(前半から続く)
● 原子力が世界を救う
NYT
April 6, 2019
Nuclear
Power Can Save the World
By Joshua S. Goldstein, Staffan A. Qvist
and Steven Pinker
● 欧州議会選挙
FT April
7, 2019
Pro-Europeans
must unite around the opportunity of the EU elections
Vince Cable
● 平成から令和
FT April
7, 2019
Japan
enters the Reiwa era as a model for others
王朝の世代交代は恣意的なものだ。しかし、時代を顧みて、未来を考える機会となる。
「平成」は1989年1月に始まった。それは日本の投機的なブームの頂点であった。1年以内に、日本の「失われた10年」が始まった。当時、日本経済は世界第2位で、アメリカ経済の3分の2の規模があった。今では、中国に抜かれて世界第3位、4分の1の規模である。日経225指数で、3万1000から1万8000に下がった。
しかし、そのような統計は「平成」を誤解させる。日本の1人当たり生産額はヨーロッパと並ぶ成長を示した。より需要なことは、1989年の日本が多くの問題を抱えていたことだ。自民党は長期に権力を独占し、人々は塾や受験勉強、その後もサラリーマンや主婦となって、苦しい人生を送った。
「平成」は、日本が繁栄した時代だ。平和の下で、政権政党は何度か交代し、安価な製品ではなく、文化や技術で活力を示した。人々の生活も管理された状態を緩めた。女性は職場に進出し、リベラルな改革が実現した。既得権を守る多くのルールが破棄された。
「令和」は新しい挑戦であるだろう。特に3つだ。1.米中対立の中で、初めて、日本は立ち位置を探る。2.移民を受け入れる。3.高齢化に対応する。若者たちが、その姿を決めるだろう。
PS Apr
8, 2019
How
Western Economies Can Avoid the Japan Trap
MOHAMED A. EL-ERIAN
西側の経済に「日本化」の発生は避けられる。日本化とは、低成長、ディスインフレ、永久の低金利状態である。しかし、政策担当者には対処する手段がある。日本化は、不可避の病ではなく、制裁の失敗である。
しかし、日本化の不安には正しい根拠がある。成長を低める構造的な力が、直接、間接に、働いているからだ。すなわち、高齢化、(所得、資産、機会の)格差拡大、社会・経済的な不安定さの拡大、制度や専門家への不信。
資産バブルの破裂した経済では企業がゾンビ化した。需要が減少し、リスク回避が強まり、技術革新、特に、AI、ビッグ・データ、移動性が変化の要因となった。経済活動の障壁が崩れ、物価を下げる圧力となった。成長と生産性に対する技術革新の影響は、長期的にプラスだが、まだ実現していない。超低金利、もしくは、マイナス金利のデフレ的な効果を軽視していた。
日本化から学ぶことは3つだ。1.低成長、ディスインフレ、ゼロ金利を防ぐには、構造的な圧力に直ちに政策で対処するべきだ。2.非正統的な金融緩和だけでは十分ではない。3.様々な対策を取る際の問題は、技術的なものではなく、政治である。
FP APRIL
10, 2019
How
Japan Became the Adult at the Trade Table
BY MICHAEL HIRSH
● アメリカと中国の外交展開
FT April
7, 2019
US must
appreciate merits of a modest deal with North Korea
William Burns
FT April
9, 2019
Pacific
islands: a new arena of rivalry between China and the US
Kathrin Hille in Honiara, Solomon Islands
● ネタニヤフとイスラエルの選挙
NYT
April 7, 2019
Will the
Israeli ‘King’ Be Recrowned?
