今週のReview
12/26-/31
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EU・イギリスの危機 ・・・民主主義と安定した社会 ・・・イラク戦争とすべての戦争の終わり ・・・人民元国際化の矛盾 ・・・EUサミット後のEZ ・・・WW2とDPCによるアメリカ改造 ・・・チェコの英雄、ハベル死去 ・・・金正日の死:和解・戦争・崩壊・共存 ・・・中国の不動産バブル崩壊 ・・・“charter cities”
[長いReview]
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主要な出典 Bloomberg, China Daily, FP: Foreign Policy, FT: Financial Times, Global Times (China), The Guardian, LAT: Los Angeles Times, NYT: New York Times, Project Syndicate, SPIEGEL, VOX, WP: Washington Post, WSJ: Wall Street Journal Asia, Yale Global そして、The Economist (London)
l EU・イギリスの危機
BLOOMBERG Dec 14, 2011
Remade Europe Will Need Rebuilt Democratic Foundation: Yves Meny
By Yves Meny
ヨーロッパのシステムは加盟諸国とEU機構との矛盾と緊張により動けなくなっている。加盟国間でも、民衆とエリートも間でも、さらに悪いことに、ほとんどの国でこうした問題に関する対立が伝統的な政治の分割と政党の周りに集まるより、もはや分割を越えて広がっている。EU支持派と反対派、拡大派と現状への批判派。
大衆はヨーロッパのプロジェクトが嫌になっている。各国における選挙公約とEUの政策とは結びつかない。彼らの政治不信は深刻だ。彼らの政党や指導者はEUで発言権がほとんどない。誰が誰のために責任を負うのかわからないようなEU機構により、民主的な政治が損なわれている。
民主主義は、唯一、他のヨーロッパ諸国と「ともに行くか、去るか」という拒否権で示される。
このダイナミズムは単一通貨の動揺を抑える選択肢が示されるたびに顕著に求められた。政治家たちには、「ほかに選択肢がない」という説明しかなかった。それは爆発寸前だ。真に例外的な緊急事態であれば、有権者も指導者の言葉を受け入れるだろう。しかし、最近そうなっているように、この国は崩壊寸前だ、という瀬戸際政治を常態にしてしまえば、益々多くの市民が政治システム全体を拒むようになるだろう。
事態を変えるには超人的な努力を要する。ヨーロッパは政治的意思決定を迅速・効率的に行うことだ。その過程を、もっと市民に受け入れ可能なものにすることも必要だ。EUの重大な欠陥とは、その極端な硬直性、将来の政治体制についての不透明さ、利害・理想・目的に関する異質さ、が結びついていることである。
この深刻な矛盾に対して、三つの選択肢しかない。EU解体、異なるスピードで統合する多次元の政治同盟、連邦制、である。
解体を望む国は少ないだろう。しかし、イギリスの合意拒否がその始まりである。多次元の同盟は、当面の選択肢になる。それが前衛的な統合化に進む諸国を認め、他の諸国は遅れて参加する。それは将来の拡大を容易にし、EUを効率化する。より強固な、深い連邦制への転換は、各国の政治エリートにも有権者にも受け入れがたい。しかし長期的には、危機が示したのは連邦制が避けられないということだ。
ヨーロッパは飛躍するか、この巨大な構造物とともに崩れ去る。
guardian.co.uk, Friday 16 December 2011
The harsh reality is that the EU has already failed
Deborah Orr
guardian.co.uk, Sunday 18 December 2011
England's visceral Europhobia may break up the UK
David Marquand
キャメロンの拒否は、アトリー内閣がヨーロッパ石炭鉄鋼同盟を拒否してからの60年の紛争を示すだけではない。反ヨーロッパ主義は、頭脳ではなく精神性・ガッツの問題だ。
この不安はどこから来るのか? 誰のアイデンティティの問題か? それは脱大英帝国の不安というより、プーチンのロシアが示す不安だ。
