
これほどの規模の迫害を「自然発生的」とするのは難しく,実際,準備や組織化が行われていた.この場合,特に重要なことは,敵のプロパガンダを少しでも認めると,その姿勢は弱みとなって,一層の攻撃を招く,ということだ.
オバマ政権とクリントン国務長官はそれを理解していない.彼らは攻撃者たちを責めずに,一本のビデオ制作者を責めたのだ.
9月11日の出来事は「自然発生的」なものではありえない.ビデオはYouTube上で,長い間,注目されることもないまま,観ることができた.暴動の2日前に,サラフィ・エジプト・テレビがアラビア語で取り上げた.他の保守的なイスラム衛星チャンネルで,人気の高い数人の説教師がエジプトのアメリカ大使館前に集まるよう呼びかけた.
それでもアメリカ政府は,信仰の自由を認め,事実上,アメリカには検閲が無いことについて詫びた.「アメリカ政府はこのビデオの作成に何も関わっていない」というクリントン国務長官の主張は,イスラム派のプロパガンダを理解していない.それはアメリカに責任があることを疑わせただけだ.アメリカの指導者たちは,アメリカ社会の基本的な原理に従おうとしている.
しかし,狂信的な敵との戦争では,何よりもイデオロギー戦争であることを忘れてはならない.それは,宥和や妥協が成立しないことを意味する.ナチズムやソ連と戦った経験から,われわれの「水晶の夜」に立ち向かうべきである.
WP
September 28, 2012
Depriving
a generation of education
By Gordon Brown
歴史家たちは,将来,2010年から2011年のアラブ革命を,全地球で政治・経済・社会の権利を高めた変化として振り返るだろう.今,西側に反発するデモは危険な状態にある.しかし,人々はアメリカやヨーロッパをそれほど敵視していないし,過激な原理主義者たちを支持するわけでもない.彼らは希望を持てないのだ.
新しい機会が開かれるという楽観の高まりが蜂起を生んだが,その挫折や絶望の中で怒りと抗議に変わった.ILOによれば,15歳から24歳の7500万人が2011年に失業者として政府によって数えられている.若者の大多数が失業している国もある.若者たちは以前にもまして世界の出来事について知っているが,通りの隅でなすこともないまま待っている.そして,彼らの宿命に不正義を感じているのだ.
グローバルな所得分配の不平等は,その80%が,子供の両親と生まれた土地によって決定される.暴力が広がるのを抑えるには,過激派による若者の勧誘を抑え,群衆の不満を緩和する穏健な指導者を支援することだが,根本的な機会の不平等がある限り,不満は増大する.それは若者たちが反米主義だからではない.彼らの希望が捨てられたからだ.
「難民となったばかりの南スーダンの母親たちは,私に訴えた.子供達には食べ者が,避難場所が,生活の安全が要る.しかし,母親たちが最も望んだものは,教育であった.」
そのために,われわれは偏見,差別,搾取と戦わねばならない.1000万人の少女たちが花嫁として学校をやめていく,文化と戦わねばならない.12歳以下で,学校に行ったことが無い1500万人の子供たちを,強制労働から解放する法律が必要だ.強盗や売春のために子供たちを集める武装集団を一掃し,紛争地域に暮らす2500万人の子供たちに希望を与えるべきだ.
これは,財源ではなく,政治的な意志の問題だ.裕福な諸国から貧しい諸国の子供たちを支援するのは,世界的な投資である.
l 権力の腐敗
NYT September
22, 2012
Hard
Lines, Red Lines and Green Lines
By THOMAS L. FRIEDMAN
権力を腐敗させるのは,権力そのものではなく,それを失うことへの恐怖心である,とスーチー女史はかつて述べた.彼女は国のために生涯の20年間を犠牲にした.アメリカの政治家は,一つのニュースが消えるまでの間も我慢できない.
WP
September 23, 2012
What
Aung San Suu Kyi could teach President Obama and Mitt Romney
l 中東からの撤退
FP
SEPTEMBER 21, 2012
Keep
Calm and Carry On
BY JAMES TRAUB
NYT September
23, 2012
America’s
Inevitable Retreat From the Middle East
By PANKAJ MISHRA
リビアにおけるアメリカ人4人の殺害は,1979年のテヘランにおけるアメリカ大使館占拠事件を思い出させたかもしれない.しかし,過激なイスラム教徒に注目して,中東やアフガニスタンの現状と類似したケースを見失ってはならない.それは,1975年,北ベトナムの戦車が迫る中,サイゴンのアメリカ大使館屋上で旋回していたヘリコプターだ.