By Roger Cohen
FP APRIL
8, 2019
5
Factors That Will Make or Break Bibi’s Re-Election Chances
BY JOSHUA MITNICK
論争は政策ではなく、ネタニヤフの人格に向けられている。ネタニヤフは、その開港の経験とトランプ大統領との親密な関係を強調し、同時に、ガンツBenny
Gantzを閉鎖的な左翼として非難している。ガンツは、平和と安全保障に関する中道のメッセージを訴える。
汚職の嫌疑を受けながら、その10年に及ぶ彼の権力に対する最強の対立候補であるガンツに対して、それでも5つの要因でネタニヤフの優位が決まるだろう。
1.ネタニヤフの右派リクードという支持基盤を固める。それはヨルダン川西岸のユダヤ人入植地を併合し、パレスチナ人とは妥協しない、という公約だ。
2.ロシアとのプーチン、アメリカのトランプ、2人との緊密な関係を示す。国際関係における重要な役割をイスラエルが担うことだ。
3.浮動票を取り込む。対立陣営はリクード支持層の中道右派を狙っている。不動産価格の上昇や汚職問題で不満を高めている。
4.イスラエル内のアラブ系市民。彼らはイスラエルとアラブとの平和共存を願っている。
5.政党として議席を得るには、3.25%の得票を最低限としている。この制限によって議席を得られない政党の支持層はガンツに向かうかもしれない。
FT April
10, 2019
Donald
Trump has let the Israeli annexation genie out of the bottle
David Gardner
2015年の選挙でも、ネタニヤフは投票日に警告した。選挙後、彼は、暗黙の裡に、イスラエルのアラブ系市民を「第5列」(イスラエルへの侵略を手引きする裏切者)とみなしたことを謝罪した。しかし、その警告は効いたのだ。ネタニヤフは勝利した。
土曜日、ネタニヤフはヨルダン川西岸の入植地をイスラエルに併合すると約束した。そこはパレスチナ人が独立国家を創るという希望を支える土地だ。「私は主権が及ぶことを、入所奥地のブロックと孤立した入植とで分けることはしない。」・・・「私は入植者の誰も追い出すつもりはないし、パレスチナ人に妥協するつもりもない。」
これは単に選挙のための修辞ではない。ネタニヤフと極右の閣僚たちは、政治を大きく右へと偏るように仕向けて、権力を維持しようとしたのだ。これは驚くことではない。昨年、パレスチナ国家を党則で否定する右派政党、リクードは、法と主権を入植地に拡大する、と全会一致で決めた。さらに極右の政党は、パレスチナ人を近隣のアラブ諸国に「移送」する、と主張する。
しかし、真に根本的な変化はドナルド・トランプ大統領がもたらした。彼は数十年間のアメリカの中東政策、国際法を転換したのだ。
昨年、トランプはエルサレムをイスラエルの首都と認め、アメリカ大使館を開設した。また先月、彼はイスラエルの主権がゴラン高原に及ぶことを認めるように求めた。どちらの決定も、国連決議に反しており、無効である。しかし、アメリカはイスラエルを守るために、ほかに41回も拒否権を行使した。
イスラエルの領土略奪に関するアメリカの方針転換は、彼の盟友ネタニヤフの政治力が脅かされていることに対する、支援であった。しかしトランプは、イスラエルの極右勢力に、東エルサレムの20万人を含む、65万人のユダヤ人が入植する西岸地区を、300万人のパレスチナ人に近接したまま、併合する道を拓いた。
エフード・バラク元首相のような指導者たちは、イスラエルが「アパルトヘイト国家」になることを防ぐ代替案として2国家案を支持してきた。ネタニヤフも、その実現を決して望まず、監視下のスーパー地域政府でしかない形であるが、2国家案を利用してきた。
トランプはその実妙な計算を破壊した。もはや魔人はビンに戻らない。
FP APRIL
9, 2019
Win or
Lose, Netanyahu’s Vision Will Likely Triumph
BY MICHAEL HIRSH, COLUM LYNCH
FT April
11, 2019
Benjamin
Netanyahu’s re-election spells trouble for Israel
PS Apr
10, 2019
Israel
Doubles Down on Illiberal Democracy
SHLOMO BEN-AMI
NYT
April 10, 2019
Israel’s
Lesson for the Democrats in 2020
