整理室日記 | 執筆記事|同志社大学歴史資料館

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第31回 : 実測って何??

松尾 智之
同志社大学 工学部4回生

最終更新日 2004年1月14日

 新年、あけましておめでとうございます。

 今整理室では、出土遺物の実測と、実測した図面の「デジタルトレース」を平行して行っています。遺物によりますが、速い人だと1つ1.5~2時間で一つくらい、1日で4~6つ仕上げています。学生たちは日々経験を積んで、慣れてくるとまだ実測に不慣れな学生たちに教えていくという良い習慣が生まれています。

 実測を簡単に言いますと、発掘した資料を方眼紙に描き写すことです。それは意外と簡単のように見えて実はかなり難しい…といったもののそれほどでもなく、けれど簡単とは言えず、難しいともいえず…。という感じで、みんなで口を動かしつつ手を動かします。

 具体的な内容はといいますと遺物の断面と側面を方眼紙に描きます。もちろんキャリパーやディバイダーなどを使い㎜単位で測ってシビアに描きます(個人的に実測で楽しいのは絵柄を画くときかな…)。細かい絵などを書いている時などちょっとした画家気分!?(えっ?聞いていない?) ほかにも土色帳などを使い、どのような色の遺物かをわかりやすく示し、焼成や胎土の状態も方眼紙の隅っこの方に書きます。これを見て実物をイメージできる人はかなりのものです。

 「デジタルトレース」とは、以上のようにして書いた実測図をスキャナーでパソコン内に取り込み、それをさらにイラストレータというソフトを使って方眼紙の図面を完全にコピー(なぞる)していくことです。こうして資料として公開することが出来るようになるわけです。さらに後世にデジタルデータとしていくこともできます。目的は他にもあるかもしれませんが…。

 こういった過程が日々整理室の皆さん方の手によってこなされています。ホンと皆さん頑張り屋サンです。私も「実測名人」といわれるように日々精進していきたいと思う今日この頃です。

 では、今年も引き続き、整理室日記を応援してください!


みんなで実測


細かい作業なんです


はじめたばっかですががんばってます


ひとつ、ひとつ、丁寧に・・・


真剣・・・


トレース中です


意外と目が疲れるんです




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