IPEの果樹園2009

今週のReview

8/31-9/4

IPEの風

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世界の英字紙HPからコラムを要約・紹介します.著作権は,それぞれ,元の著作権に従います.

******* 感嘆キー・ワード **********************

スウェーデントービン税、 ナノが走る、 世界政治? 選挙:アフガニスタン日本、 制度改革の要点、 中国の金融改革、 新しい政治運動、 農業の都市化、 レイキャビクの平穏、 

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ただしBG: Boston Globe, CSM: Christian Science Monitor, FEER: Far Eastern Review, FP: Foreign Policy, FT: Financial Times, IHT: International Herald Tribune, LAT: Los Angeles Times, NYT: New York Times, WP: Washington Post, WSJ: Wall Street Journal Asia


FT August 19 2009

Swedish safeguards

(コメント) スウェーデンは金融危機からの救済と金融制度改革のモデルとして称賛されていたわけですが、再び銀行に不良債権が急増し、金融不安を高めています。バルチック諸国やウクライナの経済が破綻したからです。資本移動が問題であったのは明白です。

最大の銀行の一つSwedbankが、その資産の7%も不良債権である、と認めても、スウェーデンはパニックになっていません。スウェーデンはバルチック諸国に融資を増やし、金融・経済圏として確保すことを間違いであったとは考えていません。また、スウェーデン経済や財政の良好さが前提としてあり、その一部がバルチック諸国に向けた融資でありました。FTは、スウェーデン経済が「アイスランドではなく、ドイツである」と指摘します。

スウェーデンの中央銀行も金融緩和や救済を積極的に行ってきましたし、国有化も含めて、その準備は万全になされている、という信頼を得ることで、むしろ市場のパニックを回避できるのです。そして、FTは、スウェーデン経済自身の失業率が高い点を憂慮しつつも、豊かな国が金融破たんに苦しむ隣国を支援する姿勢を支持しています。

FT August 23 2009

How toxic finance created an unstable world

By Wolfgang Münchau

FT August 25 2009

Towards the next peak

By Krishna Guha in Washington

(コメント) 世界的な不均衡の蓄積が危機の背景であり、それを可能にした金融革新や金融政策の失敗をWolfgang Münchauは重視します。

他方、次の記事は、中央銀行総裁たちがジャクソン・レイク・ロッジに集まって金融政策の改善を話し合った中身を紹介します。インフレ目標より物価水準を目標にする、と言った議論ですが、金融資産市場や金融システム、長期への関心が、中央銀行の政策や規制・監視としてどのように生かされるのか、まだわかりません。

Aug. 25 (Bloomberg)

Royal Reasons for Overlooking Financial Meltdown

Matthew Lynn

FT August 26 2009

Overmighty finance levies a tithe on growth

By Benjamin Friedman

The Times August 27, 2009

It’s over – but all is changed, utterly changed

Anatole Kaletsky

(コメント) 金融システムは資源の効率的な配分にとって有効に作用しているのだろうか? 金融危機を経験した以上、私たちはこの問題に直面せずには済みません。

Anatole Kaletskyは、政治も経済も、それほど大きな変化は起きない、と予想しています。せめて資本主義の姿として、極端な市場崇拝が失われ、銀行家たちのボーナスや医療保険制度など、これまで議論することもなかったような問題を取り上げ、改革するようになりました。

FT August 27 2009

We should put sand in the wheels of the market

By Avinash Persaud

FT August 27 2009

Cutting finance back down to size

(コメント) 大規模な制度の改変よりも、トービン税のような市場システムを利用した改善策が重視されるかもしれません。資本取引に課税することは、トービンが提唱した時よりもはるかの実行可能であり、また、金融危機において明白になったような短期取引へのバイアスを前提に、経済的・政治的にも受け入れやすくなったはずです。


NYT August 20, 2009 Bernanke, a Hero to His Own, Can't Shake Critics By EDMUND L. ANDREWS

The Guardian, Monday 24 August 2009 Fire Ben Bernanke Dean Baker

(コメント) バーナンキをめぐる称賛と非難です。ジャクソン・ホールに集まった中央銀行家やエコノミストたちは、新しい大恐慌の出現を食い止めたバーナンキの勇気を絶賛したのでしょうか?

Dean Bakerは、この人びとはグリーンスパンを絶賛していたのとほとんど同じ連中だ、と批判します。しかし2005年でも、バブルは十分に明白だった、と。たとえ、金融危機の処理にどれほどバーナンキが迅速に行動したとしても、そのバブルが形成されたときにグリーンスパンを手伝ったのもバーナンキです。今は失業者で一体です。

FT August 25 2009 The case against Bernanke By Stephen Roach

(コメント) オバマ大統領がバーナンキを再任したことは非常に浅はかな判断だ。なぜなら、バーナンキは深刻な三つの失敗を犯したから。・・・1.金融資産市場のバブルを予想できないと主張した。2.世界過剰貯蓄説を吹聴して金融緩和を放置した。3.市場自由化・規制緩和を称賛し続けた。・・・最近の危機回避ではなく、危機そのものの形成に大きな責任があるのです。

FT August 25 2009 Ben Bernanke’s next four years

Aug. 26 (Bloomberg) Bernanke Is Obama’s Proverbial Bird in the Hand Caroline Baum

LAT August 26, 2009 Bullish on Bernanke

NYT August 26, 2009 Obama Seeks Stability at Fed by Keeping Bernanke By JEFF ZELENY and EDMUND L. ANDREWS

The Guardian, Wednesday 26 August 2009 Ben Bernanke's second chance Tim Fernholz

The Guardian, Wednesday 26 August 2009 Ben Bernanke: Mr Business-as-usual

WP Wednesday, August 26, 2009 For Obama, the Only Choice for the Fed By Robert J. Samuelson

(コメント) なぜローレンス・サマーズを指名しないのか? なぜプリンストンのアラン・ブラインダーではないのか? 他にも候補の名前はあったようです。こうした優れた候補を上げることができるアメリカに感嘆します。ECBや日銀、IMFはどうでしょうか?

