IPEの果樹園2006

今週のReview

7/10-7/15

IPEの種

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世界の英字紙HPからコラムを要約・紹介します.著作権は,それぞれ,元の著作権に従います.

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IPE方法論 :東アジア共同体二重国家案

安全保障 :イスラエルのガザ侵攻北朝鮮のミサイル発射

貿易・投資 :ラウンドの憂鬱

通貨・金融 :ハンガリー通貨慈善事業

世界統治 :靖国=プレスビー

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ただしFTFinancial Times, NYTNew York Times, WPWashington Post, LATLos Angeles Times, BGBoston Globe, IHTInternational Herald Tribune, CSMChristian Science Monitor


WP Tuesday, June 27, 2006; A21

Help Wanted In Iraq

By John Kornblum

The American Prospect 06.29.06

Staying on Message -- Nixon's Message

By Harold Meyerson

WP Friday, June 30, 2006; A27

Checking the Decider

By Eugene Robinson

(コメント) ブッシュ氏は,戦争への支持・不支持に関わらず,戦後の再建を国際的な枠組みで長期にわたって維持する姿勢に転換するべきです.ボスニアでも,コソボでも,アフガニスタンでも,軍事介入は長期にわたる再建を必要としています.投げ出すことは,一国で担うことと同じく,不可能です.

戦争に負けても選挙に勝てる,というニクソンの戦術を共和党はまねている,とHarold Meyersonは主張します.選挙を決めるのは,戦争の成果や勝敗ではなく,それをめぐる論戦です.共和党は,民主党が臆病者である,と主張します.負けそうになったら戦場から逃げ出すのか? 戦争の目的に関して間違いは無かった.民主党はおしゃべりばかりで対案を示せなかった.彼らは行動したがらない.ニクソンはそのように国民を説得しました.

しかし最高裁は,漸く,ブッシュ政権の勝手は法解釈に反撃しました.


The Japan Times: Thursday, June 29, 2006

A wise man's vision of Pax Asia Pacifica

By RALPH COSSA

FT July 3 2006

Need for reform along New Silk Road

By Dominic Barton and Kito de Boer

(コメント) 「アメリカの平和」から「アジア太平洋の平和」 'Pax Asia Pacifica' へと,時代は変化する? フィリピンのラモスFidel Ramos元大統領は講演で語りました.ラモス氏が取り上げた地政学的な変化(勢力均衡)は,@中国の台頭,A日本の自立,Bインドの登場,Cアメリカの既得権,です.

中国が平和的に台頭するには,中国の姿勢と,近隣諸国,特に,アメリカと日本が,中国との関係を調整し続けることが重要です.この問題を解く鍵が,政治的統合まで含めた「東アジア共同体」という新しい制度です.

「ASEAN+3」が共同体の意味を決める基本的なメカニズムになるでしょう.同時に,ラモス氏はアメリカが東アジア・サミットに深く関与することを求めます.また,オーストラリア,ニュージーランド,インド,ロシアも「ASEAN+3」との会合を持つように求めます.

ラモス氏はまた,日本がアジア太平洋における責任ある役割を担うように求めました.参加各国は第二次世界大戦の記憶よりも,未来に関心を向けるでしょう.日本軍が戦争において「従軍慰安婦」により与えた苦しみを忘れるべきではありませんが,同時に,戦後の日本がこの地域に与えた経済援助と成長も重要です.

「ピープルズ・パワー」や「革命」をラモス氏は批判します.人民の声を代表し,政治を変えるのは議会である,と主張します.

世界の配置を良く見れば,中国・インドに集中する人口と工業力とは,中東の石油資源を求めるでしょう.それゆえ,ヨーロッパやアメリカの新しい投資先として,「ニュー・シルクロード」が提案されるわけです.資源の採取や輸送路の確保には,莫大な投資が必要です.いままで大陸は政治体制や戦争によって分断されていました.海のシルクロードだけが発達したのです.

石油価格が高いほど,中東の石油王たちはアジア投資への関心を強めますし,シンガポールや韓国などから,さまざまな企業と企業連合が建設・衛生・金融・レジャー,などの分野で投資を準備しています.アラブとアジアとの間で,宗教や文化,教育や政治システムに関しても相互理解が進み,製品や資本の共通市場を築くことは,両者にとって重要な利益なのです.


