前半から続く)


 一帯一路

FT September 17, 2018

Can macro policy easing still rescue China?

Gavyn Davies

FT September 19, 2018

China is at risk of becoming a colonialist power

Jamil Anderlini

「一帯一路」BRIは、発展途上国が熱望しているインフラを建設する、ウィン・ウィンプロジェクトとして説明されている。しかし、中国が十分に注意しておかねば、その結果は好ましいものにならない。

マレーシアの首相に復活したマハティールは、BRIを新しい植民地主義と呼んだ。スリランカは、戦略的な港湾の所有を99%も、債務の累積解消のため、中国に奪われた。パキスタンでもそうだ。かつての東インド会社が支配した国で、BRIの最大の投資が行われている。

FP SEPTEMBER 19, 2018

China Has Chosen Cultural Genocide in Xinjiang—For Now

BY KATE CRONIN-FURMAN


 Brexitの混乱

FT September 16, 2018

With a Brexit deal in sight, Britain is entering a no man’s land

Nick Clegg

FT September 18, 2018

The greatest threat to Brexit is now the Brexiters themselves

Robert Shrimsley

この国のEU残留派は、Boris Johnson, Jacob Rees-Mogg、その他の保守党内強硬派に、メイ首相とEUの取引を葬る巧妙な試みに対して心からの感謝を示すときである。これらの熱狂的な離脱の擁護者たちは、今や、彼らが情熱的に追求してきたBrexitに対する最大の脅威となっている。

皮肉なことは、Mr Gove, Mr Hannan and, indeed, Mr Johnsonが理解しているように、保守党は来年になればメイを失脚させることだ。EUとの将来の関係を決めるのは新しい首相である。しかし、取引が何であれ、最大の難問はUK議会で承認を受けることだ。

議会内の勢力は非常に拮抗しており、予測ができない。

議会において合意なしの離脱に反対する者が多数であれば、4つの現実的な選択肢がある。1.メイは同じ計画を再提出する。あるいは、新しい貿易協定ができるまではEEAにとどまる、という修正案。2.議会を解散して選挙する。3.議会が、通商法案を利用して、UKを関税同盟か単一市場にとどめる。合意なしが近づく場合、彼らが勝利する。42度目の国民投票に向けて団結する。

最初の選択肢のほかは、離脱派にとって大きなリスクを伴う。メイの取引を呑む方がましだろう。2度目の国民投票を支持する勢力は多数を占めていない。コービンはまだそれを嫌っている。しかし、ジョンソンが合意なしのカオスを目指せば、議会の多数が「人民の投票」を狙うかもしれない。もちろん、残留派が勝つとは限らない。

FT September 17, 2018

Deal or no deal? Theresa May’s moment of truth on Brexit

Alex Barker in Brussels and George Parker in London

SPIEGEL ONLINE 09/18/2018

Countdown to Brexit

No Deal Might Be the Worst Deal of All

By Peter Müller and Jörg Schindler in London

FT September 19, 2018

Brexit: the importance of the Salzburg summit

David Allen Green

水曜日と木曜日に開かれたザルツブルク・サミットはBrexitにとって重要だったのか、将来の歴史家は不思議な気がするだろう。

欧州理事会議長のトゥスクDonald Tuskが加盟諸国を招いたのだが、UKEU離脱は、その議題の4番目であった。

Brexitについて、EUはサミットで3点を議論した。将来の関係について政治宣言する。最後の詰め。アイルランドとの国境に関する支援策。結局、Brexitは実現するし、それは既定方針であった。唯一、トゥスクの発言が、サミットですべての参加者にダメージとなることを抑え、破局を避ける責任ある行動を取った、と示すだけであった。

離脱の取引が成功する6つの理由を、私は7月に指摘した。1.双方が合意を望んでいる。2.両社の関心を取り入れる。3.双方の(内部と外部)交渉は続いている。4.合意文の80%はできた。5.十分な時間がある。6.アイルランド国境に関する支援策は、UKEUの将来の関係が決まるまでの論争だ。

時間は少なくなったし、アイルランド国境の問題は残っているが、双方は協力していることが明らかだった。

政治的なノイズの大部分は、離脱の条件に関するものではない。アイルランド国境に関する提案が離脱派を激怒させたのは、将来の関係が、移行期間の後に決まることだった。EU/UKの共同宣言は、今年中に行われるが、それは離脱合意ではない。

