IPEの果樹園2008

今週のReview

5/12-5/17

IPEの風

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世界の英字紙HPからコラムを要約・紹介します.著作権は,それぞれ,元の著作権に従います.

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******* 感嘆キー・ワード **********************

世界を見渡す, 動揺するドルの秩序, 金融ニュー・ディール, 沖ノ鳥島, グローバリゼーションの経済政策, 真実を国民に語れ, トルーマンとイスラエル独立, 中国のナショナリズム, 国際紛争予防介入

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ただしFTFinancial Times, NYTNew York Times, WPWashington Post, LATLos Angeles Times, BGBoston Globe, IHTInternational Herald Tribune, CSMChristian Science Monitor, WSJWall Street Journal Asia


FT May 1 2008

Clever conceits cannot hide the world’s jagged edges

By Philip Stephens

(コメント) 1989年にベルリンの壁が崩れてから,世界を見渡すために土台となる認識地図は失われてしまいました.特に,アメリカという唯一の大国が行動するために,世界を解釈するさまざまな言葉・イデオロギーが求められ,多くの戦略家(グローバル・ストラテジスト)たちは本や論説を大量に生産し,消費してきましたが,その賞味期限はますます短くなっています.

「予測不可能な事態を予測する軽薄さ」を,「手ごろな,ゆるぎない確実さの言明や公式」にまとめてくれたら,確かに政治家たちは喜んで利用するでしょう.

新世界秩序,唯一の超大国,利益をもたらすリベラルな帝国,しかし,気が付くとアメリカの優位は薄れ,諸大陸から新興勢力が新しい競争を始めています.そのとき,9・11はアメリカの政治を狂わせ,他方,中国とインドからの挑戦が私たちの日常生活を変え始めました.イラク戦争をめぐって,火星から来た(戦争の神)アメリカ人と,金星から来た(愛欲の神)ヨーロッパ人とは,同じ世界について異なる話を聞くばかり,さらに,ハード・パワーにはソフト・パワーが,民主主義には権威主義的資本主義が,次々に異質・不可解な世界を紡ぎ出しています.

Robert Kaganの最新作 "The Return of History and the End of Dreams."を紹介しつつ,壁は崩れても,歴史が終わることはなく,それは戻ってきた,と知ったわけです.現実を理解するためのアイデアが信用できなくなれば,私たちは歴史の中によく似た条件を探します.実際,歴史はあまりにも豊穣であって,その比喩に事欠きません.中国の台頭は,ヨーロッパにおけるドイツの台頭や,東アジアにおける日本の台頭とさまざまに比較されています.

グローバリゼーションは伝統的な国家の意味や枠を奪い去り,国家間の関係を急速に変化させ,同時に,国家以外の主体に国境を超えたネットワークや影響力を広げています.市民たちはますます強力な離合集散の手段を会得しますが,しかも,自分たちの将来を全く予測できません.戦後の安定的な秩序をもたらしていた国際機関や協定は,現実の政治経済に一致しなくなり,不器用かつ鈍重に再編を模索する中で,しかし,その効果が維持できるとも思えないありさまです.

これは,核兵器によって国家間戦争が許されなくなった18世紀のヨーロッパとそっくりだ,などとPhilip Stephensは考えます.しかしキッシンジャーは,同じようなことを書きましたが,だからアジアでは戦争が起きる条件に近づいている,と考えます.

この予測しがたい,しかも,世界が変化することにダイレクトで参加してしまう,興奮と恐怖を焼けるように感じる日々こそ,私たちの眼前に「歴史が戻ってきた」瞬間なのです.

NYT May 2, 2008

The Cognitive Age

By DAVID BROOKS

WP Friday, May 2, 2008

Ideology's Rude Return

By Robert Kagan

WSJ May 6, 2008

The Twilight of Supremacy

By BRENDAN SIMMS

(コメント) 世界についての理解を得ようとしても,大きな図書館なら何千冊もグローバリゼーションについて読むべき本が集められる.国家や戦争もしくは協調より,資本移動,技術移転,移民,情報通信,・・・グローバリゼーションが世界の新しい物語として人々の意識を占拠しています.

問題は,大統領選挙の年にあるアメリカが,ますますグローバリゼーションを恐れ,嫌い始めたことです.製鉄所の労働者も,自動車企業の労働者も,今では研究者やエンジニアまで,中国やインドとの競争を恐れている,とヒラリー・クリントンは述べました.どの国でも,政治家たちはますます,人々の不満をグローバリゼーションのせいにし,自分たちの失敗もグローバリゼーションによって説明できると主張します.

DAVID BROOKSは,グローバリゼーションの神話を超えるように求めます.アメリカ人の雇用が失われるのも,工場が海外に移転するのも,グローバリゼーションだからではなく,技術変化や必要なスキルが変化したから,海外の市場が急速に拡大しているからです.そして,今も世界中の投資の90%は国内で行われている,と指摘します.また,技術革新の影響はアメリカだけでなく中国の労働者にも大きな影響を及ぼしており,1994-2004年に中国の製造業で削られた雇用は2500万人,アメリカの10倍以上である,と紹介します.

