今週のReview
2/2-2/7
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世界の英字紙HPからコラムを要約・紹介します.著作権は,それぞれ,元の著作権に従います.
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******* 感嘆キー・ワード **********************
格付け機関、 佐藤栄作、 金融システムの再建、 財政刺激策、 回復のための経済政策、 労働組合、 リベラリズム
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ただしFT:Financial Times, NYT:New York Times, WP:Washington Post, LAT:Los Angeles Times, BG:Boston Globe, IHT:International Herald Tribune, CSM:Christian Science Monitor, WSJ:Wall Street Journal Asia
FT January 22 2009
Warning: rating agencies can do you harm
By Paul De Grauwe
(コメント) 格付け機関は、これほどの間違いを繰り返した後でも、まだ営業しています。その評価は、単に間違っているだけでなく、大きく偏っているのです。日本の国債がボツワナと同じだ、ということに財務省が反論したことも、アイスランド国債を高く評価して日本の投資家に損害を与えたことも、私は忘れていません。
Paul De Grauweは、格付け会社が消滅するべきだけれど、市場がそれによって利益を上げているから、まだ続けるのだろう、と慨嘆し、これはたばこ会社と同じだ、と書いています。多くの大人たちが、医学的に有毒な嗜好品を買っていますから。ただし、製品が有害であることを明記して。格付けにも、たとえば、以下の文面が付記されます。
“Scientific evidence has shown that this rating is likely to harm you. If it is favourable, it is likely to have overlooked your weaknesses, thereby making you complacent and harming you. If it is unfavourable, it will harm you even if you do not deserve it.”
NYT January 25, 2009
Six Errors on the Path to the Financial Crisis
By ALAN S. BLINDER
(コメント) ALAN S. BLINDERは、失敗はすべて避けられたはずのものだった、と考えます。だから、アメリカ型の資本主義を捨て去る必要はない、と。時間の順序に従って、6つの失敗を整理します。この明らかな6つの失敗を避けていたら、住宅バブルの破裂はこのような危機を生じていなかっただろう、と。
1.正しい金融監督を行わず、デリバティブの繁殖を許したこと。2.レバレッジの膨張を許したこと。3.サブプライム・ローンが急増した。4.住宅の差し押さえが広がった。5.リーマン・ブラザーズを倒産させた。6.TARPによる金融安定化の資金を銀行の救済にばかり使い、不良債権の買い取りや住宅差し押さえの救済に使わなかった。
FT January 25 2009
We need action not accusations in finance
Keith Skeoch
The Times, January 26, 2009
SOS - save our savers, unfairly punished
William Rees-Mogg
FT January 27 2009
What we must do to stop a repeat of this crisis
By David Miles
FT January 29 2009
A proposal to prevent wholesale financial failure
By Lasse Pedersen and Nouriel Roubini
(コメント) 銀行は、わざわざ自分たちのコストで不良債権を処理しない。我慢していれば、いずれ社会的なコストが耐えられないから、政府が公的資金で救済してくれる。これは、有毒な廃液を川に捨てる工場と同じです。回収するコストは、社会が負担するしかないのです。
正しくは、こうした工場を政府が厳しく規制・監視し、汚染源に回収コストを超える課税をしなければなりません。ところが、銀行に対する規制は、バーゼル協定のように、個々の銀行だけを評価しています。主要な銀行が一斉に証券化した場合に、システムがどれほど危険になるか、評価しませんでした。
そこで、金融監督が個々の銀行を評価するとともに、各銀行はシステミック・リスクに対する保険を購入すること、を提案しています。銀行はシステミック・リスクに対するコストを意識して、それを抑制しようとします。そして、その回収に公的資金だけを使うこともなくなるのです。
FT January 22 2009 Asian economies
FEER January 2009 America's Future Is Tied to Asia's by Michael Auslin
Logic of blaming China for US crisis is bizarre By Shen Dingli China Daily, 2009-01-22
NYT January 23, 2009 China痴 Route Forward By KEITH BRADSHER
FT January 23 2009 China hits back over renminbi comments By Geoff Dyer in Beijing
WSJ JANUARY 23, 2009 Geithner's China Bash
What OPEC Teaches China By Sebastian Mallaby WP Sunday, January 25, 2009
