シンポジウム趣旨
本シンポジウムは,日本材料学会・複合材料部門委員会・量産車用コンポジットの開発WGが主体となって企画したものです.
sustainable社会の構築にむけ,自動車には低燃費化に向けた重大な課題達成が求められています.その一連の流れでは,2050年までにクルマから排出されるCO2の量を70% 削減することが最終目標となっています.これは,これまでに着手されている低燃費化革新技術:超ハイテンやアルミニウムなど軽金属の採用,パワートレインや機能面での改良・改善だけではとても達成できません.近未来,自動車に関わるここ数年の動きを考慮すれば,2050年時点,車体のCFコンポジット化は必須課題となると推定されます.しかしながら,CFコンポジット車体の量産化に求められる新しい技術開発課題は多く,現在なお,その実現のプロセスは明確にされていません.その解決の糸口は,さまざまな技術者・研究者が交流し,さまざまな視点から討論することにより,紡ぎだされるものと考えます.
本年3月,さまざまな取り組みの交流・討論を目指し,JCOM-38にOS「量産車用コンポジット」セッションを企画したところ,2セッション14篇の発表を得ました.この成果をさらに継続・発展させるため,今回,シンポジウムを企画しました.趣旨にご賛同いただけます皆様の研究ならびに技術発表を大いに歓迎します.併せて,関連の分野に関心をお持ちの方々や関係される多数の方々の積極的な参加をお待ちしております.