IPEの果樹園2021

今週のReview

9/20-25

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9/11記念日 ・・・増税と社会保障 ・・・ポルトガルの成長モデル ・・・中国産業の変貌 ・・・パンデミックからの離脱 ・・・プーチンの民主主義 ・・・パンデミック、気候変動、雇用保障 ・・・QEによる債務膨張 ・・・満州事変

長いReview

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[これは英文コラムの紹介です.私の関心に従って,いくつか要点を紹介しています.関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください.著者と掲載機関の著作権に従います.] 

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 9/11記念日

NYT Sept. 9, 2021

How 9/11 Turned America Into a Half-Crazed, Fading Power

By Michelle Goldberg

アメリカの恐怖と苦痛は暗い興奮を帯びていた。多くの影響力のある人々は、ポスト冷戦時代の退屈を脱ぎ捨て、国が新しい目的に責任を負っているのを感じて興奮しているようだった。彼らは、実際には壊滅的にナイーブだった。

アメリカは、イスラム世界に民主主義を浸透させるために、悪意の世界的な十字軍を立ち上げ、私たち自身の民主主義をボロボロにした。

攻撃的なジンゴイズム、民族プロファイリング、エスカレートするパラノイア、拷問、秘密の刑務所、壊れた兵士、死んだ民間人、そして打ち砕かれた帝国の夢の時代は、世界中で、そして自国でも、自由を後退させた。

9/11以降、ジハード主義者よりも極右テロリストによって殺されたアメリカ人の数が増えている。白人至上主義者は、対テロ戦争の幻滅した退役軍人を募集し、戦術的な経験を積むために彼らの支持者に軍隊に加わることを奨励した。

20年前、前例のない大量殺戮行為にトラウマを負い、歴史の復活を望んだアメリカの政治家や知識人は、9.11を誤解していました。報復の必要性に合わせて、敵の身長を膨らませました。私たちは世界を作り直すために傲慢な戦争を開始し、代わりに自分自身を改変し、その過程で推定8兆ドルを費やした。私たちは、戦いを始めたテロリストよりも、さらに悪いテロリストを産み出した。

The Guardian, Fri 10 Sep 2021

The lesson we failed to learn from 9/11: peace is impossible if we don’t talk to our enemies

Jonathan Powell

3,000人近くの命を奪った攻撃の後、アルカイダの指導者を追うことに代わる真の選択肢はありませんでした。そして、タリバンがオサマ・ビンラーディンの引き渡しを拒否すると、タリバン自身を引き受けることに代わる本当の選択肢はありませんでした。

最終的な失敗は、一部の人が示唆しているように、「永遠の戦争」の結果でも、「国家の再構築」を試みた結果でもありません。

アフガニスタンでの主な失敗は、むしろ、軍事慮億で解決を押し付けるのではなく、包括的な交渉を行ったときのみ永続的な平和に到達する、ということを学ばなかったことでした。

結局、戦場でタリバンを打ち負かすことも、彼らを締め出す安定した新しい状態を構築することもできませんでした。テロリストとは「決して交渉しない」というマントラは、最終的に、急いで撤退する交渉に置き換えられましたが、戦場で軍隊を弱体化させました。

NYT Sept. 10, 2021

The Afghan War Took an Awful Toll. I Would Still Serve Again.

By Andrew Exum

確かに戦争がそれだけの価値があると主張することはほぼ不可能です。しかし、戦争での私たちの奉仕はどうですか? 何か意味がありましたか?

この質問は、911日の攻撃の20周年に多くのベテランを悩ませます。

私たちの国は、民主的な実験そのものです。イラクとアフガニスタンでの戦争は、実験が失敗したのは初めてのものではなく、最後のものでもないでしょう。しかし、実験を続けるために、選挙で選ばれた指導者が大惨事に終わる決定を下す可能性があると知っても、この国は進んでそれにコミットする市民を必要としています。

Yet I would do it again. Because this country of ours is worth it.  私は再び従軍するつもりだ。なぜならこの国はそれに値するから。

I hope my children someday feel the same way.  私の子どもたちが、いつか同じように感じることを、願う。

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 増税と社会保障

FT September 11, 2021

When it comes to social care, politicians need to stop fearing the elderly

Camilla Cavendish

トニーブレアが社会的ケアを「修正」することを約束してから約20年後、ボリスジョンソンは増税を提案し、世論調査の支持率が下がるのを見ました。彼にとっても国にとっても、これがどのように機能するかは、2つのことに依存します。彼はお金を投入するだけでなく、NHSと社会的ケアに革命を起こすことができますか?そして、彼は若者と老人の世代をさらに引き離すのではなく、世代間をまとめることができますか?