EUはその主張を取り入れた形で、予定通り、UKの離脱を進めている。しかしUK政治がそれを阻んでいる。UK政府はあるが、政府は権力を持たない。議会がわずかに変化すれば、その条件が何であれ、離脱合意は成立しないだろう。合意なしのBrexitは起こりうる。それほど国内政治は浮動性が高い。

議会の外では2度目の国民投票や離脱延期を求める声がある。そうした要求は弱いが、強まる可能性があるし、無視できない。しかし、法律を通過させる時間はないだろう。Brexitを止めるとしたら、議会がそれを承認することだが、そのチャンスはないだろう。

誰もが原則として離脱を求めるけれど、だれも望まないような形のBrexitが実現する。最終的な合意がイギリスに有利な内容になる見込みはないし、離脱するしかないが、それを決めるのはEUだ。

The Guardian, Thu 20 Sep 2018

The Guardian view on Mrs May’s Chequers plan: dead in Salzburg

Editorial

FT September 20, 2018

May shows her ace card: the naming rights for Brexit

Henry Mance


 エコノミストたちの迷い

NYT Sept. 16, 2018

What Do We Actually Know About the Economy? (Wonkish)

By Paul Krugman

今、顕著な危機によって、エコノミストたちの間には迷いが広がり、外部から多くの批判が起きている。しかし、それはどちらも根拠がないと思う。

エコノミストたちの間では、一般に、マクロ経済学は破たんした、ミクロ経済学に集中するべきだ、ミクロ経済学こそ本物であり、厳密なものだから、という批判に集約される。これは間違いだ。むしろこの10年間の経験は、マクロ経済学の教科書が正しかったことを示した。ミクロ経済学が「本物の」経済学であるというのは行き過ぎであり、マクロ経済学の間違いを促したことに責任がある。

多くの外部の批判や一部は内部からの声も、危機が経済理論の一般的な破たんを示した、と主張する。われわれはもっと実際の世界を知る人々から助言を受けるべきだ。モデルではなく、経験的な結果だけに集中するべきだ、とも言う。しかし実際は、ビジネスの指導者たちの助言は、この10年、無駄であるよりも、さらに悪いものだった。経験的証拠は重要だが、データだけでは何も言えない。それは最近の金融的事象が示している。


 難民・移民

NYT Sept. 16, 2018

The Refugee Crisis Is a Test of Our Collective Conscience

By Ban Ki-Moon

FT September 19, 2018

A dose of common sense on UK immigration


 暴力と民主主義

NYT Sept. 16, 2018

A World of Tyrants and Graves

By Ilham Ahmed

歴史を通じて、暴力は全体主義体制の主要な手段であった。独裁権力が自由を求める正当な要求に直面して無差別な暴力の及ぶとき、人々は決断しなければならない。知らない土地へ逃れるか、とどまって自由のために闘うか。

シリアで暮らすわれわれは、毎日、この問いに直面する。

われわれ、シリア民主会議は、マルチエスニックの連合体であり、シリア民主軍の政治機構として結成された。われわれは多年にわたり、アサド体制に抵抗してきた。平和的な抗議として始まったが、自分たちを守るための暴力を採用するしかなくなったし、それが唯一のリベラルな民主主義をシリアに確立する効果的手段であった。

シリアの支配体制は、数十年前に、反対派を暴力で弾圧することで成立した世俗の国家であった。王朝的な独裁国家であり、今、共和国であると主張するのは全くの偽称である。シリアの真の支配者は政治家たちではない。治安部隊が議会、司法、裁判を動かしている。最も悪名高い空軍諜報機関が、Hafez al-Assadの支配とともに、その影響力を強めた。アサドはそれを基盤として、防衛大臣となり、1970年に大統領となった。彼は息子Bashar al-Assadに権力を与えた。

アサド体制は抗議運動に対して野蛮な弾圧で応じた。学校で反政府の落書きをして逮捕された子供たちは、投獄され、殴打された。人々は家族や住民を守るために武器を取った。体制は若者たちの抗議を、過激派のイデオロギーに影響された者への、過激派掃討作戦として説明した。

