第12章 量子力学的波動関数




この章で、「猫でもわかる量子力学」もおしまい。ということで今までの総決算をする。



1.古典的波動方程式

変数分離の部分( 8 章 )などを参照してもらえればわかる
この式が出発点となる。



2.de Broglie波

Louis Victor de Broglie  (1892〜1987)
X線の実験的研究を進めていた兄C.M.de Broglie(1875〜1960)に触発され、

という新しいアイデアを提案。
1924年(λ:電子波の波長、h:プランク定数、p:運動量)を導いた。
1929年 ノーベル 物理学賞を受賞。

参考URL:ド・ブロイのデータ

なので(角周波数の定義) de Broglie波を代入すると
となる。ちなみに


この1と2の2つを組み合わせる。

を1に代入。





3.古典的なエネルギー


;運動エネルギー部分
:ポテンシャル(位置エネルギー)

運動量なので、
これをEに代入する。
これをpについて解くと、
となる。これを

に代入すると

この式を整理すると

この式を、量子力学的波動関数  方程式という。
以降、物理化学V・Wの諸問題はすべてこの方程式を出発点とする。
…この式を導くために、今まで「猫でもわかる量子力学」をといてもらっていたのです。お疲れ様。


問題 : のとき、
      、 
     となるのだが、さてこの方程式を満たすは次のうちどれ?