Use restraint, Israel LAT June 29, 2006

Hamas Provokes a Fight NYT June 29, 2006

Francis Sedgemore How to end the war The Guardian Friday June 30, 2006

Marwan Bishara End the cycle of retaliation IHT FRIDAY, JUNE 30, 2006

Mindless in Gaza: Israel's risky strategy FT July 1 2006

Will Hutton Israel's act of war is inexcusable The Observer Sunday July 2, 2006

Gareth Evans and Robert Malley How to curb the tension in Gaza FT July 5 2006

Jonathan Steele Europe's response to the siege of Gaza is shameful The Guardian Thursday July 6, 2006

Alan Kaufman Hamas can't let Israel go LAT July 6, 2006

(コメント) イスラエルの国民は,ガザ地区から一方的に撤収し,解放したにもかかわらず,パレスチナ住民たちがテロリストのハマスを政府に選んだことに憤慨していました.ハマスにつながる武装勢力がイスラエル兵を殺し,人質を取って,イスラエル内の囚人と交換するように要求したことが,こうした報復攻撃の背景にあります.しかし,ハマスの内部は分裂しています.もしイスラエルの強攻策が抹殺するものがあるとすれば,それは真っ先に,和平を支持したパレスチナにおける穏健派でしょう.対立は一気にエスカレートし,軍事的な強硬策が政治を支配します.だからブッシュ政権や諸外国の代表は,イスラエル政府にもっと強く自制を求め,パレスチナ政府に交渉への説得を続けるべきだ,とLATは主張します.

ハマスは政治的責任を果たすべきだ,と繰り返し主張されます.イスラエルがガザ地区の発電所を破壊したり,水道を止めたりすることは,ハマス政府に対する正当な政治圧力であり,攻撃である,と評価されます.それはハマスがイスラエルの国家としての生存を認めるように加えられた圧力です.しかし,・・・もし140万人のガザ地区を統治するハマスが,核爆弾とテポドンを持てば,あるいはクウェートのような産油国であれば,それをどのように使用するでしょうか?

イスラエルはテロリストとの交渉を拒否し,テロに対してはそれを超える大きなコストを支払わせる,という姿勢を示しました.しかし,イスラエルによるガザ地区への攻撃はイスラエル兵の殺害や人質に対して始められたわけではない,とMarwan Bisharaは指摘します.就任後2ヶ月になるEhud Olmert政権は,既に超法規的な暗殺を繰り返し,多くの子供を含む85人のパレスチナ人殺害に責任がある,と.パレスチナ政府は15ヶ月に及ぶ一方的な停戦を実施しましたが,イスラエルは暗殺をやめませんでした.

「これほど小さな領土において,イスラエルは,パレスチナが安定しなければ,決して安全を得られない」とBisharaは強調します.ケインズの『平和の経済的帰結』,フランス語版序文,を思い出します.ハマスが漸くファタハとの合意を介して,イスラエルとの歴史的な協定を受け入れようとしているときに,イスラエル兵の拉致を理由に,それを破棄したのはイスラエルである,と.それを好むが好むまいが,ハマスやヒズボラを生み出したのは戦争やイスラエルの占領政策でした.テロリストを非難し,暗殺することで,それが取り除けると思うのは間違いです.

イスラエルが軍事介入によってガザ地区の住民にハマスへの政治的支持を再考させる戦術を取ったことは,ある意味で,合理的である,とFTも認めます.しかし,その代償には均衡が求められます.たとえば,とFTは考えます.もしIRAがイギリス兵を人質に取ったことへの報復として,イギリス軍が北アイルランドに侵攻し,その住民を懲らしめるために発電所を破壊し,交通網を遮断し,政府庁舎を爆撃したとすれば,大通りを穴だらけにし,ダブリン上空を威嚇のために空軍機が低空飛行し,軍隊の命令に従わない者を次々と逮捕すれば,どうなるだろうか?

そのような介入には国際的な非難が高まるでしょう.FTは,ハマスがファタハとの合意に達したときに行われた,イスラエル政府による武装指導者の暗殺を,特に非難しています.

Will Huttonも,この長い歴史を持つ中東紛争において,双方が攻撃に対する反応を知っていたはずだ,と指摘します.また,イスラエルは,これまでも,繰り返し不均衡な報復を行ってきました.眼には眼を,ではなく,イスラエル兵の死者一人に対して,その10倍,20倍の死者をパレスチナ側に強いたのです.反独立国家として認められているガザ地区に侵攻し,その施設を破壊するだけでなく,政府の閣僚8名や議員30人をテロ容疑で裁判にかけると称して拘束したのは,著しく正常な判断を逸脱している,と憤慨します.これこそ,戦争行為です.

イスラエルは,軍事的な圧力によって勝利することはできない,と知るべきでした.すべてをイスラム過激派のテロと結び付けて,イスラエルの軍事行動を正当化することは,血の報復を呼ぶでしょう.テロ攻撃は中東世界の外へも及ぶ危険があります.

the International Crisis Group Gareth Evans and Robert Malleyによる分析も重要です.ハマスが選挙に勝利してから,イスラエルと西側各国は交渉や援助を拒否し,そのイデオロギーを転換するように求めてきました.混乱と貧困によってハマスが住民から孤立し,政権を失うことを望んだわけです.しかし,パレスチナの情勢ははるかに複雑であり,混乱は武装集団のイデオロギーや暴力を助長してきました.ハマスを拒むだけでは問題を解決できません.

