IPEの果樹園2005

今週のReview

11/21-11/26

IPEの種

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世界の英字紙HPからコラムを要約・紹介します.著作権は,それぞれ,元の著作権に従います.

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IPE方法論 :ドラッカー軍備と子供

安全保障 :アジア外交小泉外交イラク撤退案

貿易・投資 :自由化交渉,保護主義

通貨・金融 :アメリカの赤字

世界統治 :フランスグローバリゼーションインターネット

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ただしFTFinancial Times, NYTNew York Times, WPWashington Post, LATLos Angeles Times, BGBoston Globe, IHTInternational Herald Tribune, JTJapan Times, CSMChristian Science Monitor


FT November 10 2005

Samuel Brittan: Myth of the twin US deficits

By Samuel Brittan

(コメント) アメリカの貿易赤字はドル安を意味しないのでしょうか? アメリカの対外取引において,貿易が金融よりも重要でない限り,それは関心を集めません.発展途上国のように,借金を返すために輸出財の価格を切下げて支払う,という意識は無いのでしょう.それはますます大企業の赤字に似てくるわけです.ただし,通貨の発行主体として,資金がショートする心配はほとんど無いわけです.経済が成長し,健全で,世界の主要通貨が互いに安定した関係を維持して,金融市場で円滑に取引されている限り.

アメリカの財政赤字と経常収支赤字の関係は,「双子の赤字」と言われて,特別な関係にあるものと思われています.しかし,Samuel Brittanはそうではないことを指摘します.IIEのウィリアム・クラインが示すように,クリントン政権で財政赤字は減りましたが,経常赤字は増え続けました.それは「ニュー・エコノミー」による当市や住宅価格の上昇,貯蓄の減少があったからです.最近,グリーンスパンは財政赤字を減らすように求めましたが,経常収支赤字は無視しました.他方,リチャード・クーパーは経常収支赤字をドル圏の外における投資機会を超える過剰貯蓄と考えています.

クラインは,「アジア版プラザ合意」を中国と結ぶように求めています.そして,ヨーロッパが成長率を高めることです.他方,ブリタンは「均衡為替レート」の考え方を嫌います.むしろ,グリーンスパンが示したように,緩やかな金融引き締めに連れて住宅バブルは次第に収まり,それとともにアメリカの貯蓄が回復して,高金利とドル高が経常収支赤字の調整に向かう,と予想します.国際的な政府の合意は必要ない,というわけです.


FT November 11 2005

France’s impetuous gambler

By John Thornhill

The Guardian, Monday November 14, 2005

Riots are a class act - and often they're the only alternative

Gary Younge

(コメント) 暴動の拡大に繋がったとされる強硬発言を繰り返したNicolas Sarkozy内相は,勇敢さと無分別との政治的境界線を綱渡りしている,とJohn Thornhillは考えます.その姿勢は,たとえば,1993年に彼がまだ市長であったときに,人質を取った凶悪犯と自ら直接交渉して子供たちを解放させ,その直後に警官隊を突入させ,犯人を射殺したことにも示されている,と.

Sarkozy内相は,以前から,暴動の頻発する郊外地区を何度も訪れて,最前線で治安維持に従事する警察官たちを励まし,高い道徳性と秩序を称えてきました.そして,問題の解決にはフランス社会の閉鎖的なモデルを破壊する必要があることも明確に主張する数少ない政治家であったわけです.

他方,Sarkozy内相の無分別もまた顕著なものでした.激しい言葉で暴動を罵り,ポピュリスト的な支持を高める政治的手法は,暴動そのものの標的や拡大・長期化の原因となりました.彼の政敵たちにとって,この暴動拡大が格好の攻撃材料ともなったわけです.120人の外国人を国外追放して,極右の国粋主義者と同じ発想である,と人権団体からも批判されています.

Sarkozy内相の激しさは,パリで優雅に政治談議を楽しむエリートたちからは嫌われるでしょうが,さまざまな社会問題に苦しむ国民や,極右勢力の政治的伸張を懸念する人々からは,むしろ支持されるでしょう.ポピュリズムという非難を,Sarkozy自身は野党であるフランス社会党に向けて使います.そしてド・ヴィルパン首相と,シラクの後継者争いに邁進するのです.

Gary Youngeは,明確に,暴動を支持します.奴隷解放を支持したアフリカ系アメリカ人Frederick Douglassが述べたように.「闘争が無ければ,進歩は無い.」 「耕さぬ土地に収穫は無い.雷の無い雨も無い.大波の無い海も無い.闘争によって求められなければ,権力は何一つ譲歩しない.過去も,そして,将来においても.」

失業,社会的な排除,警察による嫌がらせ,劣悪な住宅,そして開放型の監獄でしかない居住区.マイノリティーの若者たちはこうした現実に抗議の声をあげました.彼らは社会の関心を引くことに成功したわけです.かつて,移民の水準は「我慢の限界だ」,フランス人労働者たちを「その騒音と悪臭で憤慨させる」,と述べたシラク大統領に,「多くの絶望した隣人たちに,彼らの問題を解決するため,強力な,迅速な対応が必要だ」と述べさせたわけです.それは,暴動無しには,決して起こりえなかったことだ,と.

