前半から続く)


 ノーベル経済学賞

VOX 12 October 2018

New ideas about new ideas: Paul Romer, Nobel laureate

Chad Jones

YaleGlobal, Thursday, October 18, 2018

The Costs of Climate Change

Kenneth Gillingham


 株価下落と金融危機

FT October 13, 2018

The long bull market enters its twilight period

FT October 15, 2018

Corporate elites are overlooking deglobalisation

Rana Foroohar

FT October 15, 2018

Fed communication glitch triggers market turbulence

Gavyn Davies

株価が下落したのは、トランプが非難したような、連銀の短期金利引き上げが問題ではない。長期金利が上昇したことを説明するのに、パウエル議長は失敗した。

PS Oct 15, 2018

Self-Fulfilling Financial Crises

J. BRADFORD DELONG

2008年の金融危機とその後の不況は北側の世界を、それがなかった場合に比べて、10%も貧しくした。この事件を理解するために、私は4冊の本を薦める。

Manias, Panics, and Crashes, by Charles P. Kindleberger; This Time Is Different, by Carmen M. Reinhart and Kenneth S. Rogoff; The Shifts and the Shocks, by Martin Wolf; and Hall of Mirrors, by Barry Eichengreen

そのリストに、5冊目が加わった。

A Crisis of Beliefs: Investor Psychology and Financial Fragility, by Nicola Gennaioli and Andrei Shleifer

3つの点で、この本は重要だ。1.住宅バブルの破裂と価格下落の影響は決定的ではなかった。重要なことは、一連の事件で、投資家たちの信念が変化したことだ。

影の銀行だけでなく、銀行システム全体で、投げ売りが起きた。救急医療でトリアージュが行われるように、リスクを再評価して切り捨てた。もし連銀が異なる対応をしていたら、事態の悪化は防げたかもしれない。すなわち、金融危機における最後の貸し手として、金融機関を一時的に国有化する方針を示すことだ。

2.金融危機を生じた信念の変化は、人間心理に由来している。危機後の政策改善は、次の危機を防ぐことができない。3.投資家に対するトリアージュ型の制度を提供するべきだ。

FT October 16, 2018

Politics puts the skids under bull market

Martin Wolf

米中衝突が関心に上がった。トランプ大統領は、伝統に反して、連銀の金融政策を批判した。すでに彼はWTOを攻撃してきたし、中国との終わりの見えない貿易戦争を始めている。

PS Oct 18, 2018

The High Cost of High Finance

HOWARD DAVIES


 リベラルで多角的な経済秩序

FT October 14, 2018

How saving the liberal world order became harder

Wolfgang Münchau

リベラルで多角的な経済秩序を擁護することはむつかしい。

われわれは根本的な選択に直面している。問題に対処するか、あるいは、非難合戦に走るか。

Donald Trump, Viktor Orban and Matteo Salviniのような政治家が権力を得たのは、グローバル資本主義のシステムが深刻な機能不全に陥ったからだ。世界金融危機と政策の紛糾は、システムがどれほど維持不可能かを示した。

ユーロ圏はリベラルなシステムが自己満足と不安定化に陥っている典型である。IMFがギリシャ債務は持続不可能だと判断しても、間違った成長予測を基に、EUは返済を強制した。EU諸国が融資の失敗と損失を認めたくないという理由で、問題解決を避け続けたのだ。

イタリアでポピュリストが政権を取ったショックは、通貨同盟の機能不全と持続できない移民システムの結果であった。私は、どうしてイタリアとドイツが同じ通貨システムにとどまれるのか、理解できない。両国が拒否する改革が待っている。ユーロ圏は政治同盟に進むのか? 単一の安全資産となるのか? 経済システム、司法システムを統合に向けて改革するのか?

1930年代と比べて、われわれのシステムには安定化する力がある。しかし、GDPや失業率だけ見て、その背後にある政治的な変容を見失うことは間違いだ。不平等、住宅不足、中産階級におよぶ不安定な雇用。政策は不満を強めている。不況における緊縮策、銀行家たちの莫大なボーナス。資産価格を増やす超金融緩和。法廷の独立性を侵す自由貿易協定。

リベラルな民主主義の衰退はもっと以前からある。金融取引に課税することを嫌って、法人税を引き上げることを嫌って、彼らはタックスヘイブンに逃避した。自動車産業も化学産業も、規制の緩い国へ工場を移転した。リベラルなシステムは、それを監視・強制する力を失った。

われわれの問題はポピュリストではない。問題はわれわれのチームにある。

FP OCTOBER 16, 2018

Mexico and Brazil’s Crude Politics

BY LISA VISCIDI

NYT Oct. 17, 2018

A Tale of Three Presidents

By Eva Golingerthe former president of Venezuela, Hugo Chávez


 トランプとドル

NYT Oct. 14, 2018

Is the Dollar Stronger Than Trump?