政治家は老人たちを恐れています。エマニュエル・マクロン大統領は、フランスの年金支給年齢を62歳以上に引き上げることができませんでしたが、市民は現在平均83歳まで生きます。ギリシャでは、最高裁判所が抗議の後で、年金削減を取り消すよう政府に強制しました。一方、スペイン政府は、66歳を超えて働き続けるよう人々を説得するために賄賂を支払っています。英国では、労働党の指導者が、首相を低所得者と若年者に課税すると攻撃しますが、同時に、介護費用のために誰も家を売る必要がないことを保証する、と主張しました。

英国での高齢者への求愛は、特典の無計画な蓄積につながりました。無料のバス、冬の燃料手当、さらに年金受給者のための10ポンドのクリスマスボーナスは、1972年、一時的な措置として導入され、現在もあります。年金のトリプルロックはインフレに先んじており、英国の年金受給者世帯の平均所得が、初めて、労働年齢世帯の平均所得を上回った。(ただし、年金受給者の5人に1人は依然として貧困状態です。)

過去50年間、先進国の市民は、一生懸命働いて税金を払えば、生活水準の向上、福祉のセーフティネット、年金を手に入れることを期待してきました。その契約は社会的連帯の強力な表現でした。しかし今では、年配の世代を支える若者は少なくなっています。そして、団塊の世代はますます多くの富を蓄積しました。

現在の社会的ケアシステムは不公平に満ちています。誰もが支払いをして利害関係を持つまで、それは本当に修正されることはありません。それが弱者や障碍者にとってはるかに野心的になれば、多くの人を介護施設に追いやる孤独を終わらせれば、プロの介護者がチェックボックスに従わずに自分の判断を使用できるようになれば、愛する家族への無給の介護がイギリスの背骨であると認めるなら、支持を得るでしょう。

老人にお金を払うために若者を刺すことは、社会的ケアに支払う最良の方法ではありません。しかし、意味もなく、首相は賭け金を上げました。

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 ポルトガルの成長モデル

FP SEPTEMBER 12, 2021

Portugal’s Sardine Capitalism Is a Model for the World

By Michael Moran

今日、ポルトガルの植民地は遠い昔のことですが、ポルトガルが独自の進路を描くことを好むのは、おそらく欧州連合で最も成功している混合経済を維持するという驚異的な能力にあります。

10年前の世界的な金融危機とパンデミックによって引き起こされた最近の景気後退にもかかわらず、ポルトガルは、文化的伝統と政治的価値とはるかに大きな経済の需要とのバランスを取るのに苦労しているヨーロッパの小さな経済の成長モデルとして浮上しました。ドイツ、フランス、イタリアとして、彼らはユーロを共有しています。

そのような同居がより小さなユーロ圏のメンバーに課す財政的手錠にもかかわらず、ポルトガルは、二極化の時代に西ヨーロッパの最も合理的な生活費、比較的低い失業率、着実な経済成長、そして一般大衆の満足を維持するための公式を見つけました。

2008年から2009年の金融危機は、ユーロ圏プロジェクトの弱点と矛盾を露呈させました。フランスやドイツのような経済をラトビア、キプロス、ギリシャのような単一通貨にまとめることは問題を引き起こしました。ソブリン債務危機に対する古典的な経済的答えである自国通貨を切り下げることができず、弱いユーロ圏経済は国際市場へのアクセスをほとんど失いました。ドイツ人が主導する大陸の頂点経済によって課された解決策は、緊縮財政であり、10年以上にわたって小規模経済を不自由にしました。

ポルトガルは、四半期ごとの債務返済を果たせず、トラブルから抜け出すことができなかったために世界金融危機によってほぼ破産し、2011年、いわゆる「トロイカ」(欧州委員会、欧州中央銀行、IMF)から920億ドルの救済を受け入れました。失業率は2013年の初めに18%に達し、その後、減少し始めましたが、リスボンは融資条件の義務を果たし、救済措置がとられた他の国とは異なり、その政治情勢は比較的安定していました。

