Research

情報数理工学研究室では、数理的な手法を使って通信ネットワーク、セキュリティ、スマート農業などの問題を解決しています。見えにくい問題を数で表し、コンピュータで比較・評価できる形に変えることで、よりよい制御や配置を探します。

数学で「困っている状態」を「計算できる形」に変える

通信の混雑、異常検知、農業ロボットの認識などを、グラフ、確率、最適化、機械学習の問題として定式化します。たとえば「どこに置くか」「どの通信経路を使うか」「異常らしさをどう数値化するか」を、変数・制約・目的関数で表します。

モデル化した問題に対してアルゴリズムを設計し、シミュレーションや実環境のデータで性能を評価します。

数式を使った数理的な問題解決の流れ
UAV Network

UAVネットワークのための通信方式の検討

UAVを通信ノードとして利用すると、災害時、広域観測、イベント会場など、地上設備だけではカバーしにくい場所にも柔軟にネットワークを構成できます。一方で、移動、電力、通信品質、障害物、接続性を同時に考える必要があります。

  • UAVの配置、飛行経路、通信経路を数理最適化として扱います。
  • カバレッジ、ケーブル長、接続性、計算時間などを評価します。
  • 有線ドローンやUAV支援エッジ環境を題材に、制約下での配置制御を検討します。
有線ドローンネットワークの研究イメージ

有線ドローン配置3Dデモ

ドローン数、カバレッジ半径、ケーブル長、重量上限を変えると、配置とカバーできるセンサが変化します。

Anomaly Detection

機械学習を用いたネットワーク異常検知システムの評価

ネットワークには、混雑、故障、攻撃、不正利用など、通常とは異なるふるまいが現れます。通信ログやトラフィック特徴を機械学習で分析し、異常を早期に検出する方法を検討します。

  • 通信データを特徴量化し、正常時と異常時の違いを学習します。
  • 検出率だけでなく、誤検知、見逃し、運用負荷も評価します。
  • 実運用で使えるように、説明可能性や攻撃耐性も考慮します。
ネットワーク異常検知の研究イメージ

異常検知デモ

DoS攻撃でトラヒックが急増する状況を想定し、ルータで機械学習ベースの異常スコアを監視して検知・遮断する流れを示します。

QoE Control

QoE向上のためのネットワーク制御

ネットワークの性能は、速度や遅延だけでなく、利用者が実際に感じる品質で評価することが重要です。動画、通話、ゲーム、授業端末などの利用状況を想定し、QoEを高めるための制御を研究します。

  • 遅延、混雑、帯域、端末数を考慮して資源配分を行います。
  • ユーザ体感品質を保つため、経路選択や通信量制御を設計します。
  • 通信混雑制御の考え方を、利用者の体感品質を表すQoE指標に接続します。
QoE向上のためのネットワーク制御の研究イメージ

展示会場におけるAP/RIS制御デモ

来場者が常に移動する展示会場で、人が多い場所だけをAPとRISで重点的にカバーし、QoEを保つ様子を示します。

Smart Agriculture

スマート農業のためのネットワーク制御

スマート農業では、センサ、ロボット、AI、通信ネットワークを組み合わせて、作物の状態把握や作業支援を行います。圃場や温室で得られる情報をもとに、灌水、観測、ロボット動作を効率よく制御します。

  • 圃場センサや画像認識結果をネットワーク経由で集約します。
  • 作物状態や通信環境に応じて、観測・制御のタイミングを決めます。
  • ロボットやUAVを活用し、省力化と安定した農作業支援を目指します。
スマート農業の研究イメージ