しかし、Robert J. Samuelsonは、政治が決めた、と考えます。つまり、もしサマーズを指名していたら、オバマは非難されたはずです。・・・連銀の独立性を侵す気か? サーマーズの性格から言って、12名の金融政策委員会と一緒に合意形成できるのか? バーナンキを支持するエコノミストたち、実業界、金融界の人々を敵に回すのか?

たとえもっと穏健な他の候補を指名しても、金融市場や外国投資家の反応は予測できません。何か予想外の悪い結果があれば、バーナンキを交代させた責任を問われます。

バーナンキは金融危機を予測できず、リーマンブラザーズの倒産も認めました。しかし、その後、危機の深刻さを理解してから、他の誰よりも中央銀行として非常時の対応を積極的に取りました。それは世界の中央銀行家にも影響を与えたのです。

1997年のアジア通貨危機に際して「世界救済委員会」としてTimesの表紙になった、サマーズ、ルービン、グリーンスパン、をまねて、今年はバーナンキを表紙にするべきだ、と。

NYT August 26, 2009 A Second Term for Mr. Bernanke?

WSJ AUGUST 26, 2009 Bernanke's Second Chance

(コメント) NYTは批判的、WSJは支持者です。NYTに言わせれば、バーナンキの危機前の姿勢は間違っていたし、危機後の行動が短期的には称賛されていても、その長期的な結果はまだ分からない、となります。


FT August 20 2009

Emerging markets are best served locally

By Raghuram Rajan

(コメント) 短期的にはともかく、消費者、企業、政府が支出を以前のように増やすことは難しいのです。危機からの回復を支える需要はどこにあるでしょうか? ・・・もちろん、新興市場です。

それは、輸出主導の成長から内需主導に転換することを意味するでしょう。しかし、それにとどまりません。今は生産コストを切り詰めた部分だけ担当している新興市場ですが、将来の市場が自分たちの周りに増加する中で、マーケティングや金融、新製品の開発やデザインを担当するようになるでしょう。生産する価値も急速に増えます。そして、技術者やデザイナーの需要も増えます。

インドのタタが生産した2000ドルの小型車ナノを、危険だ、パワーが足りない、と非難する欧米諸国は、新興市場の需要を理解できないのです。インドの中産階層は、おもにオートバイを所有しています。家族旅行となれば、夫が運転し、一番大きな子供はハンドルに座っています。そして、妻が、生まれたばかりの赤ん坊を抱いて、後ろの座席にいます。もう一人いたら、その子は後部座席の端にしがみついています!

これがインドなど、新興市場の家族旅行です。たとえ小型車でも、スチールの壁に覆われた車体の中で座っているのですから、はるかに安全です。パワーのないエンジンしか付いてなくても、たいてい渋滞した道路を走るから何も問題ない、というわけです。

もちろん、アジア諸国の通貨は次第に増価するでしょう。Raghuram Rajanは、中国が人民元の増価を許すことで、次第にアジア諸国の中に為替市場介入を抑制する合意が形成される、と考えます。むしろ、アメリカのように、国内需要を刺激しすぎる方が問題は深刻なのです。

こうした改革や警戒を怠らないなら、新興市場の時代が来ることで、世界市場のバランスは長期的に回復します。


FT August 20 2009

Antipodean lessons

FT August 20 2009

The politics behind Baghdad bombings

SPIEGEL ONLINE 08/21/2009

Model Citizens: German Politicians Create Their Own Utopia

By Emma Bullimore

WP Monday, August 24, 2009

Where Violence Flourishes

By Masha Lipman

NYT August 24, 2009

All the President’s Zombies

By PAUL KRUGMAN

FT August 24 2009

Corporate warfare

Asia Times Online, Aug 25, 2009

Karzai's rival cries foul play

By Syed Saleem Shahzad

(コメント) 今週も、眼にしたばらばらな論説から、「世界政治とは何か?」を考えていました。

・・・中国とオーストラリア。中国向けの貿易や投資が急速に伸びており、液化天然ガス輸出を20年の長期契約で決める、など、オーストラリアのラッド首相は対中関係の(対米関係に劣らぬ)重要性を唱えてきました。しかし、リオ・ティント社の投資問題で重役が中国側にスパイ容疑で逮捕されている事件は、その後も解決できません。中国政府はオーストラリアがウィグル人の運動家を入国させたことにも強硬に反対しています。

・・・バクダッドでは、米軍の撤退計画が進む中で、大規模な爆弾テロが続発しています。それはテロの目的が米軍撤退よりも、その後の国内政治に移行したことを示している、とFTは考えます。米軍による占領は、唯一の国家機関であったバース党とその軍隊を解体しました。その後、イラクでは有効な政府が組織されません。武装集団が内戦を激化させ、何千ものサダム・フセインが現れたのです。イラクの治安維持軍も、政府の側に付いた民兵組織に過ぎません。宗派や民族の違いを超えて参加し協力できる、政治を組織するしかないのです。

・・・ドイツの六つの政党が、ミニチュアのモデルで、それぞれの政治が実現したいユートピアを示す、という試みを始めています。キリスト教民主同盟、キリスト教社会同盟、社会民主党、自由民主党、緑の党、左派政党、です。各党は11へ右方フィートの広さを与えられ、その中に理想のミニチュア村を建設します。有権者たちが彼らの政策を直接に感じてもらえる工夫を考えた、と説明し、ハンブルグのMiniature Wonderland model villageが主催します。その結果は、想像以上に、政治のもたらす違いを「示した」わけです。