ユーロ嫌いはブリティッシュではなく、イングランドのアイデンティティであり、保守党のものである。スコットランドやウェールズはそうではない。彼らのアイデンティティは大陸にも広がり、イギリスに限らない。ヨーロッパが、複数のアイデンティティを持ち、国家による主権の独占を廃止することを、彼らは自然なものと考えている。1707年以前は、スコットランドは独自のヨーロッパ国家であった。
イギリスと大陸ヨーロッパの関係を解決できなければ、イギリスはヨーロッパを去り、スコットランドとウェールズは英連邦を解体してヨーロッパに属するだろう。
guardian.co.uk, Monday 19 December 2011
Europe, prepare for a riotous 2012
Henning Meyer
危機はユーロ圏の周辺から中枢に及び、政治や財政の救援パッケージは遅く、しかも物足りない。もしこの傾向が続けば、2012年は多くの暴動が起きるだろう。
SPIEGEL ONLINE 12/19/2011
Resentments Reawaken
Britain's Mounting Distrust of Germany
By Marco Evers
l 民主主義と安定した社会
FT December 15, 2011
The highs and lows of democracy
By Philip Stephens
アラブ世界では政治的覚醒によって独裁者たちが打倒された。裕福な諸国でも選挙で決まった指導者たちが危機に凍りついた。ようこそ、新しいグローバルな無秩序のパラドックス。
世界中で民主主義は正しい成果をもたらさなかったかもしれない。しかし、明るい面を見れば、2012年はどの国の独裁者にとっても一層恐ろしい世界になるだろう、ということだ。
guardian.co.uk, Friday 16 December 2011
China's land grab is undermining grassroots democracy
Tao Ran
中国の漁村で、急速な都市化の過程で地方政府に奪われた土地をめぐり、民衆の不満が爆発している。毎年、300万から400万人の農民が農地を収用され、今では土地なし層が4000万から5000万人になった。都市化は、土地所有を認めない現在のシステムの下で、国家(地方政府・開発業者・企業)と社会(農民層)との緊張を高めている。
guardian.co.uk, Friday 16 December 2011
Western politicians are dire, but we mustn't despise government
Jeffrey Sachs
FP DECEMBER 16, 2011
The Botched Ballot
BY JAMES TRAUB
NYT December 17, 2011
Help Wanted
By THOMAS L. FRIEDMAN
フィッシュ・スープを水族館に変えるのは難しい。ヨーロッパ、中東、そしてもうすぐ、ロシアや、アジアでも、多くのフィッシュ・スープが水族館に変わるが、安定した社会に戻るのは大変難しい仕事だ。
あたかも第一次大戦や第二次大戦、そして冷戦が終わったときのように。しかし、今は戦争の終わりではない。二つのエンジンが世界を揺るがせたのだ。グローバリゼーションと情報革命。
21世紀の初めに、この二つが様々なものを「民主化」した。情報の民主化、戦闘の民主化、革新(新興企業)の民主化、など。そしてついに、期待の民主化、が起きた。あらゆる個人に、すべての職業、すべての市民権、すべての未来が開かれている。
ロシア人がプーチン首相に示した警告は、エジプト人がムバラク大統領に示した警告と同じだ。ムバラクは息子に権力を移譲しようとした。国民など恐れるに足りない、と信じていたからだ。しかし、ムバラクは追放された。今やロシア人も言うだろう。我々はお前の奴隷や家畜ではない。我々は発言できるし、投票する。お前たちを追放できる。
命令や管理による旧システムは終わった。新システムの権力は、結びつけ、協力することで、人々から生じる。あなたは市民や顧客、雇用者と、深く、双方向に結びつかねばならない。
それに失敗すればどうなるか? バンク・オブ・アメリカ、コカコーラ、ギャップ、など、多くの企業や政府がそれを示している。プーチンも、何であれ彼が望むことを国民に強いることができたけれど、今は違う。自分が権力にとどまることを国民に説明しなければならない。
パワーの源が人々に向かい、民主化されて、飴と鞭を使って成果と献身を求めたリーダーシップではなく、人々の関与、革新、希望を奮い立たせるリーダーシップに変わったのだ。プーチンよ、聞いているか?