By Eswar Prasad

トランプ大統領によるアメリカの諸制度に対する攻撃は、長期に及んだ国際取引におけるドルの支配的地位を失わせるだろう。

FT October 16, 2018

Jimmy Carter’s lesson for Donald Trump: hands off the Fed

Stuart Eizenstat

全ての大統領が連銀の金利引き上げを嫌った。しかし、トランプ大統領は、ボルカー以来の安定した経済条件を享受している。連銀の独立性を尊重するべきだろう。

FT October 17, 2018

The weaponisation of the dollar risks rebounding on the US

Henny Sender


 ビットコインとブロックチェーン

PS Oct 15, 2018

The Big Blockchain Lie

NOURIEL ROUBINI

昨年後半のピークから、ビットコインの価値は70%下落した。すべてのバブルは破裂するものだ。

市場が流血に汚れても、信奉者は最後の砦に逃げ込む。ブロックチェーンだ。すべての暗号通貨をつなぐレッジャー(原簿)のソフトウェア。それは貧困や飢餓から、癌まで、すべての問題を解決する万能薬として絶賛された。史上、これほど大げさに吹聴された技術はない。

実際、ブロックチェーンは帳簿に過ぎない。しかし、それがリバタリアンのイデオロギーに決まり文句を与えた。すべての政府は邪悪である。中央銀行、金融機関、通貨は権力を集中し、邪悪であるから、解体せねばならない。ブロックチェーンが、こうした原理主義者たちに理想の世界を実現する。そこでは経済活動がアナーキストやリバタリアンの権力分散に従うだろう、と。

だがユートピアに向かうどころか、ブロックチェーンはなじみの経済的破滅に至る。わずか数人の白人男性が(ブロックチェーンの世界には女性やマイノリティーがほとんどいない)、貧しい、周辺の、銀行口座を持たない人々に、無から莫大な富を生み出す救世主としてふるまう。しかし彼らの姿を観ればわかるように、ブロックチェーンは権力分散や民主主義とは関係ない。それは強欲のシステムだ。

ブロックチェーンはわれわれを、法の支配もない、匿名のカルテルに服従させる。中央銀行への信認や制度化された金融仲介など、何もない。集中された取引の99%は、常時、ハッキング(不正アクセス・情報操作)されており、その暗号化された富を現金化しようとすれば、永久に消失してしまう。開発者が絶対的な権力を持ち、裁判官や法廷として行動する。何か不都合があれば、彼らはコードを変えるのだ。

暗号通貨の富は、北朝鮮よりも集中した、不平等な世界だ。明らかに、「権力分散化」という主張は、この似非産業の似非億万長者たちが広めた神話でしかない。暗号通貨市場に吸い込まれた小口の投資家たちが富を奪われて裸になった今でも、詐欺商人たちはフェイクの富に安住している。

ブロックチェーンを実験的に伝統的金融に取り込んだところはどこでも、それをゴミ箱に捨てるか、単なるエクセルの帳簿に、まったく誤解を生じる間違った名前を与えただけになっている。


 シアーズ

NYT Oct. 15, 2018

How Sears Was the Amazon of Its Day

By The Editorial Board

FT October 17, 2018

Sears: how a pioneering brand found itself left on the shelf

Andrew Edgecliffe-Johnson


 インターネット世界の分裂

NYT Oct. 15, 2018

There May Soon Be Three Internets. America’s Won’t Necessarily Be the Best.