ポルトガルは、救済基金の2回目のトランシェを受け入れるというトロイカの圧力に抵抗し、外国による緊縮財政から解放されました。2015年にトロイカから解放されたポルトガルは、税制上の優遇措置、財政刺激策、および外国投資家への革新的な支援を組み合わせて使用​​しました。外国投資家への居住書類「ゴールデンビザ」と、資産を購入する十分に裕福な人へのEU市民権を取引するものです。

ポルトガルが美しく、比較的手頃な価格であることは、10年以上もの間、「地球市民」の公然とした秘密でした。裕福な北欧人と北アメリカ人を再定住させるための異常に寛大な税金と移民政策に拍車をかけられて、国の外国人人口は世紀の変わり目に約10万人から2020年には約50万人に爆発しました。英国、ドイツ、その他のEUの日光浴を求める人々にすでに人気のある引退先であり、2012年に規則が制定されたとき、中国、ロシア、アラブ、北米の資金の新しい波が流れ始めました。

「私たちが得意としているのは、おもてなし、自然の美しさ、そしてイワシです。」

誰もがワクワクするわけではありません。特にリスボン、ポルト、アルガルヴェの砂浜などの人気のある観光地では、不動産の価格が高騰しています。この傾向は、生活費を抑えることに誇りを持っている国と一致していません。社会主義政府は、リスボン、ポルト、アルガルヴェで購入した不動産の税金と移民給付を禁止するゴールデンビザ法の改正を推進しました。

政府はこれらすべての金の卵を産む外国のガチョウを殺すことなく、国民の懸念に対応することを望んでいます。

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 中国産業の変貌

FT September 14, 2021

Alipay break-up is power grab by China’s government

億万長者のジャック・マーのアントグループが運営する金融サービスのスーパーアプリであるアリペイを解散するという中国政府の決定は、それ自体で、有効な新しい規制上の課題に対するさらに別の手厚い国の対応と見なされるかもしれない。オンライン決済会社、およびそれらが作成する消費者取引のビッグデータセットの所有権は、プライバシーと財務の安定性に大きな影響を与える。しかし、データを管理し、ライバルのパワーセンターを破壊するというのが中国共産党の究極の動機である、と信じることはナイーブである。これは中国社会の全般的な変革をもたらす、CCPの権威主義的要求の一部である。

中国に投資する人にとって、規制リスクは今や最大の懸念事項であるはずだ。ゲームや放課後の授業料に対する取り締まりは事前に伝えられていなかった。 Ant Groupの段階的な削減は、一党制を苛立たせる企業を待っている運命を示す。

規制当局が大きな金融データをどのように扱うべきか、その懸念は中国に限ったことではない。昨年、米国証券取引委員会の新委員長になる直前に、ゲイリー・ゲンスラーは、人工知能を使用して貸付決定を行うと、金融不安につながる可能性があることを警告した。大手テクノロジー企業によるそのような情報の所有権も、他国の規制当局が攻撃している。多くの民主主義国のデータプライバシー監視機関は、FacebookLibraデジタル通貨は、ソーシャルメディアの巨人がそのような記録にアクセスできることを意味した。

FP SEPTEMBER 15, 2021

Has China’s Housing Crisis Finally Arrived?

By James Palmer, a deputy editor at Foreign Policy.

急成長する住宅危機の原動力の1つは、中国には固定資産税がほとんどなく、不動産が魅力的な資産になっていることです。中国のほとんどの企業はある程度不動産事業であり、大規模な不動産に投資しています。たとえば、旧海南航空は、2017年に破産を宣言し、110億ドル相当の不動産を市場に出す前に、巨大なHNAグループに変身しました。

同時に、不動産供給は多くの都市で需要を上回っています。過去20年間に都市化に対応するために建設された、いわゆるゴーストタウンのいくつかは繁栄し始めていますが、他の都市はほとんど空のままです。不動産は、1990年代後半から危機に瀕している地方自治体の財政にも結びついています。土地の売却は、ほとんどの地方自治体の主要な収入形態になっています。北京は土地の売却を制限し、税金を再分配することによって市場を冷やそうとしましたが、それは限られた成功しか収めていません。