・・・北コーカサス(カフカス)地帯では、独裁者が跋扈しています。貧困、失業、犯罪、汚職が蔓延し、反体制派やジャーナリスト、人権活動家が白昼においても次々に抹殺され、抵抗する武装勢力は自爆テロに及びます。チェチェン、イングーシ、ダゲスタンにおける支配者や侵略、テロ、内戦が紹介されます。モスクワは忠誠と引き換えにテロによる支配を容認し、暴力の封じ込めを狙ってきましたが、テロは周辺地域やモスクワにも及び、無能な独裁者の交代を企てるや、内戦が激化します。メドヴェージェフも、オバマと同じように、暴力を非難します。

・・・アメリカでは医療制度改革をオバマ政権の墓穴にしようと、政治的騒乱が起きています。それは、政府による介入は常に悪だ、というレーガノミクスが今もワシントンを支配しているからです。この死んだはずのイデオロギーは国民を不安にし、オバマ大統領への支持率を下げます。Krugmanは、レーガノミクスの死亡(富裕層のためだけの政治だった)を確認し、規制緩和の間違い(ニュー・ディールの金融規制を撤廃して金融危機を招いた)を指摘します。それでもイデオロギーが死なないのは、それを煽る政治家が保険会社から莫大な献金を受け取っているからです。

・・・マックス・ウェーバーは、暴力の使用を独占することで近代国家を定義した。戦争が再び民間企業との契約で下請けされ、傭兵たちが世界中で増えています。それは、戦争の「効率」や、軍事費の抑制という要請によって、説明されるものとは多いに食い違うでしょう。何より、戦争を法によって制限することができなくなります。

・・・アフガニスタンの大統領と地方首長の選挙は、候補者たちが選挙結果や実施において不正があったと主張し、その正当性を損ないました。アメリカなど、選挙の治安維持にあたった多数の外国兵士たちを失望させています。カルザイの対立候補の一人、アブドラ元外相は、軍事・政治的支持基盤のないカルザイとの交渉を拒みます。今ならパキスタン政府と合意してタリバン指導部を孤立させ、その兵士たちとは和解できる、と。


The Guardian, Friday 21 August 2009 We can't abandon Afghanistan Denis MacShane

(コメント) アフガニスタンからも軍を撤退させるべきではないか? イギリスもスウェーデンやスイスのようになる? ジハードのイスラム原理主義者に対しても永世中立は有効か? アフガニスタンをタリバンの手に戻せば、ヨーロッパのイスラム原理主義者はテロをやめるのか?

オバマはそれに同意しません。ベトナム戦争を引き継いだジョンソン大統領が理解したように、軍事力ではなく、政治戦略が欠けていたのだ。

しかし、タリバンと戦うより、ドイツ人やフランス人、スペイン人のように、土地を守って開発を助けるだけでよいのか? (タリバンを支援する)パキスタンを外交的に説得するべきではないか? あるいは、かつて第二次大戦のときにスターリンを説得したように、イラン政府を説得してタリバンやスンニー派の原理主義者を抑え込むべきではないか?

アフガニスタンをタリバンの土地に戻すことは間違いだ。民主主義のために、我々を信じて投票する人々を残して引き揚げることはできない。戦略と戦術が必要だ。

NYT August 21, 2009 Afghanistan Votes

(コメント) アメリカとNATOの軍隊が戦闘で勝つだけでは十分でない。タリバンを政治的に圧倒しなければなりません。しかし、カルザイの政府は2001年から政治を支配しているのに、腐敗や麻薬取引が横行しています。政府は軍閥との関係を清算しなければなりません。

アメリカとNATOは、仕事のない若者を兵士や警察官にするため、有給で訓練しています。その財政支援をもっと増やすべきでしょう。また、農民たちはタリバンと麻薬栽培を合意するのを喜んでいるわけではありません。マイクロ・ファイナンスを提供し、インフラや灌漑の整備をもっと援助し、農民たちにもっと雇用や農作による収入を与えるべきです。

FT August 21 2009 Democratic doubts as Afghanistan soldiers on By James Lamont

FT August 21 2009 Afghanistan votes and hopes for best

(コメント) アフガニスタンのような状況で選挙を行う、というのは、一種の奇跡だ・・・

アフガニスタンは部族ごとの選挙結果を顕著に示し、分断化を進める危険があります。大統領を決めても、不正選挙についての不満や抗議が噴出し、彼が正当な権力者として認められたのか、選挙の有効性が問われています。アメリカのホルブルック特別大使は女性の投票が少ないことに不満を示しました。

選挙結果についての分析や政治交渉はこれから始まるのです。

LAT August 25, 2009 The Afghan election was rigged By Atif B.

BG August 26, 2009 Afghan election flawed but far from a failure By Marco Vicenzino

(コメント) 爆弾と兵隊ばかりが目立つ、これほど国民の参加しない選挙を実施するために、資金や人名を浪費してよいのか? ・・・これは茶番だ。カルザイが投票する姿に、有権者たちは冷笑を示した、と言います。

WSJ AUGUST 26, 2009 Afghanistan's Economy Blooms By ANN MARLOWE

(コメント) カブールから自動車で8時間、Mazar-i-Sharifはアフガニスタンのゲーティッド・シティです。ここに住む家族は裕福で、自動車を保有し、子供たちが公園で遊んでいます。一人の実業家、Khaled Amiriが開発した富裕層のための住宅分譲地です。

The Guardian, Thursday 27 August 2009 We owe it to our troops in Afghanistan Jock Stirrup

The Guardian, Thursday 27 August 2009 Afghanistan's ethnically split ballot box Nushin Arbabzadah

YaleGlobal, 27 August 2009 Afghanistan’s Election Matters as Much for the Country as for the World