NYT January 25, 2009 China Rejects Currency Manipulation Charge By EDWARD WONG
FT January 25 2009 Economic patriotism
FT January 26 2009 Counterproductive currency quarrel
FT January 26 2009 The renminbi
WSJ JANUARY 26, 2009 Geithner Is Exactly Wrong on China Trade By BRET SWANSON
Asia Times Online, Jan 28, 2009 Geithner gets it wrong on yuan By Sungjoon Cho
FT January 24, 2009 When all else fails, blame China Willem Buiter
The global imbalance By Philip Bowring IHT Tuesday, January 27, 2009
Asia Times Online, Jan 29, 2009 China, US play currency chicken By Axel Merk
China Tells Obama What to Do With His Yuan Views William Pesek Jan. 28 (Bloomberg)
WSJ JANUARY 28, 2009 Wrong on the Yuan By CALLA WIEMER
Geithner, Holder Reap Rewards for Failure Margaret Carlson Jan. 29 (Bloomberg)
(コメント) 財務長官としてふさわしいか議会の審査を受けたガイトナーは、そのせいか、中国の人民元は人為的に安い水準になっている、と批判しました。
他方、中国の人民銀行総裁は、アメリカの住宅バブルの原因が中国による外貨準備としての貯蓄がアメリカに還流したからだ、という非難に反発しました。
IHT Thursday, January 22, 2009
An alliance in need of attention
By Richard J. Samuels and James L. Schoff
(コメント) Richard J. Samuels and James L. Schoffは、1964年に中国が核兵器の開発に成功したとき、佐藤栄作首相は、日本が核攻撃を受けた際にはアメリカがただちに核による報復を行う、と約束させた事実を指摘しています。その見返りにマクナマラ国防長官は、日本が地域の安全保障に貢献するため、防衛費を5倍に増やすよう求めた、と。
ほとんど同じ交渉を、今も、日米は繰り返しています。日本国民はそう思っているかもしれません。しかし、アメリカは全く違うことを意識しています。今や、北朝鮮の核使用を抑え、核兵器開発を廃棄させるのは、中国との連携なのです。日米同盟を安易に前提することはできません。
また、アメリカは日本が地域安全保障でもっと重要な役割を果たすように求めてきましたが、それに積極的に応えるのは中国である、と理解するかもしれません。あるいは、日本は公海上の安全を確保し、破たん国家の再建に貢献し、国連の平和維持活動にも積極的に参加しなければならない、と。
Jan. 23 (Bloomberg)
Roubini’s Gloom Gets Traction in Panicky Tokyo
William Pesek
FT January 28 2009
Japan faces up to the prospect of ‘peak fish’
By David Pilling
FT January 28 2009
Japan joins world bail-out race
(コメント) 日本の話題は少ないのですが、良い話はさらに少ない、・・・ほとんどないのです。
1996年11月に、Nouriel Roubiniは日本経済について警告した、ということです。その内容は2009年の1月にもそのまま当てはまる、とWilliam Pesekは書いています。
歴史と文化が異なる日本は、アメリカ式の経済改革「西部劇」を演じることはないだろうが、それでも、深刻な経済改革を実行して、企業家精神を育て、規制緩和し、リスクを取って革新に投資しなければならない、と。また、長期的な高齢化に対する適応が欠かせない。・・・こうした主張は以前から繰り返し聞かれますが、日本政府、政治家、官僚は長く決断せず、行動しませんでした。今も、金融政策や財政刺激策で遅れている、と批判します。
つまり、次の「失われた10年」か、それ以上にひどい長期不況が始まっているのです。
日本政府が(せめてアジア諸国を)率先して、世界の海洋資源を守る国際システムの構築に貢献し、世界の景気回復を促す金融システム救済や財政刺激策に対して明確な方針を示すことは、できるのでしょうか?
NYT January 26, 2009
Remembering Germany
By ROGER COHEN
(コメント) 安全保障、金融システム、景気回復、為替レート、輸出、などについて、戦後のドイツの模索と現状を参考にできるはずです。
The Japan Times: Thursday, Jan. 22, 2009
China plays maritime chess
By BRAHMA CHELLANEY
The Japan Times: Thursday, Jan. 22, 2009
Beijing takes aim at U.S. aircraft carriers
By MICHAEL RICHARDSON
The Japan Times: Wednesday, Jan. 28, 2009
China's ambitious defense plan
(コメント) 中国の海軍増強に関する考察です。インド洋、アラビア湾、マラッカ海峡、・・・世界最大の貿易国になれば、中国海軍は、当然、海上の安全保障に関心を強めます。
不況とともに懸念されるのは、各国の保護主義と軍備拡大ではないか?