政治家たちはグローバリゼーションを無理解の言い訳や責任回避に使ってはならないのです.

Robert Kaganは冒頭に書いています.・・・ Ideology matters again. ここで問題にしているのは,ロシアと中国です.この二つの大国を支配する指導者たちは,共産主義というイデオロギーを捨てました.しかし,支配者たちは資本主義世界との交流で急速に増える利益を使って,自分たちの支配を維持することに成功しています.

市場が富をもたらすなら,政治は自由主義に傾くはずではなかったか? それが,「(イデオロギーの競争という)歴史の終わり」を意味したわけです.ロシアや中国が長期的には自由主義を採用するとしても,それがいつになるかはわかりません.もし彼らの富がその民主化や市民社会を弾圧するために利用できるなら,予想外に長く続くでしょう.

「プーチンはNATOの何を恐れるのか? それはNATOの軍事力ではなく,その民主主義である.」

保守派であれ改革派であれ,ブッシュ政権やウォール街の破たんによって傷ついたアメリカのプライドを回復しなければならない,とエリートたちは思っているはずです.BRENDAN SIMMSは,Fareed Zakaria の新著The Post-American World を紹介しています.それは強気のアメリカ繁栄論です.

アメリカの軍隊は過剰に拡大しているし,経済的な地位は相対的に低下しています.しかし,世界はますます緊密の統合し,その多くがますますアメリカの価値とアメリカの制度,アメリカ的な政治経済秩序(国境の開放,市場の自由化,民主主義)を受け入れているのです.国家としてのアメリカは衰退しているように見えるけれど,それはアメリカの秩序(支配,帝国)が終わることを意味しない.冷戦に勝利した側の諸国が国際秩序の主体として君臨することに変わりはないのです.

グローバリゼーションは,特に,アメリカの自由主義的秩序を意味します.新興勢力の富とその正統性は,国内の支配的な部族や信仰を動かすより,世界的な資源やネットワークを,特にその結び目である多国籍企業や金融ビジネス,また,その世界的な活動条件を整備する国際機関の承認によって,一気に高められるのです.そこに「自由主義」を見るか,「アメリカ」を見るかは,個々のケースで.状況や主体によって,いろいろです.


May 2 (Bloomberg)

Asia Getting Fed Up With Bernanke's Rate Cuts

William Pesek

Asia Times Online, May 3, 2008

Abandoning the USS Titanic

By Chan Akya

NYT May 7, 2008

Some Signs of a Recovery for the Dollar

By STEVEN R. WEISMAN

Asia Times Online, May 7, 2008

Hong Kong savers seek yuan protection

By Olivia Chung

(コメント) アメリカでバーナンキが金融システム維持や不況回避に奮闘すれば,アジアでは過剰な流動性とインフレが暴れだす.日本が低金利だけで復活できなかったように,アメリカアはその教訓を学んで,政治家や新しい法律が問題の方を付けるだろう,とWilliam Pesekは期待します.しかし,それが実現しないまま,アジアがインフレによるコストを支払い続けることで,何か起きるのかもしれません.冒頭に,タイの財務大臣と出会って,ドルとバーツの為替レートについて話し合ったことが紹介されています.

Chan Akyaは,湾岸協力会議(GCC)でクウェートがドル・ペッグの見直しを主張した点に注目します.アメリカは軍隊を送って独裁者からクウェートを守り,クウェートはSWFによってウォール街の損失を補てんしてやりました.しかし,ますますドルが減価するなら,いつまでも高いコストを支払うより,アメリカとの関係は見直すべきではないか?

ドルが安くなれば,その分,石油の価格を上げて産油諸国はコストを石油輸入諸国に転嫁します.石油輸入国の通貨が増価すれば,結局,産油諸国はドルと結びついた自国通貨でますます高くなる輸入財によって再びコストを支払わねばなりません.産油諸国はドルに対して切り上げ,他方,自国通貨が増価しないような石油輸入国は苦しみが増すでしょう.

こうしてドル安によって,湾岸諸国通貨の統一やアジアの共通通貨は粉砕され,安定した価値を求める投資家たちはさまざまな国際商品や金へと向かう,とChan Akyaは予想します.

STEVEN R. WEISMANは,バーナンキがドル安によってインフレが起き,消費者に被害を与えることを注意したことで,市場はドル安がこのまま一方的に進まない,と判断するかもしれない,と紹介します.しかし同時に,Fedは中国やアジア諸国には増価を求め,ドル安を続けるつもりです.

また,主要諸国の政府もドル安の加速を心配します.彼らは関心を共有し,危機になれば,ドル暴落を阻止する協調行動を取るでしょう.また,M.フェルドスタインによれば,貿易不均衡が調整される過程で,こうしたドル安は必要なのです.それが解消されるためには,さらにドル安が続くでしょう.

ドル安と人民元高が続くことを多くの者は利益の機会と見るでしょう.中国本土では資本規制がありますが,投機的な資本は周辺地域,すなわち香港,マカオ,台湾で,蓄積されていきます.こうした周辺の金融システムがドルと人民元との関係を仲介することは,都合が良いこともありますが,両政府の暗黙の合意が失われれば,危機の震源となるでしょう.