アメリカとイギリスの例を引いて,暴動とは階級の抗議行動である,とYoungeは考えます.なぜなら,富裕層は民主主義を操り,安全も金で買うことができるから.しかしまた,貧しい者の暴動だけでは,問題を解決できない,と注意します.暴動によって貧しい者が利益を受けるわけではなく,暴力は結局,社会を分極化するでしょう.もし暴動によって(政治的に)利益を得たものがいるとすれば,それはSarkozy内相と極右です.

どれほど暴動が起きれば社会は変わるのか? それは権力の側に問うべき問題です.


Simon London Peter Drucker dies at 95 FT November 11 2005

By in San Francisco

BARNABY J. FEDER Peter F. Drucker, a Pioneer in Social and Management Theory, Is Dead at 95 NYT November 12, 2005

In praise of... Peter Drucker The Guardian, Thursday November 17, 2005

(コメント) ピーター・ドラッカーが95歳で亡くなりました.FTによれば,ドラッカーは1909年にウィーンで生まれ,フランクフルトで新聞記者をする傍ら,公法と国際法で博士となり,その後,ロンドンの国際銀行ではエコノミストとして働きました.1937年にアメリカへ移住し,大学で教え始め,20年以上,ニューヨーク大学の大学院で経営学を教えます.最初の本は,ファシズムをもたらした経済・社会条件が再生するのを阻止する研究でした.その結論こそ,公的部門ならびに誌的部門で,社会の安定性にとって不可欠な組織を効率的に経営する,ということでした.GMの経営について,近代的・多部門企業の経営を問い,それ以後も,経営を重要な研究課題として確立しました.

そのさまざまな予言と革新的なアイデアで世界の注目を集めましたが,ドラッカーは未来学者ではなく,社会的な想像力によって現実を理解した,というJack Beattyの評価を尊重したいです.彼はその著述により,世界的な影響力を得ました.30冊以上の著書を,30ヶ国語以上で,数千万部も販売したようです.「年金基金社会主義」,すなわち年金基金が主要な株主になる時代を予想し,常に,企業重役の強欲や資本主義に対する厳しい批判者でした.1996年に雑誌Wiredに回答しています.「何よりも許しがたいことは,人々を解雇する企業幹部が金融的な利益を得ることだ.・・・・それは社会的にも,倫理的にも,許すことができない.」

20世紀のアダム・スミスと呼ばれ,スミスと同じように多くの支持者は彼を誤解していた,と.


BG November 11, 2005

Oil deja vu

WP Friday, November 11, 2005

Pump Some Seriousness Into Energy Policy

By Charles Krauthammer

WP Monday, November 14, 2005

An Oily Favor

By William Raspberry

(コメント) 私がカリフォルニアで自動車を運転していたとき,1ガロン1.15ドルほどであったと思います.いまや3.50ドル! ガソリン価格はアメリカ生活の基本だと言われたのに.

1970年代に起きたように,石油価格の上昇による企業の利潤に対して課税するべきだ,という声が政治家から起きています.BGは,何が偶然の高収益か,判定することが難しい上に,もっと高収益を上げている企業もあり,結局,望ましいエネルギー政策や税体系を考えるべきだ,と主張しています.そして,高価格のガソリンに向けられた有権者の不満を吸収するだけの,政治家の姿勢を疑います.

誰が悪いのか? とアメリカ人はすぐに騒ぎ始め,政治家たちもTVに出て発言します.中国やインドの需要増? 中東の政治不安? チャベス? ・・・ 石油の世界需要が増加すると予測できたはずなのだから,私たちは供給が逼迫することに準備しておくべきだったのだ,とKrauthammerも考えます.そこで,価格を3ドルに維持して,長期的な節約を考えては? そして採掘技術を高めて,石油供給の中東依存を低くするべきだ,と.

Exxon Mobil Lee RaymondChevron David O'Reillyが上院の委員会に呼ばれて証言しました.「価格は確かに上がったが,パニックは起きていないし,ガソリン不足が広まったというわけでもない.小売業者は短期的な供給の撹乱に対応したし,消費は減った.そして不足を埋めるために輸入が増えたのだ.要するに,市場は機能したわけだ.」


NYT November 11, 2005

Thou Shalt Not Destroy the Center

By THOMAS L. FRIEDMAN

LAT November 12, 2005

Taking on the outlaw economy

By Moises Naim

FT November 15 2005

Virtue is not universal

By Martin Wolf

(コメント) Foreign Policy Moises Naimが出した新著 "Illicit: How Smugglers, Traffickers and Copycats are Hijacking the Global Economy" (Doubleday) は反響を生んでいます.特に,最も先鋭なグローバリゼーションの支持者であるTHOMAS L. FRIEDMANMartin Wolfが反応したことに,その鋭い刺激が示されています.