人質を解放させるために,イスラエルが過大な報復作戦を中止して撤退し,拘束したパレスチナ人を解放することは,考えられない選択肢でしょうか? そうではないだろう,と彼らは考えます.

また,Jonathan Steeleは,スイス政府のみがイスラエルの報復作戦を非難したことを賞賛し,EUの恥ずべき沈黙と,西側諸国の偏った関与を批判しています.北朝鮮がアメリカの独立記念日やシャトル打ち上げを隠れ蓑にしたように,イスラエルはドイツのワールドカップを口実にしたのでしょうか?

The Guardian Tuesday July 4, 2006

Instead of two states side by side, why not one superimposed on the other?

Mathias Mossberg

半世紀以上に及ぶイスラエルとパレスチナの抗争は,一片の土地をめぐるものである.その土地を分割する数え切れない提案が出されては消え,一つとして機能しなかった.イスラエルがガザ地区から一方的に撤退し,入植地を解体したのも,この領土紛争を終わらせる最新の試みであったが,それは余りにも小さく,余りにも遅かった,と批判された.

イスラエルの新首相Ehud Olmertは,2010年までに国境を画定すると公約した.しかし,パレスチナ人が1967年の国境線まで後退するように求めている限り,それが実現するとは思えなかった.最近になって暴力がエスカレートする中で,平和的に,相互の国家を認め合う二国家案はかつて無く難しくなった.新しい条件で,この紛争を考え直す必要がある.

今日では,地理的な領土を支配することは,かつてのように重要ではなくなっている.国家の重要性は,領土に関してではなく,市場アクセスや技術,法の支配に関わる.イスラエル人とパレスチナ人がある程度国家や領土の考え方と切り離して,一緒に新しい生き方を考えるべきではないか? 両方の人民に,地中海からヨルダンまでのすべての地域に居住する同じ権利を,少なくとも原則として,与えてはどうか?

それを想像することも容易ではないだろう.国家を考える際には,国境を考え,現実の,細部まで確定された,国境線を地図に描く.私が考えていることはまったく異なる.それをはるかに超えて,これまでのすべての「リアリスト的解決策」を否定するものである.

それは「二重国家」と呼ぶことができる.イスラエルとパレスチナという二つの国が並ぶのではなく,市民は自由にどちらのシステムに属するかを選択する.彼らの市民権は領土ではなく,彼らの選択に結びつく.イスラエルはユダヤ人の母国であるだろうし,パレスチナ人も自由に居住することができるだろう.

この基本的な行政的構造は,たとえばスイスのカントン(郡)のように,他でも機能する. そこにおいて人々は異なる出自と信仰,異なる言葉を話し,異なる忠誠心を持って,互いに一緒に暮らしている.イスラエル=パレスチナ二重国家では,もっと小さな土地について,国家への貴族を,住民投票で決めるだろう.同時に個人が,どこに住んでいるかと関係なく,市民権を自分で選択できる.パレスチナの郡であることを選択した地区に住みながら,イスラエル市民であることも可能であるし,その逆も可能である.

イスラエル人とパレスチナ人は,たとえば,イスラエルの行政区域において,多くの同じ法律に従い,同じ権利を持って,互いに一緒に暮らす.彼らは,今,イスラエルが占領している土地やその領土に移住することが自由にできる.彼らは通貨を共有する.彼らは共通の労働市場に参加し,多くの共通した公共サービスに対して,共通の税金を支払う.

市民の対立は独自に指名された仲裁人によって解決されるだろう.親たちは自由に子供たちを好きな学校に通わせる.政府は教育予算を比例的に配分する.近隣地区は個々の選挙に独自の指導者を選出する.しかしこれらの指導者たちは,課税や刑法,交通規制など,多くの問題で法律を調和させるだろう.

もはや防御壁や障害物は必要ない.戦車を動かし,治安を確保するために住民を立ち退かせることもない.検問所も必要ない.統合防衛部隊が国境を警備し,統合関税サービスが経済圏を確認する.両国は国民的なシンボルを維持するし,それぞれの政府や外国の代表部は残る.地域の問題は多数による支持で郡政府が扱い,個人の権利や自由は,両国の協力によって保証される

ユダヤ人が多数を占める地区や主要な入植地が,イスラエルになることは想像できる.イスラエルの法的な支配下にある地域で,パレスチナの法によって暮らしたいとパレスチナ人が考えるかどうかは分からない.同様に,パレスチナの中核となる地域も容易に分かる.西岸とガザ地区,さらにアラブ系イスラエル人が多く住む地域も入るだろう.この地域全体に,イスラエル人がイスラエルの法によって暮らすこともできる.エルサレムも同じ原則に従う.近隣地区の人口は短期間には変化しない.たとえば,エルサレムの東と西はしばらく分割されているだろう.しかし,少なくとも,人々は移住し,暮らす自由を得られる.