香港市民はドルに対して増価する人民元をキャッシュでも保有し,香港ドルの変動に備えます.香港の銀行は人民元が不足し,人民元建預金・資産の金利が上昇しますが,大陸と香港の通貨当局間で金融安定化は合意されません.同じ人民元で大きな金利差があると,闇市場が形成されるわけです.

May 8 (Bloomberg)

Asia's `Euro' Is Short on Trust, Political Will

William Pesek

Asia Times Online, May 8, 2008

The Fed's deformed maturity

By Hossein Askari and Noureddine Krichene

FT May 8 2008

The dollar danger is not over yet

FT May 8 2008

Renminbi revaluation

Asia Times Online, May 9, 2008

The Gulf's currency solution

By Nathan Lewis

(コメント) William Pesekは,アジアにおける共通通貨の試みをユーロと比較します.価格が安定して比較できれば,域内の貿易や投資が刺激されるでしょう.しかし,ヨーロッパでは政治的な意志が経済対立を克服したのに比べて,アジアでは政治的な紛糾が市場統合を妨げます.シンガポールのLGT Groupに属するストラテジストは,アジアでECBのような政治的に独立した中央銀行を設けることは想像できない,と語ります.

一人当たり所得が29000ドルのシンガポールと,500ドルのカンボジアが,同じ通貨・金融政策を採れるでしょうか? しかもアジアには制度がない,とWilliam Pesekは考えます.ヨーロッパにはNATOやOECDがありましたが,アジアにはADBがあるだけです.では,ADBがヨーロッパやラテンアメリカに比べて,インフレや食糧危機,石油危機に,国境を超えて何か有効な手を打てるでしょうか?

Hossein Askari and Noureddine Kricheneは,M.フリードマンを引いて,石油危機も食糧危機も住宅バブルも,過度の金融緩和によって起きていることを確認します.すなわち,アメリカの金融政策は世界の通貨秩序を混乱させる元凶である,と非難されて当然です.世界的なインフレは,世界の現金保有者,貯蓄者に課税して,政府と民間の債務者を救済するメカニズムです.

アメリカ連銀は,貨幣の蛇口さえ開けば,石油も穀物も無限に湧いて出てくると考えるのです.たとえ大恐慌のときのケインズでも,インフレに注意しました.またFTは,ドル暴落の危機は去っていない,と考えます.安定的なドル安のためには,ユーロだけに負担させるのではなく,人民元やルピーにも調整を求める必要があります.


Colin Bradford The wrong audience The Guardian, Friday May 2 2008

PAUL KRUGMAN Success Breeds Failure NYT May 5, 2008

Martin Wolf Seven habits finance regulators must acquire FT May 6 2008

Samuel Brittan The financial crises of capitalism FT May 8 2008

(コメント) 金融の本来の意味が,需要の水準だけでなく,市場を介して供給システムを長期的に構築し,円滑に調整することであるなら,IMFや世銀が食糧危機に融資することも当然でしょう.あるいは,金融危機による信用失墜と,政治的な基盤喪失に悩む姿かもしれません.IMF・世銀総会が金融政策に関する専門家の秘境的な親睦会では終われない,というわけです.

PAUL KRUGMANは,バーナンキが行っている金融システムの安定化と不況回避策を称賛し,今度こそ,つまり,LTCM危機を制度改革につなぐことができなかった失敗を繰り返さずに,金融制度をバージョン・アップするように求めます.

Martin Wolfは,金融規制の改善のために何ができるか,を考えます.P.ボルカーは規制には頼るな,と述べたそうですが,Wolfは規制が避けられないし,改善できると主張します.その論点多くはすでに周知のことですが,

資本主義は必ず金融危機を免れず,その一般的な理論化はできそうにないけれど,キンドルバーガーが示したような類型化は有益です.しかも金融危機から実物経済にまで影響が行き渡るには,意外に長い時間がかかるようです.

NYT May 4, 2008

The Case for a Newer Deal

By ALAN S. BLINDER

(コメント) 1930年代以来の金融危機を経験して,アメリカが真剣に金融制度を転換する積極的な展望,すなわち,金融のニュー・ディールをALAN S. BLINDERは示します.M. Wolfとも共通しますが,もっと明確です.

まずモーゲージ市場を改革します.ブローカーに守るべき基準を示し,公的な監督を行います.証券化によって最初の発行主体,債務者がすべて放免されることはできないようにします.SIV(structured investment vehicle)はバランス・シートの外であるから規制やコストを免れるような抜け道が利用できたかもしれません.それゆえ規制の抜け穴や格差を解消します.レバレッジについても同様です.それはセーフティー・ネットに参加する以上,同様のコストを支払います.格付け会社が問題になりました.自分たちで利益相反を防げないなら,SECのように,公的な監督機関を設けることです.