By Roger Cohen
NYT
April 10, 2019
Bibi
Trump and Donald Netanyahu
By Thomas L. Friedman
私がジャーナリストとしてかかわった2国において、トランプ大統領とネタニヤフ首相の2人ほど、この本質的に同一人物と言える者が、2つの尊敬する国民に脅威をもたらしていることに、今ほど強い不安を感じたことはない。
この2人は、まったく恥知らずに、信条を欠いた政党に支持され、尊厳を欠いた主要メディアに保護されている。
ネタニヤフがさらに4年、トランプがさらに6年を支配するとしたら、その他国の模範となった市民文化や民主主義、独立の司法は失われるだろう。そして両国は、民主主義の制度や規範が、どんな嘘でもつき、競争相手を侮辱し、過激な集団に権力を与えるよう合図する、そんな指導者によって、どれほど容易に破壊されるかを示す警告となる。
トランプとネタニヤフの類似点は、今や、深く、広範なものである。
人種差別主義、反アラブ、反イスラム。政府職員の解雇、違法であっても、自分の直観に役人が従わないことを許さない。金銭的な嫌疑を受ける。国民を指導することに関心がなく、統一するより分断する。国家的な危機を自分の政治的利益に利用する。市民的な国家ではなく、ナショナリスト的な国家の定義を強化する。むき出しの権力を好み、パワーに執着し、それを使用することをためらわない。
トランプは、第2次世界大戦以来のアメリカ外交のロジック全体を置き換えた。グローバルな統合の推進、グローバルなルールと制度の強化が、繁栄する世界をもたらし、たとえアメリカが他の諸国より少し大きな負担をしても、われわれはもっと多くの利益を受け取る。なぜならわれわれは世界最大の経済であるから。トランプはそれを否定した。そして、競争的なナショナリズムを採用する。
アメリカから奪い取り、イスラエルを叩くための、グローバルな制度は要らない。NATO、IMF、世界銀行、WTO、国連。実際を、EUを割ろうとしている。なぜなら2国間で交渉すれば、もっと有利な合意を強制できるから。
NYT
April 10, 2019
Why
Israel Still Loves Netanyahu
By Shmuel Rosner
FT April
11, 2019
Donald
Trump is building a populist global club
Edward Luce
NYT
April 10, 2019
Mr.
Netanyahu’s Next Test
By The Editorial Board
● インド総選挙
FT April
8, 2019
Indian
election: the mixed verdict on Narendra Modi
Amy Kazmin in Jodhpur
インド総選挙は、モディ首相の指導者としてのスタイルによって、これまでにない大統領型の選挙になった。
インド経済は変わった。お菓子の店、Mehrangarh
Fortでは、伝統的なスナックに代わって、若者たちが新しいお菓子を配達する。顧客の注文は町中からオンラインで入る。店の売り上げは、2016年の高額紙幣廃止や複雑な税制改革によって落ちた後、最近では急速に回復した。
店主は言う。「モディはインド経済に関する期待を大きく高めた。しかし、彼の政権の下でインドの改革は後退した。GDPのデータを偽造し、MBAを執った若者がウェイターとして働いている。」
しかし、お菓子を届ける配達人たちはモディを強く支持する。特に、最近、パキスタンのテロリスト・キャンプとみなされた標的にミサイル攻撃を命じたことが熱狂的に支持された。
9億人の有権者を奪い合う重要な争点、深い断層が何であるかは、選挙結果が示すだろう。
カリスマ的なポピュリストのモディが、その提唱した「ニュー・インディア」を達成したのか、問われている。彼が政権を握った2014年には、国民会議派の10年間の政権が失望を生んでいた。
モディのBJPに反対する野党は分裂している。国民会議派の指導者、ラフル・ガンジーは統一候補を拒んでいる。
首相はインド経済が高い成長率を実現したと主張するが、エコノミストたちの多くは疑っている。データは疑わしいし、政府介入が増えている。
農民たちはインフレ抑制策によって苦しんだ。われわれは多くの収穫を得ても生活できない。「モディはわれわれを殺す。」
しかし世論調査では、今も多くのインド人が楽観的な姿勢を維持している。
モディはナショナリズムと愛国心を鼓舞した。彼自身は公式に発言しないが、その閣僚やBJPの指導者たちはヒンドゥー至上主義を唱え、イスラム教徒への攻撃を隠さない。