確かに,そのような「二重国家」への道には反対もあるだろう.しかし,概ね,それは現実に依拠しているし,前進である.イスラエルの西岸からの撤退と,パレスチナの機関が発達して信用を得るなら,この過程を開始できる.そしていつの時点か,経済的責任と市民生活,防衛を共有することについての直接対話が,この新しい国家のための構造物を築き始めるのである.

これはまったく非現実的な提案だろうか? 多分,そうである.しかし現状は正常で健全な状態から程遠い.和平プロセスを始めるには,根本的に新しい思考が求められている.小さな土地を誰が所有するかにこだわる伝統的な思考の外に国家を再建することで,イスラエルとその占領地域は,グローバル化した国家の現代的あり方をもたらし,20席の最も解決不可能な領土紛争を21世紀の無形国家が解決するのである.

そのような国家は世界政治,国際法,憲法に革新をもたらすだろう.しかしそれは,多くの点で,われわれが既に住み新しい世界の確認に過ぎない.われわれの生活はもはや過去のように土地と結びついていない.イスラエル人もパレスチナ人も,土地を忘れることが,そこで暮らす唯一の道なのである.


NYT June 29, 2006

The Wreckage in the China Shop

By BOB HERBERT

BG July 3, 2006

Finishing the war on terrorism

By Bob Graham

(コメント) BOB HERBERTは,アメリカの外交政策を扱う重要な雑誌the July/August edition of Foreign Policyが特集したブッシュ政権による「テロとの戦争」に関する総括評価を紹介しています.回答者の84%がアメリカは勝利しつつあると考えていませんし,86%がアメリカ人の安全は9・11当時よりも悪化している,と答えました.10人のうちの8人以上が,今後5年以内に,9・11と同じ規模のテロ攻撃が起こるだろう,という警告を支持したということです.

アメリカ政府は,多くの失敗を犯したし,テロと戦うもっと良い方法があったはずだ,とブッシュ政権を批判しています.何より,ブッシュ政権は軍事力の行使に過大な期待を持っていた,と.そして,アメリカが中東からの石油に依存することをもっと減らすべきであるし,イスラム過激派とのイデオロギー闘争においてもっと成果を上げる必要があり,それは戦争よりも,外交やその他の非軍事的な手段によって十分に達成できるはずだ,と考えます.


David Pilling Graceland and Yasukuni: two national myths FT June 29 2006

Caroline Daniel and David Pilling Japan’s premier follows dream to Memphis FT June 30 2006

FRANK CHING Rewriting the line on Japan The Japan Times: Friday, June 30, 2006

Todd Crowell Elvis and war crimes: One shrine or another Asia Times Online, Jul 1, 2006

MAUREEN DOWD Velvet Elvis Diplomacy NYT July 1, 2006

Make friends with Hu FT July 3 2006

HUGH CORTAZZI A public-relations disaster The Japan Times: Monday, July 3, 2006

Masako Toki Forget Elvis, Japan must get its act together Asia Times Online, Jul 4, 2006

Daniel Sneider Japan’s Succession Battle YaleGlobal Online, 6 July 2006

(コメント) David Pillingは,靖国神社参拝で5年を送った小泉首相がプレスリー巡りで任期を終えるのは,まさにピッタリだ,とあきれます.なぜこの二つはそっくりなのか.それらはともに「不滅の精神」を示し,「国民の本質」を理想化し,「歴史を美化」するものだから.それらはリビジョニスト(歴史を自分勝手に解釈する者)の博物館です.駐日アメリカ大使Thomas Schiefferも,小泉首相の靖国参拝を公式に批判しませんが,その博物館を好まない,と述べました.

香港のジャーナリストFRANK CHINGは,日中関係の改善が東アジア地域の統合を進め,最終的にアジア共同体をもたらすための条件である,と考えます.日本は中国への借款を再開しましたが,中国政府は靖国参拝の中止を繰り返し要求しています.CHINGは,中国政府の半日キャンペーンが国民の反日感情を強めたことを考慮し,もっと日本のプラスの貢献もメディアに伝えさせることで国民のバランス感覚を養うべきだ,と求めます.

プレスリーの物まねに興じて,カラオケが要るわね,と嘆かせた小泉首相は,誰に自分の夢を伝えたかったのでしょうか? 少なくともブッシュとチェイニーは,この同盟国の指導者と,もう少しましなことを話し合いたかったはずだ,とMAUREEN DOWDは考えます.ブッシュの冒険を支持した外国の指導者たち,小泉,ブレア,ベルルスコーニ,が皆もうすぐ退陣し,晩年のプレスリーと同じように,ブッシュも孤独を歌うしかないわけです.

