第7章 波の速さ





はじめに見てほしいのが上のFlashだ。

波は x 軸について + の方向に進んでいく。
そして,t = 0 の時の波の形を f(x) とし、 t = 0 の時,
波の中で頂上だったところを x = a とすると
頂上の位置は t = t になれば x = a + vt に移動している。
でも,f(x)は,t 含んでいないので頂上の場所はいつまでたっても x = a になる。
つまり,x = a + vt になってしまった時点で考えれば,x - vt = a となる。

ここで、t=0のときのオリジナル波形をf(x)と置く。

すると、t = tのときの波形はf(x-vt)とあらわすことができる。

つまり、xとtは別々ではなく、必ず(x-vt)という組になって現れる関数なのである。

これを、古典的波動方程式の形にするにはどうしたらいいだろうか。古典的波動方程式は 6章 でも出てきたとおり、xとtの2階微分が必要である。
…答えは「右辺と左辺を別々に求める」 そうすることによって、両方の2階微分を得ることができる。

さて。とおき、式を変形していこう。(Zをxで微分したら、またtで微分したらどうなるか…は、OKだね?)

とする。

まず、xの1階微分から。

2階微分は

それで、tの1階微分は

tの2階微分は

めでたく両方とも2階微分できたところで波動方程式に代入しよう。

ということで、両辺から2階微分のパートを消して
つまり、波の速さvは
このように張力と線密度により導くことができる。

vをつかって波動方程式を書き直すと

これを、一般の古典的波動方程式と呼んでいる。


問題 : 次のうちで波の速度が最も早くなるのはどれか
張力が大きく、線密度も大きい 張力が大きく、線密度が小さい
張力が小さく、線密度が大きい 張力が小さく、線密度も小さい