前半から続く)


 アメリカの外交

NYT Nov. 25, 2018

A Chance to Repair America’s Image Abroad

By Ben Rhodes and Jake Sullivan

PS Nov 28, 2018

From Pivot to Stumble in Asia

CHRISTOPHER R. HILL

FP NOVEMBER 28, 2018

How to Respond to Chinese Investment in Latin America

BY MAX NATHANSON

NYT Nov. 28, 2018

Trump Tries Old Tricks With Latin America

By Christopher Sabatini


 GEの没落

FT November 26, 2018

Learning the lessons of GE’s steepening decline

General ElectricGE)は常に時代の先導者であった。創立されて126年を経た革新的企業は、電球に始まって世界帝国を築いたが、この20年間で、アメリカの最も価値ある企業から、最もリスクの高い企業に変わった。

GEの衰退は、単にコングロマリットの衰退だけでなく、現代のビジネス、市場、経済について教えている。1.債務は次第に企業経営を追い込む。2.好調な時期に株式を買い戻して株価を上げた企業は、その後の株価を引き下げる。3.企業買収による拡大には注意が必要だ。4.金融的なエンジニアリングは企業にとっての真のエンジニアリングではない。5.この数十年で経済は工業からデジタルに変化した。

たとえGEほど称賛された企業でも、変化に遅れれば滅びる運命だ。


 リベラルと極右

The Guardian, Mon 26 Nov 2018

Liberals must learn the politics of emotion to beat rightwing populists

Paul Mason


 大不況の理由と対策

FT November 26, 2018

Can UN code help scandal-prone banks clean up their act?

Patrick Jenkins

VOX 28 November 2018

The Big Con: Reassessing the ‘Great’ Recession and its ‘fix’

Laurence Kotlikoff

大不況the Great Recessionの説明はだれでも知っている。悪い銀行、悪いモーゲージ、悪いシャドー・バンク、悪い格付け会社、悪い規制当局、悪いデリバティブ、悪いトレーダー、要するに、悪い銀行と銀行家たちが悪いことをした。

この説明には問題がある。事実に反している。真の問題から関心をそらせる。良い銀行システムが悪用されたのではない。銀行システムが悪いのだ。銀行システムは不透明で、レバレッジを拡大し、とんでもない失敗を犯すが、救済される。そしてまた、繰り返すのだ。

私はシンプルな解決法を示した。Limited Purpose Bankingである。100%準備の相互基金方式で、完全かつリアルタイムの情報を公開する。


 ロシアのアゾフ海支配

The Guardian, Mon 26 Nov 2018

Forget Brexit, war in Ukraine is the biggest threat to Europe

Simon Jenkins

イギリス議会が空転している間に、ヨーロッパが燃え始めた。ロシアとウクライナの紛争がアゾフ海に拡大し、ヨーロッパの過去が触媒となって、エスカレートしたのだ。大国は小国を侮辱するが、小国は行こう諸国からの外交、経済、そして軍事的な支援を期待し、軍事力で反撃する。

この4年間、ウクライナは旧来のプラグマティズムに従わなかった。すなわち、強力な独裁者と国境を接するときは、よほど注意して行動しなければならない。しかし、グルジアと同様、ウクライナで反共産主義政権が成立すると、NATO加盟へのアメリカの支持を期待した。バルチック諸国はすでに加盟していたからだ。

2014年、ウクライナで親西側の指導部が権力を得ると、モスクワはロシア語を話す東部地域で反乱を刺激した。その後、ウクライナのクリミアへロシア軍が侵攻した。今や、ウクライナ東部の港をロシアは制圧している。すでに数万のウクライナ人が戦死した。

