IPEの果樹園2020
今週のReview
3/23-28
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アメリカの市民社会統合 ・・・コロナウイルス・ショックへの対応 ・・・ピケティが描く人類の貧困 ・・・ドル体制の改革
[長いReview]
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主要な出典 FP: Foreign Policy,
FT: Financial Times, Foreign Policy, The Guardian, NYT: New York Times, PS:
Project Syndicate, VOX: VoxEU.org, Yale Globalそして、The Economist (London)
[これは英文コラムの紹介です.私の関心に従って,いくつか要点を紹介しています.関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください.著者と掲載機関の著作権に従います.]
● アメリカの市民社会統合
PS Mar 12, 2020
The US Needs A
Draft
CHARLES C.
KRULAK
私がベトナムで若い海兵隊員であったころ、アメリカ国内は大きく分裂しており、国の半分のアメリカ人が他の半分を信頼しなかった。それは非常に気の重いことだった。いま、それは3分の1である。しかしアメリカ市民の鬱屈が解消したのではない。悲観主義的な無関心、無思慮な党派主義、仲間の市民に対する非アメリカ的な憤慨に代わっただけである。
アメリカの歴史で、経済不況と市民の対立、政治的分断は、外部の敵以上に、しばしば団結を損なった。今、脅威は国内にあり、しかも、認定することがむつかしい。しかし、その効果は明白だ。アメリカ人の団結を根本から弱体化している。
若い男女をアメリカ国内の決定的に重要な事項に奉仕させる軍隊を創設する新しい法案を起草するときである。それによってわれわれの民主主義が機能するように改善し、人びとがもっと感謝するような制度にする。政府は2年間の徴兵を国民の義務とし、異なるバックグラウンドを持つアメリカ人が国民的なサービスに奉仕する。それは、地理、人種、エスニック、信仰、社会経済的なバリアによる相違を乗り越えて、市民的アイデンティティーを深く実感させるだろう。
アメリカには大きな違いがあるから、の中身を決めるのは、州とローカルなレベルに委ねるべきだ。それは、ホームレスや退役軍人への支援、学校で取り残された者たちへの支援、地方における橋や道路、公園を整備したニューディール期のWPA(Works Progress Administration)、医療サービスの不足を補うこと、薬物依存の人々、高齢者への支援である。若者たちは自分たちだけのコミュニティーを超えて、その視野を拡大できるだろう。
最も重要なことは、この計画がアメリカ人の分断を乗り越える長期の過程を促すことだ。
● コロナウイルス・ショックへの対応
The Guardian, Fri 13 Mar 2020
In the coronavirus
crisis, our leaders are failing us
Gordon Brown
FT March 13, 2020
Italy’s struggle
with coronavirus threatens all of the eurozone
Tony Barber
FT March 13, 2020
Why coronavirus
is making me miss Brexit
Robert
Shrimsley
FT March 13, 2020
Don’t close
borders against coronavirus
Aaditya Mattoo
and Michele Ruta
スーパーマーケットや薬局に行っても、マスクや人工呼吸器、手袋の棚は空っぽになっている。そんな光景を今はどこでも見る。恐怖と買いだめが不足を激化させている。
より目につかないが、グローバルなレベルで同じことが起きている。自国の市民に供給を確保するためだ。その結果は命を脅かすものだ。
問題は、医療器具や薬品の生産が少数の国に集中しているために悪化する。WTOは、状況に関わらず貿易の自由を確保するべきだ。そのうえで、国際機関は、コロナウイルス対策に不可欠な医療品の生産が、協力体制で、分散化を行えるように、指導する必要がある。
FT March 13, 2020
An avalanche of
destabilised debt and liquidity is coming our way
John Dizard
国民に向けた演説で、トランプ大統領はコロナウイルス対策として、旅行の制限などを示したが、金融市場や資金の流れを続けるための金融ビジネスからの諸提案は含めなかった。驚くことではないが、民主党の左派が求める銀行システム改革にも触れなかった。
2008年の金融危機に際して、銀行は改革することを条件に救済された。その後、金融システムの改革はうまくいかなかった。