こうした金融規制や監督は,現代のように市場統合が進む中では,アメリカだけで行えません.Wolfも強調するように, 主要国の金融監督が協力して効果を発揮します.また,オフショア市場の抜け道をふさぐべきです.


FT May 2 2008

Outside Edge: Beware snorkel raiders

By David Pilling

May 5 (Bloomberg)

George Clooney Is Trumping Asia's Poverty Fight

William Pesek

IHT Wednesday, May 7, 2008

Japan's balancing act

By Michael Auslin

(コメント) 日本が領土であると主張する「沖ノ鳥島」は,国際法から見て,とても領土とは認められないのに,広大な「排他的経済圏」と資源を求める者たちがわずかな「サンゴ礁」を拡張して,灯台を建て,「島」を捏造しているのではないか? 中国政府はそれを「認めない」と言いますが,すでに数年前,石原都知事はこの「島」を訪問して番地を与えました.

この短い論説は,サンゴ礁に依拠した領土拡張が国際的な競争になれば,世界中の海で,熱帯魚の静かなすみかがコンクリート壁で覆われ,あるいは,各国の軍艦や兵士が押し寄せるだろう,と心配しています.David Pillingが言うように,むしろ相互に「サンゴ礁を領土とはしない」という国際協定を,日本政府と中国政府がともに推進するのは有意義でしょう.

サンゴ礁を埋め立てるより,こうしてアジア・太平洋の多くの領土問題に平和的解決を展望できるなら,日本外交は重要な役割を果たせるわけです.

William Pesekは,ADB(アジア開発銀行)の黒田総裁を取り上げています.主要な政治家や銀行家はもちろん,映画俳優やスポーツ選手まで含まれるのに,なぜ黒田総裁は世界で影響力のある100人(Time magazine's list of the 100 most-influential people)に入らないのか? ・・・アメリカ人の関心で,日本人がリストに何人いたのか,心配です.

ADBの加盟国は多様で,合意形成は難しく,制度改革の論争も尽きません.しかし,世界経済の問題は,IMFや世銀よりも,ADBによるアジアの貧困解消や食糧支援,資源・領土紛争を回避して市場を機能させることにかかっているでしょう.それに成果を上げれば,黒田の名前を挙げなかったTime誌(とアメリカ人)こそ,見識が足りなかったわけです.

日本のニュースを観ても,中国の胡錦涛主席が来日したことは,不思議なほど抑えた報道です.まるで聖火ランナーのように.日中がアジアの仲間であることを示すはずが,よそよそしい「戦略的友好関係」という言葉で,ともに自国内の賛否両論を封じ込めようとしたのでしょう.つまり,互いに手を組めるところでは「友人」と称しておきましょうか・・・ いつでも,必要なら,激しく敵対することは覚悟していますよ,と.

歓迎しているのか,警戒しているのか,祝っているのか,嫌っているのか? 中国との貿易や投資が増え,日本企業の活動は中国の生産拠点や市場と切り離せなくなる一方.アメリカとの関係や,特に安全保障だけは優先しなければなりません.Michael Auslinの論説は的確ですが,日本は韓国のような,あるいは,台湾や,香港のような印象を受けます.

日本政府が恐れているのは二つです.アメリカが中国と接近してしまうのではないか,あるいは,アジアへの安全保障を負担しなくなるのではないか? また,アジアやオーストラリアが中国の拡大に取り込まれてしまうのではないか,日本がアジアで孤立するのではないか?

しかし,日本はそれらを恐れるべきではないのです.むしろ日本政府には,中国が国際的な自由主義的秩序に対する信頼を失わないように,また,国内の民主主義的な改革を進めるように支援し,中国とともに,アジアの平和と社会的安定を維持する重要な役割を担うつもりだ,と語ってほしいです.


The Guardian, May 3, 2008

Burma's bogus constitution

BG May 3, 2008

Kasparov's opposition in check

William Harrison

FT May 8 2008

Tibet has stronger self-rule case than Kosovo

By Paul Harris

(コメント) ジンバブエの大統領選挙とムガベ,南アフリカやアフリカ統一機構の対応,ビルマもしくはミャンマーの軍事政権と自宅軟禁されたスー・チー女史,台風による甚大な被害と,国際援助を拒んでも強行する新憲法に対する国民投票.軍事独裁を続けるために用意しただけの憲法.承認させるためだけの投票.

ロシアの大統領選挙でも,政府を批判する者は沈黙を強いられた,と言います.選挙や投票による単体の機会を奪われた彼らは,むしろロシア国民が石油価格の下落で正気に戻る「機会」を待っています.

もしコソボが独立に値するなら,チベットはもっとそうではないか? 1950年の軍事侵攻以来,確かにチベットを実質的に支配するのは中国かもしれません.しかし,アイルランドはイギリスに支配されたし,フィンランドはソ連に支配され,韓国は日本に支配されていたではないか,とPaul Harrisは書きます.1958年の武装蜂起と亡命政府以来,中国はその分離独立を否定しているけれど,ダライ・ラマが主張するような高度な自治を与えるにふさわしい,と主張します.