NaimはLATの論説でも書いています.見えないところで,ラテンアメリカは既に投資や経済活動が国境を越えて広がり,活発に成長している,と.ただし,その大部分が非合法の分野なのだ.すなわち,ますます多くの非合法移民がアメリカで働き,いかなる多国籍企業にも負けない巨額の送金を非合法なルートで本国の家族に向けて行っています.ラテンアメリカの麻薬産業はアメリカだけでなく南北アメリカやヨーロッパまで広がり,主要な政治ネットワークを汚染しています.だから,ブッシュ氏が提唱する南北アメリカの自由貿易圏など,誰も関心を示さないのです.そんなもの,いまさら必要あるか?

FRIEDMANは,ブッシュ政権や欧米の資本主義諸国が世界に民主主義や自由の価値を説いているうちに,気が付けば,自分たちの方が手に負えない多くの問題に押しつぶされそうになっています.社会保障,医療保険,教育,環境,ガソリン価格,・・・ 頼りにならないわずかな多数支持により政権を得た政治家たちが,中国のように命令すれば解決できることなど,何も無いのです.しかも,アメリカの民主主義は政治家たちの選挙区割りによって議席が既得権化し,選挙では地盤を得ている同じ政党の候補者が極端な主張を繰り返します.それゆえ,彼らが議会に集まっても,激しい非難の応酬以外に,前向きな議論などできないのです.

だからNaimが言うように,この世界は民主主義ではなく,一握りの指導者たちが決めたことを波及させるメカニズム"the age of diffusion"によって動いています.それは主要メディアを含む,旧センターが支配する知識・情報(思想,政策評価,文化,など)のネットワークです.グローバリゼーションが,どれほど広範に非合法活動を生み出していることか! そしてわずかな政府しか本当の意味での命令を発することなどできないのです.重要な権限は中心が握り,その他の地域に民主主義など広めて何か意味があるのか? たとえ中心の政府でさえ,良い行いは良い評価を約束しません.愚かなレーガンと賢明なブッシュ・シニアについての評価は対照的です.

Martin Wolfは,財(Goods)だけでなく,Badsの取引も,グローバリゼーションがその機械を急速に拡大している,と認めます.すなわち,麻薬,武器,(女性や子供の)奴隷,偽造品,臓器,などです.それらはまた,資金洗浄,政治腐敗,破綻国家,をもたらします.既存の国際秩序は,これらを分離しようとしていますが,成功していないのです.なぜなら,こうした活動は,不道徳で,非合法ですが,同時に,きわめて利益が大きいからです.

法によって規制されたものの中には,非常に価値のあるものを,非常に安く供給できる条件があるからです.たとえば,知的所有権(医薬品,DVD,ソフトウェア),麻薬,武器,稀少生物種,売春,など.その最も極端な例は,ますます拡大する所得格差と接近する情報や交通手段にもかかわらず,国境により阻まれた労働者たちです.ここに存在する膨大な利潤機械を,新しいグローナルな新興企業家たちが掴み取らないはずが無いではないか? とNaimは指摘します.

ルパン3世のカリオストロの城が皇室の結婚式で有名になりましたが,実際にモルドバの中の「飛び地」であるTransdniesterでは,犯罪行為・非合法取引が政府の主要なビジネスだ,というわけです.コロンビア,ロシア,アフガニスタン,メキシコなど,世界中に,こうした飛び地的な「犯罪国家の領土」が現れています.

まずWolfは,この現実に対して,一掃することなどできないが,それを制御できる,と考えます.どのように非合法化されても,それを強く求める人と,どうしても供給するしかない人がいる限り,根絶することは不可能です.売春や麻薬,アルコールの歴史が示しているように.道徳主義では問題を解決できません.その弊害を最小化することです.アルコールに対して政府が容認したように,Wolfは非合法な取引の中でも,軽度の麻薬や売春行為ではなく,核兵器や強制的な人身売買など,特に有害なものに取締りを集中するべきだ,と考えます.

次に,非合法な取引に対して「戦争」を唱えることはやめるべきだ,とWolfは主張します.もし非合法な取引を人々が辞めるとしたら,それが儲からないからです.たとえば,もし非合法移民をやめさせたいなら,彼らを雇用するものに厳しい罰金を支払わせることです.そして,移民たちが合法的に雇用される分野を広げ,また,母国の経済発展にもっと希望を見出せることでしょう.