(コメント) 人口の最大割合を示す南部のパシュトン人が選挙を信用しようとしないことは重大です。その南にはパキスタンがあります。パキスタン人は、アメリカがアフガニスタンを二度も見捨てたことを不満に思っている、と指摘されます。1990年代ソ連に支配され、最近では、ブッシュ政権が攻撃して政府を崩壊させたまま放置したこと。だから、彼らはタリバンとの関係も続けるのです。

今後も兵士や候補者が暗殺されるでしょう。しかし、選挙で政治的支持を得た政府がNATO軍と協力することで、タリバンを政治システムから完全に排除できます。

NYT August 28, 2009

Afghan Boys, Alone in Europe, Seeking a Future

By CAROLINE BROTHERS

(コメント) これはヨーロッパ各地に暮らすアフガン難民の話です。ギリシャのアテネ中心部、歩行者トンネルにあるベンチで、一人過ごすアフガン難民の少年が写っています。

2004年、爆弾で彼の母親が片足を失ったとき、家族はアフガンを離れました。イランで彼は初めて学校に通い、英語を学び、インターネットを知りました。しかし父親が背中を痛め、働けなくなって、彼は(父に代わって働くために)西へと向かいます。

イスタンブールで衣類の苦汗工場に一日11時間、2か月働きます。ギリシャでジャガイモと玉ねぎの畑に出て農作業で9カ月働きます。その後、トラックの荷台に乗って、1年をかけてパリにたどりついた、と少年は言いました。

「学校へ行きたい。」・・・「多くのことを学んで、コンピューターの技術者になりたい。」

10代でヨーロッパ各地の難民となった彼らは、ヨーロッパ諸国がアフガニスタンに軍隊を送る以外にも、しなければならない多くのことを教えています。貧困とタリバンが支配する彼らの母国では、子供たちが自由に学ぶことも許されません。・・・ローマの下水溝の中で寝ていた少年たち。イタリアの港で死亡した少年たち、一人はヴェニスでトレーラーに轢かれました。

難民救援の市民団体代表は、彼らを保護するように、そして、学校に通わせ、働けるようにするべきだ、と主張します。

パリに着いた少年は、この先、自分に何ができるのか、わかりませんでした。しかしその後、市民団体の運営する保護施設に助けられ、生まれて初めてスイミングプールに行ったそうです。フランス語を学び、紙と鉛筆をもらいました。フルーツの絵とフランス語が書いてあります。・・・「私はバナナが好きです。」「私はリンゴが好きです。」・・・ 少年はフランス語で言いました。


IHT August 21, 2009

The Default Power

By JOSEF JOFFE

(コメント) アメリカ衰退論は10年ごとに起こります。1950年代、スプートニク・ショックで不安が高まり、ケネディーが当選しました。60年代、ニクソンとキッシンジャーは5大国の支配する世界を予言し、70年代、ジミー・カーターは「麻痺」演説で信頼を失いました。80年代、ポール・ケネディーの『大国の興亡』がアメリカ衰退を予告し、90年代、衰退論への反撃としてブッシュの時代になりましたが、その権威失墜と金融危機が今のアメリカを苦しめています。

しかし、Die Zeitの共同編集者、JOSEF JOFFEは、現在のアメリカ衰退論も間違っていると考えます。アメリカは21世紀になっても、他のいかなる挑戦者よりも若く、ダイナミックでしょう。アメリカを除いて国際的な問題は解決できず、たとえ中国が相対的に追い上げているとしても、中国やロシアがアメリカのような重要な役割を担うことはないのです。


NYT August 23, 2009

Theory and Morality in the New Economy

By DAVID LEONHARDT

FT August 24 2009

Magic and the myth of the rational market

By Keir Martin

(コメント) 金融危機に絡んで経済学の反省が語られています。それは、最近、オバマの医療保険制度改革で逆風に変わったかもしれませんが。オバマが金融危機からの反省を求める基礎は、「社会主義」ではなく、アダム・スミスの『国富論』だ、とDAVID LEONHARDTは主張します。

市場は合理的だ、というのは問題によります。人間行動を決めるのは市場だけでなく、むしろ社会的な条件です。Keir Martinは、パプア・ニュー・ギニアの農民を考えます。


WP Sunday, August 23, 2009 Summertime for Hitler By Kathleen Parker

(コメント) 医療保険制度に関する今月のタウンホール・ミーティングを観れば、ヒトラーでも吐きそうに思っただろう。

この8年間、ジョージ・W・ブッシュのことで独裁者は眠れなかっただろう。今ではバラク・オバマのせいで我々が眠れない。最近のポスターは、オバマにちょび髭をつけて、ヒトラーの姿にしている。

WP Sunday, August 23, 2009 Obama's State Capitalism By George F. Will

(コメント) あるいは、1968年、チェコのプラハの春を軍事弾圧したソ連の主張、ブレジネフ・ドクトリンを、オバマ政権とその支持者にあてはめます。政府と民間との区別がなくなり、銀行や企業を救済し続ける。利潤や報酬を非難することで政治的な支持を集め、・・・国家資本主義への歴史的な流れは止められず、それに反対するものを許さない。

WP Sunday, August 23, 2009 Leadership 101 By David Ignatius

FT August 23 2009 Time to sever healthcare constraints By Clive Crook

FT August 23 2009 US health reform is still irresistible

(コメント) FTはオバマを強く支持しています。アメリカ国民に文明国としての基本的な医療サービスを提供できないような現状を続けるべきではない、というオバマは全く正しい。職場の移動を困難にしたり、賃金を抑制したり、医療費の過剰請求を促すようなシステムは改めるべきです。

オバマが当選したとき、論争は改革に向かっていた。共和党の反対は抑えられ、関連業界や利害関係者は改革をビジネスにするようだった。ところが最近のオバマ政権は、国民が改革するくらいなら何もしない方がよい、とまで強い反発を受けている。何を間違ったのか?