アメリカ政府は,小泉以上に,日中関係の悪化と,それがもたらすアジア太平洋地域のリスクを懸念しています.せめて小泉首相も,後の首相による対中関係改善の対話を助けるため,終戦記念日の靖国参拝を中止してはどうか? とFTは考えます.それは,商業捕鯨復活を掲げる政治運動と同じように,西側の日本理解を超えたものです.HUGH CORTAZZIは,日本の官僚が有能で,仕事熱心であることを知っているが,しばしば近視眼的で,日本の国益を大きな形として描けていない,と批判します.彼らは結果的に,国益を損なっている,と.

自民党の後継総裁争いは,日本政治や国際政治の枠組みにも影響する重要な事件です.それにもかかわらず,勝者を決めるメカニズムや選択肢に及ぼす国民の影響は,非常に閉ざされた,意味不明な暗闘劇に近いというのは,驚くべきマイナスです.


FT June 30 2006

The truth behind the top five trade myths

By Alan Beattie

The Guardian Friday June 30, 2006

Keep on rocking in the free market

Bill Emmott

WP Friday, June 30, 2006; D01

A Promise Not Kept

By Paul Blustein

The Guardian Monday July 3, 2006

The Doha talks must fail for the sake of the world's poor

Robert Wade

NYT July 4, 2006

Poor Nations Are Still Waiting for U.S.-European Trade Accord

EDMUND L. ANDREWS and JAMES KANTER

IHT WEDNESDAY, JULY 5, 2006

Doha round: It's not only what we trade, but how

By Kamal Nath and Peter Mandelson

July 7 (Bloomberg)

Asia Stands to Lose If WTO Trade Talks Collapse

Andy Mukherjee

(コメント) 5つの神話とは,@カカオ豆とチョコレートにかかる関税.AEUの乳牛が得ている補助金.BWTOの秘密主義と官僚主義.C保護関税なしに工業化した豊かな国はない.D豊かな国が補助金や関税を下げれば世界の貧困は大きく減る.・・・これらは神話であり,事実に反する,とAlan Beattieは注意します.

Bill Emmottは,直接投資に率いられたグローバリゼーションや工業化が世界の貧困を減らす,と主張します.ただし,それが貧困をもたらし,世界の環境を破壊する,と信じる者たちには,貧困撲滅も諦めるしかない,と.Paul Blusteinも世界の弱小国ほど,自由化交渉とWTOが成功することを願っている,と考えます.

他方,Robert Wadeは反対です.この自由化交渉で大幅な自由化を迫られるのは発展途上小国です.裕福な諸国は既に関税率が低いから.むしろ,貧しい諸国は市場開放により休息に脱工業化を強いられるだろう.知的所有権なども豊かな国に有利である.交渉決裂を恐れるのは発展途上諸国ではない,と.

最後の瞬間に妥協を重ねることができるのか? 農産物市場の自由化,農業補助金の削減は,発展途上国の貧しい人々を助けるのか?

Kamal Nath and Peter Mandelsonは,関税や補助金よりも,その手続きや処理コストを問題にします.もし発展途上国が規則を簡単にして,迅速な貿易手続きを行うなら,輸出はもっと伸びるだろう,と.

Andy Mukherjeeは,ラウンド破綻後の世界を考えます.FTAが林立し,その中でEUとアメリカがFTAのスタンダードを形成するでしょう.しかし,環境や衛生,労働など,彼らの決めたスタンダードが発展途上国から見た自由貿易に反することも確実だ,と.また,それは貿易ブロック化を促すものです.


NYT June 30, 2006

Red China or Green?

By THOMAS L. FRIEDMAN

NYT July 2, 2006

Rumblings From China

By NICHOLAS D. KRISTOF

FT July 5 2006

China’s chance to save our planet

By Victor Mallet

FT July 5 2006

Up-market China

(コメント) ラテン・アメリカに中国企業が殺到し,資源や農産物を買いあさっていく,と言います.それはアメリカ企業もEU企業も同じです.ただし,中国企業には環境規制を行う政府も,それを監視するNGOsもありません.このままでは環境に関する世界のスタンダードを,中国企業の進出が破壊してしまう,とTHOMAS L. FRIEDMANは心配します.

また,NICHOLAS D. KRISTOFは,天安門後の中国に,再び労働争議・土地争議が噴出している,と指摘します.今では毎日,200件以上起きているだろう,と.中国の労働コストは上昇し,成長率が落ちるだけでなく,低賃金を必要とする企業は次第にベトナムやパキスタン,バングラデシュに移転されます.

彼らは生きるために争議に訴えます.それは日常生活に一部になりつつあるようです.それは,弾圧だけに頼った政策を改めた天安門後の進歩です.しかしKRISTOFは,北朝鮮のモデルを賞賛する中国政府が,これ以上の進歩を受け入れるとは思っていません.他方で,争議の指導者たちは1年で釈放され,むしろ英雄になっています.彼らは体制を恐れず,むしろ勇敢さを競います.