われわれも武器を取るが、それは自衛のためであり、われわれの社会はカオスではない。武装した人々は説明責任を負い、武器の使用は最後の手段でなければならない。また、他の闘争手段も利用している。シリア民主軍は、内外の抵抗を支持し、各地で選挙を行う。

シリア民主会議は教育システムも支援している。Jazira地区で8万人、Afrin地区で5万人の生徒がいる。われわれは多言語Kurdish, Aramaic and Arabicを教え、大学を運営する。新しいシリアを建設するには、暴力的抵抗と平和的広義との適切なバランスを取ることだ。戦争は新しい民主主義を可能にするが、民主的社会はインフラと教育なしには、平和な時代を生き延びることができない。

シリアで、あるいは他のどこかの国で、支配者が、リベラルな民主主義の与える権力を超えて、より強い支配権を求めれば、暴力が広まるだろう。少数者のために、多数の人々が殺害されているとき、民主主義を言葉だけで守ることはできない。そう思わないなら、独裁者と墓場ばかりの世界に住むことだろう。


 国連改革

FT September 17, 2018

Transform UN entities from hierarchies into hubs

Anne-Marie Slaughter

国連総会が、今週、開催される。演説、食事会、レセプション、その他が大きな渦を形成する。しかし、その姿は国際政治の亀裂と無力さを示す。

シリアのイドリブ県では数万人が殺戮されるかもしれない。サウジ、UAE、イランはイエメンの内戦を激化させている。ロシアはウクライナに偽装して侵攻し、アフリカ中央部の内戦は30年に及ぶ。北朝鮮は、国連の制裁にもかかわらず、9番目の核兵器保有国になった。

国連はマヒし、低迷している。しかし、国連改革の意思は高まらない。安全保障理事会は新しい国を受け入れない。新興国の発言を抑えている。1945年にできた戦後秩序をどうするべきか? トランプ、プーチン、オルバンなど、よく似た考えの指導者たちは、そんなものは破棄せよ、というだろう。何の制約もない国家主権だけの世界へ戻る。

しかし、解決策はある。国家ではなく、もっと人々に焦点を向けることだ。国連加盟国は、すべての男女に平等な人権を実現すると約束した。より大きな自由の中で、社会進歩と生活水準の改善を促進する、と。

国家は相互間の戦争を抑え、新しい脅威を規制するルールを定めて、実行するべきだ。他方で、われわれは長期の全人類の安全と繁栄に投資する。

それは「持続可能な発展目標」を実現することだ。そのために国連は、政府やグローバル・アクター間で、ネットワーク、連携、同盟を促す。大企業、市民組織、労働組合、財団、大学、信仰集団、市民活動家集団や、強い動機を持つ諸個人が参加する。

国連は、その概念や組織を転換することで、これを助けることができる。国連をパワー・センターとして考えず、グローバル・アクターの膨大なウェブをつなぐ、正当性と中心性を持つ多くのパーツが集まった機関、と考える。彼らは共通の目標、進歩に向けて行動する。

国連事務総長António Guterresは、High-Level Panel on Digital Cooperationを立ち上げた。まさにグローバル・コアクターのミュニティーを形成する新しい方法を見つけようとしている。パネルの議長は、旧政府関係者ではなく、Melinda Gatesthe Bill & Melinda Gates Foundation)とJack MaAlibaba創設者)である。

もっとグローバルで、デジタルな国連を考えよう。


 ベーシックインカム

PS Sep 17, 2018

Universal Basic Income or Universal Living Wage?

LAURA TYSON, LENNY MENDONCA


 政治家の嘘と不倫

FP SEPTEMBER 17, 2018

Does It Matter That Trump Is a Liar?

