IPEの果樹園2019

今週のReview

12/2-7

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下院弾劾公聴会 ・・・世界に広がる反政府デモ ・・・労働党と保守党のマニフェスト ・・・メルケルの長期政権 ・・・香港のデモと選挙 ・・・米中貿易戦争の行方 ・・・アメリカの汚職とシェル・カンパニー

[長いReview

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[これは英文コラムの紹介です.私の関心に従って,いくつか要点を紹介しています.関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください.著者と掲載機関の著作権に従います.] 


 下院弾劾公聴会

PS Nov 23, 2019

The Patriot versus the President

IAN BURUMA

米軍中佐Alexander Vindmanの公聴会は大きな注目を集めた。共和党が彼の忠誠心を疑い、反ユダヤ主義を刺激したが、彼は強い愛国心を示した。

Vindmanの家族は、権威主義国家からの難民としてアメリカが受け入れた。彼の証言はアメリカの希望である。トランプが支配するワシントンの毒された空気の中でも、彼は真実を語る者である。それは自由の女神の台座に彫られた詩句に示されている。アメリカの価値を体現し、最も破られることのない強固な忠誠心を示す。

“Give me your tired, your poor/your huddled masses yearning to breathe free.”


 世界に広がる反政府デモ

NYT Nov. 21, 2019

The Revolt Against Populism

By David Brooks

世界は燃えている。

イランでは「ハメネイに死を」という叫びが起きた。支配体制は抗議する者を大量に殺害し、インターネットを閉鎖した。Hong Kong, Warsaw, Budapest, Istanbul and Moscow民主的な権利を求めて抗議デモが起きている。Pakistan, Indonesia and Saudi Arabiaでも不満が爆発し、Lebanon and Boliviaの指導者は失脚した。

その種子は30年前、冷戦終結により撒かれたものだ。民主的な資本主義がグローバルに拡大し、それが逆流し始めた。ポピュリスト的な反動は、異なる土地で、異なる姿を取っている。

ところによってはポピュリストの興隆が続き、ところによっては権力を握ったポピュリストが事態を改善できず、都市の中産階級と敵対し、反発にあっている。

問題の核心は、経済の苦境である。右派でも、左派でも、ポピュリストの経済政策は成長を破壊した。世界中の新興中産階級は、罠にはまった、だまされたと考えている。

ポピュリストの第2の問題は、汚職である。彼らは権力を握ると、ルールを破棄し、自分たちの富を増やし、自分たちの地位を守るために乱用した。ポピュリスト的な、権威主義的な権力は、その正当性を失った。

今や、巨大な怒りの波が広がっている。世界は不安定で、爆発寸前だ。そのメッセージとは、リベラルなグローバリゼーションには深刻な欠陥がある、ということだ。しかし、ポピュリストたちの代替案は役に立たない。

抗議デモには指導者がおらず、彼らの望む政策は実現性がまるでない。次はどうなるのか? それが問題だ。ポピュリズムが失敗した後に、何が来るのか?

指導者たちの最大の仕事は、教育を受けた都市エリートと、労働者階級の主要な部隊に対して、彼らの最も強く要求することをいくらかでも与えるような、新しい社会契約を結ぶことだ。労働者階級は、経済的な繁栄に参加し、国家のプロジェクトを担うことを願う。都市エリートは、民主的な自由を守り、多様なエスニック、多元的な社会を築くように求める。

それに成功すれば、彼らが未来を勝ち取るだろう。


 労働党と保守党のマニフェスト

The Guardian, Fri 22 Nov 2019

After a decade of decay, Labour’s manifesto offers us hope for the future

Gary Younge

2007年に、優れた左派の知識人Stuart Hallが質問された。彼が生涯を通じて主張してきた「より平等な世界」が、ますます遠くなっていることをどう思うか?

彼は答えた。政党であるから、世界経済に合わせて自分たちが変わるべきではないか? もちろんそうだ。われわれは変わるべきだ。しかし、2倍とか、2倍半も、不平等になるべきではない。もし誰もが同じ基準で討論するなら、それはスウィフト的な問題を論じることになる。・・・「われわれは、先に子供を食べるべきか? 後で子供を食べるべきか?」 (もちろん、子供を食べるべきではない!