それを繰り返そうとしている。コロナウイルス・ショックを迎えて、公衆衛生より、流動性を供給するような、さまざまな救済提案をウォール街は用意している。
これまでの救済で、あるいは海外の戦争、減税、融資の証券化で、積み上がった債務の山が、雪崩のように、崩れ落ちるだろう。
FT March 13, 2020
Markets
contemplate a future in which stimulus does not work
Gillian Tett
PS Mar 13, 2020
Trump’s Global
Recession
ANDERS ÅSLUND
コロナウイルスによる成長減速と世界規模の金融パニックで、世界不況が始まるのはほぼ確実である。その発生過程と解決策は、チャールズ・キンドルバーガーの本が描いたようになるだろう。
アルゼンチンとレバノンがすでにデフォルトになった。旅行会社や航空会社は次に破産する。世界中で流動性が不足し、典型的には、周辺地域の諸国を金融逼迫が襲う。人びとが自国の通貨を売ってドルやユーロに逃避するからだ。
金融パニックを抑えるには、2つのことが重要だ。政治的協力と、政府による膨大な流動性の供給である。
2008年の危機は、当時、混乱したように見えたが、後から考えると、ほぼ理想的であった。ジョージ・W・ブッシュ大統領がワシントンでG20サミットを開いた。その共同宣言は、成長の回復と金融システムの改革のために協力する、という意志を示した。G20の指導者たちは開放型の世界経済を守った。
アメリカの財務相と連銀は、次々に金融機関を救済した。議会は大規模な財政刺激策を成立させた。それでも金融市場が底を打ったのはリーマン倒産から半年後であった。
残念ながら、現在は2008年のような行動が取れないだろう。特に、アメリカの政策担当者が内外で信頼されていない。トランプ自身が信用を欠き、ナショナリズム、保護主義を支持し、専門家の助言を聞かない。パウエル連銀議長に関する市場の信認を損ない、ムニューシン財務長官は低い地位にとどまる。EU、ECB、IMFのトップは信認であり、メルケルとマクロンは国内の支持が弱まり、ボリス・ジョンソンはブレグジットに忙殺されている。
金融市場では、かつてないほど債務が累積しており、特にアメリカは第2次世界大戦以来で最も政府債務のGDP比が高くなっている。
このまま行動が変わらないなら、長く厳しい世界不況が来るだろう。
PS Mar 13, 2020
The Pandemic
Stress Test
RAGHURAM G.
RAJAN
コロナウイルス・ショックは、世界が深く相互に結びついている状態、脆弱な地位にある人々に関して社会的な対話が必要なこと、グローバルな協力と専門的な知識のある者たちが指導力を発揮する必要、を思い起こさせる。
公衆衛生の危機だけでなく、2つの点で経済的な衝撃をもたらす。1つは、サプライ・チェーンが止まること。もう1つは、需要の落ち込みである。外食、ショッピング、旅行をやめてしまう。間接的な影響として、特に中小企業には大きなストレスが生じる。被雇用者のレイオフと、消費者の警戒感である。債務や税金が支払えない。
世界経済は2008年以降も決して完全に回復しなかった。それどころか、危機に至った問題は解決されないまま、債務を積み上げている。しかも政府はグローバルな貿易・投資のシステムの信頼を損なう行動を繰り返してきた。
ウイルスの感染拡大を抑えるためには、検査、厳格な隔離、そして社会的な距離を取ることが重要だ。それに加えて、将来も、コロナウイルスは消滅せず、再発し続けるだろう。世界規模の対策を採るための指導力が求められる。
しかし、G20にも、アメリカ大統領にも、それは欠けている。むしろ中国や韓国が示すベストプラクティスを世界が学ぶことだろう。さらに、米中貿易戦争を停止、最近課された高関税を廃止することが効果的である。
国内では、特に、インフォーマル部門、ギグワーカーへの支援が必要だ。発展した諸国で、いかに多くの労働者が、不安定な、低賃金の部門において増大してきたか、このパンデミックが示すだろう。現金給付はシステムが彼らを見捨てないというメッセージである。それに加えて、社会保障や経済的機会を拡大しなければならない。
ポピュリストやその政党は専門家たちを軽蔑し、攻撃してきた。そして不安定な職にある人々を政治的な支持の拡大に利用しようとした。パンデミックの重要な意味は、災害を予防する専門機関を削減したことが失敗であったことを認め、彼らに対する国民の信頼を回復することだ。そして政治的には、階級戦争ではない形で、不安定な職において苦労する労働者たちを適切な政策で支援することである。
もし専門家たちがこの危機を解決できなければ、さらに多くの死者、分断、混乱、悲惨な状態に向かう。
PS Mar 13, 2020
A Made-in-China
Pandemic
BRAHMA
CHELLANEY
NYT March 13, 2020
The Government
Has Failed on Coronavirus, but There Is Still Time
By Susan E.