重要な問題。中国共産党にとって最も重要な支持グループの1つ、都市の中産階級は、不動産に多額の投資を行ってきました。 1990年代の公営住宅改革の一環として、都市部の住民は、以前は自分たちの作業単位に属していたアパートを手渡され、新しい富の基礎を形成しました。それは彼らを熱狂的な不動産投機家にし、地元が価格を管理しようとした後、しばしば大規模な抗議を引き起こし、当局は撤退することになりました。

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 パンデミックからの離脱

PS Sep 13, 2021

The Economic Risks of Pandexit

HOWARD DAVIES

国際決済銀行(BIS)の研究者は、パンデミックが2020年に先進国で8%の生産損失を引き起こしたと推定し、今年はさらに2%強の減少を予測しています。

「政策立案者は依然として困難な課題に直面しています」とBISのゼネラルマネージャーであるアグスティン・カルステンスは最近述べました。 「公的および私的債務は非常に高く、パンデミックの不利な遺産は大きいです。」

カーステンスの重要なポイントは、COVID-19によって引き起こされた経済的損害が、「前例のないマクロ経済政策の調整」によって軽減されたことです。つまり、非常に低い金利と大量の量的緩和、そして「十分な」財政支援です。予算援助の程度は国によって異なり、たとえば、ヨーロッパよりも米国の方がはるかに大きい。しかし、政府債務は至る所で急激に増加しており、現在、イタリアや日本のような国では前例のないレベルにあります。

BIS2つの危険なマイナス面のシナリオを特定しました。 1つ目は本質的に疫学的です。新しいコロナウイルスの亜種が出現する可能性があり、さらなる封鎖と財政支援が必要になります。

2番目のマイナス面のシナリオは、現在の価格圧力が強まり、インフレがさらに上昇し、最終的には金融対応が必要になることです。

パンデミック自体に対応する際に、私たち全員が同様の課題に直面し、政府が使用した政策の組み合わせはほぼ同じでした。 Pandexit(パンデミックからの離脱)の時代には、すべてが変わる可能性があります。 COVID-19感染率の低い、公的債務も管理可能な国にとって意味のある措置が、(そうではない)他の国にとって、経済的惨事を引き起こす。

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 パンデミック、気候変動、雇用保障

PS Sep 15, 2021

A Just Transition Needs a Job Guarantee

PAVLINA R. TCHERNEVA

地球温暖化によって引き起こされた混乱を管理するためにも、低炭素経済へのスムーズで公正な移行を達成するためにも、雇用保証が必要です。

気候危機は、恐れられているロボットがやるずっと前に、何百万もの仕事を一掃するでしょう。働く家族は、1つではなく2つの熱波の脅威に直面しています。インフレは失業と戦わなければならない、という破産した正統派の見解と、地球温暖化による迫り来る失業です。

仕事の保証は両方の解毒剤です。これは、家族を維持する賃金でまともな仕事を、それを必要とするすべての人に利益を伴って保証する公的雇用政策であり、インフレ圧力を和らげる方法でこの機能を実行します。

雇用のセーフティネットとしての機能を超えて、雇用保証は、これがグローバリゼーションの構造的変化、技術の変化、または園芸品種の不況に起因するかどうかにかかわらず、経済の不安定さを回避するための重要なメカニズムです。このプログラムは、価格、収入、および民間雇用が減少しているときに、最も必要とされるときに膨らむでしょう。しかし、それはまた自己制限的であり、経済の他の部分が高給の仕事の彼らのシェアを提供するとき縮小します。

雇用保証が実施されれば、経済学者は、インフレとの闘いにおける「自然な貢献」として失業を正当化できなくなるでしょう。もし有色人種、介護者、障害者、若者が体系的に良い仕事から排除されているなら、真剣にインクルージョンについて話すことはできません。

COVID-19危機が示したように、財源は不足していない。国々は、パンデミックと戦うための予算を通過させた。最大の支出増を実行したのが、通貨を発行、管理する主権国家であり、中央銀行および財務省によって政府財政が維持されている国でした。

気候科学者が長い間警告してきたように、最も洗練されたモデルでさえ、潜在的な転換点、フィードバックループ、および隠れた熱源を完全には考慮していません。同じことが経済モデルにも当てはまります。大量失業、極端な不平等、良好で安定した仕事の欠如などの問題は、独自のフィードバックのダイナミクスと転換点を生み出します。歴史的に、これらには、権威主義、ジンゴイズム、外国人排斥、偏見、人種的および民族的緊張、民主主義の崩壊、社会的、経済的、政治的不安定性の台頭が含まれてきました。

気候の正義をめぐる正確な内容は、良い仕事に対する控えめな要求から、搾取資本主義と経済帝国主義を終わらせるというより急進的なビジョンにまで及ぶ、論争領域です。人間の経済を扱う方法は多数あります。雇用保証は、私たちの目の前にある経済的課題に対する解決策を構築する、基本的土台なのです。

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 QEによる債務膨張

PS Sep 15, 2021

Where Has All the Money Gone?