三つの点に集中せよ、とFTは進言します。1.何が改革の本質か。2.コストの正直な開示。3.明確で、一貫した支持論。・・・オバマの主張は、中産階級に増税しなくてもよい、という点で信用を失ったのです。

制度改革の要点は、国民皆保険制度、もしくはほとんど全員を包括する基本的な医療保険制度を作ることです。それは規制と補助金を組み合わせて実現可能です。保険会社は加入を拒むことができません。保険対象になる医療サービスは限定され、所得の低い者には補助金が支払われます。それは議会の提案にも合意されています。彼らが合意できない点は、そのコストです。

この点でオバマ政権はごまかした、とFTは批判します。二つの問題、皆保険制度のコスト、と、患者一人当たり医療コストの抑制、とを同じように議論したのです。前者のコストは後者の節約で支払える、と。そして、それは信用されませんでした。前者は勝手な推測でしかありません。議会予算局は莫大なコスト増を予測しています。

だからオバマは主張を明確にするべきなのです。医療保険制度改革はコストをともなうが、十分それに値する、と。また、その利益は保険に未加入のものだけでなく、すでに加入している者にも及ぶのです。そのコストは、広い課税ベースで、若干の累進性を加味した形で、しかも、医療保険の過剰請求を促す補助金の制度を破棄したうえで、徴収することができます。この点でも、オバマは中間層にも負担を求めなければなりません。

それは選挙を通じて中間層に負担とならないことを主張してきたオバマの立場を後退させるものでしょう。しかし、それは避けられないことであり、正直に説明する方が支持されるのです。ただし、FTはオバマ支持者の「進歩的な」アイデア、「パブリック・オプション」を退けます。

・・・日本の年金・医療保険制度改革にも、新政権には明確な方針が必要です。

The Guardian, Sunday 23 August 2009 Change is tough. So liberals can't just leave it to Obama Michael Tomasky

The Guardian, Monday 24 August 2009 Vested interests hate good healthcare Francis Beckett

NYT August 26, 2009 World’s Best Health Care

(コメント) オバマ政権を非難する「世界最高の医療保険制度を壊すな!」という主張は根拠がありません。他の先進諸国との比較は、分野によって優劣がある、と示しています。また、北の隣国、カナダは多くの点でアメリカよりも優れています。


FT August 23 2009

The risk of a double-dip recession is rising

By Nouriel Roubini

FT August 24 2009

World recovery is not yet in the bag

(コメント) 危機を脱した今、三つの問題が残っています。いつ不況は終わるのか? どのような回復が期待できるか? 危機の再発はないのか?

Nouriel Roubiniは、後の二つの問題に注意します。V字回復よりもU字回復(停滞)、さらにはW字(危機再発)の懸念があるのです。

U字への根拠は、1.雇用悪化、2.銀行・企業・政府の資産・債務悪化、3.国際収支赤字の縮小、4.金融システム不安、5.デフレ圧力など、投資家の弱気、6.財政赤字とクラウディング・アウト、7.対外黒字国の輸出減少

W字への懸念は、1.出口戦略を重視することで、景気刺激が制約され、投資家のインフレ懸念は長期金利を高くする。2.石油・食糧など国際価格が、国際的な過剰流動性を受けて、早くも上昇している。

NYT August 24, 2009

Asia’s Recovery Highlights China’s Ascendance

By NELSON D. SCHWARTZ

FT August 25 2009

China’s stimulus shows the problem of success

By Yu Yongding

Aug. 26 (Bloomberg)

Kissinger Is Back in Currency Amid China Bubble

William Pesek

(コメント) 中国とアジアの景気回復は世界に衝撃を与えるでしょう。たとえば、アフリカやラテンアメリカだけでなく、アメリカ政府の赤字やヨーロッパの生産回復も中国経済の好調さに依存するのです。

中国社会科学アカデミーの専門家、Yu Yongdingは、現在の財政刺激策がもたらす二つの問題、過剰生産力(特に輸出部門)と金融資産・住宅市場のバブル、をきわめて簡潔・明確に指摘し、対策を検討しています。

中国の為替レートや通貨政策について、William Pesekは、市場の日々の変動よりも、キッシンジャーの考察に注目します。すでに4年前に変動制をやめてからも、中国は人民元の変動幅を厳格に抑制したままでず。それは中国政府の国内市場管理と国際戦略に対する見方、すなわち、アメリカなら国務省の考え方にかかっているのです。

文中に、2005年以来、21%もドルに対して増価した、というYu Yongdingの発言が引用されます。そして、中国政府による民間の国際的な資産分散を促し、徐々に人民元を国際化する、という戦略を唱えています。

中国が資本規制し、安価な輸出品を供給することで外貨準備を累積し続けるのは、その経済成長が偏った、不十分なモデルであることの結果です。しかし、人民元の価値が大きく変動することや輸出業者と雇用を守ることは、中国政府の重要な目標であり、何か新しい方法で、それを変更しなければなりません。バブルが破裂する前に、どのような選択を模索するのか、市場よりもキッシンジャーに聞く方がよいでしょう。


FEER August 2009

Change the U.S. Can Believe In

by Abraham M. Denmark

(コメント) Abraham M. Denmarkの論説は、民主党に政権が代わっても、日米関係や安全保障政策は見かけほど明確に変わらない、とアメリカ政府の懸念を否定しています。民主党は野党として自民党の主張に反対してきた党派の寄せ集めであり、その主張をただちに取り下げることはないけれど、寄せ集めの結果として、大胆な転換は起きそうもないのです。

FT August 23 2009

Japan’s voters should take a risk

(コメント) 54年間も政権を独占することは間違っている、というのが欧米の感覚です。・・・それでは中国や北朝鮮と変わらないじゃないか? ・・・国民はもっと勇気を持て!