By The Editorial Board

Googleの元CEOAlphabet議長であったAlphabetは、10年から15年で、インターネットの世界が2つに分裂するだろう、と述べた。中国の指導する世界とアメリカが指導する世界だ。EUGeneral Data Protection RegulationGDPR)で、ヨーロッパが規制を強化する傾向を示しているため、インターネットは2つではなく、3つに分裂するだろう。

かつて、自由な情報の流れが民主主義を促進する、と考えられた。事態はそれほど単純ではない。中国は国内のインターネットを厳しく管理している。ますます高度化する監視システムは、民主化運動やウイグル自治区の弾圧にも利用されている。また、ソーシャルメディアで人々に流れる情報の危険性は、ミャンマーにおいてマイノリティーへの暴力に示された。

情報スーパーハイウエーは、その多くが民間のインフラに頼っているため、容易に亀裂が生じる。2017年、Amazon Web Servicesがエラーを生じたように。また、いくつかのプラットフォームやサービスは、国際協調を欠く世界で、ますます重要な地位を得るだろう。かつて民主主義を広めると期待されたアメリカ企業も、その立場を示さなくなった。

2010年、Googleは中国市場から撤退した。そして、中国政府が反体制派のGmailに侵入して情報を集め、検索エンジンを監視のために使っている、と発表したのだ。しかし8年後、Googleは中国の検索エンジンDragonflyを共同で制作している。それは起業が中国政府による情報監視に協力することだ。エジプト、イラン、中国など、インターネットの検閲と監視は抑圧的政府の特徴だったが、今では、Snowdenの情報漏えい事件がアメリカも同罪であると示した。

アメリカ企業はインターネット世界のバルカン化に反対するために何もしていないし、自分たちの作業領域を拡大するためには何でもする。もしインターネット世界が3極間の冷戦になるなら、彼らはそのそれぞれで利益を上げようとするだろう。

ヨーロッパとの関係悪化、中国への増大する敵意がバルカン化を強めている。インターネットは新しい冷戦のもう1つの前線である。

FP OCTOBER 17, 2018

Net Neutrality’s End Will Let Power Eat the Internet

BY SEAN MARTIN MCDONALD


 アメリカの内戦

FT October 16, 2018

US midterms: a referendum on Donald Trump

Demetri Sevastopulo in Council Bluffs, Iowa

PS Oct 16, 2018

America’s Ongoing Civil War

JEFFREY D. SACHS

アメリカは今も内戦(南北戦争)を続けている。最初の戦闘は1860年代にさかのぼり、南軍the Confederacy(連合国)が敗北した。しかし今、南軍はトップ(大統領職)にある。アメリカ合衆国は今も、2つの文化による内戦を続けている。

アメリカは最初から、2つの異なる世界観の戦場であった。建国の信条は、「すべての者は平等に創られた」であった。しかし、建国期の現実は、白人男性が他のすべての者より優位にあった。白人男性は奴隷を所有し、女性の投票を認めず、アメリカ原住民から土地と生命を奪った。

1861-65年の内戦は、奴隷制を支持するアメリカ連合国が敗北した。連邦政府による占領の後、1877年に「再建」が終わると、南部は活発にシステミックな人種差別を約1世紀も実行した。主に北部の民主党が支持して成立した1964年の市民法、1965年の投票権法で、それは終わる。このときから南部の白人有権者は民主党を棄てた。そして共和党は、資金、パワー、ステイタスをアフリカ系アメリカ人や他のマイノリティーに渡す法律に反対する、という「南部戦略」を採用した。

共和党は南部の政党、民主党は北東部と太平洋西部の政党、中西部と西部の山地諸州が流動的な立場になった。五大湖沿岸の工業地帯は民主党に傾き、中西部と山地では、原住民や移民より白人入植者の優位を示す開拓者文化が残った。

南北戦争の前も後も、貧しい南部白人はその社会的に低い地位を受け入れた。なぜなら彼らは、さらに貧窮するアフリカ系アメリカ人より優位にある、ということを優先したからだ。こうした人種政治が階級政治の出現を妨げた。階級政治では、貧しい白人も貧しい黒人も、ともに、白人エリートたちへの課税によって公共サービスの拡充を要求しただろう。

ドナルド・トランプ大統領は、リベラルなニューヨーク出身の、地理的な変則であり、南部の人種差別主義者である。

民主党と共和党は、異なる文化と地域だけでなく、異なる経済を代表する。北東部と太平洋の諸州は、アメリカ経済をハイテク、技術革新、高等教育、高給与職と高い一人当たり所得で牽引している。南部はこれに大幅に遅れている。そして、その地位や人種的優位を守るだけでなく、機械化や外国貿易によって失われる産業で雇用を守ろうとしている。

