(前半から続く)
● Brexit
FT August
27, 2018
The fatal
attraction of a no-deal Brexit
Gideon Rachman
The
Guardian, Thu 30 Aug 2018
Hooligan
Brexiters now offer a mad, dystopian future nobody voted for
Simon Jenkins
The
Guardian, Thu 30 Aug 2018
Tories
courted the Ukippers: now they’ll be consumed by them
Owen Jones
FT
September 1, 2018
How
Thatcher’s Bruges speech put Britain on the road to Brexit
David Willetts
1988年9月8日、欧州委員会の議長であったジャック・ドロールは、イギリスの労働組合大会で語った。イギリスの労働運動は、「ユニークなヨーロッパ社会モデル」を受け入れるべきだ。そして、「社会的権利を保障するプラットフォーム」として欧州委員会を支持するべきだ、と。
その12日後、マーガレット・サッチャーはブルージュ演説で返答した。「イギリスの運命はヨーロッパの中にある」と彼女は認めながらも、当時のECが何に向かうのか、ドロールが示した方向に疑問を表した。ローマ条約は「経済的自由に向けた憲章」であったが、ヨーロッパの最近の優先目標、すなわち、単一市場を超えて、「社会的ヨーロッパ」や単一通貨の建設は、集団主義やコーポラティズムを導入する試みであり、「ヨーロッパの複合体に権力を集中する」ものである、と。
● アメリカの次の不況
PS Aug 27,
2018
The Depth
of the Next US Recession
JEFFREY FRANKEL
アメリカの次の不況は厳しいものになるだろう。
アメリカの成長率は4.1%に達している。世界的な企業の高い債務依存やアメリカの株式市場を考慮すれば、株価の下落が不況をもたらすかもしれない。そのようなショックは、インフレを再燃させるか、貿易戦争を激化する形で、トランプ大統領が自ら生み出すかもしれない。あるいは、トルコの通貨危機のように、海外から起きるかもしれない。
その引き金が何であれ、アメリカの不況が厳しくなる理由は単純だ。アメリカ政府の財政政策、マクロ・プルーデンシャル、さらに、金融政策までが、景気変動と同じ方向で、それを強める性格に変わったからだ。
PS Aug 28,
2018
The Myth
of Secular Stagnation
JOSEPH E. STIGLITZ
2008年の金融危機の後、アメリカは「長期停滞」に入る、というエコノミストたちが現れた。それは大不況の後に初めて主張された。景気回復は第2次世界大戦が起きるまで実現せず、戦争が終われば、経済は再び停滞する、と恐れたのだ。
こうした不吉な予測は間違いだった。
2008年の景気回復に責任ある者たちは(危機前に規制を甘くした責任者たちであったが)、急速かつ堅固な回復が生じなくても、自分たちは責められない点で、長期停滞論を好んだ。
オバマ政権は、もっと大規模な、長期の、より良い構造の、弾力的な景気刺激策を取らなかった、という決定的な失策を犯した。より大きな銀行の救済策ではなく、金融システムの根本的な改革が必要だった。より多くの政府支出だけでなく、より積極的な所得再分配が必要だった。
しかし政治家たちは、貧しい人々が住宅を失うことも十分に防がなかった。この政治的な失敗の結果は十分に予測されたことだ。彼らはデマゴーグたちに関心を向けたのだ。
成長は回復するのか? その主要な条件は、技術革新であり、研究開発への投資である。そこには多くの不確実さがある。しかし、この挑戦は政治的なものだ。
経済を完全雇用状態で維持し、その成果を人々が共有することを妨げる理由は、本来、存在しないのだ。
PS Aug 28,
2018
What Next
for the US Stock Market?
MARTIN FELDSTEIN
● 国連
PS Aug 27,
2018
Standing
Up for the UN
DOMINIQUE MOISI
● 大幅な経常赤字・黒字
PS Aug 27,
2018
The
Current Account Counts
STEPHEN S. ROACH
ますます相互に緊密な結びつきを深める世界で、国境を超える貿易や投資はかつてないほど重要になっている。経常収支は、国内の貯蓄と投資との差を示しており、こうした結びつきを理解する鍵である。経常収支のギャップはグローバルな不均衡を示し、金融危機の予兆となる。
大幅な経常赤字に苦しむ国は、国内の貯蓄不足であることが多い。経常収支の赤字国と黒字国の、どちらに不均衡の責任を問うべきか、論争が起きる。赤字国は国内貯蓄を無視して成長を外国から融資しており、黒字国は自国の生産物を外国市場で売ることで成長するという選択をしている。相互の非難合戦は、長期において、国際経済政策や貿易摩擦の中心にあり、特に今日、その不満を強めている。
アメリカは世界最大の経常赤字を出している。2000-2017年に、アメリカが出した経常赤字の合計は、9兆1000億ドルに達する。これは、ドイツ、中国、日本の3大貿易黒字国の累計額8兆9000億ドルより大きい。
アメリカは世界のために巨額の慢性的な経常赤字を出して会っている、と考える。しかし、私も含めて、アメリカの長期的な過剰消費性向に批判的な者もいる。黒字国はそれに付随しているだけだ。いずれの意見にも中身があり、アメリカの役割が不安定化することこそ重視されるべきだと思う。
アメリカの消費優先・貯蓄後回しの考え方が、その政治経済に深く埋め込まれている。アメリカの税制、資産バブルのもたらした富効果、がそうだ。黒字諸国はそれに便乗して喜んでいる。輸出を過剰に行うことで成長する国は、特にそうだ。
それが中国であり、アメリカのパターンと対照的だ。しかし、多くの点で、黒字国と赤字国とは共棲関係の下で繁栄していた。しかし、2008年に世界金融危機が起き、音楽が止まった。双方の非難は強まり、貿易戦争に向かっている。トランプ大統領の敵対的な姿勢は特に重要だ。
しかし、トランプ政権は、アメリカの慢性的な貯蓄不足に、巨額の連邦予算赤字を追加する。その中国に対する非難は的外れだ。中国よりもドイツの経常黒字の方が大きく、しかも、中国の黒字額は減少してきた。中国が次第に消費による成長にバランスを変えていくなら、貯蓄過剰から貯蓄不足を吸収する国になるだろう。それでもアメリカの赤字傾向は残されるだろう。中國ではなく、その他の世界はアメリカの赤字を埋めるだろうが、トランプ政権はますますグローバリゼーションから離脱しつつある。
歴史が示すように、経常収支不均衡を解決するには、グローバルな均衡を実現する大きな取引が必要だ。不均衡な世界は、この数年に、苦しい教訓を学ぶだろう。
● エルドアン
PS Aug 27,
2018
A Tragedy
for Turkey and the US
ANNE O. KRUEGER
エルドアンが西側を攻撃して、IMFや他国からの金融支援に頼らないのであれば、トルコ国民の苦しみは倍増する。そして、アメリカは重要な同盟国を失うだろう。
FP AUGUST
29, 2018
The Myth
of Erdogan’s Power
BY HALIL KARAVELI
NYT Aug.