NYT November 12, 2005

The History of Trade, Part 2

(コメント) 1980年代にアメリカ政府はデトロイトの自動車産業が日本車の攻勢に苦しんでいるのを助けようとしました.しかし,その結果は日本車がアメリカ市場のさらに高級な乗用車にまで浸透しただけでした.ワシントンはこうした歴史から学ぶつもりなどないようです.中国からの繊維・アパレル製品を制限するために,中国政府に輸出の数量規制を求めました.もちろん,中国の生産者はもっと高度な製品に市場を求めるでしょう.

しかし,中国からの輸入品を規制するよりも,もっと競争力を高める方法があるはずだ,と記事は考えます.それは,続けて進出した企業による技術移転を紹介していることに示されているでしょう.輸入を規制して雇用を失うより,国際的な技術移転を抑制しろ,というわけです.


FT November 13 2005

Urgent tasks for Bush ahead of the Apec summit

By Jeffrey Bader and Matthew Goodman

FT November 13 2005

It is time for Asia to co-operate on energy supplies

By AFM Maniruzzaman

NYT November 14, 2005

The President's Trip to Asia

(コメント) 小泉氏の政治的なセンスは,日本国内の自民党改造や国民へのアピールにおいて大きな成果を上げたかもしれませんが,アジアにおいては無残な負の遺産となるでしょう.

北朝鮮や鳥インフルエンザ,通貨間の為替レート調整,など,緊急の課題とは別に,この地域にとって決定的に重要な長期的課題とは,中国,日本,アメリカの間で,生産的な関係を確立することである.今週の後半に彼らが集まるとき,ブッシュ氏は日本と中国の仲間に対して,両国間の緊張を解いて,アジアの安全保障と繁栄を促進するために,三国間で話し合おう,と求めるべきだ.

アジアの歴史では,中国と日本が同時に強くなったことがない,と論説は指摘します.両国は互いに不安を強め,牽制し合います.アメリカの政治家には,日中間で対立すれば,アメリカの覇権を損なう者が抑えられて良いことだ,という主張さえあります.しかし,論説は,中国が国際的地位を高めることで,日本の安保理常任理事国入りを認め,日本は歴史について正直で公正な解釈を行い,アメリカは日中間の懸案事項の解決に向けて協力する未来を唱えます.

AFM Maniruzzamanが北東アジアエネルギー機構を提唱する理由は,ますます増大するこの地域のエネルギー需要を協調的に満たす仕組みが必要だ,と考えるからです.この地域が世界需要の5分の1以上,20年後には3分の1を占める,と言います.そして石油に限らず,さまざまな分野で,この問題を解決する原理は「比較優位」である,と主張します.

すなわち,韓国と日本には資源がなく,発達した技術や資本があります.中国,ロシア,モンゴルには,豊富な資源と安価な労働力があります.特にロシアには21世紀の北東アジアにおける需要を満たせるだけの天然ガスがあるでしょう.それゆえ,エネルギー分野で協力することはこの地域全体に利益をもたらす,というわけです.しかし,パイプラインの敷設などで示されたように,現在は地域協力の枠組みがありません.

NYTは,逆に,米中間の世界政治を考えます.二国間で通貨調整や貿易摩擦だけが問題ではありません.13億の中国国民が世界市場を急速に席捲していくでしょう.アメリカ国民が関心を寄せる,ウォルマートに並ぶ中国製品だけでなく,モンゴル,石油,関税・通貨,自由化,ダルフール,イラン,などについて,両国が世界に対する責任ある話し合いを行うべきだ,と.

Asia Times Online, Nov 15, 2005

Nixon to China, Bush to Kyoto?

By Ira Straus

FT November 15 2005

What Bush should tell Koizumi about the neighbours

By Edward Seidensticker

CSM November 16, 2005 edition

Nudging China toward world citizenship

(コメント) ジョージ・W・ブッシュが,リチャード・ニクソンやロナルド・レーガンに習って,歴史的な足跡を残したいと思い,カトリーナに対応して,京都議定書を支持した,とIra Straus理解します.「自由」と「中国」とを演説で連呼したわけですが,これまでと違い,「環境保護」にも積極的な姿勢を示しました.保守派は「環境保護」の莫大なコストを容認するでしょうか? ニクソンは保守派内部の反対を抑えて,中国との国交を回復しました.しかし,結局,ブッシュがAPECで合意できるのは,鳥インフルエンザの情報や対策を共有し,監視し合うことぐらいです.・・・そして最後には,アメリカもヴェネズエラやイランに石油を請う・・・?

Edward Seidenstickerは,小泉氏の「天才」が抱える「石頭pighead」という欠陥を指摘します.靖国神社参拝で,日本は韓国を中国台頭の賛美者に変えました.1950年,朝鮮戦争が勃発したときにもそうであったように,日本人は韓国など存在しないかのような振る舞いです.