SPIEGEL ONLINE 05/03/2008

Adidas Chief Criticizes Anti-China Protestors

Adidas CEO Herbert Hainer

SPIEGEL ONLINE 05/07/2008

'I Fear these Olympics Are Now only about Politics'

Adidas CEO Herbert Hainer

(コメント) アディダスは中国市場で,2010年までに,10億ユーロ以上の売り上げが目標です.北京オリンピックのスポンサーとして,消費者との関係を深めたい,とCEOのHerbert Hainer語っています.しかし,北京オリンピックで選手や護衛の民兵たちがアディダスのユニフォームを着ることにより企業イメージが逆に悪化しないか? と記者は訊ねています.

人権運動団体は,アディダス社が中国政府にダライ・ラマとの対話を求める声明を出してほしい,と求めました.しかし彼は,企業を政治の場に引き込むことは良くない,と考えます.さもないと,スペイン政府にETA(バスク独立運動)のことを,アメリカ政府にグァンタナモのことを,いろいろ求めることになる,と.

自分たちは民主主義を支持するから,どのような政治的な主張の違いも認めるが,平和と友好を深めるオリンピックのシンボルを暴力的に奪い取るような行為は許すべきではない,と答えています.我々にはこの主権問題を直接に解決する力はない.しかし,かつてソ連・東欧の社会主義圏でもそうであったように,スポーツの振興や交流を通じて,平和と対話を促したい,と.

記者の執拗な質問と批判に対して,Herbert Hainerは応じます(たとえ事後の訂正があるとしても,面白いです).・・・中国に展開する多くの日本企業は,日本の新聞社,や中国の新聞社,ヨーロッパの新聞社に対して,どのように回答しているでしょうか?


FT May 4 2008

A strategy to promote healthy globalisation

By Lawrence Summers

(コメント) グローバリゼーションは自分たちの利益になるのか? とアメリカの労働者たちが疑いを強めている,とSummersは懸念します.そして実際,もし企業が国外の投資環境を生かして競争するのであれば,グローバリゼーションは労働者たちの生活を完全する結びつきを失ってしまうでしょう.

なぜ私たちは豊かなのか? なぜ貧しい国の労働者たちよりも高い賃金を得るのか?

それは私たちの生産性が高いからです.高い生産性を支えるのは,労働者の知識や技量だけでなく,それと組み合わされる社会的な蓄積があるからです.すなわち,設備,経営能力,投資や勤労の文化,インフラ環境,技術革新の条件,など.

かつては,市場や投資が国際化しても,その結果,自分たちの地域に投資や税収が残り,それによって労働者たちの生産性を高める条件が改善される,と前提できました.今は違います.技術革新も,ブランドも,経営能力も,インフラや企業文化も,世界中で利用可能なものから企業が選択します.そのような企業の利潤が増えることは,その企業の労働者とコミュニティーに,十分な生産性の改善をもたらすと言えません.企業は労働者の質や地域のインフラ整備に,以前ほど,強い関心を持たないのです.

さらに深刻なことは,企業からの投資を得るために,労働者や地域社会・政府は世界中で争わなければなりません.グローバリゼーションは「底辺への競争」を強いるのです.企業はそれを利用し,脅します.こうした状況は,かつて「脱工業化論」や「産業再編(リストラクチャリング)論」として批判派の経済学が主張していたことです.今や,その主張が正統派になった,と言えるでしょう.

サマーズは,グローバリゼーションの逆転や離脱,抑制を間違いだ,と考えます.それは(特にアメリカが行えば)他国の経済に大きな打撃を与え,怨嗟をもたらし,報復によって開放経済体制を破壊する危険があります.また,グローバリゼーションを前提する他国の企業に比べて,アメリカ企業が競争力を失うだけだ,と批判します.

アメリカ政府が関心を向けるべきことは,労働者の所得を不平等化と不確実さから守ること,グローバリゼーションのマイナスの影響を緩和することです.すなわちアメリカ政府は,1.税制において国際協調を指導する.2.企業を誘致するため強いられる有害な政府間競争・経済外交を禁止する.

すなわち,グローバリゼーションによって大きな利益を得る企業は,各国に納税しなければならないし,累進的な課税制度にもとどまらねばなりません.そうすることで,政府はグローバリゼーションの支持基盤を維持できるからです.また,生活水準を向上させるさまざまな規制が国際的に調整されて,その社会的な実現を確実にするべきです.(ただし,労働基準を持ち込む問題は保護主義の抜け道として否定します.)

グローバリゼーションにおいて企業の利益と国民の利益とは乖離するでしょう.しかし,国際経済政策はアメリカ労働者の利益に奉仕することができる,と主張します.

FT May 5, 2008

Economic Internalionalism 101 (for US Presidential Candidates)

Willem Buiter

(コメント) サマーズの主張について,Willem Buiterはよりヨーロッパ自由主義的な立場(?)を示します.それはほとんど同じですが,サマーズが民主党に影響する立場,しかも,クリントンの保護主義を批判してその代案を示そうとしたように,Buiterは自由主義的なEUの市場統合を前進させます.