WSJ JANUARY 22, 2009
A 'Bad' Bank Can Solve Our Problems
By DAVID ROCHE
NYT January 23, 2009
It痴 Not Their Money
NYT January 26, 2009
Nationalization Gets a New, Serious Look
By DAVID E. SANGER
(コメント) 銀行から不良資産を切り離す、というのが、金融システムを健全化して、融資が再開する決定的な処理方法です。あるいは、不良資産が確定できない場合は、銀行そのものを国有化して、買い手がつくものだけ入札で売却する(外国の金融機関であったりします)、というアイデアが議論されます。あるいは、国営銀行として融資を拡大し、景気回復に利用されます(それが不良債権をさらに増やし、公的資金による最終的な処理を増やすこともあります)。
しかし、膨大な不良債権を処理するのは、本来、その銀行の株主です。不良な資産に関する情報を示して、それでも損失を処理し、増資して融資を再開するのか、破産処理される(他の銀行が吸収する)のか、処理に税金を使う以上、公的な機関が判定しなければなりません。金融資産が再び市場で取引されるまでは、救済や保証を増やしても公的資金を無駄にし、危機を長引かせるだけだ、という批判を浴びます。
FT January 27 2009
Why dealing with the huge debt overhang is so hard
By Martin Wolf
(コメント) アメリカやイギリスのGDPに対する債務比率は急速に上昇しています(2008年第3四半期に、アメリカは358%)。金融仲介が発達することは、一般に、良いことですが、融資が持続可能な所得や資産の評価ではなく、バブルによって増大する場合、その後に急激な逆転が起きる、と分かっています。しかも、債務は非金融部門が負っていますから、1930年代のアメリカや1990年代の日本と同様、債務を減らすために貯蓄を増やし、それが不況を深刻にして、更に債務が増える、という悪循環を生じています。
債務が縮小するのは避けられません。問題は、その方法です。Martin Wolfは5つ指摘します。
1.破産処理。融資した銀行を潰します。しかし、これは金融システムに波及し、大恐慌を再現するから避けねばなりません。2.債権を組織的に減らす仕組みを作ります。例えば、株式に転換します。3.債務を維持して、市場の回復を待ちます。しかし、回復するには多年を要し、さらなる景気の悪化を避けられません。4.公的資金による処理。政府による肩代わり。もっとも明確な形であれば、銀行部門の国有化です。5.最後は、インフレで債務を帳消しにすることです。
いずれにせよ、金融システムを救済するために必要なコストを社会化する、という要素が入ります。金融部門内で、それぞれの債務を相殺すること、国際的な協力を組織して、国際的にも相殺すること。そして、不良債権処理で減少した銀行の資本を増強するために、債務の株式化や公的資金の投入を、国有化とは呼ばずに、行います。
他面では、バブルと債務膨張に資本を流入させていた黒字諸国が、いよいよ赤字諸国の貯蓄増加に対応して、激しい不況か、内需拡大に全力で取り組むしかないだろう、と指摘します。
FT January 27 2009
The Tarp is a fiscal straitjacket
By Jeffrey Sachs
(コメント) 巨額の政府債務を増やす銀行救済や景気刺激策は、注意しなければ、むしろ景気を悪化させるかもしれません。中期の財政計画を立てて、増税にも超党派で取り組むことです。
FT January 29 2009
The ‘Good Bank’ Solution
Willem Buiter
(コメント) “Bad Bank”よりも“good bank”の方が処理しやすい、と指摘します。不良債権は透明性に欠け、評価することが難しい。市場価格も、取引自体がなかなか成立しない。むしろ良い資産だけを公的機関により買い集める方が容易でしょう。
WSJ JANUARY 22, 2009
Government Spending Is No Free Lunch
By ROBERT J. BARRO
WSJ JANUARY 27, 2009
Economic Policy Will Have to Be Very Agile
By MARINA V.N. WHITMAN
WSJ JANUARY 28, 2009
A $545 Billion Private Stimulus Plan
By ALLEN SINAI
WP Thursday, January 29, 2009
An $800 Billion Mistake
By Martin Feldstein
(コメント) そんな解決策は効果があるのだろうか? ROBERT J. BARROは、1980年代の「サプライ・サイド経済学」と同様に、オバマ政権を動かす「刺激の経済学」を呪文でしかない、と批判します。その前提になっている「遊休資源」が無いからです。歴史的に見て、軍備への支出が大きく変化するから、乗数を計測することも困難です。ケインズが1936年に考察したことを基準にするより、現代の投資や労働に対する誘因を刺激しなければならない、と。
MARINA V.N. WHITMANは、景気刺激策によってデフレ回避に取り組むことから、逆に、インフレ抑制に転換しなければならない時期を見失ってはならない、と警告します。また、金融システムを再生するために金融機関の吸収合併を促す結果として、ますます競争は制限され、倒産させることもできないような構造が現れます。
ALLEN SINAIの論説で気になるのは、アメリカ企業が海外の子会社からアメリカに向けた送金を促そうと提案していることです。これも明確な「保護主義」ではないか?