コービンJeremy Corbynが労働党の党首選挙に立候補したとき、彼の目的は討論の幅を広げることだ、と述べた。西側の社会民主主義政党が衰退する中で、彼は党首になった。彼らは、賃金が停滞し、規制緩和やネオリベラリズムが広まることに、10年以上も戦争し、金融危機と財政緊縮が行われた5年間に、ますます気候変動の危機が激しくなる中で、十分な対抗策を示さなかった。

問題は、中道左派が社会的なビジョンを示せないことだった。富裕層の起こした危機に対して、貧しい者がそのコストを支払うのか? 権力を握る者たちの愚策のために、弱者が犠牲になるのか? そして、地球環境が何にでもコストを引き受けるべきなのか? コービンがその答えを持っているからではなく、少なくとも、彼はその問いを発する覚悟があったから、党首になった。イギリスがBrexitを選び、アメリカがトランプを選ぶ前の年に、コービンが党首になったのは、労働党が重要でなくなったからではなく、復活するためだった。

私の政治生活を通じて、労働党は、もし敗北したら自体はもっと悪化する、という脅しで、いやでも従うしかない選択だった。コービンが示す、労働党は事態をもっと改善できる、という訴えは私を安堵させる。労働党は、石油企業に課税して、グリーン経済に転換する。ハイテク大企業に課税して、ブロードバンドのインフラに投資する。鉄道を国有化し、低所得者の住宅をもっと建設し、無料で成人向けの再訓練を実施する。それは私が望むものであり、それに対してなら負担を分かち合いたいものだ。さらにそれらは、企業利潤ではなく、人びとを中心に据える政治である。

その性格により、労働党のマニフェストは、単に望ましいものだけでなく、可能なものを拡大する。それは、他の政党や評論家たちが、それらを望まない、その準備がない理由を説明するように求める。このマニフェストが経済を崩壊させるというのであれば、経済はだれのためにあるのか、と問うだろう。世界で5番目に豊かな国(イギリス)が、子供たちの食事を与えず、貧困層は住宅に住めない、病気の治療も受けられないのであれば、経済はすでに崩壊しているのだ。

FT November 28, 2019

Why I cannot vote for Jeremy Corbyn’s Labour party

Martin Wolf

保守党の統治はひどかった。金融危機後の財政緊縮も、Brexitをめぐる混乱も、まともな野党があれば政権交代できたはずだ。しかし、労働党は左派強硬派が指導部を握った。彼らは社会主義者であり、それは本能的な権威主義者でもある。

労働党は多くの社会主義的な希望を約束する。そして、資本に対する増税だ。私は、彼らが増税できるとは思わない。資本家に強制することは失敗し、むしろ巨大な財政赤字に終わるだろう。

企業を国有化することは、私なら1970年代の国有企業を思い出すだけだ。国有企業投資しても、それが民間部門の投資不足を解消することはない。増税し、資産を搾取し、労働者を経営幹部に入れる国で、投資が増えるだろうか? むしろ、投資は海外に逃げ出すだろう。

低失業率、巨額の経常赤字という条件で、財政の大きな拡大策と革命的な政策を採れば、資本逃避と通貨価値の急落につながる。もしイングランド銀行が金利引き上げで地陰性化することを禁じられたら、インフレが爆発し、為替管理が必要になる。UKは先進的な民主主義国家から脱落する。

私は保守党を支持するのか? 決して支持しない。Brexit2度目の国民投票を含む労働党案は好ましい。しかし、私はコービンの労働党に国を任せられない。改革をすs目る政府がほしいが、それはできそうにない。


 メルケルの長期政権

The Guardian, Fri 22 Nov 2019

Angela Merkel must go – for Germany’s sake, and for Europe’s

Timothy Garton Ash

メルケルの長期政権は12年におよぶが、それが続くことはドイツの国益にならないし、ヨーロッパの利益にもならない。

ドイツのエリートたちが問題を認識していない、と言うのではない。ベルリンは、ロンドンに対抗して、多くの賢明な人びとを集めている。Brexit、ポピュリズム、ドナルド・トランプ、ウラジミール・プーチン、気候変動、AIなど、多くの挑戦すべき課題があり、ヨーロッパはもっと大きな戦略的自律性、デジタル技術革新、持続可能な成長を必要としている。

ドイツに欠けているのは、緊急性の意識、ドイツの有権者が支持する、ダイナミックな政策に転換する能力である。

それはドイツの経済状態が良いからだ。

ドイツ企業の優れた経営、シュレーダー政権下に行った労働市場と福祉国家の改革から、メルケルは利益を受けた。1989年以後のポーランド、ハンガリー、チェコ、スロヴァキアの市場開放、ヨーロッパ単一市場により、ドイツ企業は生産拠点を近隣諸国に移転し、安価な熟練労働者を雇用できるようになった。Mitteleuropa 2.0を容易に築けたのだ。