日曜日、ポロシェンコ大統領は、ロシアと戦うためにウクライナと団結する同盟諸国に向けて、呼びかけた。クリミア侵攻後に、西側諸国は貿易、金融、旅行に関する寄せ集めの制裁を行った。しかし、いつものように、そのような武器は生産を妨げただけで、効果がなかった。制裁はむしろプーチンとその仲間の支配体制を強化した。ロシアは、国境線に並ぶ他国のロシア系住民を刺激し、西側諸国の選挙にサイバー介入を行った。制裁による貧困でロシアが屈する、というのはばかげた期待だ。独裁者は貧困を好む。

ヨーロッパは今やエスカレーションを止める集団的な交渉手段を持たない。連戦終結後、ヤルタもポツダムも更新されなかった。ロシアとの新しい条約は存在しない。

歴史はなお、1990年代に敗北と抑うつを味わったロシアに対して、1918年の後にドイツに対して取ったような姿勢で接している。東欧にあふれるポピュリズム、暴力の理解者としてプーチンをめぐる話題、緩んだ同盟関係、未熟な安全保障の約束。平和を指導する者も、監視する者も、護衛する者もいない。あるのはアナーキーだけである。

FP NOVEMBER 26, 2018

Putin Pushes Russia-Ukraine Tensions to a Four-Year High

BY KEITH JOHNSON, AMY MACKINNON, ROBBIE GRAMER

NYT Nov. 26, 2018

Russia Attacks Ukrainian Ships and International Law

By The Editorial Board

The Guardian, Tue 27 Nov 2018

The Guardian view on Ukraine: a forgotten crisis flares up

FT November 27, 2018

A dangerous escalation of tensions in the Black Sea

FP NOVEMBER 27, 2018

Ukraine’s New Front Is Europe’s Big Challenge

BY CARL BILDT, NICU POPESCU

「クリミア、ウクライナ、モルドバ?」 20088月後半、ロシア軍がグルジアの広範な地域を支配したとき、フランスのBernard Kouchner外相はロシアの次の標的を懸念した。ロシアのラブロフ外相は、「病的な想像だ」と応じた。後から見れば、想像力がまだ足りなかったわけだ。

日曜日、ロシアの戦艦がウクライナの船団に砲撃し、タグボートを拿捕する前に体当たりした。地上では戦闘が収まっているが、海上は全く異なる。ヨーロッパ安全保障の2つの新しい危機だ。1つは、航行の自由。もう1つは、ウクライナの経済安定性。

2014年、ロシアはクリミアを違法に併合してから、海峡の両側を実効支配している。それはアゾフ海における航行の自由、東部ウクライナへのアクセスを阻止できるほどの軍事的な能力を得たことになる。アメリカやヨーロッパの数カ国は、南シナ海における航行の自由を守るために真剣な努力を続けている。しかし、地球の反対側で、中国の安全保障に関する姿勢にヨーロッパが抗議することは、同様に、黒海やアゾフ海についてロシアに抗議することより簡単である。

ウクライナ東部の経済はアゾフ海のアクセスに大きく依存している。それを阻まれた場合、西部との輸送はインフラがないため、はるかにコストが高くなる。ウクライナに対する経済圧力は大きくエスカレートする。ウクライナとロシアだけでなく、ヨーロッパや中東との貿易も困難になる。

ヨーロッパとアメリカは多くのことをしなければならない。第1に、アゾフ海の航行の自由を守る外交的、シンボリックなウクライナ支援。第2に、ウクライナの経済的損失を補償する。東部ウクライナと他の地域を結ぶインフラに投資する。ヨーロッパ市場を開放する。第3に、全欧安保会議OSCEを域外の問題にも関与させる。バルカンからタジキスタンまで、ユーラシアの全域に及ぶ紛争監視を行う。

FT November 28, 2018

Nationalism and farce under Vladimir Putin’s unpredictable rule

Roula Khalaf

FP NOVEMBER 28, 2018

How Putin Is Perfecting His Border Plan

BY MICHAEL HIRSH

西側メディアはプーチンがウクライナとの紛争をエスカレートさせていることに注目するが、同時に、ロシアと国境を接するもう1つの国、グルジアでは水曜日に大統領党選挙の決戦選挙が行われた。それは自分たちの地政学的な方向を決めるものだ。モスクワに向くか、西側に向かうのか?