それが自由主義であるのは,政府による介入を解決策として希望していない点に明白です.むしろ,政治家はもっと労働者たちに真実を説明しなければならない,と強調します.グローバリゼーションはアメリカを豊かにしており,この条件を無視して(過去のアメリカの優位を懐かしがって)議論することは不毛である.グローバリゼーションには勝者も敗者もいるのだから,政府にできることは,1.セーフティー・ネットを整備する,2.法,規則,規制を改善して,市場機能による調整を促進する,3.それを補う,教育や再訓練などに公共支出を増やす,という主張で分ります.

アメリカ人に限らず,「誰であれ,特定の職場に対する権利を主張することもできないし,過去の生活水準が悪化しない権利を持っているわけでもない.」 もしそのような主張をグローバリゼーションに対置するなら,その実現する見込みは最初からないのだ,と.

The Guardian, Thursday May 8 2008

This tale of two revolutions and two anniversaries may yet have a twist

Timothy Garton Ash

(コメント) 本当に? しかし,Ashは,1968年と1989年の革命を考えます.今のヨーロッパを動かしているのは,世界化した改良型の資本主義(globalised version of reformed capitalism)である,と.ただしその内容は,まだ作られている過程なのですが.


The Observer, Sunday May 4 2008

Feeble government lets the superclass soar over the rest of us

Will Hutton

The Guardian, Tuesday May 6 2008

Bring back real politics

John Palmer

(コメント) David Rothkopf の新著 Superclassを材料に,Will Huttonは超富裕層の生活と政治,金融支配について警告します.

ロンドン市長の座を失い,地方選挙にも大敗したイギリス労働党について,左派の解釈が示されています.


NYT May 4, 2008

Who Will Tell the People?

By THOMAS L. FRIEDMAN

(コメント) 政治とは可能性の芸術だ,と日本の政治家も言いますが,私は少し違うと思います.この表現は戦争の時代,問題や目標が明確であった時代の箴言です.

むしろ,政治とは「真実を語ること」です.それが受け入れにくい真実であっても(また,真実が見えないことでさえも),だからこそ政治家は真実を語って,将来に向けた解決の道を見出すように人々を促し,鼓舞し,説得して,協力することを優先するのです.こうして暴力的な衝突を回避し,現実の困難を克服できることが,政治指導者の重要な資質ではないでしょうか.

民主党の大統領指名争いについて,THOMAS L. FRIEDMANは優れたセンスを示します.どの候補も,まだ,真実を国民に語らない,と.

・・・座るところもない騒がしいだけのニューヨークのケネディー空港から,18時間かけてシンガポールの空港に着くと,その超モダンな広々とした空間で,無料のインターネット・ポータルがあり,子どもたちには遊び場があることを知る.・・・また,ベルリンの豪華な中央駅を観た後で,汚れて老朽化したニューヨークのペン・セントラル駅に来れば,戦争で勝ったのはドイツだと思うだろう.・・・

シンガポールは貯蓄し,インフラと教育,科学研究に莫大な投資をしたが,アメリカはそれらを怠り,サブプライム・ローンの賭博に耽った.ヒラリーが主張するような保護主義で,アメリカの力は本当に回復するだろうか? 誰かが国民に語るべきではないか? ・・・「われわれは自分たちが思うような国ではない.われわれは借りた時間,借りたお金で暮らしている.この国には偉大な潜在的力があるけれど,それを引き出すためには,もっと働くことだ.」

BG May 7, 2008

Case closed for Clinton

By Scot Lehigh, Globe Columnist

FT May 8 2008

A hardened idealist: Obama’s toughest fight

By Edward Luce


FT May 4 2008

Mideast mediation needs new dynamic

The Guardian, Monday May 5 2008

Out of the ashes

Joschka Fischer

(コメント) アメリカ,国連,EU,ロシアのカルテットが和平を仲介しても,それで成功するわけではありません.

アナポリスでパレスチナ国家へ向かう和平プロセスを合意した後も,イスラエルは占領下のヨルダン川西岸へ入植を続けています.検問所はおよそ560か所に及び,住民の生活は分断され,蹂躙されているのです.イスラエルとアメリカが支持するアッバスの権威は失われ,封鎖されたガザ地区に樹立されたハマスの政権は持ちこたえて,ロケットを発射し続けます.

和平に向けて,現在の力学を変えるために,FTは二つの変化を要求します.1.イスラエルは,エジプトを仲介としてハマスとの停戦に合意する.ハマスは2国家案を受け入れる.2.イスラエルは西岸への入植活動を中止する.アメリカは2004年にブッシュ政権がシャロン首相と合意した,西岸内の大規模植民をイスラエルに残す,という合意を破棄する.

Joschka Fischerによれば,西側と友好的な民主主義国家が繁栄することを約束してブッシュ政権が起こしたイラク戦争と占領政策が,この地域を誰にとっても不安定化したのです.すでに冷戦終結,ソ連崩壊でバランスを欠いていた地域に,新たな戦争は,世俗的な支配者からイスラム過激派に民衆の関心を移し,石油供給も制約してしまいました(高価格は貧富の差を増した).官製のナショナリズムより,宗教的な急進派が底辺の人々に訴える力を増したのです.