ユーロ圏として、ドイツ通貨の急激な増価は起きず、目を見張るような貿易黒字を出し続けた。また、福音派的なプロテスタントの情熱をもって財政均衡を重視し、それは “black zero”として、一種の偶像崇拝になった。他の民主的な資本主義国ならありえないような「債務ブレーキ」を、ドイツは憲法に成文化した。

ドイツ再統一にいたる30年間の平和革命は、ドイツを防衛的で、保守的な社会、現状維持勢力に変えた。フランスのマクロン大統領がせっかちにヨーロッパの革命を主張しても、メルケルはそれを無視している。

あるマクロンの顧問が述べた。「貴族は革命を支持しない。」

メルケルの時代が終わることはだれでも知っているが、ドイツ政治のメルケル化はなお続くだろう。世論調査によれば、3分の2が、メルケルは次の選挙、2021年秋まで政権を担うべきだ、と答えた。それはドイツ人が決めることだが、ドイツにとっても、ヨーロッパにとっても、最善の利益ではないだろう。

ドイツには変化が必要だ。


 香港のデモと選挙

NYT Nov. 25, 2019

This Was Hong Kong’s Most Important Election Ever

By Benny Tai Yiu-ting

日曜日、人びとは投票所に向かった。今や、多くの香港人が社会運動の一部である。2019年の地区選挙は都市の歴史上で最も重要なものだろう。

着実に増大する暴力と、何週も、何週も続く抗議デモにもかかわらず、市政府はデモ隊の主要な要求を拒否してきた。

投票結果は、民主派の圧倒的な勝利である。投票率は、これまでで最高の71.2%18選挙区の452議席について、391議席、86.5%で、民主派候補が勝利した。

協力すれば、次の行政長官選挙で、民主派の支持しない、北京に隷従する候補を拒否できるかもしれない。選挙は、歳の民主的精神を解放し、新しい機会を開いたのだ。

FT November 26, 2019

Hong Kong poll is a chance to embed democracy

香港では数か月も騒乱が続いた。しかし北京は、サイレント・マジョリティーはますます暴力的になる民主化デモに反対している、と主張した。

日曜日の選挙結果は、このサイレント・マジョリティーがマイノリティーである、と示した。民主派の候補とその同盟者たちが、17の地区で勝利し、親中派が勝ったのは、わずか1つであった。

記録的な高い投票率による勝利は、西側のデマゴギーと、北京の権威主義的支配の時代に、民主的精神を示すものだ。抗議運動の規律と高い能力も示している。

北京政府にとって重大な課題は、自決権を求める香港にどう対応するか、である。弾圧は、より大きなカオスをもたらすだけだ。北京は、「一国二制度」に戻るのが良い。香港に、独自の法と市民的自由を許すのだ。

抗議デモの側には、行政長官を普通選挙で決める、などの要求がある。それは、香港の基本法が認めた改革だ。2014年、北京が示した改革は、あまりにも制限された選挙であり、それに対する反発が「雨傘運動」につながった。北京の最善の策は、より実質的な改革と、香港の分離主義者が支配しないような法制化を、組み合わせて香港人に受け入れさせることだろう。

抗議運動は、選挙の勝利を受けて、道義的な優位を得た。この勢いを維持できれば、来年の選挙で、立法会のより大きな勢力となるだろう。しかし、立法会は、あまりにもビジネスと既存エリートに有利な制度になっている。

民主派は、自分たちの行き過ぎを是正し、より住民たちを代表する制度に変えるよう、北京と交渉するべきだ。民主主義とは、意見が異なる者を殴打することを意味しない。

日曜日の選挙は、約60%の票が民主派候補に入った。しかし、40%は彼らに反対している。多くの市民は、かつてのような、安全で、企業家の好む、香港を回復してほしいと願っている。その声に応えることも民主主義だ。


 米中貿易戦争の行方

PS Nov 27, 2019

The Case for Old-Fashioned Tariff Cuts

JEFFREY FRANKEL

かつて国際通商政策に関して「自転車理論」が語られた。自転車のように、貿易自由化交渉は動き続けることでしか、立っていられない。保護主義を抑えるために、継続的な自由化ラウンドを開催した。

その理論が正しいかどうかは知らないが、貿易は伸びなくなった。第2次世界大戦後の、互恵的な関税引き下げ、という公式に比べて、その後の、「深い統合」はうまく行っていない。関税や割り当てを超えて、ビジネス環境を規制するルールも統合する、という主張だ。その古典的な例が、EUとユーロ圏である。それは、少なくとも、Brexitに冒されたUKが示すように、過度に野心的な目標であった。