FTはまた,中国の輸出が高度化しつつあることにも注目します.技術移転や工業力の集積と広がりは,さまざまな工業部品や,利益の多い分野にも,輸出を伸ばしつつあります.それは世界貿易の増大を促し,同時に,紛争を激化させるでしょう.中間的な水準の工業諸国は中国との競争に苦しみ,人民元の為替レートに不満が強まるかもしれません.


FT July 2 2006

Hungary’s position signals trouble

By Wolfgang Munchau

July 5 (Bloomberg)

Europe Suffers Worrying Wave of Financial Chaos

Matthew Lynn

(コメント) ハンガリー通貨,フォリントは,ユーロに対して8.5%減価しました.GDPの10%を超える双子の赤字.外貨建て債務によるミスマッチもあります.ハンガリーの通貨危機が起きれば,それはEUに波及するだろうか,という懸念が広まります.金利差が広がり,資本移動や為替レートが事態を急速に悪化させるかもしれません.取ることセルビアも同様の危機を抱え,他にも多くの国が双子の赤字を増やしています.

それは規模から言って無視できるはずです.しかし,地政学的な関係に市場は関心を持つでしょう.危機は伝染する恐れが強く,EU諸国は,その辺境における小国が抱え込んだ危機のリスクを防ぐために,早期の行動を起こすべきだ,とMatthew Lynnは考えます.


LAT July 2, 2006

A noncommittal Fed

The American Prospect 07.05.06

Minimum Politics

By Robert B. Reich

(コメント) ハンガリーでなくても,金融市場の反動は制御不能です.バーナンキの発言は思わぬ反発と不安を招きました.それはインフレ目標を促進する理由になるのでしょうか? あるいは,選挙前に,最低賃金の引上げを求める民主党と,減税や,インフレ批判,金利引き上げの終了を求める共和党との,パワー・ゲームなのでしょうか?


July 3 (Bloomberg)

Why the Wealthy Don't Want Their Money Anymore

Matthew Lynn

BG July 4, 2006

Titans pass their torches of wealth

By H.D.S. Greenway

NYT July 4, 2006

Billionaires to the Rescue

By DAVID NASAW

(コメント) なぜ裕福な者はこれ以上の富を求めないのか? Matthew Lynnは,慈善事業が再興した三つの理由を挙げています.1.子供を豊かにするには,莫大な遺産を与えるより,良い教育を受けさせるほうが良い.2.不労所得を増やすほど,心理的な破綻を助長する,と信じている.3.実力主義の社会では,ボルシェビキを恐れるよりも,資産に見合った能力の無いことを恐れる.

昔から,巨万の富には犯罪の疑いがあった.ロックフェラーやカーネギーによる富の拡大は,現在の法律では許されません.しかし,彼らが善をなそうとしたことも真実でしょう.カーネギーは教育と国際平和に尽くし,第一次世界大戦を防ぐために奔走しましたが,それに失敗して絶望した,と言います.ビル・ゲイツが繰り返しウィンドーズの独占的販売活動を告発されてきたことも同じです.彼らはその富を委ねられるにふさわしい存在になることで,かろうじて?生きることができるわけです.


Greg Palast Grand theft Mexico The Guardian Monday July 3, 2006

Bitter divisions behind close Mexican polls FT July 3 2006

George Grayson Whoever wins faces the same problems FT July 4 2006

Jorge G. Castaneda Calderon is Mexico's best move LAT July 5, 2006

Mexican elections FT July 6 2006

(コメント) Greg Palastは,フロリダと同じく,メキシコ大統領選挙にアメリカ政府やメディアの陰謀があると疑っています.FTは,逆に,激しい接戦にもかかわらず,両派が法に従って再集計を待つ姿勢を賞賛します.

ロペス・オブラドール(保護主義,補助金,貧困層のポピュリズム)とカルデロン(市場自由化,富裕層の民主主義)との対決は,メキシコにおける,またグローバリゼーションにおける,対峙する党派とイデオロギーを示しています.いずれの候補が勝利しても,その課題は膨大です.メキシコの貧困を解消すること,グローバリゼーションにおける成長の可能性をつかむこと,国内の支持基盤を固めて,構造改革を進めること.


FT July 4 2006

The best hope for energy security

By Martin Wolf

(コメント) エネルギーについては,マルサスの予言が正しかったのか? Martin Wolfは反対します.エネルギーは供給される,と.ただし,避けがたい問題とは,長期的に環境への負荷が何をもたらすのか,です.Wolfも,この点では,解決できると主張していません.