私は保守派のエコノミストだが、財政刺激策を支持している、とMartin Feldsteinは断言します。ただし、支出や雇用を促すためには、その内容が間違っている、と。8000億ドルも使った失敗など許されない。最も効果的な支出の一つは、軍備の更新である、と。
The Guardian, Friday 23 January 2009
Fixing the global economy
Dani Rodrik
(コメント) “The world must act pragmatically and creatively.”と指摘しています。実際、何を意味するのか? 主要な政策が異なれば、世界経済の悪化や反転の時期も異なります。中心となる問は、アメリカ、ヨーロッパ、中国の具体的な政策と、世界的な協調体制です。
オバマ政権は、ケインズ的な財政刺激策の規模だけでなく、金融システムに起きた信頼の崩壊を解決しなければなりません。また、ますます不安を強める労働者たちが支出を減らすことにも、直接に、対策を示すべきです。
EU、特にドイツは、統一した姿勢を示し、財政刺激策の足を引っ張らないことです。アメリカの金融危機が生じた国際政治の空白を埋めることはできないとしても、不況回避策で遅れてはなりません。また、中国は最も政治的な反動のリスクも大きく、その反応次第では将来に大きな影響を及ぼします。インド、韓国、チリ、その他、多くの民主化は経済危機によって触発されてきました。
不況において、貿易も融資も自国民優先の姿勢が強まります。それは不況をさらに悪化させるにもかかわらず、強まるでしょう。政府は、「市場と政府」、「国民とグローバリゼーション」といった間違った対立軸を示して政策を混乱させてはなりません。解決のためにはすべてが重要であり、市場にも規制にも国際協力が欠かせません。実際的な、創造的な精神で、新しい協力関係を構築することです。
NYT January 23, 2009
Stuck in the Muddle
By PAUL KRUGMAN
NYT January 23, 2009
A Stimulus Package for the World
By ROBERT B. ZOELLICK
(コメント) 国民全体への福祉政策を景気刺激の重要な柱に据えることを期待していたPAUL KRUGMANは、早くも政府への不信を示しています。同様に、オバマ政権は、金融部門を根本的に改革しなければなりません。
彼の就任演説はケインズの『一般理論』からセリフを応用したものだ、とPAUL KRUGMANは指摘します。しかし、実際に決断し、行動しなければなりません。銀行の特殊利益を否定して、主要銀行を一時的に国有化し、アメリカ経済や労働者の生産性を、危機以前の水準に回復することだ、と。
世界銀行のROBERT B. ZOELLICK総裁は、新しい財政刺激策の4%で良いから貧しい諸国の融資に向けてほしい、と要請します。
WSJ JANUARY 23, 2009
Expect the World Economy to Suffer Through 2009
By IAN BREMMER and NOURIEL ROUBINI
WSJ JANUARY 23, 2009
The World Won't Buy Unlimited U.S. Debt
By PETER SCHIFF
(コメント) 2009年に世界恐慌は始まる、とIAN BREMMER and NOURIEL ROUBINIは予想します。
・・・これまでになく政府の市場介入が拡大しているから、政治は危機を悪化させるだろう。不況とデフレが同時に進行し、支払い不能が続発するから、金融政策は機能しない。財政政策を決めるのは政治であって、国内の政治的動機でしか動かない。世界の不均衡を調整するために行動する国はない。
アメリカは財政刺激策のために赤字を拡大するが、黒字国はかつての同盟関係にあるドイツや日本ではなく、中国やロシアである。彼らも自国の経済を破壊したくないから融資を継続するだろうが、時間がたてばドルへの関心を失う。中国が人民元の増価によって輸出産業の雇用を失うような事態に直面すれば、その選択は明らかだ。
中国やロシアの国家資本主義が影響力を増し、アメリカの金融市場は混乱して、国際資本市場が分裂してしまう。軍事的な衝突や侵略が増え、各国の選挙が国際関係に重大な結果をもたらす。ロシアの金融危機、イラクの内戦再発、アメリカ軍の撤退、など、経済不況と一緒に不確実さが増すだろう。・・・
The Guardian, Sunday 25 January 2009
Yes it's bad, but at long last the government is getting it right
Will Hutton
LAT January 26, 2009
The union way up
By Robert B. Reich
WP Monday, January 26, 2009
Three Crises In One
By Robert J. Samuelson