BY STEPHEN M. WALT

ワシントンポストによれば、アメリカのトランプ大統領は、就任以来、4000以上の虚偽、誤解を招く主張を行い、それは1日当たり約7.6個だ。トランプで注目されることは、その嘘が平凡な、説得力の無い、聞くに堪えないものだ、という点だ。それは全く愚かで、すぐに嘘であると分かるようなものだ。

しかし、トランプが、まるで息をするように簡単に嘘をつくことは、重要なのか? 特に、それは外交を妨げるか? ミアシャイマーの本『リーダーはなぜ嘘をつくのか』は、醜い、競争して、共食いする犬のような、利己的な諸国家の間で、驚くほど政府は互いに嘘をつかない、と主張する。

なぜなら、高度な競争状態にある国際政治では、まともな指導者は相手の声明や保証を、額面通りに、受け取ったりしないからだ。外交において「信頼」は乏しく、相手の話は必ずチェックするだろう。もし発言のすべてがチェックされると分かっていたら、嘘をつく動機は失われる。

これに対して、ミアシャイマーは、民主的な指導者も、権威主義的指導者も、自国民に対して平気で嘘をつく、ということを発見する。民衆が指導者を信頼し、指導者の発言を、国家の諸機関が補強し、メディアを手なづけ、多くの市民たちが高位の役職者たちに恐怖や尊敬を感じていることで、指導者は嘘を助長される。

たとえ完全な民主主義で、自由な報道や競争的な政治党派がいる状態でも、指導者は嘘をつく。なぜなら人々は、政府に比べて、十分な情報に対するアクセスを持たないからだ。この非対称性は、特に、外交と安全保障に関して顕著である。普通の市民にとって、タリバンの最新の状況、NAFTAの作業部会での話し合い、ウクライナの情勢には、ほぼ何のアクセスもない。だれも否定できないことで、大統領は容易に嘘をつける。

PS Sep 18, 2018

The Immorality of Boris Johnson and Donald Trump

CHRIS PATTEN

アメリカ大統領ドナルド・トランプはその国の権力の最高位に就いている。イギリスの元外務大臣ボリス・ジョンソンは、さらに上位の職、首相を狙っている。2人に共通するのは、性的な衝動を抑えられないことだ。

トランプが婚姻関係の外で、ポルノ女優を含めて、どのような性的交渉を経て来たか、誰もが知っていることだ。また、ジョンソンに関しても、浮気を理由に妻に自宅から何度も放り出されたことは有名だ。これは彼らの政治的野心を妨げることか?

私の考えでは、政治指導者をその性生活で判断するのは正しくない。

もちろん、セクシャル・ハラスメントや性的暴行は別である。トランプはそれを責められているが、ジョンソンは違う。結婚相手に誠実なことが、政治家としての技量を示すわけではない。

にもかかわらず、トランプとジョンソンの指導力には多くの問題がある。ジョンソンはすでにメイ首相のBrexit交渉に反対して辞任した。外務大臣としては、失策に次ぐ失策で、交渉を混乱させてきた。イギリスの友好諸国も頭を抱えた。辞任後も、イスラム教徒を嫌悪し、ムスリム女性のニカブを「銀行強盗」だ、「郵便ポスト」みたいだ、と公言した。

ジョンソンは、メイ首相の交渉姿勢を、「イギリスの基本法に自爆ベルトを撒いて」飛びこむに等しい、と非難した。それは、控えめに言っても、悪趣味であり、昨年、マンチェスターで、子供を含む22人が自爆テロによって殺害されたことを、まるで考えていない。

トランプとジョンソンの失敗が深刻なことを理解するため、3人の指導者を考えてみる。コフィ・アナン、ピーター・キャリントン、ジョン・マッケインである。

私はアナンやキャリントンとともに働いたし、マッケインの言動も有名だ。彼らの姿勢は、他者のために尽くし、名誉を重んじ、真実に従うものだった。その2つの性格、名誉を重んじ、真実に従う、は本来的に結びついており、トランプとジョンソンに見出すことはできない。

トランプは短期の利益しか見ない。ときには、彼が真実というものを知らないように見える。しかし、トランプとジョンソンの欺瞞は、さらに深い。そのナショナリストの選挙公約やBrexitを、そもそも実現する気がなく、実現しない、逆になっていても気にしないことだ。ジョンソンの離脱キャンペーンは、でたらめと、奇妙な経済学、はなはだしい希望的観測に依拠していた。

健全な民主主義は、アイデアや意見の正直な交換、事実や真実をともに尊重する姿勢に依存している。トランプとジョンソンが性的衝動に負けて妻に不誠実になることではなく、国民に絶え間なく嘘をつくことが、指導者にふさわしくない。

FP SEPTEMBER 19, 2018

Time for Peace Talks With ISIS and Al Qaeda?

