第66回中日理論言語学研究会

日時:2026年1月25日(日)
場所:同志社大学大阪サテライト・オフィス


ご報告:
 先にご案内申し上げました第66回中日理論言語学研究会は、2026年1月25日(日)に同志社大学大阪サテライト・オフィスにて開催され、40名の皆様にご参加いただき、成功裡に終了いたしましたことをご報告申し上げます。

 今回の研究会では、中国語と日本語を対象に、認知言語学・理論言語学・言語類型論の視点から、文法構造や時間認識、語類体系をめぐる最新の研究成果が報告されました。

 下地早智子氏は、現代中国語の垂直系時間名詞(句)を取り上げ、概念メタファー理論に基づいてその起点フレームを精緻に分析しました。とりわけ、「上/下」による時間表現が、直線的時間だけでなく循環的な時間認識とも深く結びついている点を、豊富な言語事実と理論的整理を通して明らかにされました。
 郭楊氏は、「是…的」構文を単一の構文とみなす従来の枠組みを再検討し、虚詞「的」の語彙的属性に基づいて、複数の異なる構造を区別すべきであると論じました。統語・意味・情報構造を横断して「的」を再分類する分析は、議論が錯綜しがちな構文問題に明確な見通しを与えるものとして、示唆に富む提案でした。
 彭広陸氏は、日中対照の観点から、日本語を名詞型言語として捉える可能性を検討し、語類体系、名詞述語文、省略現象などを総合的に論じました。動詞中心とされがちな日本語観に再考を促す議論は、言語類型論における日本語の位置づけを改めて考えさせられる提案でした。

 討論では、時空間メタファー、構文理論、語類認識を横断する活発な意見交換が行われ、日中言語研究の今後の発展を示唆する研究会となりました。
次回の第67回中日理論言語学研究会は、2026年5月17日(日)に開催予定です。詳細は追ってご連絡申し上げます。皆様のご参加を心よりお待ちしております。





<発表者及び発表題目(敬称略、順不同)>
(発表概要(PDF)を公開いたします)



下地早智子(神戸市外国語大学教授):
「現代中国語における直系時間名詞(句)の起点フレーム」(PDF)


郭楊(関西大学):
「現代中国語「是…的」構文の成立条件の再検討:虚詞「的」の語彙的属性に基づく理論的分析」(PDF)


彭広陸(吉林外国語大学):
「也談日語作為名詞型語言的基本特徴」(PDF)





※著作権は発表者にあり、引用される場合「中日理論言語学研究会第66回研究会発表論文集」を明記すること