ラフル・ガンジーは若く、幼い。政治家として未熟である。能力ではなく、家名の力だ、と若い医師は批判する。あるいは、大卒で配達人の仕事しかない若者は、モディに失望したが、それでも彼に投票する、と言う。
FP APRIL
9, 2019
Millions
of Voters Are Missing in India
BY SOUMYA SHANKAR
The
Guardian, Wed 10 Apr 2019
In
India’s election race Narendra Modi isn’t the strongman the world assumes
Ruchir Sharma
4月11日にパキスタンがカシミールで紛争を生じたことは、デリーの伝統的な視点では、与党に有利である。しかし、パキスタンへの空爆だけでモディが選挙に勝利することはないだろう。それは首相の指導力に愛国心から熱狂を呼ぶかもしれないが、ヒンドゥー・ナショナリズムの影響は北部の州に限られる。
インドの選挙は、たとえモディであっても、一人の指導者に関する投票ではなく、BJPが投票数の3分の1を超えることはないだろう。インドは、1つの国家というより、大陸である。インドはEUに似ている。29の州が、非常に多様なコミュニティー、文化、言語を持つ。インド総選挙は、むしろ州の選挙の連続であり、地域の指導者たちがそこでは常に重要である。
限りなく多様な地域の事情は、ナショナリストの運動やデリーの政治指導者の力を限定している。カリスマ的指導者としてモディが勝利しても、その2期目の政権は地方政党との同盟を必要とする。Tamil Naduの政治集会に参加して、ヒンドゥー語で演説するモディを、聴衆が理解できないことを知った。参加者たちに彼のことをどう思うか尋ねた。その答えは、「モディとは、だれか?」
インドでは、民主主義が非常に貧しい、制度の弱体な時期から成立していた。政府は民衆の高まる期待に応えることができない。それゆえ何十年も、有権者は現職に対して厳しかった。1970年代以降、地方と全国の選挙で、3人の現職候補の内2人は落選した。
重要な州では、3ないし4の主要政党と、数十の小政党が選挙に加わる。それゆえ票が分散し、非常に少ない得票率で当選する。2014年の選挙でも、モディの「地滑り的大勝利」は、投票のわずか31%であり、残りは100を超える政党に分散した。
今回、ラフル・ガンジーの率いる国民会議派は、モディの阻止を掲げて、地方政党との連携を進めている。地方においては、モディより、地域の指導者こそが重要だ。モディに対抗するため、仇敵である指導者同士が同盟している。
FP APRIL
10, 2019
Is
India’s Modi a Reformer or a Performer?
BY RUCHIR SHARMA
社会主義の伝統から決別する、という約束を、もはやモディは捨てた人物だ。「最小限の政府、最小限のガバナンス」が公約だった。
彼は免税によって多国籍企業を誘致すると語り、国有企業の民営化、企業による鳥の買収を容易にする、と語っていた。彼の前任者、マンモハン・シンが行ったポピュリスト的福祉政策を非難し、国民会議派は2桁インフレと貧困層への侮辱をもたらした、と主張した。
私は、ムンバイやニューヨークの多くの関係者と同様、モディがインドを変化させる指導者とみていた。大きな政府に頼る人々の考えを変えることができる、と。
しかし、彼はその希望を損なった。細かい問題の打開策に終始し、官僚たちを支配し、権限を集中した。情報を出さず、首相として記者会見を1度も開かなかった。
モディは前政権を、イスラム教徒を優遇した、と非難した。ウッタル・プラデーシュ州で、公務員の職場や公共サービスをマイノリティーに多く与えた、と言うのだ。保守派の指導者には、「セキュラリスト」(政教分離主義者)という言葉を、マイノリティーの代表を増やすよう求めるリベラル派への蔑称として用いる者がいる。それはちょうど、ドナルド・トランプが「グローバリスト」を、アメリカの世界への関与を求めるリベラル派の蔑称として用いているのと同じだ。
イスラム強硬派を支持するウッタル・プラデーシュの選挙キャンペーンで、BJPは予想外の大勝利を得た。大幅に議席を減らしたのは国民会議派であった。こうした、わずかな票を動かせば勝利できる選挙システムでは、政治で勝つことは、必ずしも良い経済学を意味せず、むき出しの感情や旧来の忠誠を刺激することに依存する。
モディのインドは、ますますプーチンのロシア、エルドアンのトルコに似てきた。