Rice
NYT March 13, 2020
Mary Shelley
Created ‘Frankenstein,’ and Then a Pandemic
By Eileen Hunt
Botting
コロナウイルスのニュースを要約するとき、私はシェリーの小説を思い出した。それは世界規模の疫病を扱った“The Last Man” (1826)である。
シェリーは、政治がパンデミックの災害を拡大するのを観た。その政治とは、きわめて個人的であると同時に、国際的なものだ。健康上の危機は、その影響を受けた人々と指導者たちによって激化してしまい、国際問題を生じた。通商や戦争、それらに先立つ個人間の取引、協定、紛争。
NYT March 13, 2020
Trump’s
Chernobyl
By Serge Schmemann
1986年の春、The Timesの局長として、私は家族とモスクワに住んでいた。
4月26日、チェルノブイリ原発で原子炉が爆発し、放射能が広い範囲に拡散した。われわれは知らないことに関する不安と格闘した。記者として、政府のプロパガンダと真実とを分け、個人的にも、静かに、風に乗って広がる見えない恐怖に対処しようとした。
放射能は伝染病ではないが、なお、チェルノブイリ原発事故とコロナウイルス危機には共通した性格がある。見えない敵に侵食される脆弱さの感覚。すでに自分が侵されているかもしれない恐怖。科学知識はわれわれを守れず、政治指導者たちはわれわれと違うことを優先している。
チェルノブイリ危機はソ連の歴史における重要な政治的局面で起きた。それはゴルバチョフが権力を握って、硬直化した警察国家を「グラスノスチ」と「ペレストロイカ」で改革すると約束してから、わずか1年後であった。ウクライナにおける原発の爆発と放射能汚染が、急速に、ソビエト型の自己保身の嘘と情報操作、秘密主義を復活させたのだ。
北欧からの情報で、人びとは自分たちが死の危険にさらされていることを知った。恐怖が広まり、体制によるコントロールを超えた。プロパガンダ装置は勝手な説明をまき散らすだけで、事実や警鐘が漏れるのを抑えられなくなった。旧弊により、西側を非難した。アメリカと西欧諸国がチェルノブイリ事故を利用してソ連の信用を損ない、憎しみを広めている、と。その数週間後に、ゴルバチョフが事故を認めた。
中国政府も同じような対応を示したが、デジタル革命前のソ連時代より、情報管理の能力は低かった。初期に武漢から警告したが、当局に処罰され、このウイルスで亡くなったLi Wenliang医師を多くの人々が称賛した。
トランプ大統領は再選のためにコロナウイルスを軽視してきたが、それは中国以上にひどかった。アメリカ人は、1986年のソ連、2020年の中国と違い、自分たちの命を脅かすものについてわずかの間も騙されなかった。
ソ連にとってチェルノブイリ原発事故は、すでに生命維持装置に入っていた体制に致命的なショックを与え、その死を早めた。コロナウイルス対策は、われわれに再考の時機を与え、同時に、われわれの国を含めて、世界の感染地帯に重大な変化をもたらす。
地下鉄に乗れるか? 隔離された生活で食料は手に入るのか? われわれは真実を知らされているか?