地域におけるイランの台頭,イラン核武装の脅威,スンニー派の衰退,サウジアラビアの弱体化,など,アメリカの意図しなかった結果が並びます.しかし,地域を支配する秩序は,それに参加する者の正当な力を反映して,新しい代表たちが築くしかないのです.

BG May 6, 2008

At 60, Israel remains true to its original mission

By H. D. S. Greenway

FT May 6 2008

State of uncertainty: Israel anniversary brings no comfort

By Tobias Buck

WP Wednesday, May 7, 2008

Washington's Battle Over Israel's Birth

By Richard Holbrooke

The Guardian, Thursday May 8 2008

A human rights crime

Jimmy Carter

(コメント) H. D. S. Greenwayは,第二次大戦末期,ユダヤ人難民問題や石油資源確保,オスマントルコの解体,などをめぐるイギリス政府(そして衰退する帝国領土)の外交的な混乱(あるいは意図的な謀略?)を紹介します.

大量のユダヤ人が流入する中,イギリスが占領を終えて撤退すると決めたときから,イスラエルの国境線は,その後60年を経ても,流血の報復を繰り返しています.戦争も占領も,長期的な解決には至りませんでした.イスラエルは今も,世界各地からのユダヤ系難民を受け入れる国として存在理由を示し,パレスチナ人は今も難民として帰還できる日を待っています.

Richard Holbrookeは,1948514日のイスラエル建国に対して,どのように反応するべきか,アメリカ政府内では激しい論争があったことを指摘します.すなわち,ハリー・トルーマン大統領と,ジョージ・C・マーシャル国務長官は深刻な対立に陥ったのです.トルーマンはイスラエルの独立(パレスチナ分割)を支持し,国務省はパレスチナの国連委任統治を支持しました.

アメリカの国連大使が委任統治に賛成投票したことを知らされずに,トルーマンはユダヤ人の指導者ベン・グリオンに分離独立を支持すると約束しました.その後の大統領と国務省の対立は最悪のものであったようです.国務省の専門家や顧問は,「石油,人口,歴史」を考慮して,分離独立を回避しようとしました.3000万人のアラブ人と60万人のユダヤ人を比べたのです.

この対立は,外交と国内政治との対立をして理解され,結局,その後の経過から,国務省の判断が正しかった,と主張されました.しかし,ホルブルックはそれに反対します.むしろアメリカの「道義」を守った点で,トルーマンの判断は今でも正しいと言える,と.

大統領選挙運動においても,ユダヤ人コミュニティーの内部対立に際して,自由な政治経済政策を一貫して支持する,と約束しました.たとえアメリカが反対しても,イスラエルの建国は避けられず,しかもアメリカの支持なしには,もっと恐ろしい事態になったはずだ.ヨーロッパのホロコーストを生き延びた人々に対してトルーマンが採った選択は間違っていない,と.

他方,Jimmy Carterの主張は,パレスチナ難民の現状,特にガザ地区の150万人に対する道義的責任を,アメリカやEU,世界の主要政府が避けてはならない,と求めているように見えます.


IHT Monday, May 5, 2008

China's competing nationalisms

David Shambaugh

WP Monday, May 5, 2008

The Facets Of Chinese Nationalism

Yang Jianli

LAT May 6, 2008

China's next-generation nationalists

Joshua Kurlantzick

Asia Times Online, May 7, 2008

China-bashing is a blind man's game

David Gosset

(コメント) 中国のナショナリズムについて懸念する論説が並びます.いずれの国にもナショナリズムがあります.自国のナショナリズムは正しく,他国のナショナリズムは危険だ,と主張するのは容易です.自国(自民族・国益)優先や愛国心(郷土愛・運命共同体・連帯意識)は,政治的な意志を形成する基本原理としてなくならないでしょう.

つまり,ナショナリズムにもいろいろある,と多くの論説は考えるのです.ロシアでも,中国でも,・・・ナショナリズムという政治運動の形が何を背景としており,何に変わっていくのか? 誰が利益を受け,誰が責められるのか? 政治家たちはナショナリズムという虎に乗って,あるときは猛進し,あるときは食いちぎられます.・・・イギリスでも,オランダでも,テキサスでも,韓国でも,台湾でも,日本でも.

歴史上,官製の国家ナショナリズムと,抑圧された側には抵抗のナショナリズムがありましたが,今ではインターネット型のナショナリズム=フーリガンが諸都市に出現するわけです.中国に広まるさまざまなナショナリズムを正しく理解するには,歴史的な経験,社会・経済的な不満,中国人の中で共鳴し共振する集団的な魂,を追跡しなければなりません.そして,それを利用する者たちの意図や戦略も.