FT April
11, 2019
India
deserves economic reform, not sectarianism
● タイの選挙
FT April
8, 2019
Anand
Panyarachun and The Making of Modern Thailand, by Dominic Faulder
Review by Victor Mallet
FP APRIL
10, 2019
Thailand’s
Groundhog Day
BY DUNCAN MCCARGO
● デジタル石油産業
FT April
8, 2019
Big Tech
must pay for access to America’s ‘digital oil’
Rana Foroohar
今、アメリカ経済で最も急速に拡大している分野は何か? その答えは、デジタル・データの収集・分析・販売ビジネスである。
民主化戦略の研究グループFuture
Majorityによれば、アメリカ人の個人データを採取することは、年間に何と760億ドルの収益をもたらしている。それは巨大ハイテク企業に限らない。多くの企業が行っている。
経済安全保障研究グループSoneconによれば、データ・ハーベスティング(データ収穫業)からの販売額は、過去2年間で44.9%も伸びた。このままでは、2022年までに、1977億ドルに達し、アメリカの農業生産額を抜くだろう。
資源採取は莫大な規模で行われている。もしデータが新しい石油なら、アメリカはデジタル時代のサウジアラビアである。インターネットのプラットフォーム企業は、新しいアラムコ、エクソン・モービルである。彼ら(Microsoft,
Amazon, Verizon and Twitter)は、われわれの個人データ層に穴をあけて、われわれがインターネットで何を観て、何を話しているのか、彼らの石油を採掘している。そして、ターゲット広告のための情報として販売し、換金するのだ。
Future Majorityの研究の共著者であるRobert Shapiroは、オンライン広告の半分はターゲット広告であるという。GoogleやFacebookは、われわれがメールで何を書くか、コミュニティーに何を貼るか、知ることはないが、そこから利益を得ている。「それはビジネス・モデルである。」
データ・ブローカーたちは、クレジットカード会社、医療データとともに、個人データを他の業界に販売する。すなわち、小売業、銀行、住宅融資、大学、募金活動、そしてもちろん、政治活動に利用される。
それゆえ、この問題を、シリコンバレーの独占企業問題だと考えるのは間違っている。多くの企業がそれを買っているのだ。IoTになれば、ウェブで動くセンサー、ウェブ内蔵の機器は、われわれの周りにあふれるだろう。デジタル資源採掘業はさらに拡大する。すべての企業が参加するはずだ。
われわれは、もっと厳格な、カリフォルニアが成立させたような、プライバシーの国家規制を切望している。企業は利用者に、どのようなデータ収集も拒む権利が(親には子供のデータに関する権利も)与えられるべきだ。企業が個人データを利用する場合、明確な情報公開を要求する。
アルゴリズムによる選別に関する厳格なルール、個人データのアクセス、その利用に関して、利用者個々人に保証するシステムが必要だ。また、企業は個人データの採取に対して支払うことも考えるべきだ。カリフォルニアは、データ収集ビジネスに対して、資源の所有者、すなわち、われわれ全員に「配当金」を支払うよう提案した。アラスカやノルウェーが信託基金を設けて還元しているように。それは将来世代のために、教育やインフラとして、投資すべきである。
それは、企業が国民の重要な資源によって利益を上げることを許す、公正な取引であるだろう。
● 成長の減速
PS Apr
8, 2019
What’s
Driving the Global Slowdown?
ESWAR PRASAD
PS Apr
11, 2019
The
Future of Economic Growth
JIM O'NEILL
● 中国と民主主義
PS Apr
8, 2019
Global
Silence on China’s Gulag
BRAHMA CHELLANEY
FT April
9, 2019
Xi
Jinping’s China seeks to be rich and communist
Martin Wolf
中国は、このまま成長を維持して、しかも、共産党の支配の下で、政治的な安定性を実現するのか? 中国は、巨大なシンガポールになるのか?