FP MARCH 13, 2020
The Coronavirus
Pandemic Tells a Tale of 3 Leaders
BY TYSON BARKER
FT March 14, 2020
Britain’s
counter-virus strategy is a gamble
FT March 14, 2020
How the Federal
Reserve can help small businesses right now
Brendan Greeley
FT March 14, 2020
The ‘greatest
bankers’ won’t save us this time
Tom Braithwaite
NYT March 14, 2020
We Need Real
Economic Stimulus
By Steven
Rattner
やっと大統領は非常事態を宣言した。しかし、われわれにはもっと多くのものが必要だ。特に、大規模かつ広範な財政刺激策だ。理想的には、単純な、すべての国民に対する、一斉給付が望ましい。
NYT March 14, 2020
There’s a Giant
Hole in Pelosi’s Coronavirus Bill
By The
Editorial Board
FT March 15, 2020
How coronavirus
became a corporate credit run
Rana Foroohar
これは金融危機ではない、とトランプ大統領は言った。1987年の暴落以来、最大の下落を示した日だ。アメリカ連銀は際限ない量的緩和に乗り出したように見える。
コロナウイルス危機は金融市場の崩壊に至るのか?
今回の暴落は、グローバルな銀行業でリスクの高い取引が積み重なったものではない。コロナウイルスが消費活動と労働市場を破壊し、企業の債務を悪化させている。債券市場のパニックにつながった。
今、ウォール街の金融機関は十分な優良資産を保有しており、企業にストレスが増している。パンデミックで金融危機になる、とはだれも考えていない。しかし、ハイテク、小売り、航空、保険など、個々の企業の債務危機に銀行が巻き込まれ、グローバル金融システムにも波及する。
連銀は流動性を供給するべきだ。しかし、「流動性はワクチンにならない。」
戦時のような支援策が緊急に必要だ。理想的には、医療費を公的に負担する。まず、アメリカ奈良病院の入院費用を支援することから始めるべきだ。
FT March 15, 2020
Eurozone
stability is under threat again
Wolfgang
Münchau
先週、ECBのラガルド総裁が、前任者のドラギが、ユーロを守るために「何でもする」という2012年の約束を吹き飛ばした。債券市場から妖精は消えたのだ。
その数日前に、ヨーロッパ諸国の首脳たちは財政政策の協調を拒否していた。市場関係者には、この2つの情報を、次のユーロ危機が起きる、と解釈する者がいた。イタリア国債が直ちに売られた。
市場はパニックになっていないが、その推測は正しい。ユーロ圏の将来は危ういものである。
前回の危機とは違う。ユーロ圏の銀行は崩壊しつつあるのではない。ユーロ危機から、加盟諸国は単一の金融監督メカニズムや銀行同盟を開始した。
今回の危機はさらに大きいだろう。ラガルドのコメントは、事態を法律家の視点で見ている。それはドイツ人の多くと同じだ。法的に、彼女の言ったことは正しい。政府債券市場を安定化することはECBの任務ではない。ドラギも金融政策として、介入によってユーロ圏の崩壊を阻止したが、問題を残した。EU諸国の指導者たちが財政同盟を進めないことに、口実を与えたのだ。
2012年のドラギの約束は個人的なものだった。しかし、それは信用されたことで効果を発揮した。それゆえ、ラガルドの姿勢は深刻だ。誰かが他の方法でやるだろう、という。彼女は後で言い直したが、それは信用されなかった。
それは最悪のタイミングだった。パンデミックの真ん中で、EU指導者たちは財政政策の協調に失敗した。各国は財政支援策を独自に行うだろう。その結果、ユーロ圏諸国間の不均衡が拡大する。イタリア、スペイン、フランスの財政赤字は大幅に増える。南北間の財政ギャプが拡大する。
ユーロ圏全体の対策を示して、ECBがこれを無制限に支援することが望ましかった。しかし、そうではなかった。イタリア国債の負担を十分な成長でまかなうことはむつかしい。ECBの支援がなければ、極右だけでなく、イタリア人の多くが、ユーロ圏を離脱して為替レートとインフレ率に関するコントロールを取り戻したい、と思うだろう。
シリア難民がイタリア海岸に上陸することで苦しいときに、他のEU諸国はイタリアを助けるのを嫌がった。彼らはそれを忘れていない。コロナウイルス危機は、新しいイタリアを誕生させる。
FT March 15, 2020
Now is the time
for a global fiscal response to coronavirus
VOX 15 March 2020
The COVID-19
upheaval scenario: Inequality and pandemic make an explosive mix
Richard Baldwin
FT March 16, 2020
How Beijing