BY MARTHA CRENSHAW


 シリア戦争

FP SEPTEMBER 18, 2018

How Putin’s Syrian War Is Humbling Trump

BY MICHAEL HIRSH


 中東和平

NYT Sept. 18, 2018

The Broken Pieces of Middle East Peace

By Thomas L. Friedman

今週は、キャンプデービッド合意から40周年である。それは中東和平の最高点であった。われわれはどれほど落下したのか。

イスラエルとパレスチナは、打開する地点を見出さないまま、少しずつ破棄に向かって進んできた。パレスチナのガバナンスは、何であれ、崩壊するだろうし、イスラエルはヨルダン川西岸の250万人に医療・教育・福祉の責任を持たないだろう。イスラエルは、2つのナショナリズムとアパルトヘイトの民主国家になるのか?

パレスチナ自治政府は新しい戦略を必要としている。今すぐに。現状維持ではなく、交渉のテーブルに着くことだ。

その要点は、トランプの和平構想とアメリカと同盟関係にあるアラブ4か国、エジプト、ヨルダン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦UAE、とを結ぶことだ。アラブ諸国は2つの原則を認めるように求めるだろう。1.西岸にパレスチナ国家を認める。2.アラブ人が住む東エルサレムにおいて、パレスチナの何らかの主権を認める。

これによってアラブの指導者たちは民衆がトランプ=クシュナー・プランを支持するように説得できる。パレスチナ自治政府は、もしそれらが含まれていない和平案なら、最初から無意味である、とトランプに言えるだろう。ネタニヤフが2つについてゼロを主張しているのは、交渉のテーブルが成立していないからだ。交渉が始まれば、再右派を切るだろう。

FT September 19, 2018

Israel and the Arab states make eyes at each other

Roula Khalaf

FT September 20, 2018

A quarter of a century after Oslo, Trump torches two-state vision

NYT Sept. 20, 2018

How Israel Undermined Washington and Stalled the Dream of Palestinian Statehood

By Seth Anziska


 エルドアン

FT September 19, 2018

Recep Tayyip Erdogan’s financial and strategic dilemmas

David Gardner


 モディ

FP SEPTEMBER 20, 2018

Narendra Modi Is No Populist

BY SRINIVAS THIRUVADANTHAI

モディが経済改革をあきらめてポピュリストになったと観るのは間違いだ。インドの経済改革は、自由化や民営化、財政再建、福祉支出削減ではない。モディの改革は進んでいるし、社会福祉の整備は重要だ。

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The Economist September 1st 2018

Peak Valley

NAFTA: Going south

Cryptocurrencies: Show me the money

Liberal thinkers: Berlin, Rawls and Nozick: Rawls rules

(コメント) シリコン・バレーが、その成功によって、衰退する条件を生み出した。特に、不動産価格の高騰。NAFTA見直しの評価。トランプの強引な取引手法。

暗号通貨、特に、ビットコインの凋落について。そして、リベラルの限界をめぐる思想家たち。

The Economist September 8st 2018

Has finance been fixed?

Geopolitics: Trouble in the east

The war in Syria: Idlib is falling

The financial crisis: Unresolved

Japan and the United States: Watching him nervously

Banyan: Can’t pay

Tariffs: Who pays?

Russia and China: Game on

(コメント) 金融危機は終わらない。問題は、その頻度と大きさだ。良いニュースもあるが、悪いニュースもたっぷりある。長期的な問題が解決されていない。すなわち、住宅バブル、オフショア金融、ユーロの脆弱性。

興味深い記事は、知性が季的な考察でした。ロシアと中国の大規模な合同軍事演習について。世界を軍事的な3極・米中露で均衡させる、というキッシンジャーのイメージをプーチンは好みます。他方で、安倍首相と官僚たちは日米外交の変化を恐れています。トランプとの良好な関係は、安倍がトランプから赤字削減要求を受けないことを意味しない。また、トランプは北朝鮮の非核化に成果を挙げられると信じており、米軍の撤退も可能性がある。アジアの地政学が、日本を抜きに、大きく変わっていく。

一帯一路は債務諸国からの反発を受け始めています。特に、マレーシアやインドネシア、パキスタンは、中国に、インフラ建設計画の取り消し、返済条件の見直し、を求めるでしょう。

