▶間伐材や湧き水を使って発電 過疎地の電力自給自足「低炭素地域づくり事業」
過疎の町、京都府笠置町は、同志社大学やシンクタンクと連携して過疎地の電力の自給自足のモデルとして町づくり構想を進めている。
間伐材や荒廃した田畑、地滑りの危険性を持つ山からのわき水などをガス・水力発電に生かし、食物工場で野菜や果物を作る。過疎の問題と、次世代の農業を組み合わせたモデルとして注目されている。
笠置町は面積約24万平方キロ、人口約1700人京都府最小の町。過疎化で山林、田畑は放置されて7割が放置状態である。集落は地滑りの危険区域で、わき水(地下水)の処理にも頭を悩ませていた。環境省が2010年度から全国面11自治体などに調査研究費を補助する「低炭素地域づくり面的対策推進事業」に過疎地から唯一選ばれた。雇用創出の狙いもある。同事業は2000万円の調査研究費を補助。札幌市の電気自動車導入、さいたま市のカーシェアリングなどがある。笠置町事業は同志社大学、エネルギ―変換センターの千田二郎センター長の地域計画建築研究所が連携して進める。松本勇町長は「地滑りや森林の荒廃など町が抱える問題を解決しながら、若者定着のための雇用を生み出したい」と期待。
構想では地滑りの原因になっている地下水を水路に流し、タービンを回転させ小水力発電装置で発電、年間で43万8000キロワット時の発電が可能になる。また間伐材やシイタケ栽培の廃材、家庭ごみを燃やして電力に変換する。そのエネルギ―を食物工場で、LEDとして使用し、トマトやいちご、キノコを栽培する。ガスを燃焼させる際のCO2も植物の光合成を促進させるために利用するなど、徹底的に環境に配慮した仕組みになっている。
※ 参考文献 下記新聞記事参照 (エネルギ―変換研究センター関連記事)