もしそれが実現するなら、経済だけでなく、世界は大きく変わるだろう。これまで豊かな国がすべて民主主義に移行したということが世界の秩序を決定した。
NYT
April 10, 2019
Feeling
Safe in the Surveillance State
By Jianan Qian
● 政治の美徳
PS Apr
8, 2019
The
Revolt Against Virtue
IAN BURUMA
● 裕福な者たちの資本主義批判
FT April
9, 2019
Dimon
and Dalio capture the spirit of capitalist reform
選手、アメリカで最も裕福な人たちが、資本主義の欠陥を指摘し、その改革を支持した。ヘッジファンドBridgewaterのRay DalioとJPMorganのJamie Dimonである。
Dalioの資産は186億ドル。Dimonの資産は13億ドル、昨年の給与は3100万ドル。JPMorganの銀行員給与の約2600倍だ。
社会主義は富裕層に課税するだろう。富裕層と貧困層の格差に言及しないなら、彼らの改革案に説得力はあるか。
● 中国のバブル
FT April
9, 2019
The
impending Chinese asset boom
Thomas Hale
● エストニアのマネー・ロンダリング
PS Apr
9, 2019
The
West’s Dirty Financial Laundry
ANDERS ÅSLUND
エストニアで、銀行Danske
Bankが大規模なマネー・ロンダリング、約2000億ユーロ、で告発された。EUとアメリカは非難しあっている。
アメリカは債券の最終保有者を秘密にする法律を改めるべきだ。ヨーロッパはECBによる厳格な監視を実現するべきだ。
● アメリカの戦争
FP APRIL
9, 2019
Americans
Can’t Give Up The Cult of War
BY JOSEPH LOVELL
● ヨーロッパとアフリカからの移民
YaleGlobal,
Tuesday, April 9, 2019
World
Ignores Mass Detentions of Migrants
Lena Riemer
FT April
11, 2019
Migration
is as old as humanity and should be welcomed
David Pilling
難民の多くは戦乱や飢餓によるのではない。経済的機会を求める移民である。移民が人類史とともに古くからある。
「難民・移民危機」と言うのは、豊かな諸国のナショナリストが広めた幻想だ。実際、アメリカでも、欧米でも、人々は移民のプラスの側面を見ている。ナショナリストたちは、既に存在する人々の不満を刺激している。
政治がどう変わろうとも、アフリカとヨーロッパは切り離せない。それは、近接性による。また、人口変化も避けられない。この30年で、アフリカの人口は20億人に達する。アフリカの人口の中央値は19歳。ヨーロッパの人口の中央値は38歳である。高齢化と人口減少のコストを埋めるために、アフリカが重要な役割を果たすだろう。政府は早くそれに取り組むほうが良い。
● アルジェリア
FT April
10, 2019
Can the
Algerian spring succeed after Bouteflika?
Roula Khalaf
FT April
11, 2019
In
Algeria and Sudan, a second Arab spring is brewing
Andrew England
● アルゼンチン
PS Apr
10, 2019
The
Trouble with Argentina’s Economy
MARTIN GUZMAN
PS Apr
10, 2019
Emerging
Risks for Emerging Economies
BARRY EICHENGREEN
● 技術変化と貿易
VOX 10
April 2019
Next-generation
technologies and the future of trade
Susan Lund, Jacques Bughin
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The
Economist March 30th 2019
King Bibi: a parable of modern populism
Brexit after May: The Silly Isles
India’s space weapons: The sky’s no limit
Social management: Keeping tabs
Charlemagne: The spectre of Airstrip One
Bagehot: The end of May
Schumpeter: Ninja activists
Argentina v Japan: Exceptions and rules
Free exchange: Ageing is a drag
(コメント) イスラエルのネタニヤフ首相、タイの軍事政権、ともに勝利したにもかかわらず、記事の中身は厳しいものです。インドのモディは、いま、投票過程です。
中国は違います。記事は、アプリによって社会管理する手法に注意します。人々が交通法規を守らない。偽物の商品が出回る。さまざまな行動に関して、個々の市民を、即時にチェックすることができます。その持つ意味は?