David Shambaughが望むのは,中国のナショナリズムが醜悪な,恐怖をもたらすものではなく,世界から称賛されるものとなることです.「孤立した,排外主義のナショナリズムではなく,コスモポリタンなナショナリズム.多くの都市住民やインテリを含むナショナリズム.世界における中国の新しい役割,すなわち,安保理時常任理事国として,世界経済の成長のエンジンとして,2億人が絶対的貧困から抜け出したケースとして,北朝鮮のような危険な問題を処理し,国際秩序を擁護する中国の役割に誇りを感じるナショナリズム.」

Yang Jianliは四つのタイプを区別します.1.イデオロギーとして共産主義が衰退した後,実際的に採用されたナショナリズム.それは政府によって計算された,支配の正当性や国際化とも組み合わせる「国益」論であり,イデオロギーではない.2.共産党員やエリートたちが従う隷属的・迎合的ナショナリズム.政府の管理する矛盾したメディアに従う.3.中国の統一,強化,繁栄,威信を追求するナショナリズム.合理的で,正義を求め,それゆえ,人権や民主主義を支持する.しかし対外関係では特に,非論理的・感情的になりうる.4.人権を重視する愛国主義.個人の意思を解放し,少数民族の尊厳を重視する.

Yang Jianliは,2002年に労働争議を行ったとして投獄され,2007年に釈放されました.彼は国際社会が北京オリンピックを条件付きで支持し,中国に対する平和的な抗議と発言を続けて,4番目のナショナリズムを支援してほしい,と主張します.

中国で,もし政治的主張が自由化され,もっと民主化されていたら,ナショナリズムはもっと激しく,もっと危険な姿を現しただろう,と懸念する意見もあります.ナショナリズムを擁護していた中国政府も,中国批判を行ってきた諸外国の団体や政治家も,教育を受けて豊かになった中国の若者たちに広まるナショナリズムが進む方向を見誤ったことに,深く,驚くわけです.


The Japan Times: Monday, May 5, 2008

How to intervene militarily

By PAUL COLLIER and BJORN LOMBORG

(コメント) PAUL COLLIER and BJORN LOMBORGは,「コペンハーゲン・コンセンサス」を説明します.その要点は,暴力的な衝突が起きる前に,国連軍がそれを予防する介入を行うべきである,ということです.それは拡大した紛争地域が被るコストや,事後的な介入コストに比べて,はるかに少ないコストで済むからです.しかも,その原因としては,民主的な制度の不足する地域に資源や商品輸出のブームがもたらした富をめぐる分配問題が激化するケース,環境破壊の進む辺境地帯,などを指摘します.将来,こうした紛争は増大し,ますます世界の安全保障として富裕諸国が負担するしかないコストです.


NYT May 6, 2008

Georgia, NATO and Mr. Medvedev

WP Tuesday, May 6, 2008

A Warning Shot From Moscow?

By Anne Applebaum

BG May 7, 2008

With Medvedev, Russia looks like it's back

By Marshall I. Goldman

(コメント) ロシアノメドヴェージェフ新大統領は,西側との関係を改善できるでしょうか? プーチンとガスブロムが彼の基盤です.


Simon Jenkins Policy won't cut it. Voters want charm and novelty The Guardian, Wednesday May 7 2008

Broken promises FT May 7 2008

Seumas Milne New Labour is finished. The fight is over what replaces it The Guardian, Thursday May 8 2008

Philip Stephens Brown limps towards an unhappy ending FT May 8 2008

(コメント) イギリス労働党の地方選挙結果について.


WP Tuesday, May 6, 2008

A Pushover for Pyongyang

By Danielle Pletka, From the American Enterprise Institute

WSJ May 8, 2008

Bush's North Korea Nuclear Abdication

By JOHN R. BOLTON

(コメント) 北朝鮮の核施設について,アメリカの交渉と圧力は成功するでしょうか? Danielle Pletkaは,ブッシュ政権のソフトな交渉戦術は失敗し,北朝鮮は報酬を得て,イランやシリアの核武装を励ました,と考えます.

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The Economist April 26th 2008

Asia’s other miracle

Half-way from rags to riches: A special report on Vietnam

Gulf economies: The rise of the Gulf

Gulf economies: How to spend it

Chinese nationalism: Flame on

China: Manage that anger

Olympic games: The ghosts of Mexico 1968

Business and human rights: Beyond the “genocide Olympics”

(コメント) 中国に劣らず,開放型の市場経済を導入して成功したケースとして,ベトナムが称賛されています.特に,その農業生産の伸びは驚きです.かつて飢餓とボート・ピープルの国であったベトナムが,ブラジルのコーヒー輸出を追い抜き,タイのコメ輸出に接近し,インドにお茶を輸出するとは.豊かな農村が軽工業の拡大とともに貧困を解消した,と言います.

他方,有り余る石油の富を海外に投資するより,国内の都市建設に投資し始めた湾岸諸国の巨大開発プロジェクトは,かつての債務問題や,移民問題,インフレや通貨危機を連想させます.

中国のナショナリズムとオリンピックの行方についても,当然関心は向かい,1968年のメキシコ・オリンピック,直前に抗議集会を襲った虐殺事件,北京ナリンピックのスポンサー企業に対する要求と,人権を国際ビジネスに結び付ける国連の試みが興味深いです.