reframed the coronavirus response narrative
Gideon Rachman
PS Mar 16, 2020
The COVID-19
Debt Deluge
JAYATI GHOSH
PS Mar 16, 2020
The World Is at
War
HANS-WERNER
SINN
コロナウイルスとの全面戦争が始まった。
もっとも打撃を受けたのはイタリアだ。中国との関係が緊密であった。医療システムに負担がかかり、政府は一気に商店を閉鎖し、隔離、自宅待機を求めた。
ドイツでも感染者は急増したが、死亡率の低いことが注目される。ドイツ政府は労働時間の短縮に補償し、ストレスのかかる企業に保証や納税の延期を認めた。イベントはキャンセルされ、学校も閉鎖された。
経済面では、もはや激しい不況を回避することはできないが、エコノミストたちはさまざまな政策を訴えている。しかし、人びとは需要の消滅だけでなく、前例のないサプライ・ショックに苦しんでいる。このような状況で需要を刺激するだけでは、インフレが高まるだろう。1970年代に石油危機で起きたような、スタグフレーションになってしまう。
需要を支持する政策は逆効果にもなるだろう。人びとが買い物に出ることは、感染を抑えるために自宅にとどめる政策と矛盾する。
流動性の供給も同様に問題がある。世界はすでにおびただしい流動性に満ちている。多くの国で金利がゼロに近いか、マイナスである。これ以上に金利を下げてマイナスにすれば、株価は上昇するかもしれないが、現金への逃避にもつながる。
経済活動が悪化して株価が下落して、中央銀行が過度に金融緩和すると、バブルを生じる恐れがある。もしバブルが破裂したら、不適当な時期に緩和したために、次の不況で中央銀行の責任を果たすべき金融緩和の余地がなくなってしまう。
必要なことは、企業と銀行を倒産から救うことだ。さまざまな税の免除、公的な支援がありうる。最も効果的な方法は、ドイツが行った労働時間の短縮や低雇用に対して支給することだ。それは本当に大量失業が発生して莫大な損失が生じるのを回避させる。
最も重要なことは、すべての政府が、中国の採用した直接的な行動を採用することだ。医療現場への支援、緊急の病院を建設し、人工呼吸器、保護装備、マスクを大量に生産させた。必要な資金と資源を集め、工場や公共空間を消毒せねばならない。大量の検査を行って、感染者を隔離する。
パンデミックに敗北する選択肢は受け入れられない。
VOX 16 March 2020
The European
Union and democracy must deliver
Group of
concerned economists based in Portugal
The Guardian, Tue 17 Mar 2020
Italy will be
Europe's canary in the coalmine for the post-Covid economy
Marchel
Alexandrovich
FT March 17, 2020
The virus is an
economic emergency too
Martin Wolf
消費が減って、商売が破綻する。
社会保障制度や社会管理の弱い国がパンデミックに脆弱である。アメリカがそうだ。病気になっても人びとは病院に行かず、働こうとする。
たとえ最後の貸し手はあっても、支払い不能は防げない。中央銀行は、家計の支出や商店の売り上げを支給できない。借り手や売り手の最後の手段は政府である。政府が行動するべきだ。
最低でも、病気による欠勤に失業保険を適用する。フリーランス労働者を含めて、危機の間は支給を継続する。それがむつかしければ、政府は全国民に小切手を配る。
Emmanuel Saez
and Gabriel Zucmanは、政府が「最後の買い手」として行動するよう求めている。失われた需要を補い、企業は賃金を支払い続ける。株価を維持する。100年に1度のパンデミックに対する行動であるから、モラル・ハザードは起きない。破綻する企業は、これでも破綻するだろう。
所得を維持し、倒産による長期コストの発生を抑える。ユーロ圏内では、債務能力の限界にある赤字国を支援する。グローバルには、新興諸国の医療・経済危機を抑える。
戦争では、政府が支出を制限されない。今もそうだ。大災害を防ぐために、今すぐ大規模に、しかも、協力して行動せよ。
FT March 17, 2020
Huge fiscal
spending is needed to fight the coronavirus downturn
Martin Sandbu
FT March 17, 2020
Boris Johnson must
tailor coronavirus action to restore faith
Robert
Shrimsley
FT March 17, 2020
Coronavirus
shows the value of Japan Inc’s cash piles
Leo Lewis in
Tokyo
FT March 17, 2020
The IMF should
inject liquidity through SDRs, and fast
Marcos Buscaglia
PS Mar 17, 2020
When “Whatever
It Takes” Isn’t Enough
WILLEM H.