人々は自由を実現する新しい制度を求めている。それは、さまざまな職業に就く自由、企業を始める自由、意味のある人生を送る自由だ。
エジプトはそれを示している。下からの強力な民主主義がムバラクを倒し、新しい制度、新しい社会契約を模索している。ムスリム同胞団、キリスト教リベラル、ムスリム・リベラル、軍部、超保守派のムスリム・サラフィス。彼らのすべてが連携できるような。
この挑戦において、勇敢な、特殊な、指導者を彼らは必要としている。
WP December 17, 2011
The West should bet on freedom in Egypt
By NatanSharansky
BLOOMBERG Dec 18, 2011
China’s Humbling Lessons for Russia and the West: Pankaj Mishra
By Pankaj Mishra
guardian.co.uk, Monday 19 December 2011
The 'Arab spring' and the west: seven lessons from history
Seumas Milne
FP DECEMBER 19, 2011
The Frankenstein of Tahrir Square
BY STEVEN A. COOK
FP DECEMBER 19, 2011
2011 and the reasons not to celebrate too vigorously the deaths of very bad men
Posted By David Rothkopf
FP DECEMBER 21, 2011
The End of the Chinese Dream
BY CHRISTINA LARSON
希望に燃えて北京に出てきた若者が、小さな部屋に何人も一緒に寝泊まりし、女性たちは売春で生活するのを知って、望みを失う。そんなことが中国人の日常になっている。一握りのコネがある者を除いて、労働者たちの賃金は上がらず、インフレで生活水準が悪化していくだけだ。
共産党・政府が過去30年間において熱心に広めてきた「チャイニーズ・ドリーム」はそうではなかった。
「・・・繁栄する経済は、満ち潮のように、すべての船を引き上げる。未来は過去よりも物質的に改善される。勤勉が前進につながる。教育が平等をもたらす。・・・」
もはや人々は、勤労や正直だけで前進できる、と信じられない。
l イラク戦争とすべての戦争の終わり
FP DECEMBER 15, 2011
Remembering Basra
BY SUSAN B. GLASSER
NYT December 15, 2011
A Formal End
LAT December 15, 2011
In Iraq, peace at last
By Tom Hayden
FT December 16, 2011
The grim lessons for America from Iraq
Richard Haass
真に重要な利益が侵されるときしか、また、他の手段が尽きたときしか、戦争を選択してはならない。しかし、真に選択しなければならない戦争を避けようとすることも、将来の懸念である。
NYT December 17, 2011
War Really Is Going Out of Style
By JOSHUA S. GOLDSTEIN and STEVEN PINKER
最後のアメリカ軍部隊がイラクを離れた。ベトナム戦争以来、最も苦しい戦いだった。それが安息をもたらす、もう一つの理由がある。
これは、すべての戦争の終わりである。
戦争が時代遅れになった、というのは、ばかげたユートピアンの主張だ。テロにおびえ、文明の衝突に苦しみ、無法国家が核兵器を手に入れる時代に、そんな愚かな主張は成り立たない? かつては、多くの理論が第三次世界大戦、核戦争による世界の終末、を不可避と予測した。しかし1980年代後半、戦争が減っていることに注意が向かう。朝鮮戦争以来、大きな戦争は起きていない。
「戦争」の定義は難しい。今では残酷な戦場の写真が手軽に見られるけれど、戦争を正確に計測することは困難だ。年に1000人以上の死者を出す軍事的な闘争を戦争と呼ぶのが普通だ。こうした典型的な戦争はますます減っている。2003年に行われた3週間のイラク進攻が最後だ。5日間のロシアによるグルジア侵攻はその限度を超えていない。朝鮮半島の衝突や、タイとカンボジアの紛争も。