2つの事件は、旧ソ連の共和国に対する、ロシアの指導者による影響圏を回復する容赦ない試みを示すものだ。忍び寄る領土併合、宣戦布告なしの侵略戦争、民主主義を破壊するサイバー攻撃。

グルジアのケースは、さまざまな方法の中でも、あからさまな強制、買収、投票者への買収、ヘイト・スピーチ、詐偽投票を含む大規模なものだ。実質、プーチンはウクライナで失敗したことを、グルジアでは成功しつつある。

プーチンが創り出し、トランプが助けたように見えるものとは、ユーラシアにおける、よく潤滑油を指したマキャベリ的影響力のマシーンである。反西側の戦略として、2人のクレムリン思想家はかつてそれを、モスクワの「ベルベット・リベンジ」と呼んだ。1999年、モスクワがエリツィンの下でまだ冷戦の敗北を引きずっているとき、2人の戦略家Efim Ostrovsky and Piotr Shchedrovitskyが、ソフトパワーによるロシアの大国復活を描いた。プロパガンダ、買収、フェイクニュース、対外関係への介入である。

クレムリンの焦点は「緩衝圏」の再生である。モスクワの専門用語では「近隣の外国」という。かつて民主主義を約束したグルジアは、ますます、プーチンの垂直的な支配権力に、その一部として、含まれつつある。これは「管理された民主主義」というプーチンのゲームである。

モスクワの外交・軍事行動の究極目標は、アメリカとNATOの影響力を破壊するか、少なくとも大幅に縮小し、緩衝圏の支配を回復することだ。

バルチック諸国への浸透が決定的な瞬間となる。それはNATO加盟国であるが、多数のロシア系住民がいる。ロシア語を話す住民が政府に対して蜂起すれば、アメリカは反撃するのか?

FP NOVEMBER 29, 2018

Goodbye Grotius, Hello Putin

BY JAMES R. HOLMES

主権はどこまで及ぶのか? 大国はその近海域を支配する。なぜなら、それができるからだ。阻止する者がなければ、主権は拡大する。

海の自由をめぐって17世紀に論争があった。沿岸の国が海を所有するのか? オランダ人法学者のグロチウスHugo Grotiusは否定し、イギリス人判事のJohn Seldenは支持した。

アゾフ海におけるロシア海軍の武力行使は、地上における戦争と結びつけて考えられている。しかし、それは異なる意味で重要だろう。中国が南シナ海で行っているように、ロシアと中国は、国際法の見解を変更しつつある。


 中国の4つの罠

PS Nov 26, 2018

China’s Four Traps

ANDREW SHENG , XIAO GENG

中国は4つの罠に直面する。1.中所得の罠。2.ツキディデスの罠。3.キンドルバーガーの罠(戦間期にアメリカがグローバルな公共財を提供しなかった)。4.気候変動の罠。

NYT Nov. 29, 2018

The Real China Challenge: Managing Its Decline

By Bret Stephens


 アメリカ自動車産業

FT November 27, 2018

Donald Trump faces fallout of stalling US car industry

Sam Fleming in Washington and Andrew Edgecliffe-Johnson in New York


 社会科学者 ロナルド・ドーア

FT November 27, 2018

Ronald Dore, sociologist, 1925-2018

Mari Sako

ドーアRonald Doreは傑出したイギリスの社会学者であった。そのあふれる知性を多くの分野で切れ目なく示した。その学識の広さと社会改革への熱意は秀でていた。

93歳でイタリアにおいて亡くなったが、彼は他の何よりも、日本研究者であった。ただし彼が日本と出会ったのは偶然である。彼は労働者階級の家に育ち、父親は機関車の運転士だった。1942年、17歳のとき、the “Dulwich Boys”として奨学金を得たが、それはthe War Office戦争省が高等学校やパブリックスクールから学生を集めて、戦争に必要な言語を学ぶよう支援するプログラムだった。