ROBERT SKIDELSKY

量的緩和(QE)をいつ、どのように終わらせるか、または逆転させるかについてのすべての議論の中で、1つの疑問がほとんど議論されていません。2009年以来、ヨーロッパと米国の中央銀行による大量の債券購入は、なぜそれほど一般的な物価水準に影響を与えなかったのか?

20203月のCOVID-19パンデミックの開始以来、BOEはさらに4500億ポンド相当の英国国債を購入し、合計で8750億ポンド、つまり現在のGDP40%になりました。この第2ラウンドのQEのインフレと産出への影響はまだ感じられていませんが、資産価格は再び著しく上昇しています。

ジョン・メイナード・ケインズの一般理論から導き出された標準的なケインズ派の議論は、経済の崩壊は、その原因が何であれ、現金の買いだめの大幅な増加につながるというものです。お金は準備金に流れ込み、貯蓄は増え、支出は減ります。ケインズが崩壊後の経済刺激策は金融政策ではなく財政政策によって実行されるべきであると主張したのはこのためです。政府は、新しいお金が蓄えられるのではなく、生産に使われることを確実にするために「最後の手段の支出者」でなければなりません。

しかし、ケインズは彼の「お金に関する扱い」で、「投機的なお金の需要」に基づいて、より現実的な説明を提供しました。急激な景気後退の間に、金は必ずしも蓄えられるのではなく、「産業」から「金融」の循環へと流れる、と。産業流通のお金は、通常の生産プロセスをサポートしますが、金融流通では、「証券取引所やマネーマーケット取引など、既存のタイトルを保有して富に交換するビジネス」に使用されます。不況は、投資から投機への産業循環から金融循環への資金移動によって特徴づけられます。

したがって、量的緩和が一般的な価格水準にほとんど影響を与えなかった理由は、新しいお金の大部分が資産投機を煽り、それによってバブルを生み出し、価格と生産量は全体として安定したままだったためかもしれません。

これが意味することの1つは、QEが独自のブームとバストのサイクルを生み出すことです。危機は何らかの外部ショックによって引き起こされたと信じていた正統なケインズ派とは異なり、経済学者のハイマン・ミンスキーは、経済システムがそれ自体の内部ダイナミクスを通じてショックを生み出す可能性を考えました。ミンスキーは、銀行貸付は3つの段階、ヘッジ、投機、ポンジー、を経て進みます。最初、借り手の収入は、ローンの元本と利息の両方を返済するのに十分である必要があります。次には、利息の支払いのみを満たすのに十分な高さになります。最終段階では、金融は単に資産価格が貸付をカバーするのに十分に上昇するだろうという賭けになります。資産価格の必然的な逆転が暴落を引き起こすとき、紙の富の増加は消え、その結果が実体経済を引きずり込みます。

解毒剤が必要です。第一に、政府は中央銀行が政府から独立してお金を生み出すというフィクションを放棄します。第二に、政府は、彼らの命令で作成されたお金を、自身が使わなければなりません。たとえば、政府は、経済活動が活発化するにつれて撤回される予定の一時解雇資金を蓄えず、代わりにそれらを使用して公共部門の雇用を創出するべきです。

これを行うことで、金融不安定性を生み出すことなく回復をもたらすでしょう。これが10年にわたるQEへの依存から脱却する唯一の方法なのです。

FT September 17, 2021

Global debt is soaring — and we need to talk about it

Gillian Tett

今月、債務の厄介な話題が、遅ればせながら、ワシントンの政治レーダーに忍び寄りつつある。先週、ジャネット・イエレン財務長官は、議会が債務の上限を引き上げない限り、米国政府は10月に資金が不足するだろう、と警告した。