Anna Fifield North Korea ‘launches four missiles’ FT July 4 2006

North Korea Test-Fires Several Missiles NYT July 4, 2006

Anna Fifield in Seoul, Mark Turner at the United Nations and David Pilling in Tokyo Split over N Korea missile test response FT July 5 2006

DAVID STOUT Bush Urges North Korea to Drop Missile Program NYT July 5, 2006

Anna Fifield in Seoul,Guy Dinmore in Washington and Mark Turner at the United Nations Bush seeks allies in response to N Korea FT July 6 2006

(コメント) 小泉首相がアメリカでブッシュ大統領と会談し,北朝鮮の行動を牽制した際,もしアメリカが先制攻撃を行うなら,北朝鮮は核による報復を行うだろう,と応じました.単に弾道ミサイルの実験であるのか,複数のミサイルを発射したいとは分かりません.しかし,ミサイルに核を搭載した恐れはない,と考えられています.

北朝鮮への対応に関して,日米の強硬姿勢に対して,主要国の意見は一致していません.ロシアの国連大使は,制裁が効果を上げるとは思えない,と否定的です.北朝鮮の友好国として,中国政府は慎重に非難を避けました.

ブッシュ大統領は,北朝鮮の独裁者がミサイル開発の野望を捨てるように,国際社会は圧力を強めるべきだ,と主張し,北朝鮮人民には他のもっと良い進路がある,と述べました.同じ主張でも,イラクに対して述べた以上に,北朝鮮に対しては真実であると感じます.

North Korea's Folly NYT July 5, 2006

No more sunshine for Kim Jong-il FT July 6 2006

Missiles and fantasies BG July 6, 2006

North Korea's impotent blast LAT July 6, 2006

Perspective on provocation The Guardian Thursday July 6, 2006

China under North Korea's missile toe CSM July 07, 2006 edition

(コメント) 北朝鮮は正真正銘の無法国家であるが,ミサイルの発射は他国への深刻な脅威ではなく,いかなる国際協定にも反していない以上,北朝鮮への軍事攻撃は考えられない,とNYTは考えます.そのミサイルがアメリカ本土に届くまでは,軍事的オプションは選択肢に無く,アメリカは交渉を再開するしかない,と.

他方,何よりも明確に示されたことは韓国政府の太陽政策が失敗だった,ということです.経済援助によって金正日が政治姿勢を変える見込みなど無かったのです.北朝鮮を操縦することで地域の安全保障に影響力を強めることを狙った中国政府の思惑も失敗でした.6カ国協議は成果を得られず,日本政府は軍備増強と核武装さえも検討するだろう,とFTはコメントします.

マカオの北朝鮮金融機関を閉鎖させたアメリカによる金融制裁で,北朝鮮は6カ国協議をボイコットしました.ミサイル発射に対しても,アメリカ政府は二国間交渉に応じず,追加の制裁を発動します.しかし,BGは,交渉を遅らせることは危険である,と注意します.

LATが主張するように,北朝鮮は地域のすべての国にとって好ましくない行動を取ります.中国や韓国でさえ,北朝鮮の支配体制を秩序ある仕方で変更することを,話し合う時期が来るでしょう.それは北朝鮮への安全保障と経済支援を約束することと並行して進むわけです.中国や韓国は,北朝鮮の振る舞いを許容して,話し合いをアメリカや日本,国連安保理に委ねてしまうのを恐れるでしょう.

確かに各国で強硬な政治的発言が強まるだろうが,北朝鮮の子供じみたレトリックに振り回されること無く,外交に専念することだ,とThe Guardianは考えます.アメリカもいずれ交渉するしかないし,6カ国協議を機能させることが重要だから.

なぜ北朝鮮はこのような行動を取れるのか? もちろん,中国が庇護するからです.中国の台頭の意味と,アメリカの時代の終わりを考える良い機会です.もし中国が本当に東アジアの安全保障を担い,北朝鮮を改革できると思うなら,今こそ行動するときでしょう.その成否によって,アメリカや日本は自国の政策を見直すわけです.

FT July 5 2006

Keep calm over North Korea’s tests

By Mark Fitzpatrick

The Guardian Wednesday July 5, 2006

The Taepodong effect

AC Grayling

July 6 (Bloomberg)

North Korean Missile Test Revives Threat to Asia

William Pesek

BG July 6, 2006

Negotiating space with North Korea

By John Feffer

IHT THURSDAY, JULY 6, 2006

North Korea's criminal regime

David Scheffer and Grace Kang

Asia Times Online, Jul 7, 2006

N Korea's ace threatens US-Seoul alliance

By Donald Kirk

(コメント) Mark Fitzpatrickは,1.各国が過剰な反応を示さないこと,と主張します.そして,2.中国の主催する6カ国協議ではなく,安保理が行動すること.3.封じ込め政策を強化すること.4.アメリカ政府は中国政府との対話を強めること.日本にミサイル防衛システムを配置し,ミサイル発射のモラトリアムを合意することが出発点です.