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IPEの想像力 9/24/18

安倍首相の政治スタイルはいろいろな視点で議論されているでしょう。私が思うに、中でも目立つのは「美辞麗句」を繰り返すことです。

現実にはなんと醜い政治が展開されてきたことか。森友学園への国有地売却問題、加計学園の獣医学部新設・特区審査問題、それらをめぐる多くの官僚や秘書、政治家による、「事実」や「真実」を否定する発言と、国会の迷走は国民への裏切りでした。北朝鮮の核ミサイル・拉致家族、沖縄の米軍基地移転、北方領土はどうなったのか? 「機密保護法」、「働き方改革」という中身を見せないネーミング、女性の輝く社会、子育て・介護の論争、高齢化と労働力不足に対応した移民問題、・・・

S. Walt が紹介した『政治家は嘘をつく』 やCHRIS PATTENのコラムからトランプとジョンソンの「嘘」や「暴言」を考えるとき、安倍首相は何と話すのがうまいことか、と思いました。彼は視聴者や聴衆に「美辞麗句」を与え続けます。支持者が聞きたい言葉、望ましいとされる姿勢を、あたかも自分が取っているかのように(これからますます努力するかのように)、繰り返すのです。それは、質問・批判者にとっては何の答えになりません。

現実を無視して、優等生的な答え、美化された意図だけを繰り返しました。

アベノミクスもそうでした。しかし、今やロシアやアメリカとの関係、朝鮮半島の変化について、安倍氏の説明が大きく食い違っていることは明らかです。それでも首相や閣僚は、うまく行った、良好だ、信頼関係を築いた、と成果を主張し続けています。

そんなことはないでしょう。いくらトランプやプーチンに気に入られたように見えても、外交関係はそのようなことで評価すべきではありません。20回以上もプーチンと会ったことが、自慢すべきことでしょうか? トランプとの友情を示すことで、日本は外交的な成果を上げたのでしょうか? あまりにも目先の、表面的な、プラスやマイナスを追うばかりで、日本がどのような安全保障や地域・国際秩序を目指すのか、積極的に議論する姿勢が見えません。

それは深刻な「空白」「停滞」であり、隠された意図による外交、「虚偽」の成果報告であると思います。それに対応するのが、彼の「美辞麗句」です。

政治家は、外交においてではなく、むしろ国民に対して頻繁に嘘をつきます。それには理由がある、といいます。強い指導者は、国家機構や官僚制によって、自分の主張を補強することができます。自分の「考え」によって現実を作り変えるのです。それが「嘘」であっても、こうした補強手段や権力装置を持っていることが、指導者をますます大胆に、自分の決断で成果をもたらした、と主張させます。

同時に、外交や防衛の領域は、情報が閉ざされているため、交渉過程も見えません。それが失策なのか、極端な譲歩を強いられたのか、だれもチェックできません。担当者は自分から認めないのです。

さらに安倍氏は、側近や官僚からのブリーフィングを的確に理解し、成果を強調すべきプラス面をつかむのが上手です。それを(おそらく、ブリーフィングの)要点として見事に、簡潔に、言い切ります。記者会見で、しばしば周りの官僚や内閣府のメンバーが、何度もうなずくのを観ます。

国会でも、記者会見でも、この調子を失うと、均衡を欠く態度や失言が見られます。「美辞麗句」はこうして生まれ、安倍政権の時代を高い支持率と日本政治の暗黒期にするのです。

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「レイプ告発の伊藤詩織さんは今 バッシング止まず渡英」 聞き手・小若理恵、机美鈴、杢田光

朝日新聞Digital2018918

この記事を読んで、応援のつもりで本も買いました。Mee Too運動が日本でも起きるのか、どうかな、という気持ちで英米の記事を読んでいました。日本でも、財務省の取材でセクハラが問われたとき、麻生大臣の対応や発言は極めて不適切だったと思います。しかし、不祥事に関わった官僚の「トカゲのシッポ切り」で終わったように思います。

伊藤詩織さんが強姦されたと訴えている人物も、その逮捕を直前になって止めた警視庁のトップも、彼が相談していた内閣情報室の元トップも、安倍首相につながります。

強姦、嘘、美辞麗句。それらを助長する制度や社会規範、法律、さまざまな障壁がある、と思いました。

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