EXPO 2025大阪・関西万博 体験記

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私たちえびゼミは、6月に“2025年 日本国際博覧会(大阪・関西万博)”を訪れました。
4つの少人数班に分かれ、それぞれが独自のテーマで万博を体験し、学びを共有しました。
訪問前には、各班がテーマを発表するプレゼンテーションを行い、お互いの関心や計画を共有しました。
事後には現地での体験をもとに、コンペティション形式のプレゼン大会を開催し、各班の学びの成果を披露し合いました。
この一連の活動を通して、チーム内での協働や役割分担、他班との学びの共有など、プレゼンスキルやコミュニケーション力の向上がはかれました。
特に、他者の学びから自らの視点を広げるという姿勢は、えびゼミならではの特徴的なコンセプトです。

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【えび~な探検隊】
「笑って学んだ、世界一周旅行」

班のコンセプトは「世界一周旅行!」。会場内のさまざまなパビリオンを巡り、まるで一日で地球を旅したような体験をしました。
訪れたのは、クウェート、オーストラリア、インドネシアなど計10カ国。
どの国にも独自の世界観や未来へのメッセージが込められており、見て、聴いて、触れて感じることができました。
特に印象に残ったのは、クウェート館の幻想的な映像演出と、オーストラリア館の自然とテクノロジーの融合、そしてインドネシア館のエネルギッシュな文化表現。
五感で“その国らしさ”を味わうことができました。
今回の探検では、単に「楽しかった」で終わらず、「なぜ心を動かされたのか」を話し合うことを大切にしました。
各国を「体験・理解・楽しさ・世界観・記憶に残る度」の5つの観点で評価し、レーダーチャートを作成。数値化することで、
自分たちの感覚や印象をより客観的に見つめ直すことができました。
そして気づいたのは、どの国も共通して“人と地球のつながり”をテーマにしていたことです。
技術が進んでも、自然や人との共生を忘れない、これこそが未来社会のキーワードなのかもしれません。
笑いあり、驚きありの「世界一周旅行」は、私たちにとって“楽しみながら学ぶ”最高のフィールドワークでした。
えび〜な探検隊の冒険は終わっても、この学びはこれからの私たち自身の“未来地図”として続いていきます。

(えび~な探検隊:野村 奈生)




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【ウェル食ラボ】
「食べることは、生きること」

私たちの班は万博を通して「よりよく生きる」とは何かを考えました。その中で、私は食べることの持つ奥深さを実感しました。
会場では、各国のパビリオンを巡りながら、その土地の料理や飲み物を実際に味わいました。
スペインの芳醇なワインやドイツのコク深いビールを食事と一緒に味わったり、日本の繊細な日本酒の飲み比べをしたりして、
どれもただの「食事」ではなく、その国の気候や文化、人々の暮らしが反映されたものだと感じました。
食を通して、私たちはその土地の人々の生き方に触れ、会話や笑顔を通じて自然と心が通い合い、「食」は単なる栄養摂取ではなく、 “人と人、人と文化をつなぐコミュニケーション”なのだと気づきました。
特に印象に残っているのは、スペインで味わったディナーの時間です。
心地よい音楽と温かな照明の中でゆっくりと食事を楽しむひとときは、日常の慌ただしさを忘れさせてくれるような安らぎに満ちていました。
味や香りだけでなく、空間や人との関わりが一体となって“心が満たされる食”になるのだと感じました。
えびゼミでこの体験を共有し、議論する中で、食や健康を“栄養学”の視点だけでなく、“社会・文化・心理”といった多角的な視点から捉えることができました。
食の背景にある文化や人との関わりを知ることで、「よりよく生きる」とは、身体を整えるだけでなく、心を豊かにし、他者とのつながりを大切にすることだと感じました。
万博での学びは、食と健康を通して自分自身のウェルビーイングを考えるきっかけとなり、これからの人生において“食べること”をもっと丁寧に、
感謝を持って楽しみたいという想いへとつながりました。