ドーアは午前中、the School of Oriental and African StudiesSOAS)で日本語を学び、午後は通常の科目にもどった。1950年に初めて日本を訪れ、人類学と社会学の手法で、徳川時代の教育、1950年代東京の都市生活、戦後日本の土地改革、に関して研究した。

1960年代、70年代は、伝統的社会が近代化に成功した、という日本に注目が集まった。ドーアはLSEとサセックス大学で比較産業社会学者になった。「後発的発展」や「逆収れん」という概念を駆使し、日本の西側へのキャッチアップを説明した。

ドーアは教育社会学者として、日本、その他の発展途上国における教育システムに関するILOの研究を担った。教育、若者の失業、職業訓練に関する彼の関心は、『学籍社会(病)』という画期的な著作となった。

イギリス産業の衰退や高い失業率を懸念して、ドーアは政策担当者やビジネス界の指導者が「日本を真剣に考えるべきだ」と要請した。それはeブックとなったが、副題には「主要経済問題に関する儒教的視点」とある。より良い、公平な社会制度の基礎として、固有の道徳心を(経済モデルに)求めた。

彼は「資本主義の多様性」を提唱した1人であったが、それは2000年の本(Stock Market Capitalism, Welfare Capitalism: Japan and Germany versus the Anglo-Saxons)にまとめられた。英米の会社法による企業モデルではなく、日本企業は共同体モデルであり、ダイナミックな効率性の改善による利益と、公平さの実現とが、日本企業には共存している、と主張した。

しかし、彼が警告したように、サッチャー=レーガンのネオリベラリズムは日本にも及び、アメリカで教育を受けた都市生活者が、日本型の共同体企業を破壊した。日本企業でも株主の利益を重視し、金融化が進むようになった。この転換に不満を繰り返し表明したドーアは、結局、イタリアに移住した。そこには、ネオリベラリズムに影響されない政治経済学者にやさしい、市民的な共同体主義がある、と感じたからだ。

社会を改善するために、人間の動機と行動を理解する、という社会科学の役割を、彼は確信していた。


 グローバル・ガバナンスのための課税

PS Nov 27, 2018

Financing International Cooperation

JEFFREY D. SACHS

今、グローバルなレベル、地域のレベルで、公共財・公共サービスの提供は危険なほどに不足している。国際連合、EU、その他の国際機関が、責任を果たす十分な予算がないために、厳しい緊張状態にある。

まだ、政府など無しに、利潤動機の企業だけで世界を動かすのが良い、と言う自由市場のイデオローグはいるが、経験はそれを支持しない。医療や教育など生活に欠かせないサービス、高速道路、鉄道、パワー・グリッドのようなインフラ、科学研究や初期段階の技術にとって、政府がなくてはならない。政府は富裕層に課税し、貧困層に所得移転するが、それをしなければ、社会は危険なほどに不平等、不正義、不安定なものになる。今、アメリカで起きていることだ。

高所得国では政府が国民所得の少なくとも25%を課税によって集めている。世界で最も成功している経済では、北欧の社会民主主義国が有名だが、課税率がおよそ50%である。それは3つの基本的な用途に使われる。1.公共サービス、2.公共投資、3.所得移転。

これらの3つの公共的機能は国家のレベルを超えて必要とされている。近隣諸国の具ロープであるEUAU、そしてUNも、気候変動との闘い、海洋保護、絶対的貧困の解消、核拡散の防止、安保理による地域紛争への介入に、財源が必要である。

しかし、そのための多角的な協力に利用可能な予算はあまりにも小さい。EU加盟諸国の多くは国民所得の少なくとも25%にあたる中央と地方の予算を組むが、EUレベルの予算は国民所得の総額のわずか1%である。その理由は明らかだ。課税は各国・各地方の法律によって行われるから、税の特権を譲りたくないのだ。