「深い統合」を、アメリカ政府も中国に、中国企業との合弁を強いてアメリカ企業の技術を共有させる条件を、やめるよう要求している。他の先進国、ドイツ企業とともに、WTOを通じて交渉することが望ましい、と、多くのエコノミストたちは考える。

しかし、外国企業は中国企業にとっての魅力を示すために、技術を共有するしかないのが現実であれば、政府はそれに関して何もできない。むしろ、金融サービスや自動車では、中国による輸入関税を撤廃するように求めている。アメリカやドイツの自動車メーカーは、中国で生産するより、自動車を直接に輸出できる。

その意味で、旧式の関税引き下げ交渉にもどろう。アメリカは、この数年に課したすべての関税を撤廃し、中国はそれに対する報復措置を解除する。環境政策の一部として行われる保護策や、安全保障という名目で正当化されたトランプの保護主義も、国際交渉で撤廃するべきだ。

しかし、自由化交渉が全てを解決するわけではない。貿易も、関税も、勝者と敗者をつくりだす。通商政策で、不平等を解決することはできない。アメリカは、医療保険制度、すべての子供のためのプリスクール、インフラ投資、競争促進政策、2008年後の金融規制の復活、より累進的な税制を必要としている。それと並行して、貿易自由化を進める。

EUや中国との「深い統合」というのは、達成することができない目標だ。


 アメリカの汚職とシェル・カンパニー

FT November 28, 2019

How money laundering is poisoning American democracy

Edward Luce

冷戦に勝利した後、アメリカは世界に「法の支配」を輸出してきた。その流れが逆転した。今では、最悪の汚職のいくらかがアメリカに輸入されている。アメリカ最大の法律事務所、不動産会社、ロビー活動の拠点が、汚れた資金によって繁栄している。それらがアメリカ民主主義に残した汚点の広がりは、容易に洗い流せるものではないだろう。

ドナルド・トランプは、汚職蔓延の公的な顔になった。ジョー・バイデンも、民主党大統領候補のトップ・ランナーだが、その選挙区であるデラウェア州には匿名の会社が集まっている。フロリダのトランプ・タワーは、その所有者の80%以上がシェル・カンパニー(実体のない偽装目的の企業)だ。世界銀行によれば、アメリカには、それに次ぐ41の国・司法管区の合計より10倍も多くのシェル・カンパニーがある。

驚くことに、エリザベス・ウォレンも、アメリカ政治とグローバルな汚職との関係を批判しない。しかし、この問題こそ、彼女が全力を挙げて取り組む、20兆ドルのMedicare-for-All programmeより、アメリカの民主主義再生とグローバルな権威主義体制打破に向けた、大統領選挙のテーマである。

アメリカは、世界最大の汚れた資金の避難所dirty money havenである。アメリカ財務省は毎年の資金洗浄額を300兆ドルと推定するが、実際はもっと多いだろう。さらに悪いことに、アメリカは集中した形の企業登記システムがなく、政府はだれが企業を支配し、汚れた資金を流しているか、知らない。

アメリカの銀行は疑わしい活動を報告しなければならない。しかし、法律事務所、不動産会社、美術品販売業者、有限責任会社、ノンバンク金融機関は免除される。アメリカのシステムは汚れた資金にレッド・カーペットを敷いて歓迎している、とウォレンは批判するべきだ。アメリカの関係機関がサービスを提供しなければ、ロシア、中国、サウジアラビアなど、多くの独裁体制は繁栄できないだろう。

トランプも、ウォレンも、アメリカの有権者たちが嫌う「際限ない戦争」を終わらせるべきだ、と同意する。しかし、もっと優れた外交政策は、デラウェア州やネバダ州のような資金取り込み業者、ニューヨークやワシントンの協力者たちを、法によって明確に支配することだ。

汚れた資金に光を当てるほうが、新しい空母を5隻建造するより、専制国家を倒す力になるだろう。

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The Economist November 16th 2019

The $600bn binge

Immigration policy: Unlock that door

Street-sleepers: No shelter for some

Seeds of opposition: Stony ground

Migration: A world of walls

Protest movements: We all want to change the world

(コメント) ブラジルの農業を大改革して成功したアグリビジネスを、アフリカのモザンビークにも導入する試みがあったそうです。ブラジルの土壌を化学的に改良して、品種改良や農業機械も加わり、世界の主要な輸出基地に変えた、という成功物語が、世界で最後の巨大な農業フロンティアをアフリカに生み出すかもしれない、というわけでしたが、失敗したようです。それは、イデオロギーや社会運動の扱いを間違ったから。

