第6章 波の運動 その3




さて、この章ではいままでの「波の運動」の総大成だ。
5章 で、下向きに働く力は
と結論付けることができた。また5章の問題で、
とも表せることがわかる。(先回りして、答えを見た人へ; F = ma 思い出した?)

さて、mは質量だが、質量は「線密度(単位長さあたりの質量)×長さ」であらわすことができる。
この式のρ(ロー、と読む。英語ではrhoと書く)が線密度で、dxが長さ。
これを代入していこう。

両辺にdxがあるので、これを消すと



これを、「古典的波動方程式」と呼ぶ。
左辺の2回微分は湾曲のパラメータ、
右辺の2回微分は加速度を表し、力のかかっていることをあらわしている。


問題 : 上の古典的波動方程式に当てはめて考えると、
      左の波には外と内のどちら向きの力がかかっているだろう?
外向き 内向き

Hint

「右辺の括弧の中は加速度」であり、それが線密度にかかっているから、
右辺が力をあらわしているのは容易にわかる。
右辺が力をあらわしているなら、左辺も力を表しているはず。
左辺のxは2階微分されている。
ここで高校の数学を思い出してほしいのだが

  • 曲線が凸なら2階微分は負
  • 曲線が凹なら2階微分は正
となる。
Tは張力の大きさを表すので常に正になる。

つまり、
  • 曲線が凸なら力は負になり
  • 曲線が凹なら力は正になる
ということ。さてわかったかな?