バイデン政権は、その増え続ける債務を追加せず、推定3.5兆ドルの支出計画を支払うために、裕福なアメリカ人の税率を引き上げようとしているが、反対に直面している。

過剰債務を心配している人にとっての朗報は、今年初めの世界的な成長回復により、国内総生産に対する世界の債務の比率が、3月の記録的な362%から6月の353%に、わずかに低下したことだ。

しかし、悪いニュースは、政府が危機主導の財政緩和に着手したときの353パーセントが、パンデミックの前に見られた333パーセントよりはるかに高いことだ。さらに、2010年の初めには、この比率は300%近くだったが、2008年には280%でした。世界が大金融危機に見舞われ、それが過度のレバレッジの危険性について介入を促したため、世界の借入金は3分の1以上増加した。

楽観主義者は、3つの理由から、これは問題ではないと主張する。第1に、最近の急増の大部分が中国で発生した。第2に、この急増が投資家を体系的にパニックに陥らせていない。第3に、20世紀の歴史は、債務の傾向がどのように双方向に動くかを示している。たとえば、第二次世界大戦中に西側の債務負担はGDP90%以上に爆発したが、その後、着実に30%未満に低下した。

しかし、アメリカや中国などの国々が現在の債務水準から抜け出すために必要となる成長率は、驚くべきものだ。代わりに、それは「金融抑圧」、または資本と金融規制の中で政府が何年もの間インフレを下回る金利を維持し、投資家から密かに奪った、という事実である。デジタル市場の時代にそのトリックを繰り返すのは難しいだろう。

ここに実存的問題がある。政府は、最終的に、その債務を削減するために超高インフレを解き放つのか。あるいは、政治的または社会的爆発を回避するために、将来、広範な債務免除を命じるのか。人類学者の故デヴィッド・グレーバーが述べているように、社会的爆発を避けるため、歴史上、ジュビリー(指導者による債務免除)が発生した。あるいは、大規模なデフォルトと金融危機が発生するのか?

あるいは、21世紀は、高金利、マネーサプライの拡大、熱狂的な金融システムの必然的な結果として、目を見張るような債務を受け入れ、それらを無視することを学ぶほど、金利が非常に低いままである時代に変わるのか?

私たちのグローバル金融システムが実物経済の3倍も膨張しているという事実は、たとえあなたがその影響について楽観主義者であるとしても、はるかに多くの議論に値する。

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 満州事変

PS Sep 16, 2021

The Manchuria Crisis Revisited

RANA MITTER

90年前の1931918日、日本の下級将校が、中国北東部の瀋陽市(当時は西部では瀋陽として知られていました)の近くにある日本所有の鉄道によって注意深く置かれた爆発物を爆発させた。日本軍は中国の兵士による爆発だとし、瀋陽を占領し、満州として知られる領土全体を占領するための口実として利用した。

満州は中国の領土であり、以前の条約の下で数千人の日本兵が駐留していた。日本軍はこの地域を迅速に制圧した。満州事変から数週間以内に、彼らは満州の南部を支配し、1932年初頭までに北部も制圧した。

これは帝国の侵略ではない、と日本軍は主張した。むしろ、武将の鉄拳の支配下で苦しんでいた満州の人々から助けを求める叫びに応答したものだ。日本軍は、抑圧された人々が、中国の他の地域を包み込んだ腐敗の大混乱から、独立国家を樹立するのを助けただけだ、と。

国際連盟は英国の外交官であるリットン卿が率いる委員会を派遣し、状況を調査した。委員会は、日本がクーデターを効果的に上演したと結論付けた。

日本政府は態度を変えず、国際連盟から脱退して、第二次世界大戦で敗北するまで満州の傀儡国家を維持した。

中国人は満州の14年間の占領を忘れません。中国の公式ドクトリンは、1931年の満州事変を第二次世界大戦の始まりとして確立している。毎年918日、瀋陽やその地域の諸都市で、爆発工作と、その後の残虐行為を記念して、サイレンは鳴り響く。これには、731部隊(日本軍の生物化学戦争の研究開発ユニット)が生きたまま被験者に行った実験が含まれる。

これらの記憶は、今日、どういう意味を持つのか?