南部の白人労働者階級は、共和党の人種政治を破棄する方が多くを得るだろう。結局、白人労働者から、質の高い公立学校や医療保険制度、環境の安全性を奪っているのは、貧しいアフリカ系アメリカ人やヒスパニック、その他のマイノリティーではない。それは白人の企業重役たちだ。

ヒスパニックを除く白人人口の比率が低下したことで、過去20年間、アメリカの文化的分断は深まった。2045年ごろ、彼らがマイノリティーになる。アメリカの内戦はさらに悪化するだろう。


 世界の農業労働者

VOX 16 October 2018

Sources of the WTO’s woes: Decision-making’s impossible trinity

Richard Baldwin

PS Oct 18, 2018

When Agricultural Workers Go Hungry

HILAL ELVER , MELISSA SHAPIRO

世界の農業労働者は、もっともその権利が守られていない。

毎日、11億人ほど、世界労働力の3分の1が農場へ行く。毎晩、彼らは帰宅するが、その人権はさまざまに侵害され、自分や家族を養うほどの賃金を持ち帰ることもできない。最低賃金の法律があっても、農業労働者に対しては、まったく無視されている。移民労働者も多く、その待遇は最低賃金から遠いのが現実だ。

危険な機械、長時間労働、有毒の農薬など、農業労働者の死亡例は非常に多い。工業部門の約2倍、毎年、17万人の農業労働者が死亡する。82100万人の人々が栄養不良である。

われわれは、その購買力を駆使して、こうした労働者に依拠する食料に支払うことを拒否しなければならない。われわれの食物がどこから来るのかを示す情報が必要だ。


 インドの#MeeToo

FP OCTOBER 16, 2018

India’s #MeToo Moment Came Late, but It Will Be Transformative

BY SONIA FALEIRO


 北欧の永世中立

PS Oct 17, 2018

The End of Scandinavian Non-Alignment

CARL BILDT

スウェーデン西部の港から、戦闘大隊がNATO諸国から集まり、スウェーデンの通りを満たして、警察は交通警報を発した。彼らはNATOの海軍と陸軍の兵士5万人であり、最大の軍事演習“Trident Juncture”に参加したのだ。NATO軍がノルウェイを外国の侵略から防衛する能力を示すためだ。

冷戦の間、フィンランドは何度もソ連からの圧力を受けた。ソ連は支配領域の拡大を求めたのだ。しかし、フィンランドは北欧の防衛力と西側のアイデンティティを確認した。

近年、北欧の安全保障環境は変化した。ロシアの攻勢とリビジョニズムに対して、NATOはバルト3国に軍を配置した。スウェーデンとフィンランドでも、NATOに正式に加盟するべきか、論争が起きている。スウェーデンは、地政学上の中立と、フィンランドとの連帯により、NATO加盟を常に否定してきた。

われわれは明確なメッセージを送る必要がある。機会主義的な攻撃には対抗する。適切な防衛力を準備することが、地域の平和と安定性を維持するのであって、長期的に、ロシアと建設的な関係を築くことにつながる。


 各国AI戦略

PS Oct 17, 2018

The Case Against National AI Strategies

MARK ESPOSITO , TERENCE TSE, JOSHUA ENTSMINGER


 北朝鮮

FP OCTOBER 17, 2018

Democrats Need More Than Hot Air on North Korea

BY S. NATHAN PARK


 イランと欧州企業制裁

FP OCTOBER 17, 2018

Trump Should Calm Tensions With Europe Over Iran Sanctions

BY PETER E. HARRELL


 日本

FT October 18, 2018

Japan’s superbly simple signs face death by committee

Leo Lewis

FT October 18, 2018

Japan — land of the rising investment prospects

David Stevenson

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The Economist October 6th 2018

The gig economy: Workers on tap

Trade: Marginal revolution

Banyan: The Kim two-step

Sexism in India: Nuns, pilgrims and starlets

The South China Sea: How water

Middle East security: NATO for Arabs?