CSMは,ブッシュ氏がアメリカの外交政策と衝突しつつある中国の姿勢を修正させることが重要な過大である,と考えます.安保理におけるスーダンやイランへの制裁決議,WTOのルールと自由化交渉への積極的な参加,核不拡散への取り組み,など,世界市民社会の重要なメンバーであることを中国政府が示す必要がある,と考えるわけです.

FT November 16 2005

Bush rebukes China on freedom

By Caroline Daniel in Kyoto

FT November 16 2005

Bush eager to talk up health of US-Japan links

By Caroline Daniel and David Pilling in Kyoto

BG November 16, 2005

The China syndrome

Ross Terrill

The Guardian, Thursday November 17, 2005

As China rises, so does Japanese nationalism

Martin Jacques

(コメント) 「自由」と「日米同盟」がすべてでしょうか? 私は,ブッシュ氏が「日本」を「台湾」と並べて賞賛したことに不安を感じます.そして,中国が守るべき「表現の自由」を,わざわざ「聖書の出版」として主張します.もちろん,中国外務省はブッシュ氏が台湾の独立を支持するような言及に不満を示しました.・・・日本の独立,ではないですが.金閣寺の輝きが「日米同盟」の栄光にたとえられるとしたら,霊界の足利義満がTVのニュース解説で尋ねるでしょう.そもそもこれは,中国と戦争するための同盟なのか? と.

小泉氏の石頭は,「冷戦」や「封じ込め」の発想で一杯です.ブッシュ氏も小泉氏に,靖国参拝をやめてはどうか,と言いませんでした.牛肉の市場と軍事基地を失いたくなかったのでしょう・・・ 結局,ブッシュ氏と小泉氏という頑固な個性が権力の座から去れば,「日米同盟」はどうなるのか? 誰にも分かりません.中国の側では,「レーニン主義的な市場崇拝」がどうなるのか?

後継争いという形で,靖国参拝や「構造改革」への追従を並べ,小泉賛美の文句を合唱する大臣たちの軽さに,小泉=竹中思想の慢心を感じます.Martin Jacquesは,小泉政権が日本の将来に及ぼす影響として,規制緩和や民営化よりも,自民党の政治支配再建とナショナリズムの高揚に果たした役割を重視します.

JT Thursday, November 17, 2005

Strategic changes for Japan-U.S. alliance

By RICHARD HALLORAN

JT Thursday, November 17, 2005

Seoul aims for leading role

By BRAD GLOSSERMAN

Asia Times Online, Nov 18, 2005

Good cop, bad neighbor

By John Gershman

(コメント) 日本政府は憲法9条を改定し,米軍基地に核兵器を配備して,アメリカと合同の地球防衛軍でも作るつもりなのか? 当然,自分たちは「鯨に挟まれたエビ」では決してない,と誰もが思うわけです.日本も,韓国も,中国も,指導的な役割を果たせると確信しています.しかし,隣人たちにとっての優れた警察官やバランサーになれるでしょうか? 戦争より,交渉の術を学ぶべきです.


LAT November 13, 2005

Inde-fence-ible?

By Wayne A. Cornelius

IHT MONDAY, NOVEMBER 14, 2005

Singapore shocker - Maid's day off

Philip Bowring

FT November 15 2005

Migration can enrich all sides if interests are shared

By Francois Bourguignon

(コメント) アメリカ政府は,ラテンアメリカ諸国との自由貿易圏と話し合う一方で,太平洋からメキシコ湾まで移民を阻止するフェンスの建設にも熱心です.州政府は,国境周辺をスタジアムのように照明し,警備を厳重にしようと計画しています.

しかし,毎年数百人が密入国に失敗して砂漠や川で死んでいるのに,莫大な費用を要する国境警備体制で防ぐことができるだろうか? とWayne A. Corneliusは問います.たとえ射殺されてもベルリンの壁を越えようとする人々を,東ドイツ政府は止められなかったのです.あるいはトンネルを掘り,あるいはカナダ側から,アメリカへの密入国は続くでしょう.

移民排斥の政治的ヒステリーが高まるに連れて,国境フェンス建設運動は関心を集めています.しかし,それは移民を減らすことも,彼らにアメリカの強い姿勢を示して,密入国を断念するように説得することもないでしょう.そしてラテンアメリカ諸国民は,自由や民主主義を説くアメリカの姿勢を疑い,親米的な政権がすべて崩壊します.

香港の人々はシンガポールからのニュースに唖然とします.メイドに月1回の休日を法律で定めた,というわけです.貧しい移民労働者,特に女性を,酷使し,虐待した,というニュースがアジアに多く流れています.清潔で,豊かなシンガポールでさえ,貧しい移民女性たちの下層社会があるわけです.