2008年、ロシアがグルジアに侵攻したとき、北京オリンピックを意識して、すべての側が落ち着きを保つように要求するだけだった。2014年、中国は、ロシアによるクリミアのウクライナからの占領と併合、またはクレムリンが組織した国民投票を非難することを拒否した。

中国自体が、領土問題を自らの利益のために再定義する。ロシアとは異なり、中国は国際的に認められた国境を勇敢に越えることを避けてきた。しかしヒマラヤと南シナ海の境界を押している。香港や新疆ウイグル自治区など。そして冷戦を引きずる台湾。

一般的に、中国政府は、紛争を軍事行動ではなく、対話と交渉を通じて解決されるべきだ、という立場をとっている。彼らは、アフガニスタンなどのアメリカの介入を軽蔑する。このことを考えると、国際連盟が日本を思いとどまらせる試みが失敗した後、国際社会は1931年にもっと強力な軍事行動をとるべきだった、と中国の指導者が主張するのは難しい。

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The Economist August 28th 2021

Where next for global jihad?

Global jihadism: A new model for the armies

Central America: Joe Biden’s other headache

Special report The Arab world: A misshapen square

The fight over the Fed: The new Powell doctrine

Buttonwood: Closed for business

(コメント) 米軍のアフガニスタン撤退を、グローバルな聖戦運動や米中対決の新時代と観ることは、その通りですが、賛成できません。いくつかの記事が示すように、聖戦主義の宗教性と苛烈な暴力的支配には何の未来もないからです。他方で、米中対決も含めて、世界各地のガバナンスと国際秩序の問題は今後も続くでしょう。

アメリカ連銀のパウエル議長がQEをどのように軟着陸しようと考えているのか。日本のQEを超えるQEや、中国の習近平体制が権力維持に関わって打ち出すバブル退治と平等化のキャンペーンは何をもたらすのか、おそらく、私たちの未来はここにあるのです。

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IPEの想像力 9/20/21

「佐渡裕とスーパーキッズ・オーケストラ2021」を観ました。

小学生から高校生まで、若い音楽家たちの熱気あふれる姿勢に感動します。ラフな格好で入ってきても、指揮者の登場に彼・彼女らは緊張し、身構えます。そして、指揮棒も持たない佐渡裕の言葉や身振りを、まさに、食い入るように見つめました。

これが音楽の力なのか、と驚嘆し、羨ましく思います。すばらしい音楽に魅了され、少年や少女の魂が高揚し、指揮者の言葉を、片言半句も聞き逃すまいと身を乗り出すのは、すばらしい演奏をする実感があるからでしょう。

もしかすると政治経済学のゼミも、政治や経済の変化を担う明確な意志があれば、こうした情熱を集めて高め合う場になる可能性が、潜在的には、あるのかな、と思いました。

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朝日新聞の記者解説「若者と政治をつなぐには」(秋山訓子)を興味深く読みました。

日本の若者が政治参加に意欲を示さないのは、政治の保守化と高齢化が悪循環をなしているからだ、と思いました。若者たちを刺激して、政治参加を促し、社会を活性化することより、既存の政治経済構造や組織を守ることに重心があると感じます。新しいアイデアや起業が尊重されることはなく、民主主義や市民革命、資本主義や金融革命が、本当に、日本社会に根付いたのだろうか、と疑いを持ちます。

主要諸国の中で、日本の若者たちが政治に示す無関心、嫌悪感は抜きん出ています。しかし、社会保障システムの改革や負担をどうするか、債務の膨張が将来の増税やインフレを意味し、深刻化する米中対立や朝鮮半島情勢は若者に安全保障の意味と負担を、何よりも、若者に問わねばならない問題です。

政治を侮辱し、悪用する人々が、SNSで破壊的な言動を容易に集める中、移民排斥や公的機関、市民運動やジャーナリストへの暴力におよぶ姿が、日本にも政治の常態として広まる予感があります。

だからこそ記事は、主権者の一人として、政治に参加し、動かすことが重要であると若者たちに教えるよう求めています。

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アラブの春から10年で、中東世界のアメリカによる安定化を期待してきた指導者は、一斉に、互いの戦争や弱肉強食、聖戦主義者の恐怖と向き合う時代になりました。特集記事が示すアラブのガバナンスが崩壊の中から、だれが、どのように政治の誕生を担うのか。

世界各地で、ジハードやポピュリズムに代わる、政治のリアリティーを経験する若者たちを中高年層こそが期待します。彼らの政治にも、スーパーキッズ・オーケストラが必要です。

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