自民党は良くやってきた。戦後の復興と成長は、平等主義や社会的結束をできるだけ残して進められ、公害問題や官僚制度にもうまく対処しました。しかし、バブル崩壊と冷戦終焉とが自民党の基盤を失わせたのです。輸出依存型の成長や安全保障政策の中身が、新しい環境に合わなくなっていました。小泉純一郎の劇場政治でも自民党の動脈硬化は治せなかったのです。

日本は大転換を必要としています。確かに国債の累積と憲法によって縛られています。しかし、経済を活性化し、高齢化社会を受容し、中国の台頭する世界を泳ぎ切る力が、新しい政治的発想として必要なのです。

では鳩山の民主党にその力があるのか? FTは、はっきり、No,と答えます。民主党の中は異なる党派の寄せ集めであり、その外交政策はアメリカに不信を呼び、経済政策は従来のバラマキ型も多く、財源が示されていない。

権力はまだその姿を形成するに至っていない、とFTは考えます。しかし、リスクを恐れて自民党を支持してきた日本の有権者は、今度こそ飛躍しそうだ。新政権に賭けるだろう、と。

Asia Times Online, Aug 26, 2009

Japan's politicos miss emotional deficit

By Scott North

(コメント) 自民党は、いよいよ、失われた10年のツケを支払う時が来たのです。

Scott North は冒頭に指摘します。20022月から200710月まで、日本の歴史上最長の好景気を実現した、と自民党は自慢したが、それを喜ぶ有権者は少ない。ゼロ金利、デフレ、賃金下落、失業率の上昇。これらが成長を維持した理由であれば、いったい誰が称賛するでしょうか?

日本人は、「発言するか、離脱するか」という政治的な選択に直面しています。そして本当に貧しい失業者、絶望した若者は、自殺しています。

社会学者らしく、日本の社会制度やイデオロギーを使って、日本がバブル崩壊後に改革を行えなかった理由を説明します。現実を変えるには、現状に不満を持つこと、その不満が正当であり、対案がある、と言葉によって示し、広める必要があるでしょう。日本人にはこうした言葉がありません。社会は、人びとの自由な想像力を挫くのです。

学校、裁判所、信仰、政党、メディア、近隣の寄り合い、労働組合でさえ、発言することや疑問を示すことを禁じています。日本人はあらゆる場面で服従することを奨励されます。その父権的な温情主義、変化を嫌うイデオロギーが、どこでも支配的です。また、社会的・経済的なパワーは少数の男性(しかも高齢者)に集中しています。これは戸籍制度によって強化されます。・・・

選挙の最大の争点は、労働形態の変化だ、と考えます。パートや契約の労働者、派遣社員が急激に増えました。雇用は不安定で、所得や社会的地位について大きな格差が生じたのです。この問題をどうするか、各政党はイデオロギー的な対立を示した、とScott North は考えます。

三つの打開策が議論されています。1.大企業の輸出を振興する。2.社会保障を充実し、ベイシック・インカムを与える。3.政府による公共事業を増やす。そして、財源や少子化対策、育児支援、などが論争になっています。こうした発想を、Scott North は時代遅れだと感じているようです。鳩山の民主党も自民党とそれほど変わりません。

日本の最高権力を動かしている大企業や大銀行は、利潤や効率ばかりを強調し、アダム・スミスが富の本当の源泉は、労働する仲間への「共感」や「称賛」である、と述べたことの意味を理解していない、とScott North は批判しています。この社会で抑圧された階層、働く女性や派遣労働者は増え続けています。

YaleGlobal, 25 August 2009

Japan’s Coming Election Could Mean Its Withdrawal from the World

Ko Mishima

FT August 26 2009

Change within reach

By Mure Dickie and Michiyo Nakamoto

WSJ AUGUST 27, 2009

Japanese Protest Vote

(コメント) 自民党の政治モデル(大企業による輸出、プラス、農村への再分配)はバブルで混乱し、小泉改革で解体され、世界金融危機で輸出市場も失いました。もし民主党政権が経済の再建に成功すれば(難しいでしょうが)、日本はより重商主義的な、しかし、同時に国際秩序に深くコミットした国となり、また、人類史上最初の高齢化社会を成長に結びつけるモデルとなるでしょう。

・・・自民党政権が国民に支持されない、と確信したのは、安倍首相の政権放棄に始まり、福田・麻生への総裁バタバタ交代劇であったか、中川金融・財務大臣の重要な国際会議G7における酔っ払い的・意識モウロウ会見であったか、小泉ライオン人気の凋落とチルドレン見放し引退表明であったか・・・

Mure Dickie and Michiyo Nakamotoは、日本という、東アジアでもっとも影響力のある民主国家、アメリカが世界第二の同盟国として認める政府の交代である、と確認します。小泉人気も、銀行の不良資産処理を強調した改革派が喜んだだけで、自民党の支持基盤を分裂させ、保守派は憤慨しました。世襲議員が多く、貧しい派遣労働者や働く女性の気持ちを代弁できません。自民党の指導者に対する失望は深く、他方、鳩山、小沢への疑念も深いのです。

WSJは、日本が競争的な二大政党制に転換することを概ね歓迎します。しかし、鳩山は官僚を批判し、アメリカを批判するだけで、どこまで改革に成功するだろうか?

CSM August 27, 2009

Is this Japan's turn for revolution?