各国は武装し、敵対している以上、戦争が不可能にはならない。しかし、アメリカがどこかで新しい戦争を始めるだろうか? 中国の指導者が、貿易に依拠した繁栄を捨てて、戦争の必要性に目覚めるだろか? インドとパキスタンが2002年に戦争を起こしかけたとき、何百万もの死者を避けるために戦争を回避した。南北朝鮮が戦争をコストに見合うと考えることはないだろう。
戦争ではなく、内戦が増えたのか? 1000人以下の死者を出す武力衝突も減っている。最長の戦争となったアフガニスタンでは、昨年、アメリカ兵が約500人死亡した。100人の同盟軍、5000人のアフガニスタン民間人も死亡した。しかし、毎年5000名のアメリカ兵、15万人近いベトナム人が死亡したベトナム戦争に比べれば、その規模はわずかである。世界人口の10万人あたり300人が第二次世界大戦では死亡した。朝鮮戦争では30人、ベトナム戦争では10人ちょっと、1970年代後半から80年代に一桁、21世紀に入って1人を切った。
現代の内戦は、伝統的な戦争ではなく、ますます組織犯罪に似ている。
なぜ戦争は減ったのか? 戦争は、もはやそのコストに見合わない。何世紀にもわたって、帝国の拡大は多くの国家を地上から消し去った。しかし、第二次世界大戦後、国境はほとんど変化していない。国連加盟国で征服により消滅した国は一つもない。
軍事衝突を回避する国際社会の規範や手段が発達した。たとえば、国連は10万人の平和維持軍を展開して内戦を防いでいる。
貿易と繁栄は戦争を減らす。歴史的に見て、土地の富は制服を利益の得られる行為にする。しかし今日、貿易からの富は戦争を回避させる。成長をもたらす指導者の役割は、戦争を魅力と感じない。
人々は、制度化された暴力を強く嫌うようになっている。確かに残虐な行為や嗜好は広くみられる。しかし同時に、人々はそれを抑制し、理性や公平性を重視するようにもなった。我々は常に多数の死者を出す力があるけれど、戦争を回避する規範や制度を築く力もある。
WP December 17, 2011
The U.S. withdrawal from Iraq marks the end America’s great expectations
By Andrew J. Bacevich
アメリカ史において、1929年の大恐慌と、1945年の日本に勝利した日に並ぶものとして、イラクからの撤退は時代を画する日になるだろう。
1990年代は、ソ連崩壊とともに始まり、希望に満ちた時代だった。1991年の砂漠の嵐作戦、サダム・フセインとの最初の軍事衝突は三つの主張を生んだ。ジョージ・H・W・ブッシュ大統領が「新しい世界秩序」を称えたように、リベラルな民主主義の勝利は逆転不可能になった。さらに、グローバリゼーションが広がった。そして、情報革命が戦争を変えた。
アメリカ人はこれらを当然の真理と考え、世界中で民主主義を実現できる、するべきだ、と思った。アメリカはそれを担う唯一の、不可欠な国家になった。T・フリードマンが述べたように、見えざる手が導くグローバリゼーションは、アメリカ軍という見えざる拳を必要とする、と信じた。
このとき、9・11が起きたのだ。アメリカが歴史の設計者ではなく、犠牲者になったように見えた。ジョージ・W・ブッシュ大統領はこれを拒んだ。単に、アメリカ本土への次の攻撃を防ぐだけではなく、歴史がアメリカの望まぬ方向に変わるという懸念を払拭しようとした。
アメリカの絶対的優位を示すことは、経済でもイデオロギーでも、21世紀において重要だった。世界中で、アメリカが法律なのだ。アメリカは唯一の超大国であり、勝利とその戦果は確実だと思われた。しかし、戦争とは常にサイコロを振ることだ。
イラクの自由作戦が終わったとき、それは戦争の始まりに過ぎなかった。戦争は長引き、犠牲者は増え続けた。戦死者は過去の戦争に比べて少なかった。しかしイラクの後、世界の未来は「メイド・イン・アメリカ」でなくなる。リベラルな民主主義に代わるものもないが、アメリカ・モデルは汚され、他のモデルに比べて見劣りがする。グローバリゼーションの未来は奈落に向かって落ち込んだ。腐敗し、無思慮な投機の末に、大恐慌以来の経済危機を味わっている。軍事的なアメリカの優位は残るが、その価値は失われた。
こうして冷戦終結後の三つの信念はすべて失われた。イラクの戦場で埋葬されたのだ。