それは,現在の中東と同じように,機能しなくなったヨーロッパの帝国に代わって,アメリカがインドシナに長く関与し,多大のコストを支払った末の,あわただしい脱出であった.
東南アジアには資源もないし,イスラエルもない.しかしアメリカは,世界的な規模で対立する共産主義陣営との前線として,地域の独裁者や武装集団を自分たちの戦略に利用しようとした.
アメリカは,今,イラクやアフガニスタンで失敗しているが,ナチズムや共産主義のイデオロギーに惑わされて,20世紀の真実を見失った.それは,西側の政治支配に何十年も従った人々が,着実に,しばしば暴力的に,政治的な覚醒をとげる,ということだ.アメリカはアジアでも,帝国の平和的な解体に失敗した.
1919年,Ho Chi Minhは,リベラルな国際主義者のウッドロー・ウィルソンに会った.フランスによる支配を終わらせてもらうように,正装して,アメリカ独立宣言を引用した.第二次世界大戦後には,もう一人のアメリカ大統領,ハリー・S・トルーマンにもあった.しかし,明確な支持を得られなかった.Ho Chi Minhは,戦時中,アメリカの諜報員として協力していたが,その後,共産主義者となって戦った.
ウィルソンも,フランクリン・D・ルーズベルトも,西側文明の支配を続けることを望んだ.戦後のアメリカ経済にとって必要な石油資源がサウジアラビアにある,と聞いて,アメリカはアラブ民衆の期待を裏切り,独裁者とその民衆弾圧を支援してきた.アラブの春で民衆を支持したことで,民衆がアメリカの過ちを忘れたと思うのは,愚かなことだ.
共和党員たちはオバマ政権にテディ・ルーズベルト時代の棍棒外交を展開するよう要請する.リベラルの国際主義者はアメリカの関与を強めるべきだと主張する.どちらも金融危機後のアメリカの財政基盤を過大評価している.
西側の時代は終わった.世界を動かすのは新興諸国や覚醒した人民である.アメリカの撤退は避けられない.それは再び,ヨーロッパのような,長い時間をかけた暴力的なものになるのか?
SPIEGEL
ONLINE 09/24/2012
'Innocence
of Muslims'
Governments
and Islamists Exploit Film Protests
BLOOMBERG
Sep 24, 2012
‘Muslim Rage’ Has Little To Do With Dumb Video
By Jeffrey Goldberg
FT September
27, 2012
US
must not hide from the Middle East
By Philip Stephens
l ヨーロッパ合衆国
VOX,
22 September 2012
Misdiagnosing
the Eurozone crisis: Perspectives from Asia
Pradumna B. Rana
ユーロ危機について,1997-98年のアジア金融危機から言える教訓は,危機の兆候や引き金と,その原因とを混同してはならない,ということだ.
アジアの危機はラテンアメリカと違って,政府債務や経常収支赤字が原因ではなかった.その原因は,急激な金融自由化で,外国からの借り入れを増やした国内銀行部門の弱さにあったのだ.それゆえ解決策は,経済に流動性を供給することだった.それにもかかわらずIMFは,全く逆の間違った政策を強制した.その結果,アジア経済は深刻な不況に陥った.
ユーロ圏EZの各国は様々な危機を示している.しかし,危機の根本原因は,通貨同盟としてのユーロ圏の設計にミスがあったのだ.1999年に誕生したユーロ圏は,ECBによる単一の金融政策を実現したが,財政的な統合も,構造政策の協調も,欠いていた.ヴェルナー・プランでも,ドロール報告でも,その必要が示されていた.
しかし,収斂基準を満たすという条件だけで,制度を欠いたまま,ユーロ圏は始まった.金純は問題を解決することと関係なかった.これらの諸国は経済条件が多様で,ロバート・マンデルが最適通貨圏で示したような緊密な統合を欠いていた.