トップ記事は、アメリカで始まっている、娯楽産業のインターネットによる配信サービスを統合する、競争的な、莫大な投資ブームです。NetflixDisneyAT&T-Time WarnerComcastなど。記事は、これこそが資本主義のダイナミックな革新能力である、と称賛します。しかし、どうかな。

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IPEの想像力 12/2/19

京都ウォーカーに認定されました。11月に行われたウォーキングチャレンジ2019です。「月まで歩こう」というのがいいですね。参加しました。・・・「地球から月まで、48000万歩」

これを2000人で分担すると、毎日、8000歩以上、30日間で着くそうです。私は1日平均9000歩以上を歩きました。景品は、「特製タオル」です。ま、いいや。「月まで歩きたい」というアイデアを楽しめたから。

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地球においては、「足での投票」が行われています。もし移住が自由であれば、サウジアラビアからカナダへ、私も移住したいと思うでしょう。

The Economistの特集記事を読みました。難民や移民は、その生まれた土地のせいで、苦しい生涯を強いられる。もし彼・彼女らが移住できるなら、もっと能力を生かして、その土地のインフラや技術によって能力を高め、はるかに豊かに暮らすことができるのに。

人びとが移住することを、豊かな国は好まない。豊かな国の人だけが、そこに入るドアの鍵を持っている。難民・移民に対する恐怖が、Brexitやドナルド・トランプの選挙を動かした。

しかし、アメリカよりも多くの移民を受け入れて成功し、国民がその移民政策を支持している国もある。オーストラリアがそうだ。記事は、オーストラリアのようななれ、というわけではない。しかし、移民を拒否する人たちは、成功するケースを無視している。

アメリカや、オーストラリア、カナダがそうだ。急速に成長し、繁栄する社会を築いている。もちろん、移民たち自身が大きな利益を得ただろうが、受け入れ社会にも多くの成長と雇用の機会、そして、新しいアイデアや企業家となる人々、新しい料理や音楽などの文化をもたらした。

「優秀な移民たちが世界中から流入したことで、オーストラリアはより豊かで、ダイナミックになった。1973年以来、人口は倍増し、経済規模は21倍になった。28年間も連続して経済成長を続けた。」

それでも、移民を受け入れることは、多くの国で、有権者に支持されない。日本でもそうだ。

この記事は、政策によって人々の移住は可能になる、と示します。オーストラリアの移民政策がその材料です。それは、1973年に、白人のみの国から転換し、エスニックによって差別せず、しかし、明確に優先的な移民を歓迎するようになった。すなわち、年齢は25歳から32歳。教育を受け、職歴が優れており、英語を流ちょうに使用できる。優先される移民の基準だ。

記事はオーストラリアの政策の基本を、国民にとって有利であることを明確に示すこと、と考える。優れた人々を世界中から集めるが、それを無視して入国を目指す者は厳格に拒否する。非合法な移民は送還し、出身国がわからないケースは離島に収容して入国させない。国境管理と審査が厳格に行われ、信頼されれば、国民は支持する。

あるいは、入国の人数に上限を決めるより、移民に課税するほうが望ましい、と世界銀行は考える。移民たちはより高い賃金を稼ぎ、その一部を納税して受け入れ国のインフラ整備などに貢献し、また一部を国の家族に送金する。もし希望する以上の移民が来るようなら、さらに増税する。あるいは、どうしても移民と雇用を競う低賃金労働者には、賃金低下の損失や雇用機会の減少を、補助金や職業訓練を通じて補償する。

もし社会福祉に対する移民たちの長期の貢献を疑うのであれば、短期的には社会福祉の給付を、数年間、制限すればよい。移民たちの人口が急増する、と恐れることはない。移民たちも子供たちが大学まで行くことを望むから、子供の数を減らす。独裁国家からの来る移民が「法の秩序」を破壊するとか、言葉を習得しようとしない、という不安は間違いだ。

移民が豊かさをもたらすことを知りたければ、中国の成長や世界の主要都市を観ればよい。「中国の新年(旧正月)には、移民・出稼ぎ労働者たちが家族に会うために故郷に帰る。およそ30億の移動journeyが今年は起きた。世界最大の大規模移動である。」 「移民たちは、スーパースター国家の中でも、いくつかのスター都市に向かう。」「トロント、シドニー、ニューヨーク、ロンドンの外国生まれの人口比率は、46%、45%、38%、38%である。」

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人口が減少し、高齢化が進む世界で、移民を歓迎する国は増えると言われます。それでも、移民を拒む国もあるでしょう。

移民たちと、移民を歓迎する住民は、未来の地球へ向かうグローバル・ウォーカーです。

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