WSJ AUGUST 28, 2009

Japan on Brink of Change

By YUKA HAYASHI, DAISUKE WAKABAYASHI, MIHO INADA and ALISON TUDOR

(コメント) CSMは、予想される日本の政権崩壊を、2000年のメキシコにおけるPRI(制度的革命党)の政権崩壊と比較します。日本も革命になるだろうか? 民主党の能力には疑問がある。しかし、日本の国民が選挙によって権力者を交代させるのは、明治維新とアメリカの占領軍が行っただけで、それ以来の大革命だ、と。

自民党は、成長だけでは支持されなくなりました。他方、さまざまな約束をする民主党政権は、国債の負担をどうするのか? 派遣労働者や少子高齢化をどうするのか? まだ何も明確に答えていません。しかし、有権者の期待は非常に高まっています。

FT August 26 2009

Sun sets on migrants’ Japanese dreams

By Lindsay Whipp in Ota, Japan and Jonathan Wheatley in Cambara, Brazil

The Japan Times: Wednesday, Aug. 26, 2009

First ban the hawks, then the bomb

By GREGORY CLARK

(コメント) 東京の町工場地帯、大田区に住む多くの日系移民労働者は、この選挙に何を期待するでしょうか? 

そして、8月は原爆の、「終戦記念」の月です。GREGORY CLARKは、日本が戦争に負けた過程と、原爆投下、北方領土占領、を振り返ります。あるいは、最近の北朝鮮問題です。問題は相手国だけでなく、日本の中にもある、と。


BBC 2009/08/24

Why is the African continent poor?

By Mark Doyle

(コメント) アフリカはなぜ貧しいか? 戦争、内戦が多いから? 広い耕地や資源があるから? 富裕層が税金を嫌うから? 植民地支配と、その心理的な影響? 政府が腐敗しているから? ・・・アフリカは貧しくない。アフリカの経営が貧しいのだ。“Africa is not poor. Africa is just poorly managed.”

それは好循環にもなります。もし商人たちが、信頼できる政府の下に集まれば、彼らは税金を支払い、それが生活の質を改善します。政治は安定し、資源はより多くの生産活動をもたらします。


The Guardian, Monday 24 August 2009

In the new revolution, progressives fight against, not with, the poor

David Edgar

(コメント) 東欧の民主化からベルリンの壁崩壊、そして、ソ連解体に至った1989年の革命は、新しいタイプの政治運動だった、と振り返ります。たとえば、サッチャリズムのように。

世界政治が新しい対立軸によって分割されました。21世紀の政治運動は、教育のある、西側志向の、社会的にはリベラルだが、経済的にはネオリベラルの、都市中産階級が、他方の、経済的な平等主義者、そして、農村の伝統的な貧困層と、対立するようになったのです。たとえば、タイの空港占拠事件が示したように。

20世紀の革命は、ロシア革命のように、都市のインテリ層と貧困層が進歩的な同盟を形成して起こしました。しかし、今や、こうした同盟はインテリによって破壊されるのです。そして、同盟から見放され、裏切られた貧困層は、より過激な宗教的原理主義者、あるいは、人種差別主義のBNPなどを支持します。

80年代、90年代の東欧を旅して目にしたのは、セックス、ドラッグ、ロックンロールと言った西側のリベラルな価値を愛する者が、サッチャーを英雄とし、彼女の政治姿勢をモデルにしていたことです。多様な社会、宗教的な寛容さ、経済の平等性を尊重するわれわれは、そのいくつかを信じる者に対して門戸を開放しなければなりませんでした。・・・今の労働党政府のように。


NYT August 24, 2009

A Farm on Every Floor

By DICKSON D. DESPOMMIER

(コメント) 気候変動に対する未来は、SF小説のテーマです。・・・

このままのペースで成長と人口増加が続けば、今のような農業は消滅するだろう。世界人口を維持する土地も水も足りなくなる。では、農業はどうなるのか?

農業は都市化される、とDICKSON D. DESPOMMIERは考えます。都市の高層ビルにおいて、ヴァーチャル農業が発達します。人口増加と気候変動が進む中で、灌漑することや、水害を防ぐこと、農地を開拓する(住宅地を確保する)こと、などを考慮すれば、次第に、農業を都市化する方がコストも安くなるでしょう。

それは究極のエコロジー・循環システムであり、農工分業の消滅、そして、ラピュタ、です。


FP AUGUST 24, 2009

Ain't No Sunshine

BY SUNG-YOON LEE

(コメント) 金大中の死と、その後継者、ノムヒョンの自殺。SUNG-YOON LEEは、北朝鮮との間違った交渉過程を批判します。


The guardian, Tuesday 25 August 2009

Peace plans come and go. Obama may have to try a wholly new approach

Jonathan Freedland

(コメント) あるいは、中東和平におけるオバマの役割はどうでしょうか? オバマへの期待は高く、中東和平に関係する者は、その失敗を願うでしょう。1967年の停戦条件、独立国家、土地交換の交渉がいつまでも続きます。

オバマはもっと根本的な問題と対決する、まったく新しいアプローチを試みるべきだ、とJonathan Freedlandは考えます。それは、ユダヤ人が国家を求め、その結果として、パレスチナ人が土地を失った、1948年の戦争です。イスラエルは建国によって生じた難民の苦難を理解し、パレスチナ人はユダヤ国家の存在を受け入れる。この地点に立つことで、和平は確立できるだろう、と。


The Guardian, Wednesday 26 August 2009 Ted Kennedy made the US a better place Michael Tomasky

WP Wednesday, August 26, 2009 Kennedy Tackled Life Head-On By David S. Broder

WP Wednesday, August 26, 2009 A Positive Balance By George F. Will

WP Wednesday, August 26, 2009 Sen. Edward M. Kennedy

WP Wednesday, August 26, 2009 Ted Kennedy's Humanity By E.J. Dionne Jr.