北朝鮮の演じる冷戦シナリオには誰も耳を貸したくないでしょう.しかし,AC Graylingが主張するように,アメリカ政府の姿勢は偽善的です.これまでの国際的合意を無視してきたブッシュ氏が,北朝鮮には国際社会の圧力を求めるのは身勝手ではないか,と批判されるでしょう.それはアメリカに追随した日本も同じです.ブッシュ=小泉の自己満足に偏った行動とレトリックは,金正日と同様,現実への対応において自縄自縛を示します.

しかし,たとえ政府が冷静な対応を取り,平常の扱いや無関心を装っても,投資家たちは追加のリスクを計算し始めています.William Pesekは,金正日が少なくともイランと同じくらい北朝鮮も世界市場に及ぶリスクであることを示した,と考えます.まだ政治の領域にとどまる勝者と敗者を考えるなら,最大の敗者は中国です.北朝鮮は,中国さえも操れる,と自負したのかもしれません.韓国政府にとっても大きな失点でした.他方,最大の勝者は日本である,とPesekは考えます.アメリカの国家安全保障会議さえもその意志によって動かし,東アジアにおける外交の焦点になった,と.

しかし,これはミサイル・ショックによる政治転換の過度な評価ではないでしょうか? まず半日ほどのショックと,23日の転換が模索された後,半月から1ヶ月で「効果」を失うでしょう.

John Fefferは,アメリカ政府に,この危機を生かしてチャンスに変えよ,と勧めています.要するに,直接交渉への理由として利用することです.しかも北朝鮮は人工衛星打ち上げ事業への参入を狙っている,と考えます.そこで,北朝鮮の人工衛星ビジネスをアメリカが支援することで,その経済活性化も交渉してやればよい.もし平和的に北朝鮮が核開発を諦めるとしたら,それに変わる目標の実現を助けてやるしかない.今がそのチャンスだ,と.

David Scheffer and Grace Kangは,北朝鮮の犯罪国家としての性格を直視するなら,彼らに時間を与えることは間違いだ,と安保理による制裁を要求します.それでも北朝鮮が方針を変えなければ,中国は拒否権を行使しないだろう.

Donald Kirkは,金正日の最大の成果は,アメリカと韓国の同盟関係を破壊したことだろう,と考えます.日本の憤慨と韓国の冷静さは対照的です.もし韓国チームがワールドカップの決勝リーグに残っていたら,ミサイル発射のニュースは一面に載らなかっただろう,という者もいます.日本の強硬姿勢が示されるほど,反日感情の底流は南北朝鮮と中国を結びつけます.そして今も,金正日は中東にミサイルを輸出し続け,韓国の世論をつかんで放しません.


Richard Brookhiser WWFFD? LAT July 4, 2006

Mark Kurlansky WWFFD? Who cares? LAT July 4, 2006

(コメント) RICHARD BROOKHISERは,"What Would the Founders Do: Our Questions, Their Answers."の著者です.スーパーマンだって帰ってきたのだから,こう考えるのも許されるはずだ.もしアメリカ建国の父たち(Founding Fathers)であれば何をしただろうか? ワシントン,フランクリン,ジェファーソン,ハミルトン,・・・彼らが今,議会に登場したら,何と言い,何をするだろうか? たとえば非合法移民について.その論争は200年前からありました.ICBMsやヒラリー・クリントンいついても,面白い考察を示しています.他方,建国の父たちも過ちを免れなかった,とMark Kurlanskyは書きます.

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The Economist, June 24th 2006

Tales from Eurabia

North Korea’s missile: Theatre weapons

How to save the world: Bolton v Gore

(コメント) アメリカは,ヨーロッパが世界最大のイスラム国家になる,と嘲笑します.しかし,ヨーロッパのイスラム教徒は信仰も出自も多様であり,変化しつつあります.何よりも彼らの多くは若者であり,ヨーロッパの民主的な政治システムに参加することを望んでいます.むしろ二十年後には,ヨーロッパのイスラム教徒が民主化を説得する,と期待するほうが正しい,と.

記事はミサイル発射前の国際情勢を記述しており,発射によっても,この情勢は変わりません.他方,ボルトン国連大使は,改革を促すために予算配分を取り上げました.国連の活動は,多くの政治家たちが望むものから大きく離れています.政治家たちは,むしろ,コストが小さくて具体的な成果を示せるものを選びます.金正日やゴアには,人気がないでしょう.


The Economist, June 24th 2006

Haiti: An uphill struggle

Africa’s economy: A glimmer of light at last?

Chile: Testing times for Michelle Bachelet

(コメント) 政治が変われば,貧困と戦争に苦しむ土地にも富裕化の種が撒かれる,という記事です.少なくともそのチャンスは.それを育てるのは,国際的な支援と健全な統治にふさわしい制度の構築であり,中国など,世界市場の成長に参加する力です.

たとえば有効な援助とは,内戦後の貧しい町で,警察官を訓練し,学校給食を与え,通りを掃除し,あるいはインフラを回復するために,少年・少女たちを雇って最初の仕事を与えることです.