世界銀行のエコノミストであるFrancois Bourguignonは,成長や発展を促す移民の重要性を説きます.しかし,世界の富が増え,生産性が上昇し,送金をもっと有利にし,頭脳流出への対策を指摘する,など,提案の内容は乏しいものです.


John Edwards The Right Way in Iraq WP Sunday, November 13, 2005

NICHOLAS D. KRISTOF Iraq in the Rear-View Mirror NYT November 15, 2005

Simon Jenkins Blair should stop playing fall guy in Rumsfeld's war games The Guardian, Wednesday November 16, 2005

Max Boot We should pay to plan for nation building LAT November 16, 2005

(コメント) ブッシュ政権内部を除けば,イラクからの撤退が具体的に議論され始めています.民主主義や複数政党があることを,中国よりも,アメリカや日本の政治システムが優れていると主張するなら,重要な政策転換,政治的責任の追及を,イラク戦争でも果たすべきでしょう.

ケリーと一緒に副大統領候補として選挙で敗れたJohn Edwardsは,開戦を支持した自らの判断が間違っていたことを反省し,CIAやブッシュ政権が示した不正確な情報,チェイニーとラムズフェルドの外交・占領政策における失敗を指摘しています.イラクの混乱はさらに多くのテロを招き,アメリカに対する信頼を破壊しました.アメリカが真実を語り,世界を指導できるように,名誉ある撤退のための厳格な方針を示しています.

軍隊を派遣したアメリカにとって,ジェファーソン風の民主国家を樹立するのではなく,相対的に見て,安定し,自律した,開放型の自由経済を尊重する,イラク国民の手による国家の再建を支持すること,が政治的な意味で成功なのです.それゆえ,1.帝国主義者のイメージを払拭する.特に再建事業を請け負っているハリバートン社など,米系企業を見直し,現地のビジネスを優先する.また米軍がイラクの地にとどまらないことを明確にする.2.イラク軍の整備と訓練に一層の力を注ぐ.3.外交的な調整を重視する.イラク再建に国際的な支援を求め,周辺各国やEUなどが参加できる枠組みを作るために指導力を発揮する.

2000人以上が命を失い,今も15万人以上が戦っています.彼らとその家族は,指導者たちの告げる真実と,名誉ある撤退を望んでいる,とエドワーズは主張します.

また,NICHOLAS D. KRISTOFは,三つの選択肢を検討します.@直ちに撤退する.しかし,イラクの混乱を放置することはできない.Aこのまま,いつまでも米軍が駐留する.しかし,イラクのナショナリズムを刺激し,米兵の死者が増える.Bたとえば2007年末のように,期限を決めて撤退する.そして,米軍基地を残さない.ターゲット案は,明確な目的に合意できるなら,その後の問題を非政治化して後退を阻止する工夫なのです.

民主党はBを支持しています.KRISTOFはその問題点を指摘しつつも,イラクのジャーナリストたちがBを支持したことを重視します.


FT November 14 2005

China must cut farming population, says OECD

By Richard McGregor in Beijing

FT November 14 2005

China’s villagers fight to keep farmland

By Richard McGregor in Wuqing County

IHT TUESDAY, NOVEMBER 15, 2005

A rise that's not so 'win-win'

By Elizabeth Economy

LAT November 15, 2005

A prisoner of commerce

FT November 16 2005

China’s exchange rates are domestic issue

By Paul Cavey and Bill Berchere

FT November 16 2005

Copper puzzle raises questions for Beijing

(コメント) OECDの報告書は,中国がまだ膨大な数の農民をルイス型の成長に向けて移動させることができる,と考えます.労働者の40%が農業部門で働きながら,GDPの15%しか生産していません.2000年から2010年までに,7000万人から1億人が地方から都市に向けて移住します.そのために土地所有を確立して,農業の大規模化を進めることを指導しています.しかし,そのためには,土地所有に代わる,国民的な社会保障システムを構築しなければなりません.

他方,Elizabeth Economyは,中国が経済力を高めて外交に乗り出すと,異なった原則を持ち込み,国際秩序に「ただ乗り」することを警戒しています.たとえば,カリフォルニア知事のシュワルツネッガーが甘い罠に導かれるように.

Paul Cavey and Bill Berchereは,中国が人民元を変動させて調整しないのは,アメリカにおける保護主義を警戒していないからではなく,その政策決定過程が極度に政治化されているからだ,と考えます.中国の政治家たちは,人民元の調整や資産市場のインフレではなく,むしろ国内の過剰投資とデフレを心配しているのです.

かつて銅の先物市場ではスイスやアメリカ,日本の投機家やトレーダーが巨額の損失をもたらしたように思います.中国の銀行で資金を動かす者が,こうした強欲に支配されなかったとしたら,それは今までが幸運であったか,悪事が露見しなかっただけでしょう.