(ウェル食ラボ:田中 美優)




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【万博張り切り隊 パビリオン美術館×世界食博】
「目で味わい、舌で感じた旅」

私たちの班は、美術と食をテーマに、世界各国の文化について学びを深めてきました。
日本と味付けが似ているものもあれば、食べたことの無い風味のものもあり、「世界」を感じるとても貴重な体験となりました。
様々なパビリオンを訪れたなかでも特に印象に残っているのはイタリア館です。
「アートは人生を再生する」というテーマで、ファルネーゼのアトラスやカラヴァッジョの「キリストの埋葬」など有名な作品が展示されていました。
同志社がキリスト教主義の大学であるからこそ、「キリストの埋葬」に目を引かれました。
日々の講義のなかで耳にしたことのある人物が1枚の絵の中に何人も登場しており、「学び」と「リアル」がつながった瞬間でした。
また、アートだけでなく世界の“食”にも触れることができました。
ニチレイの新商品、サウジアラビアのコーヒー、チリのワインなど普段の生活では触れることのできない食に触れることができました。
その中でも印象的だったのは、ニチレイの“凍ったまま食べられる今川焼”とサウジアラビアのコーヒーです。
今川焼はアイス感覚で食べられるだけでなく、冷凍食品の可能性を広げ、冷凍技術で食品ロスを減らしていることを学びました。
一方、サウジアラビアのコーヒーは、普段私たちが飲んでいるコーヒーとは全くの別物で驚きました。
コーヒーというよりは、スープのような味付けで色も薄く、オニオンスープのような色をしていました。
今回の体験を通して、目でアートを味わい、舌で文化を感じ、気候や特徴に由来するその国の素晴らしさがパビリオンや食に色濃く表れていることを学ぶことができました。
これからの生活で、美術や食の奥にある“背景”にもしっかり着目していきたいと思える貴重な体験になりました。

(万博張り切り隊:田中 夢理)




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【えびね未来ご飯研究会】
「自分事として考える、“食”の時の流れ」

私達の班は各国の食文化や歴史、食の未来をテーマにパビリオンを巡りました。“過去、現在、未来”といった視点を持ち、今後の食に対する考えを深めました。
まずは、「過去」についてです。私達が訪れたのはクウェート館。独自の歴史と自然、食文化についての理解を深めました。クウェートは海上貿易の拠点として栄え、真珠貿易で知られています。また、香辛料・シルク・コーヒー豆など、インド洋交易圏の様々な文化や商品が行き交う国。これらが豊かな食文化の形成に影響していると考えました。日本から遠く離れた砂漠の地。粒が細かくサラサラと流れる砂にも触れるという貴重な経験をし、その土地の自然を肌で感じることができました。
「現在」についてはドイツ館で、持続可能な社会への取り組みを学びました。エネルギーに限らず循環型食品産業も重要な要素です。実際に展示で見た事例から、食品ロスを減らし食品残渣や副産物を農畜産業の資源サイクルに戻すといった取り組みについて学びました。私達は日常生活で自分にもできることがないかと考えると同時に、食品ロスの問題の重大さを感じました。
最後は「未来」です。私達はヘルスケアパビリオンで未来の食事について学びました。出会ったのは、“AI食”。性別、年齢、目的、気分という4つの質問から、料理を提案してくれます。便利さを実感する一方で、「これで本当に良いのか」という疑問が残りましたが…。それでも、AIの進化が私達の生活を豊かにする可能性を感じたことは事実です。将来的に、介護や医療機関での健康問題の解決に貢献することに期待します。
気候変動や国際情勢、AIの進化の影響で私達の食卓の“当たり前”が変化する。そんな未来を想像したことはありますか。万博での体験は、想像すらしなかった未来を自分事として考える機会となりました。過去から学び、現状を知り、未来を考える。この姿勢は何事にも役立つ、大きな財産となっています。

(えびね未来ご飯研究会:岡本 直旗)