guardian.co.uk, Sunday 18 December 2011
The US is blind to the price of war that is still being borne by the Iraqi people
Gary Younge
2005年11月19日、アメリカ軍の狙撃兵がHadithaで道路わきの爆弾によって殺された。ほかに二人の兵士が重傷を負った。その後の凶行を見た市民たちの証言によれば、アメリカ兵によって24名が虐殺された。車いすに乗った76歳の老人や、3歳の子供も殺された。それは虐殺だった。「彼らは憎しみで理性を失っただけだと思う・・・抑制を失ったのだ。」と、負傷した海兵隊員は語った。
この事件を聞いても、Major General Steve Johnsonは調査が必要とは考えなかった。「そんなことは当時のいたるところで起きていた。・・・もし私がヴァージニアにいて、市民15人が殺害された、と聞けば、私は驚き、衝撃を受けて、事態を知ろうとするだろう。しかし当時は、それ(米兵による殺害)を、あのような状況で行う任務の、まさに代償と感じたのだ。」
この戦争が始まったとき、多くの親たちがいたのに、今では多くの孤児たちがいる。戦争を遂行した者やそれを称賛したイデオローグたちは、評判を落とした。しかし、誰も説明しない。ほんの少ししか責任を問わない。
オバマ大統領は、イラクからの撤退と戦争終結を称賛し、アメリカの作戦は成功した、と兵士たちを称えた。アメリカにとって戦争は終わり、アメリカ人はそのコストに見合った戦争であったかどうかを気にする。
しかし、イラクにとっての戦争はいつ終わるのか、だれも知らない。
「アメリカ人がベトナム戦争を失敗だと考えている理由は、独立国を侵略したからでも、制圧したからでもないし、何百万人も殺害したからとか、何千人も拷問したからでもない。それは、アメリカが敗北したから、失敗なのだ。」
結局、他人のアゴを拳で砕いたとき、自分の手が痛いことで初めて後悔した、というだけだ。もちろんアメリカ人だけではない。イギリス人はケニアで、フランス人はアルジェリアで、そう感じたはずだ。民族とは、と19世紀のフランスの思想家Ernest Renanは書いた。・・・多くのことを共有し、また、多くのことを忘れ去った諸個人の集まりだ、と。
FT December 19, 2011
Farewell to a dumb war in Iraq
By Gideon Rachman
l 人民元国際化の矛盾
FT December 15, 2011
Conflict and confusion: China’s currency policy
By Sebastian Mallaby
中国が金融危機についてアメリカを批判し、ドルに依存した政策を改めるのは理解できる。しかし、人民元の国際化は彼らの成長モデルと矛盾するだろう。
中国は、ドルによる外貨準備の蓄積をやめて、人民元の増価を許し、他の通貨建て資産に分散するべきだろう。ところが、中国の指導者たちは、外貨準備を使って巨額の刺激策を行い、国際通貨制度の改革に乗り出した。実際は、中国の脆弱性を強めたのは中国自身の政策である。
人民元を国際化するには、資本規制を撤廃し、外国人の人民元保有と利用を促さねばならない。それは人民元需要を強めて為替レートの変動(増価)圧力を促すだろう。介入して不胎化することは、益々多くのドル保有を政府・中央銀行に強いて、将来の差損をもたらす。
l EUサミット後のEZ
FP DECEMBER 15, 2011
The Euro-Area Crisis
BY DOMENICO LOMBARDI, SARAH PURITZ MILSOM
IMFの役割が強まる救済融資の選択肢について。
FP DECEMBER 15, 2011
Downward Spiral
BY MOHAMED EL-ERIAN | DECEMBER 15, 2011
FP DECEMBER 15, 2011
The Last Hope for Redemption
BY JOHN MUELLBAUER
SPIEGEL ONLINE 12/16/2011
More Problems than Answers
The Pitfalls of the Merkozy Fiscal Pact
By Thomas Darnstädt