こうした欠陥は,今や認識されて,改善されてきた.政府債券市場に最後の貸し手が無かったが,EUの条約は「政府救済の禁止」を含んでいたため,ECBではなく,EFSFが創設された.さらに,その資金が枯渇するとき,ESMがドイツでも認められた.一層劇的な形で,7月にはECBが政府債券の購入を宣言した.
危機の防止では,新しい財政協定が結ばれ,違反した国は欧州司法裁判所で基準を守るように強制される.また,銀行の救済や監視をユーロ圏で統一し,預金保険も統一することになるだろう.
それでも,こうした改革は完全な財政統合に達していない.それが共通の政治的権威,高度の労働移動を含む,より深い統合,「ヨーロッパ合衆国」のような政治統一にまで至るかどうかは,まだわからない.
FT September
24, 2012
Eurozone
should fix its banks US way
By Philipp Hildebrand and Lee Sachs
ユーロ危機を解決するには,ECBが政府債券を無制限に購入するだけでなく,ヨーロッパの銀行システムがビジネスと家計に信用を供与しなければならない.そのために銀行は,十分な自己資本と流動性を持たなければならない.政府がそれを強制し,銀行を整理することも必要だ.
NYT September
24, 2012
Spain
Recoils as Its Hungry Forage Trash Bins for a Next Meal
By SUZANNE DALEY
マドリードの労働者街で,彼女は,果物や野菜のくずを集めていた.33歳という.郵便局に勤めていたが解雇され,失業手当も切れた.友人たちと建物に住み,今のところ電気と水道は供給されている.しかし,次の食事を得るために,店が閉まった夜の街で,ごみ箱に捨てられたものから食べられる物を集めてまわる.お金が無ければ,こうするしかない,という.
最近,マドリードでは,スーパーマーケットが閉まるのを待って,小さな群衆が現れる.歩道の縁に出されたばかりのゴミ箱に飛びつくのだ.数分後,トラックが運び去るまでに,何かを得られる者は少ない.
VOX,
24 September 2012
The
case for euro deposit insurance
Daniel Gros, Dirk Schoenmaker
今,進んでいるような,銀行の監督が最初に実現し,銀行整理や預金保険の制度化が遅れるというのは,銀行同盟を不安定化するだろう.これらはパッケージとして合意されねばならない.
guardian.co.uk,
Tuesday 25 September 2012
The
Spanish public won't accept a financial coup d'etat
Katharine Ainger
FT September
25, 2012
Why
exit is an option for Germany
By Martin Wolf
ドイツにもユーロ圏を離脱する選択肢はある.ただし,その選択を正しく理解しなければならない.Paul de Grauweらの主張は間違いだ.
ドイツはユーロ圏内の諸国に大幅な黒字を持っている.それでもユーロ圏の離脱は問題ない,という.1.ドイツは,ユーロ圏内だけでなく,その他の世界に対して経常黒字を出している.ドイツは確かに対外債権を累積し,金融リスクを抱えている.それは経常黒字の問題ではなく,資本移動がもたらすリスクだ.2.ドイツの納税者が大きな損失を被ることはない.ドイツ連銀の債務(通貨発行)は資産の価値に依存しない.また,貨幣の価値は購買力で決まる.ドイツがユーロ圏を離脱したときの危険は,非居住者が新通貨への交換を求めて通貨量を膨張させることだ.その損失は,新通貨の価値が下落する国の居住者に負わされる.
ドイツは重商主義的な政策の結果,巨額の経常黒字をため込み,それが無駄になることを恐れている.赤字国に対して永久に融資する財政移転同盟を嫌う.ユーロ圏を離脱しても,各国の新通貨の価値が下落し,競争力を失う.それは,再び,賃金抑制の重商主義を採ることになる.
危険はユーロ圏内の黒字累積にあるのではなく,黒字がありながら賃金を抑え,成長を抑えたことにある.それは今,インフレや成長として是正されるしかないが,ドイツ人は非常に嫌っている.
BLOOMBERG
Sep 25, 2012
Fighting
Recession the Icelandic Way
アイスランドが金融危機から回復したことは,金融機関を救済し続けるアメリカやヨーロッパとは異なる,優れたケースである,とIMFも認めている.その特徴は,債務者を保護して消費を回復させたことだ.住宅価格が債務額よりも下落した債務者には,不動産価値の110%を超える債務を免除した.利払いも支援し,低所得で子供のいる家庭などへは十分な補助を行った.