その結果として、EUは、非常に大きな目標と、非常に小さな予算を持つことになる。しかもナショナリストたちはEU予算が大きすぎると攻撃する。いかなる国家も国民所得のわずか1%では維持できない。その状況はグローバルなレベルで一層甚だしい。国連の通常予算は27億ドル、世界の総所得90兆ドルン遺体して、たったの0.003%である。平和維持と人道支援のために追加で約500億ドル、0.06%が支出されるが、必要額のほんの一部である。

世界は多角的な協力活動に必要な多角的財源を必要としている。EUはもうすぐEU所得の2%の予算を組むだろうが、同様に世界も2%の公的財源を実現するべきだ。新しいグローバル・タックスが必要である。法人所得、オフショア勘定、国際金融取引、超富裕層の資産、環境汚染に課税するべきだ。


 G20の意味

FT November 29, 2018

Opinion: G20 and the painful price of Argentina’s tumultuous past

Andres Schipani

PS Nov 29, 2018

The Hollowing Out of the G20

ANA PALACIO

米中が貿易紛争を終息させる期待もあるが、G20は、サウジアラビアのジャーナリスト殺害、ロシアのウクライナ船舶拿捕、などを扱わない。2008年の金融危機に対する強調行動を組織するためにG20は注目されたが、もはや効果的なグローバル・ガバナンスの機関ではなく、大国間の歌舞伎になっている。

G20が、ムハマド・ビン・サルマンやプーチンを非難しても、彼らの行動を変えるわけではないだろう。しかし、それは少なくとも国際的な善悪の基準を示すことになる。

FP NOVEMBER 29, 2018

Why the G-20 Leaders Are Gloating Behind Trump’s Back

BY MICHAEL HIRSH


 移民政策

NYT Nov. 27, 2018

We Need a High Wall With a Big Gate

By Thomas L. Friedman


 年金制度改革

PS Nov 28, 2018

How to Save Social Security Systems

MARTIN FELDSTEIN

かつて高齢で働けなくなると、育った子供の家族と暮らした。しかし、そのような時代は去って、今では高齢者も子供たちを独立した暮らしを望む。

合意的な世界では、老後の暮らしのために資金を貯蓄するだろう。しかし、個人の近視眼的な判断や、公的な支援を期待して、そのような貯蓄は不十分である。欧米諸国や日本はpay-as-you-go (PAYG)を採用した。しかし、その制度は負担する世代が給付を受ける世代よりも十分に多いことを前提している。

平均寿命が延びたことで、この制度は赤字を維持できなくなった。年金システムを維持するには、給付年齢の引き上げと増税に頼るか、あるいは、徐々に、固定給付金を株式・債券への投資収益で補うシステムに移行するべきだ。


 ホーム・故郷・母国

FT November 29, 2018

Martin Wolf and FT writers: what home means to me

この話はthe FT’s Seasonal Appeal for Habitat for Humanityの一部である。ここをクリックして寄付してほしい。今年の募金についてFTHabitat for Humanityをパートナーに選んだ。十分な住居がないことは、人々の教育や将来設計、精神疾患にも影響する。だれでも安全で快適な住居を得られる世界に向けて、Habitat for Humanityは奮闘している。

Martin Wolf: definitions of home

ホームとは単に安全は場所ではない。それはその人を定義するものだ。

「住宅」や「フラット(アパート)」と違い、ホームは具体的なものではない。それは抽象的で、その人だけの意味を持っている。

ある人が「ホーム」と考える場所は、その人の歴史、アイデンティティ、人間関係を表現している。ホームがあることは、安全であるだけでなく、その人自身を決めることだ。それゆえ、ホームレスは絶望的な状態を意味する。

2つの定義の持つ広い意味で、私のホームはロンドンだ。Oxfordで学生であった6年間、ワシントンDCで、妻や2人の子供とも暮らした10年間を含めて、私のホームはロンドンだった。