FP DECEMBER 16, 2011
A Bridge to Nowhere
BY BARRY EICHENGREEN
財政再建も、構造改革も、成長も、時間がかかる。特に、債務を減らし、財政赤字を抑制する、周辺の赤字諸国には支援が必要だ。一つは、ドイツ(そして黒字諸国)がもっと投資を促進すること。もう一つは、ECBが金利引き下げだけでなく、積極的な量的緩和を行い、ユーロを安くすること。そうしなければ、財政再建を強化するだけでは、間に合わない。
FP DECEMBER 16, 2011
It's the Politics, Stupid
BY KATHLEEN R. MCNAMARA | DECEMBER 16, 2011
ヨーロッパは債務危機に苦しんでいるのではない。これは政治危機だ。
日本を見ればわかるように、危機の原因は債務の水準と関係ない。アメリカを見ればわかるように、危機の原因は地域による経済条件の違いではない。それは政治的な統合を欠いていることだ。メルケル首相は財政緊縮を求めるばかりで、同盟諸国への支援を拒んだ。危機を緩和する政治的メカニズムが不足している。
ドイツが、赤字国の財政再建を理由に、経済・通貨統合の利益を破壊してしまうのは、あまりにも近視眼的だ。
FP DECEMBER 16, 2011
The reluctant firewall: the U.S. moment in the Eurozone crisis
Posted By David Bosco
FT December 18, 2011
Oh for an Alexander Hamilton to save Europe!
By Ronald McKinnon
ユーロ危機を解決するには、単にユーロ圏(EZ)の財政統合を進めるだけでなく、ヨーロッパのアレクサンダー・ハミルトンが必要だ。
独立戦争を経て、1790年に、生まれたばかりのアメリカ政府は、莫大な、維持できないような債務問題に直面し、主要な指導者たちの対立で麻痺していた。戦争中に各州の徴税能力は崩壊し、ワシントンの軍隊を維持し、日常的支出のために、とくに北部で、債券発行による資金調達が行われた。1790年までに、こうした債券のほとんどがデフォルト寸前であった。投機家たちはその多くを捨て値で買っていた。国民に金融市場を回復するため、初代財務長官ハミルトンは、連邦政府債券による州債券の一括転換を提案した。
しかし、現在の北部ヨーロッパのように、当時のアメリカ南部、特にヴァージニアとジョージアは、債務デフォルトの不安がなく、一括転換に反対した。またポピュリストは投機家の利益になると言ってハミルトンを非難した。
1790年、7月20日、たまたまジェファーソンは議案を否決されて失望したハミルトンと出会い、マディソンも呼んで、翌日、夕食会を開く。その結果、アメリカ政治の行き詰まりが打破され、投機家への減額なしに、一括転換するハミルトンの提案が成立する。首都も、10年限りで、フィラデルフィアからポトマック河畔に移動する。ハミルトンは財務省証券の市場を確立し、関税とウィスキー税を財源とする。そしてウィスキーの国境における取締りを強化する。第一合衆国銀行は財務省証券を資産として求め、各州で支店が預金を受け付け、民間向けの短期融資も行った。こうして合衆国を救っただけでなく、金融システムと国民経済を繁栄させたのだ。
ハミルトンの教訓は、第一に債券に対する財源として増税したこと。第二に、政府に対してだけでなく民間預金に対して健全な銀行を設立し、民間融資を国民規模で回復させたこと、である。
guardian.co.uk, Monday 19 December 2011
Argentina is no paradise
Miguel Bonasso
FT December 19, 2011
Weaker euro will help solve Europe deficit woes
By Martin Feldstein
ユーロ危機において、ドイツがよりインフレ的な拡大策を受け入れないのであれば、赤字諸国はユーロ圏の外へ輸出を増やすことが唯一の解決策である。すなわち、ユーロの大幅な減価である。
それは恒久的な解決策ではないが、生産性格差を解消するまでの時間を与える。
VOX 19 December 2011
Can Italy survive the financial storm?