メイの重大な失敗は、Brexitを保守党の党運営の問題にしてしまい、イギリスの国家運営を無視したことだ。今後、メイが辞任すれば、保守党内の後任争いが激化する。もしBrexitによってイギリスがEU単一市場を失い、中国企業や一帯一路、人民元取引、ロシアからの資産逃避などに大きく頼るようになれば、それがEUの重大な懸念材料となって、イギリスとの交渉姿勢を柔軟にするかもしれません。
世界の特殊なケースとして、アルゼンチンと日本が、エコノミストたちを苦しめます。また、高齢かは必ずしも生産性上昇を妨げない、と考えます。
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IPEの想像力 4/15/19
フォーリン・アフェアーズ・レポート2019 NO.3, NO.4 を読んでいました。
Brexitとトランプの時代に、既存のマクロ経済学・金融政策、内外の政治経済秩序は、強い圧力を受けて変容し始めています。それは、新しいコンセンサスを得るには程遠い状態です。・・・私たちの時代は、どこに向かうのでしょうか?
日本はもちろん、欧米経済でも、また、中国や新興諸国でも、これまでの成長や開発のモデルは迷走し始めています。それは、トランプのせいではありません。しかしBrexitとトランプによって政治や社会は亀裂を深め、侵食を早めたでしょう。
典型的には、ポピュリスト政治家による移民に関する激しい攻撃は、政治の主流を巻き込みました。もはや、移民に対して積極的な開放政策を主張する国はありません。ジェノサイドを止めることを軍事介入の理由にする国も無くなったようです。
非リベラルな、権威主義的秩序の新興諸国だけでなく、欧米日の政府にも、保守的な秩序の復活、もしくは、リベラルな改革の後退が顕著です。
トランプだけでなく、貿易・投資の自由化は見直され、安全保障まで含めて、国際協調や国際機関による監視・支援策より、ナショナリズムや愛国心が強調されています。リベラルな政治的価値観、民主化を世界に広める「帝国主義」は、国内政治においても反省を迫られています。
***
おそらく、こうした変化はつながっているのです。VOXの研究が、財政緊縮策、福祉国家の解体が、人々の不満を強めた、明確に語っています。もし緊縮策が行われなければ、イギリスの有権者は国民投票で離脱を選ばなかっただろう、とデータで検証します。
ナショナリズムと愛国主義はイデオロギー的な兄弟である、とウィマーは指摘します。「歴史そして未来の政治的運命を共有する平等な市民」が国家を構成するべきだ。「国の利益(国益)のために統治する」べきだ。これらは最悪の場合、内戦やジェノサイドをもたらしましたが、より穏健なナショナリズムでは、民族の境界線ではなく、効果的な統治のために政治的連帯が形成された、と考えます。そして、権力を共有する制度的なアレンジを受け入れたのです。
経済空間と政治空間が一致することで、国民国家は正統性を得てきました。グローバリゼーションという「利益の共同体」が、実際には、さまざまな制度の破壊、不安定な雇用、所得格差、必ずしも社会にとって有益にならない金融や技術によるエリート集団、エリート企業の叢生を意味するなら、(善良な)ナショナリズムが復活するのは避けられず、また、望ましいのかもしれません。
スナイダーの論説は、特に興味深いです。「リベラリズムとナショナリズムは・・・相互補完的な関係であった」と考えます。すなわち、リベラルな戦後の国際秩序においては「攻撃的ナショナリズム」を抑える妥協、国際支援が制度化されたのです。いわゆる「埋め込まれた自由主義」です。労働者としての経済参加にも、戦争を経て政治参加の拡大にも、法と教育システムによる「集団的なアイデンティティ」が、福祉国家とともに、ナショナリズムを溶解したわけです。
***
民主主義やリベラルな秩序を広める、という計画を中止し、保守的な均衡にゆだねる時期です。それは「保守化」であっても、ナショナリズムや排外主義ではなく、国際協調を促す制度も一定の役割を維持する世界の政治経済を再生する試みです。
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