Oxfordもワシントンも、私はOxfordを愛したが、私のホームではなかった。特にワシントンでは、私は根付かなかった。アメリカ人の住民の多くにとっても、ワシントンはホームではなかった。ワシントンの産業は、アメリカという外国の政府だけであったから。私はアメリカに住むことで、まさに人が外国人であることの意味を理解した。

ロンドンこそが、イングランドやUKよりも、私のホームである。私の父と母やヒトラーのヨーロッパを逃れた、それぞれオーストリアとオランダの難民だった。彼らは生き延びるためにイングランドに来て、2人とも親類などはいなかった。

私の父は、死ぬまでホームを持てなかった。しかし母は、ロンドンを彼女のホームと感じていた。私もそうだ。世界銀行で働いた10年の後、ロンドンに帰って、私はホーム(故郷)に帰ったことを知った。

厳密な意味で、2つの定義を満たすホームは、ロンドンのHampstead Garden Suburbにある、愛する両親の下で、私が弟と育ったホームだ。その住宅はWilliam Morris風のデタッチト・ハウスだった。私は両親がそれを1950年代初めに4000ポンドで購入したことを知っている。その価格は当時の市場の上限であったから、リスクが高い、と両親は助言された。今、その住宅は200万ポンド近くする。

私は住宅価格がこれほど高騰していることにショックを受ける。私の考えでは、住宅はホームであるべきで、投資ではない。住宅価格が高騰することは、たとえ個人にとって良いことでも、この国にとって悪いことだ。


 ヨーロッパの変化

FT November 29, 2018

Europe’s unpleasant choice between Trump and Xi

Philip Stephens

70年間、イギリスはアメリカとの「特別な関係」を外交の柱にしてきた。しかし、この先、どれくらい長くアメリカが依存できる同盟国であるのか? イギリスにとっての最大の戦略的脅威は、最大の同盟国に対して、その考えを信頼できないことだ。Brexitにもかかわらず、ますます、世界の主要な問題に関して、イギリスの考え方は、アメリカよりもヨーロッパ諸国に近くなっている。

PS Nov 29, 2018

Angela Merkel’s Long Goodbye

JOSCHKA FISCHER

PS Nov 29, 2018

Progressive Europeanism in Action

YANIS VAROUFAKIS


 包括的成長

PS Nov 29, 2018

The Digital Key to Inclusive Growth

CHEN LONG, MICHAEL SPENCE


 ベトナムと反中感情

YaleGlobal, Thursday, November 29, 2018

China Fuels Vietnam’s Protest Movement

Tom Fawthrop

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The Economist November 17th 2018

The next capitalist revolution

Britain and the European Union: Into the endgame

Japanese demography: Coping with the 100-year-life society

Opportunity zones: Oh, the places you’ll grow

Trade union and technology: Workers of the world, log on!

Special report - Competition: An age of giants

The economics of chocolate: Sweet dreams

Rome v Brussels: Working to rule

Charlemagne: Where borders are the migrants

Britain and the European Union: Exit music

(コメント) 特集記事「資本主義革命」は、期待したような内容ではありません。競争が減って、企業は多くの利潤を得ていながら、雇用や技術革新は衰えている、ということです。さらに、IT企業の特殊な事情も加わります。基本的な姿勢は、競争を回復するべきだ、となります。

Brexit合意案がいよいよ議会で採決を迎えます。労働組合がネットやアプリを利用して復活できるか? イタリアの財政赤字問題。移民も、国境変更を繰り返した歴史も、ヨーロッパはEUで解決する希望を失いつつあります。

アメリカの「オポチュニティー・ゾーン」、西アフリカのチョコレート栽培、どちらも面白いです。

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IPEの想像力 12/3/18

大坂で2025年の万博開催が決まった、というのを歓迎するニュースが流れていました。大阪人はケチです。本当に、価値があると納得しないなら、この先も万博を歓迎するでしょうか? 維新の会の知事・市長は、中身のない安売りをしたと思います。