Daniel Gros
SPIEGEL ONLINE 12/20/2011
A Currency Crisis Debate
'The Euro-Zone Bailout Programs Must Be Stopped'
SPIEGEL ONLINE 12/21/2011
The Crash Specialists
Argentina's Lessons for a Crisis-Ridden Europe
By Jens Glüsing
Global Times | December 21, 2011
Reform proved ultimate cure for 'German disease'
By Ding Gang
guardian.co.uk, Thursday 22 December 2011
German aversion to the ECB printing money isn't about the 'national psyche'
Jochen Hung
LAT December 16, 2011
Shortchanging Somalia
guardian.co.uk, Sunday 18 December 2011
Despotism and democracy slug it out in Congo
David Smith
FT December 18, 2011
India must not let slip its moment for reform
By Eswar Prasad
FT December 18, 2011
Thai trouble
FT December 21, 2011
The myths of Russia old and new
By Rodric Braithwaite
FT December 21, 2011
Afghanistan in 2012: escalating violence and a stampede for the exit
Ahmed Rashid
l WW2とDPCによるアメリカ改造
BLOOMBERG Dec 16, 2011
How Did World War II End the Great Depression?
By Louis Hyman
第二次世界大戦で大恐慌は終わった。それは実際、どのように実現したのか?
戦争は新産業の需要を提供した。特に飛行機だ。第一次世界大戦でその重要性はわかっていた。しかし、アメリカはわずかな飛行機しか生産しておらず、その材料もなかった。政府は市場で飛行機を変えなかった。そこで政府は、市場を作る必要があった。
1940年、政府はthe Defense Plant Corporation(DPC)を設立した。DPCは公共心に富む多方面の民間ビジネスマンから構成された。DPC以前に、産業投資に占める政府の割合はわずか5%であった。しかし、1943年、それは67%に達した。それは生産の程度だけでなく、何を生産するかまで変えた。わずか600万ポンドのマグネシウムの生産量が、DPCの融資を受けたALCOAにより6億ポンドに増えた。1939年、軍は28の飛行場を所有したに過ぎない。戦争中には1000以上が建設された。
DPCがいかに迅速かつ効率的に経済を転換したか、それはまさに驚異であった。大恐慌を終えたとき、アメリカ経済は全く異なった姿になって、関連する新産業が戦後のブームを支えたのだ。
NYT December 17, 2011
A Financial Crisis Needn’t Be a Noose
By CHRISTINA D. ROMER
FT December 19, 2011
The ugly side of ultra-cheap money
By Bill Gross
WP December 19, 2011
Bye-bye, Keynes?
By Robert J. Samuelson
VOX 20 December 2011
Global savings glut or global banking glut?
Hyun Song Shin
FT December 21, 2011
The eurozone will cast a lengthening shadow in 2012
Kenneth Rogoff
FT December 21, 2011
Sinking into the ‘great stagnation’
By Martin Wolf
FT December 22, 2011
Global growth in 2012 will hinge on China’s soft landing
Jim O'Neill
Project Syndicate 2011-12-22
Demystifying the Chinese Economy
Justin Yifu Lin
Project Syndicate 2011-12-22
Who Will Fix the US Economy?
Henry Mintzberg
LAT December 17, 2011
Patt Morrison Asks: Robert Reich, Pre-Occupied
Patt Morrison