(コメント) 労働党政権による銀行救済に不満を感じるWill Huttonに比べて、Robert B. Reichは労働組合に視点を移します。50年前のアメリカは、多くの労働者が豊かな中産層を形成し、市場が拡大して、成長を実現した。その好循環を支えるのが労働組合の役目であった、と。
労働組合の組織率は、1955年の3分の1以上から8%以下に低下しました。中産階級の購買力によって景気を回復するためには、労働組合の影響力を再生することです。金融救済よりも、減税よりも、労働組合の強化が成長のパターンを回復するでしょう。
Robert J. Samuelsonは、景気回復のために、オバマ政権は三つの危機に対処しなければならない、と主張します。1.消費危機。住宅価格や株価が減少して、雇用も減っています。消費しなくなるでしょう。2.金融危機。証券化が崩壊し、融資の連鎖は逆転しています。3.貿易(国際収支)危機。黒字国は赤字国への輸出を続けられず、不況を輸入しています。
オバマはトライアスロンとツール・ド・フランスに参加するわけです。しかも、その成功のカギはオバマに与えられるスタミナであり、アジアからの資本流入だけでなく、アジア市場の内需拡大です。それは大きな政治的転換を必要とするでしょう。オバマが倒れる前に。
WSJ JANUARY 27, 2009
Animal Spirits Depend on Trust
By ROBERT J. SHILLER
The Guardian, Wednesday 28 January 2009
Rewriting the rulebook for 21st-century capitalism
Jeffrey Sachs
FT January 28 2009
The game changer
By George Soros
FT January 29 2009
Deflation is the wrong enemy
By Samuel Brittan
(コメント) 金融市場、技術、デフレ、・・・景気刺激策ではなく、アメリカ社会を転換する機会なのだ、とオバマは考えているのです。
Asia Times Online, Jan 24, 2009
Hey Obama, what about North Korea?
By Donald Kirk
NYT January 24, 2009
For Some in Euro Zone, Dream Turns Nightmarish
By LANDON THOMAS Jr.
WSJ JANUARY 23, 2009
There's Safety in the Euro Zone
FT January 25 2009
The benefits of a single European bond
By Wolfgang Münchau
FT January 26 2009
When Europe melts at the edges
By Gideon Rachman
FT January 29 2009
Why this hysteria about sterling is misplaced
By George Magnus
FT January 28 2009
Is the liquidity management of the Eurosystem balkanising along national lines?
Willem Buiter
(コメント) ユーロ圏は誕生から10年目に、最悪の危機を迎えました。金融政策も為替レートも同じなのに、国によって長期金利は異なります。それでも金融危機を回避するためにユーロを採用する国は増えそうです。
ロンドンを「テムズ河畔のレイキャビク"Reykjavik on the Thames"」と呼びます。アイスランドが海外資金を集めて投資による金融ビジネスに失敗したように、ロンドンも同じ危険を冒している、というわけです。国債に対する金利の差が拡大しているのは、ユーロ圏内でも破たんする国があるのではないか、と疑われ始めました。不況の中で、赤字の拡大する各国に財政規律を強制する仕組みはありません。
ポンドの価値は急落しました。それは輸出を刺激して経済に好ましい変化なのか、あるいは、投資家を不安にするのか?
The Guardian, Sunday 25 January 2009
The biggest anti-fascist campaign ever
Jon Cruddas and Nick Lowles
The Guardian, Sunday 25 January 2009
Be very worried - rioting's coming home
Nick Cohen
(コメント) 右翼の政治活動は、日本だけでなく、イギリスやヨーロッパにもあるようです。国家や民族を口実に、人種差別、排外主義、秩序と暴力、犯罪・戦争を好み、外国人や差別された集団、ときには暴徒を煽り、腐敗した無能なエリートたちを糾弾し、襲撃・殺害して社会正義を装う・・・?