1970年の万博を見た記憶は、どうもほとんどないのですが、先日、万博公園の太陽の塔を観てきました。広大な会場跡の公園が、大きな無駄に見えたのは、2025年を予感させます。そして、なるほど、太陽の塔は面白かったです。

私の印象では、ウルトラマンやウルトラQの世界でした。手作りの仮想現実空間で、生命の樹が伸びています。次の大阪万博も、つかの間の饗宴だけで、誰もすぐに忘れ去るのではないか、と思います。

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「出入国管理法改正案」に反対する野党の姿勢には疑問があると思いました。移民を排斥する欧米のナショナリストや右翼の議論を野党が行い、おそらくは財界の要請を受けて、自民党がそれを避け、移民は排除するが外国人労働者を正式に受け入れる、という姿勢を示したことに不満を感じたのです。

外国人雇用の柔軟化、医療や年金、社会保障システムとの関係を明確にすることは、与野党ともに真剣に取り組むべき課題だと思います。

太陽の塔を観て、その帰りに、ちょろちょろする子供をあやしながら、若いお母さん2人が楽しそうに歩いているのを観ました。私も妻も小さな子供が大好きです。おそらく、日本人の多くがそうでしょう。外国人労働者ではなく、子供がたくさんいる家族、たくさん育ててくれる若い夫婦を歓迎してはどうでしょうか?

日本で育つ子供たちは、全くの日本人です(M. Wolf Home の定義を読んでください)。隔離されたゲットーの形成や、親たちの失業・貧困、学校での差別など、欧米で観られる深刻な諸問題を日本側が積極的に解決する姿勢を示すなら、きっと素晴らしい日本人になるでしょう。

自分たちが歳を取って、老人ばかりが住む施設で暮らすことの寂しさを、ふと考えてしまいます。子供がいないなんて、面白くない、楽しい話題もない、いびつな社会です。

1.日本語の習得。

2.超高齢化。

3.日本型資本主義の再生と拡大。

ロナルド・ドーアが亡くなり、改めて日本型資本主義を考えました。ドーアがその遺著ともなる『幻滅』を書いたことが、とても残念です(これもReviewの訃報を参照)。

ゴーンなど経営者の高報酬を正当化し、株主利益を強調するより、女性や外国人にも開かれた形で「日本的雇用システム」を再生し、諸外国にも拡大するなら、移民の受け入れや子供を育てる労働者家族の数が増えるでしょう。

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入管法改正案をネットで検索する中で、BLOGOS「議会の自殺行為を与党が繰り返していることを危惧している」という枝野代表の国会内記者会見を読みました(動画もあります)。

https://blogos.com/article/342040/

The Economistの記事(Macron’s lomg march)に、フランスのマクロン大統領が、毛沢東の長征にも似た、ヨーロッパ議会における自党派の結集を試みている記述があります。その記事の冒頭に、第1次世界大戦の銃声が止んだ1111日を記念した、マクロンの演説が引用されます。睨み付けるトランプ大統領や感情を表に出さないプーチン大統領など、世界の指導者たちを前に、「これ(われわれが記念式典に集まったこと)は諸国民間の平和が続くシンボルなのか?」 あるいは、「世界は新しい無秩序に向けて暗黒に落ち込む最後の瞬間にあるのか?」と問いかけた、と書きます。これこそ、マクロンがヨーロッパ議会選挙を意識したアピールでした。

ヨーロッパ政治の再編を目指し、トランプもプーチンも利用するマクロンの豪胆さとともに、私は枝野幸男(立憲民主党代表)の的確な発言、前向きな姿勢に、新鮮な感動を覚えました。日本の政治は貧困ではない、日本は変わる、と私は思います。

外国人観光客ではなく、移民家族の子どもたちが日本に活気をもたらし、アジア諸国にも日本型資本主義の平等な豊かさ、社会的公平性がもたらされる。

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