BUITER
VOX 17 March 2020
Helicopter
money: The time is now
Jordi Galí
コロナウイルス危機に対する医学的な対応策は、同時に、さまざまな形で経済に直接的な影響を及ぼす。
多くの部門で生産と販売が減少する。GDPの直接の減少は避けられない。病気の蔓延する間、財・サービスの消費が減少する。これは耐えられないことではない。
残念ながら、生産の減少が雇用の減少(それゆえ、次の所得と消費の減少)をもたらすなら、間接的な効果が増大する。それを抑えるには、企業が雇用と固定経費の支払を維持することだが、それに応じて融資を増やす銀行はないだろう。企業の債務が増えて、バランスシートが悪化するからだ。
コロナウイルス危機を回避するには、政府が介入し、この間接的効果を最小化することだ。政府が、影響を受けた企業や自営業者に、彼らの債務を増やすことなく、その支払を資金援助する。それは政府からの財源の移転であり、即時(かつ恒久的)税免除も含まれる。
残念ながら、この戦略は問題を民間から政府に移すことでしかない。政府は増税するか、金融市場で借り入れて債務を増やすことになる。たとえEUが政府債務の上限を引き上げても、結果的にコロナウイルスで大きな影響を受けた国のデフォルト・リスクを高め、直ちにスプレッドを拡大する。中央銀行が国債を大規模に購入する量的緩和QEを行ってリスクを緩和できるが、政府債務の増大は変わらない。
幸い、増税や債務に代わる、もう1つの方法がある。それはタブーとされていることが、政府が追加の財源として、央銀行から直接に、返済するものではない資金移転を受けることだ。このような市場介入を「ヘリコプター・マネー」という。
中央銀行は貨幣を創りだせる。より適切には、中央銀行の口座に債権を付与できる。この債権は返済されない。中央銀行から政府への移転である。それは中央銀行が政府債券を買って、直ちに償却するに等しい。政府の債務は増えない。
それにはいくつか問題がある。
1.政府が誰に、どれくらい、財源を移転するのか。これは2次的な問題だ。2.法的に見て、このような介入は違法である。しかし、例外的な状況で、神聖なルールを緩和することはあった。3.それを繰り返す政府は、インフレを生じやすく、個人の行動をゆがめて、効果を失う。しかし、パンデミックの危機に限定すれば、それは起きない。中央銀行は市場の評価に注意している。
他に有効な選択肢がない、あるいは、望ましくない結果が避けられないときだけ、ヘリコプター・マネーは用いられるはずだ。それを使うとしたら、今がそうである。
NYT March 17, 2020
Our New
Historical Divide: B.C. and A.C. — the World Before Corona and the World After
By Thomas L.
Friedman
歴史は、BCとAC、すなわち、コロナ前とコロナ後の世界に分けられるだろう。コロナ後の世界とは、どういうものか?
コロナウイルスは指数関数的に増大する。それは、もう1つの指数関数的な変化と対抗する。もーあの法則だ。ウイルスン解析がコンピューターで行えるようになるだろう。感染爆発よりも早く。
NYT March 17, 2020
The Single Most
Important Lesson From the 1918 Influenza
By John M. Barry
FP MARCH 17, 2020
Britain Drops
Its Go-It-Alone Approach to Coronavirus
BY OWEN
MATTHEWS
FP MARCH 17, 2020
The Coronavirus
Is Reducing Merkel’s EU Legacy to Ashes
BY BJÖRN
BREMER, MATTHIAS MATTHIJS
(後半へ続く)