最高裁は,外貨建ての債務を法的に無効にした.通貨クローナの価値が危機の間に80%も下落したため,支払いができなくなったのを認めたのだ.債務はクローナ建として返済された.
政府は支出を減らし,債務を減らすために富裕層に増税した.銀行業はGDPの9倍に匹敵する規模があり,大き過ぎて潰せないために,国有化し, 850億ドルの債務が政治に残された.それは主にイギリスとオランダの預金者であったが,海外への返済は延期され,免除された(裁判になっている).そして大幅に縮小した規模で銀行を再開した.
危機の原因となった個人投資家たちは告発されたが,その多くが国外に逃れた.
SPIEGEL
ONLINE 09/26/2012
Honoring
the Father of Reunification
Former
Chancellor Kohl Urges Merkel to 'Fight for Europe'
FT September
27, 2012
A
liberal case for scepticism of the EU
By Samuel Brittan
EUは規制と禁止のネットワークを積み重ね,これに高度に抑制的なマクロ政策を組み合わせたものになった.1930年代の失敗から何も学ばず,何も忘れない,ブルボン家が支配する.
NYT September
27, 2012
Greece
Seeks Taxes From Investors in London Property
By LANDON THOMAS Jr.
Project
Syndicate 27 September 2012
Stage
Three for the Euro Crisis?
J. Bradford DeLong
銀行危機と政府債務危機が抑えられたとしても,三つ目の要素が難しい.ユーロ圏内の南北で生じた構造的格差だ.今や,南の物価や賃金,支出を動かすことは難しく,北の物価や賃金,支出を動かすべきだ,ということになる.
The
Observer, Sunday 23 September 2012
The
key pillars of our economy need reshaping, starting with finance
Will Hutton
l 共和党候補の破綻
The
Guardian, Sunday 23 September 2012
Mitt
Romney is too rational for a deluded Republican base
Gary Younge
失業率が高いままでは,オバマの支持率は下がり,再選できないと見られていた.それゆえ,共和党が勝利するために必要な候補は,独立派も,オバマの支持基盤も拒否しないような,「無色無臭」"odourless and colourless"の人物であることが重要だった.
問題は,共和党の指名争いに登場した候補者たちが,どれも全く逆のタイプだったことだ.彼らが次々に退場し,共和党の候補者の基準は下がった.同時に,共和党内で意味のあることは,党の外では全く通用しないことだった.
ロムニーの戦いの難しさは,共和党の候補にするには,口がうまく,有能で,合理的な人物過ぎた,という点にある.だから何をしても,共和党の欠陥を示し過ぎる.
The
Guardian, Monday 24 September 2012
Mitt
Romney and the myth of self-created millionaires
George Monbiot
WP
September 26, 2012
Redistributing
wealth upward
By Harold Meyerson
WP
September 27, 2012
Romney’s
tongue-tied eloquence
By Fareed Zakaria
l インドの成長政治
FT September
23, 2012
The
new Indian politics: no slowdown, no panic
By Arvind Subramanian
インド政治が,かつて5%のインフレ率と財政的なポピュリズムから,高インフレでも成長をもっぱら重視する姿勢に転換したことは重要だ.二桁のインフレ率が続いても,人々の実質所得が増大し,公共部門(固定的な給与生活者)が縮小したことで,政治問題にならなかった.ところが,成長率が下がって来て,政治家たちはパニックになっている.
これが直接投資の受け入れを拡大する政策を決めた背景だろう.また,債券格付け会社が警告している.財務大臣は意志の固い改革派に代わった.中央銀行も金融緩和による成長を選択していない.それゆえ,ポピュリズムへの回帰も懸念されるが,インドの成長重視政策は続くだろう.
FT September
24, 2012
India
is part of an upside down world
By Gideon Rachman
WSJ
September 25, 2012
India
Defends Its Backyard in the Indian Ocean
By HARSH V. PANT
YaleGlobal,
26 September 2012
India’s
Treacherous Northeast
Bertil Lintner
BLOOMBERG
Sep 23, 2012
Americans
Deserve Pre-emptive Debate on Iran Strike
By Albert R. Hunt
(後半へ続く)