NYT January 25, 2009 This Is Not a Test By THOMAS L. FRIEDMAN
NYT January 25, 2009 How Words Could End a War By SCOTT ATRAN and JEREMY GINGES
Asia Times Online, Jan 28, 2009 Mitchell's challenge By Sandy Tolan
Obama's Middle East peace lesson By Nigel Ashton CSM January 28, 2009 edition
George Mitchell and the Middle East Gerry Adams The Guardian, Tuesday 27 January 2009
Writing cheques for Gaza is easy. Politics is the tricky bit Chris Patten The Guardian, Tuesday 27 January 2009
FT January 27 2009 No room for Israel under America’s umbrella By Max Boot
NYT January 28, 2009 Abdullah II: The 5-State Solution By THOMAS L. FRIEDMAN
(コメント) ガザ戦争後も、イスラエルとパレスチナの二国家案は実現可能か?
LAT January 25, 2009
Obama: a special man for a serious time
By Andrew Young
FT January 25 2009
We owe it to President Obama to co-operate
By Clive Crook
NYT January 25, 2009
A Liberal Translation
By TIMOTHY GARTON ASH
FT January 25 2009
Time to herald the Age of Responsibility
By Robert Zoellick
The Guardian, Monday 26 January 2009
The age of Obama promises the rebirth of US liberalism
Michael Tomasky in Washington
NYT January 26, 2009
Will Obama Save Liberalism?
By WILLIAM KRISTOL
(コメント) オバマの就任式については、多くの論説があります。これらは日ごろのコラム観察で、たまたま集めたものです。
オバマの演説は、アメリカにおいてリベラリズムが、大きな政府の非効率とさまざまな不道徳を代表し、非難するための言葉として保守派に利用されてきた時代が終わったことを示した、とAshは指摘します。建国当初の民主主義や平等という理想がよみがえった、少なくともその始まりを告げたのです。
あるいは、「責任の時代the Age of Responsibility」について、Robert Zoellickはグローバリゼーションの形を問題にします。それは少数者が富を得る手段にするのではなく、多くの者が参加でき、持続可能な、責任あるものでなければなりません。環境についても、金融についても、世界は責任ある姿を実現するべきです。そして日本やドイツが、この不況に際して、貧しい国の銀行を守り、インフラに投資する世界銀行のプログラムに出資したことを称賛しています。
NYT January 30, 2009
In Harsh Words, Obama Criticizes Wall St. Bonuses
By SHERYL GAY STOLBERG
NYT January 30, 2009
Obama Signs Equal-Pay Legislation
By SHERYL GAY STOLBERG
(コメント) オバマはウォール街の巨額のボーナスを厳しく批判しました。同様に、賃金の男女差別にも厳しい法案の成立を祝っています。
IHT Monday, January 26, 2009
Children without borders
By Bruce Leimsidor
The Times, January 26, 2009
'No country, no matter how powerful . . . can control the forces of globalisation on its own'
Kofi A. Annan
WP Wednesday, January 28, 2009
School Reform That Works
By Bill Gates
(コメント) 世界の貧しい子供たち、人身売買や子供の非合法移民、彼らを国外追放し、送還する各国の人権問題。
貧しい国に学校を建設する努力は、不況においても続けられています。ただし、ビル・ゲイツのような篤志家によって。
WP Wednesday, January 28, 2009
Second Thoughts on Trade
By Harold Meyerson
(コメント) アメリカは中国との貿易で本当に利益を得ているのか? 大企業が利益を得ているとしても、多くの職場を失った労働者たちは、中国との貿易に反対するだろう、とHarold Meyersonは考えます。アメリカの労働組合だけでなく、特にガイトナーが、中国政府は人民元を介入によって不当に安くしている、という非難を行い、米中間の論争を刺激しました。
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The Economist January 17th 2008
Renewing America
The Gaza war: Long past time to cease fire
Gaza and the laws of war: A thousand tragedies. But is it a crime?
World economy: Accelerating downhill
Britain’s credit-guarantee plan: Buddy, can you insure a loan?
Global migration and the downturn: The people crunch
Business in China: Not playing
China’s trade: Surplus to requirements
(コメント) 戦争と犯罪はどう違うのか? イスラエルが多くの民間人を死亡させたことは、法律によって裁けるか? 世界経済の収縮は貿易を通じて拡大しています。イギリス政府の果敢な行動と評価も、その成果が疑わしくなって、にわかに否定されつつあります。
世界の移民労働者が帰国を強いられています。雇用を守る際に、彼らは職を失うのが当然とみなされています。国際的な制度や政治的関与が求められています。他方、中国の多くの新興企業も苦しんでいます。