FT August 26 2009 The lion who knew to strike a deal

The Times, August 27, 2009 Tragically flawed guardian of the liberal flame Anthony Howard

The Times, August 27, 2009 Last but Not Least

WP Thursday, August 27, 2009 The Burden Of a Legacy By Richard Cohen

WP Thursday, August 27, 2009 A Man Unbowed and Unchanged By David S. Broder

NYT August 27, 2009 Senator Edward Kennedy

BG August 27, 2009 Edward Kennedy, 1932-2009

BG August 27, 2009 The future of Kennedy liberalism By Alan Wolfe

(コメント) ケネディー上院議員が亡くなりました。リベラル派として、あるいは、ケネディー兄妹を、称賛する者、非難する者、・・・常に政治は何かのシンボルです。


FT August 26 2009

Iceland shows the dangers ahead for us all

By Robert Wade

(コメント) レイキャビクは静か過ぎる、と私も思いました。Robert Wadeは、この「繁栄」は続かない、と確信します。

世界でもまれにみる金融崩壊を経験したはずなのに、失業はそれほど高くないし、インフレも通貨価値の急落も起きていない。もちろん、それは良いことですが、なぜか? 政権が代わって、社会民主同盟と緑の党(左派グリーン)が改革を進め、大成功している、というわけではありません。

政府は銀行を国有化し、IMF融資を得て、債務の返済を延期し、資本規制も行いました。金融危機は凍結されているのです。Robert Wadeは、平穏さが続かない理由を三つ挙げます。1.債務の返済延期は11月末までです。通貨価値の急落で返済負担は大きくなっています。破産者が増えるでしょう。2.政府支出を2030%削減します。教育、医療、失業保険、インフラ投資がこれから削られるのです。3.資本規制を解除し、金融市場を再統合するでしょう。金利は上昇し、投資が抑圧されます。

こうした状況で、政治危機が生じるのは当然です。現在の連立政権は、EU加盟やユーロに積極的な社会民主同盟と、それらに反対する緑の党です。指導者たちの個性も対立をはらみます。社会不安や金融破たんへの怨嗟が高まる過程で、この政権は崩壊し、それに代わるのは、金融危機を準備した独立党など、保守系政党しかありません。


WSJ AUGUST 26, 2009

War Clouds in the Caucasus

By BORIS NEMTSOV

SPIEGEL ONLINE 08/27/2009

The ABC Republic

By Alexander Smoltczyk

(コメント) 1997-98年に副首相であったBORIS NEMTSOVが、プーチン=メドヴェージェフ政権の北コーカサス平定を批判しています。地域の武装集団の個人的な忠誠心を確保するだけで、彼らの無法な暴力的支配を容認し、ますますその圧政を助長したからです。人権団体やジャーナリストの暗殺、政府に反対するテロの横行は止められません。もしモスクワからの財政移転が減れば、彼らは容易に分離独立派に転身する、と警告します。

アブハジアはどうでしょうか? グルジアの黒海沿岸に位置する地方ですが、ロシア政府が独立を承認しました(しかし、多数の国が認めていません)。特集記事が興味深いです。

独立派の指導者は、アブハジアがモナコのように、あるいは、シンガポールのように繁栄する、と信じています。1993年にグルジアからの独立を宣言した、ということです。最近のグルジア戦争で、ロシアは南オセチアの独立を承認し、アブハジアにも仲間ができました。外交の世界では、アブハジアを“ABC”と省略し、南オセチアを“SOS”と省略するそうです。

アブハジアは通貨もなく、公式にはグルジアの地方に過ぎませんが、ロシアとヨーロッパの政治力学が動く支点となっています。もし次のヨーロッパ戦争が起きるとしたら、クリミア半島からコーカサスの山地に至るどこかである、と専門家は考えています。

アブハジアを訪れるのはロシアからの団体観光客です。イタリアの海岸と同様に美しく、もっと物価が安い。ロシア語が通じて、ルーブルのまま支払えます。・・・スターリンによってグルジアに併合されたアブハジアが、モスクワに頼って独立するのは、皮肉な歴史です。

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The Economist August 15th 2009

An astonishing rebound

Emerging Asian economies: On the rebound

The politics of health reform: Friend or foe?

Iceland and the European Union: The Icesave bill

Killings in Chechnya: Zarema’s end

The Geneva conventions at 60: Unleashing the laws of war

AIG, Fannie Mae and Freddie Mac: The toxic trio

Buttonwood: Law of easy money

Rebalancing the world economy: Japan – Stuck in neutral

(コメント) 冒頭を飾るのはアジア新興市場が欧米諸国を超えるスピードで成長を回復した、という記事です。人為的な為替レートの過小評価と輸出超過やドル保有の無駄を強調し、「アジアの奇跡」を軽視してきた結果、驚きが大きい、というのです。説得的な理由は、アジアの不況は輸出が伸びなかった以上に、迅速な在庫調整や国内インフレ懸念による金融引き締め、など、水からブレーキを踏んだからであった、と考えます。これを解除し、しかも地域全体で空前の財政刺激策を採用したわけで、アジア「機関車論」はいよいよ欧米を抜いたかもしれない、と。ただし、問題はバブルです。

医療保険制度改革も金融システム再建も、財政赤字やインフレへの不安が払しょくできないまま、オバマ政権は苦しい時期に入ったようです。

アイスランドの危機管理と修復策は、議会での承認が得られず、このままでは北欧諸国やEUの支援を失って、孤立したまま金融市場の嵐に飛び込んで失墜することになるでしょう。チェチェンの政治的なテロに対するか悲しみと憤りは尽きません。

ジュネーブ条約の生誕60年を考える長い記事が興味深いです。敵味方を区別せずに傷病兵を助ける赤十字や、戦争捕虜の人間的な扱いを求める条約、非戦闘員の区別、など、戦争に関する国際条約として有名であり重要です。しかし、なかなか守られない、という点でも有名です。

国家間の戦争ではなくなった現代の武力衝突や戦闘行為、テロについて、また、それを擁護し利用する大国の存在について、問題は多くあります。人道に対する犯罪を裁く国際刑事裁判所の前途も多難です。