The defence of Sweden: War clouds

The IMF new chief economist: A little less consensus

(コメント) 世界各地で安全保障の見直しが進んでいる、と実感しました。朝鮮半島における金正恩の賭け、南シナ海の諸大国による競演、中東におけるアラブのためのNATO、スウェーデンの防衛(限りなくNATO)。

インドの映画産業や教会における女性差別や性的暴行に関する社会・政治運動は後戻りできない水準を超えたかもしれません。そして、IMFのチーフ・エコノミストも初めての女性です。

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IPEの想像力 10/22/18

ゼミの学生たちと、斉藤孝『戦間期国際政治史』を読んでいます。とても面白い、簡潔、濃密な叙述です。第1次世界大戦後の国際政治は、ロシア革命の波及、ドイツの経済・軍事力復活を恐れるヨーロッパ旧支配層と、アジア太平洋の秩序を形作るアメリカ、日本の台頭が構造を決めました。

この本に、今も、共鳴する政治家や軍人は多いはずです。新しい「危機の20年」。アメリカは国際秩序を離脱し、中国は国際秩序を示せない。

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トランプ大統領は、ドイツがロシアから天然ガスを海底パイプラインで輸入することに反対した。ロシアの石油依存が強まり、人質に取られる、と。アメリカは、ヨーロッパの安全保障にも負担しており、トランプにはこれがなおさら不満です。

ポーランドなど、東欧諸国、ウクライナは、ロシアのエネルギーを止められたことに反発した。むしろアメリカから液化天然ガスLNGや石炭を輸入する(たとえ高価でも)。アメリカは輸出を増やす。

ヨーロッパは、ロシアのウクライナ侵攻に対して経済制裁を課した。その際、ドイツや東欧諸国はロシアとの取引を断ち、大きな損失を生じた。ロシアも制裁により経済が悪化した。

ロシアは、領土交渉を先送りして、日本との和平条約締結を求めた。「4島返還」という日本政府の主張を、プーチン大統領は譲歩するように見えない。

トランプ大統領は、朝鮮戦争を和平条約によって終わらせたい、と願っている。非核化を進めるより、開発を望む金正恩との相思相愛。暗殺、弾圧、強制収容所を残したまま、ノーベル平和賞を望む。

トランプ大統領は、中距離核戦力全廃条約(INF)を破棄する、とロシアに通知した。これは何か? 中間選挙前に、プーチンとの大掛かりな政治ショーを始めたのか?

エルドアンは、サウジアラビアをジャーナリスト殺害で公式に強く非難しました。それはサウジ政府によって実行された殺害だ。カショギは生きたまま切断され、遺体はサウジに既に運ばれた、と。

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中国の台頭は、香港、台湾、韓国、日本にとって、何を意味するのか? そしてアメリカが中国と対決する姿勢を強めても、それぞれの国内政治ゲームと平和を切り離す試みが各地で始まります。

スイス、あるいは、北欧諸国は中立の立場をどのように確立できたのでしょうか? 今また、冷戦後のロシアに対する安全保障、アメリカの離脱、EUの不安、戦争の変質、移民・難民、国際関係の長期的な調整において、中立国家が再編されます。

The Economistの記事には、朝鮮半島が連邦国家として東アジアの中立地帯になる、という構想(幻想)を描いています。金正恩は、どこまで考えて核武装し、危機を煽ったのか? 北朝鮮が、韓国、アメリカ、中国、ロシアとの会談を重ねていることが、すでに安全保障構想です。

トルコは、シリアの和平交渉でロシア、イランと組みました。サウジアラビアが弱体化すれば、ロシアのイスラム教徒も含めて、中東世界の秩序を再編できるかもしれません。あるいは、サウジアラビアが立憲君主制となり、イスラム教の原理主義に対する市民革命、国民の意思を反映する議会によって、経済改革を指導する体制に移行するのでしょうか?

大国間秩序の時代には、新旧の暴君たちが戦争のルールと地域の安全保障を組み替える。誰にもそれは止められない。その先に、次の国際秩序が決まるのです。その国が優位を得るのは、再編過程で、攻勢や課題に対抗する能力を蓄積するからでしょう。

グローバルな富裕化、気候変動によって、食糧と水が不足します。AIとロボットによる戦争、化学兵器や細菌兵器の使用。SNSとフェイクの動画ニュース、「民族」間の対立を煽り、人種的偏見・憎悪、社会的差別や優越意識、さまざまな「科学的」言説で組織的な弾圧や殺戮を正当化する。

・・・新しい社会経済モデル、政治秩序の組み合わせを模索する「戦間期」の精神です。

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