FT November 17 2005

The truth about investing in China’s banks

By Fred Hu

FT November 17 2005

China steers clear of western capital markets

By Francesco Guerrera and Andrei Postelnicu

(コメント) 銀行改革や資本市場改革など,中国に受け入れ可能な形で,市場を整備するアイデアを提案することが国際金融業と国際機関の重要な仕事になりそうです.


Jagdish Bhagwati How to resolve the world trade talks deadlock FT November 14 2005

Alan Beattie Intransigence on trade and the multilateral approach FT November 15 2005

KEITH BRADSHER U.S. Urges China to Open Markets and Help Break an Impasse in Global Trade Talks NYT November 15, 2005

Andy Mukherjee U.S. Flogs Wrong Horse to Get Trade Talks Going Nov. 17 (Bloomberg)

(コメント) 多くの悲観的見方にもかかわらず,Jagdish Bhagwatiは,香港でドーハ・ラウンドは合意に至る可能性が高い,と考えます.それは,多くの自由化交渉がそうであったように,148カ国が形成する各勢力の主張と利害を冷静に計算した結果なのです.


Nov. 14 (Bloomberg)

Securitizing Reserves May Be Clever, And Risky

Andy Mukherjee

(コメント) IMFのエコノミストEswar Prasad and Raghuram Rajanが外貨準備の証券化を勧めるのは,積み上がったドル準備が人民元の切上げで崩壊するときの衝撃を緩和したいからです.なぜ外貨準備を25000億ドルもアジア諸国は蓄積したのか?  Mukherjeeは,@重商主義説,A再建ブレトンウッズ説,B保険説,を検討しています.その動機が何であれ,外貨準備を蓄積するコストは増大し,ついにハルマゲドンをもたらすでしょう.すなわち,ドル準備を投売りしなければならないのです.なぜなら,いつか人民元(そしてアジア諸通貨)は増価するから.

中国の不健全な銀行に金利の低い預金をしているより,国民の貯蓄が一部でも外貨準備の投資信託に振り向けられれば,政府の保有する外貨準備は累積せず,人民元増価のショックを吸収できるかもしれません.


BG November 15, 2005

A Marshall Plan for the third world

By Lawrence Korb and Arnold Kohen

(コメント) パキスタンの地震被害に対して,国連の呼びかけた55000万ドルの4分の1しか援助が集まりません.ヒマラヤの厳しい冬を越せない住民が多くいます.裕福な諸国は,アル・カイダの主要な拠点となっている貧しいイスラム圏に対して,十分な支援を行っているでしょうか? 他方,アメリカの軍事予算は4400億ドルです.イギリスの雑誌the Lancetは,年間1兆ドルに及ぶ世界の軍事支出の,1%のさらに半分でしかない51億ドルがあれば,600万人の子供の命が救えただろう,と指摘しました.

アメリカが軍事費よりも,貧困や災害の救済に,特に子供たちのために支出した場合,その影響はどれほど異なっていたでしょうか? 日本の自衛隊がしているように,海兵隊はイラクでテロの掃討に従事するより,アチェで被災者への救援物資を運ぶことの方が,アメリカの評価をより高めたのです.

現代の額で1000億ドルに及ぶマーシャル・プランを思い出すべきだ,と論説は強調します.もしイラクやアフガニスタンで,子供たちの栄養不良や公共医療機関の改善に支出すれば,民主化の進展を大いに加速することでしょう.アフガニスタンの妊婦の死亡率は,工業諸国の60倍も高いのです.ユニセフに拠れば,アル・カイダの拠点となったイエメンの死産の率は,10万人に対して366人です.これはアメリカの場合,わずか9人です.

だからこそ,この優先順位を逆転させることは,社会に対する重要なメッセージになり,世界の安全保障に貢献する,と.


Kenneth Neil Cukier Icann. Can you? IHT TUESDAY, NOVEMBER 15, 2005

Kamel Labidi No place to talk about Internet freedom IHT TUESDAY, NOVEMBER 15, 2005

Patti Waldmeir Google’s digital page-turner FT November 16 2005

An untangled web FT November 16 2005

(コメント) 国際的なシステムとして最も普及し,重要になったインターネットが,アメリカによって支配されていることに,他国が疑念を強め,国際機関が管理するべきだ,と考えるのは当然です.しかし,Icannthe Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)はカリフォルニアの非政府機関であり,1998年に設立されて以来,アメリカ政府ではなく,「ウッドストック時代のアメリカの技術者や学者たち」によって運営されてきた,とKenneth Neil Cukierは指摘します.

これに対して,国際機関を強く求める国は,ブラジル,南アフリカ,EUだけでなく,中国,キューバ,シリア,など,アメリカの影響力拡大や政治的介入を阻止する目的を持っていると思います.ある朝,突然,イランからの,そしてイランへのe-mailが着かなくなったらどうするのか? 戦争の前に,敵の情報網を遮断するのは当然ではないか? ・・・国際機関を設立せずに,こうした疑念を払拭することはできないでしょう.

確かにインターネットのシステムは,迷惑メールを排除できず,ハッカーを退治できませんが,同時に,表現の自由,通信コスト削減,技術革新の促進,を実現しています.たとえアメリカの姿勢やIcannの能力が完璧でなくても,性急に国際機関を設立する結果が,状態をむしろ悪化させるという恐れもあるわけです.アメリカ政府は,長期的な解決策に向けて国際システムの再設計に主導権を発揮するべきでしょう.

他方,Googleは,世界中の図書館を結んで,誰でも自由に世界中の本をインターネットで検索し,読めるようにしてはどうか,と提案しています.たとえば,夕食の用意に困った人が,手元にある材料で見事なタイ料理を作るレシピを簡単に探し出すように! 知識は世界を変えるでしょう.デジタル・ブックは古くからの理想であり,実現不可能なユートピアでした.しかし,AmazonGoogleMicroSoftYahooなどが,すでに競争を始めています.

これに対して,著作権協会と作家たち,出版連盟などが反対しています.これもまた新しい中世ギルド組合,情報保護主義,反グローバリゼーション運動・・・なのでしょうか? 新しい世界を誰もが享受するには,新しい所有権,新しい市場,新しい社会的な合意によって分配問題を解決することが必要かもしれません.

もしこれに完璧な翻訳機能や携帯端末が付随すれば,世界の知識ヒエラルキーも激変するでしょうね.たとえば,・・・日本から経済学部は消滅する・・・?


LAT November 16, 2005

No wonder anti-free traders are angry

By GREGORY CLARK

(コメント) GREGORY CLARKは明快に自由貿易や市場が,そしてIMFと世界銀行が,貧しい諸国に押し付ける国際分業を否定します.そして,かつて構造主義や従属論がラテンアメリカで主張したように,輸入代替工業化と,雇用や地域市場の拡大を重視します.

私も,英語圏のTV局や音楽産業,通信ビジネスが世界規模になるのは理由があるとしても,シャツや靴下,簡単な工業製品まで自由化を強いられる理由は無いと思います.特に,輸送手段の限界や為替レートの不安定性,金融手段の未発達な状態を考えれば,貧しい諸国はアダム・スミス的な富裕の自然経路や局地市場圏をたどる方が良いでしょう.

想像してみることだ.政府がIMFや世銀に逆らって,シャツの輸入を禁止する.地元の工場や外国企業はシャツの現地生産に殺到するだろう.繊維や必要な生産設備は輸入する.その後,タイのモデルに従い,政府は繊維の輸入を禁止する.シャツ工場の所有者は,次に,繊維工場に投資する.などが続くわけだ.」

もし自由貿易に従っていたら,タイは今でも農産物を輸出しているはずです.しかし,政府の工業化政策によって,今ではトラックの輸出基地にさえなっています.アフリカ大陸にも,こうした工業地域と雇用,地域市場ができるはずだ,と.

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The Economist, November 5th 2005

Tired of globalization

World trade talks: In the rough

The hidden wealth of the poor: A survey of microfinance

Brazilian agriculture: The harnessing of nature’s bounty

(コメント) 19世紀のフランスの経済学者クロード・F・バスティアや,「国境のない世界」を想像した歌手のジョン・レノンがグローバリゼーション支持派で,中国製品に27.5%の関税を主張するチャールズ・シューマー上院議員,反米を唱える元サッカー選手のディエゴ・マラドーナやヴェネズエラのヒューゴー・チャベス大統領はグローバリゼーション反対派!?

WTOの香港における会合はドーハ・ラウンドを成功させる最後のチャンス,あるいは完全な崩壊の危機です.「狼が来た」という少年の警告を無視することはできても,アメリカの不況,中国の崩壊,失業者が町にあふれる中で,世界の貿易戦争や政治対立を無視することはできません.中国,韓国,チリ,インドが,そして過去には,アメリカ,西欧,日本も,開かれた市場において,資本主義の世界インフラを利用できたのです.The Economistはグローバリゼーションを支持して止みません.

マイクロ・ファイナンスの特集は,貧しい人々が金融によって貧困から脱出する道を見出す可能性が,以前は過小評価されていた,と興味深い事例を紹介しています.また,ブラジルが獲得した新しい農業輸出拡大の機会は,グローバリゼーション支持派の根拠であるだけでなく,その反対派にも多くの深刻な疑念をもたらすでしょう.多国籍農業企業がブラジルの耕地を大規模に所有して輸出向けに耕作することは,ブラジルと企業の富を増やすとしても,反対派の描く悪夢と深く共鳴するからです.