30, 2018
Trump,
Erdogan and the New Global Order
By Nick Danforth
● シリコンバレー
FT AUGUST
28, 2018
Silicon
Valley’s dystopian vision
John Thornhill
● 北欧の混合経済
FT AUGUST
28, 2018
What the
Nordic mixed economy can teach today’s new left
Martin Sandbu
予想されたことだが、驚くべきことに、英米で「社会主義」が政治的に復活している。アメリカ人の若者の間では、「社会主義」が「資本主義」よりも好まれている。
しかし、「社会主義」とは何か? それは北欧型の社会民主主義のことだろうか? 国民皆保険制度や労働条件を改善する政策を実行する。あるいは、「社会主義」を唱えるとは労働者を解放することか? その場合、社会主義と資本主義とは敵対し、相容れないシステムとなる。
北欧諸国は「混合経済」とも呼ばれる。それは社会主義の要素と資本主義の要素とを組み合わせたものだ。生産手段の私的所有と国有、公的な規制と市場競争、再分配的な税制と労使協議による賃金の決定。
北欧モデルの特徴は3つある。第1に、グローバリゼーションを受け入れる。北欧の混合経済は、国際貿易に深く結びついた諸国で登場した。貿易は繁栄をもたらすが、グローバルな変動は厳しく、予測できないから、北欧型の福祉国家が保険として強く支持されたのだ。
第2に、北欧の経済的平等主義は、市場による賃金決定を高度に圧縮する。これに比べて、資産や資本取得の分配、政策による所得の平等化は普通のことである。北欧が成功したのは、大幅な再分配政策によるのではなく、国家が再分配に過度に関わらなくてもよいような経済を設計したからだ。
第3の教訓は、北欧では、直接の国家介入ではなく、社会組織間で適切に均衡のとれた相互作用が、特に、労働市場で実現していることだ。労働組合だけでなく、経営者の組織化も進んでいる。双方で組織化が進むことは、個々の負担が業界全体の利益になることを認識できる点で優れている。
北欧諸国で賃金格差が抑制されていることは、生産性を高めるためにも有効である。高度な労働力が比較的安価であるなら、企業は投資を加速して新技術を採用する。組織された雇用主側は(新技術の採用と変動について)労働者、業界、政府が調整するのを助ける。
もしこれが社会主義であるとしたら、それはより弾力的な資本主義の誕生を促すものである。
● ドイツ極右の過激派
SPIEGEL
ONLINE 08/28/2018
The
Chemnitz Riots
Right-Wing
Mob Wreaks Havoc on German City
By Raphael Thelen in Chemnitz, Germany
2日目、極右の過激派が東ドイツの都市Chemnitzを占拠した。警察官はそれを阻止するほど多くいなかった。ヒトラー式の敬礼が街にあふれた。
高齢者の介護で働く64歳の女性は、息子とともに、通りで観ていた。彼女は、極右に抗議するために集まった集団を指さした。シリアから来た若者が数名、木の下に集まっていた。
「私は外国人がこんなに多く来るのを望まないだけだ。彼らを観ると、私の税金が彼らのために使われているのか、と思う。」
暴力は午後8時前に始まった。数百人の極右の過激派が、突如、暴動鎮圧部隊の列を押しつぶした。"Free!
Social! And national!" と叫んで。デモに反対する集団に向けて爆竹が投げられ、暴発した。極右集団は群衆に向けてガラス瓶を投げた。
PS Aug 28,
2018
The Sick
Man of Europe Returns
JOSCHKA FISCHER
FT AUGUST
29, 2018
We need to
talk about identity in a toxic age
Roula Khalaf
あなたが、今、アイデンティティについて想っていることはすべて間違っている。
かつて多文化主義を称賛していた都市でも、ワルシャワからローマまで、ロンドンからワシントンまで、社会、政治、経済の論争がアイデンティティによって彩られている。それらは、乗り越えがたい分断、という認識を広める。
イギリスがEU離脱を決めてから、私は自分を移民として考えるように強いられた。それは今までの自分のアイデンティティにはなかったものだ。受入国の文化に完全に同化しない限り、移民の子供たちは複雑な関係を生きる。
アイデンティティを考えるとは、19世紀の思考法を21世紀の問題によってテストすることだ。われわれの信念の多くは真実ではなく歴史的な誤解であり、民族は発明され、再発見され、そのアイデンティティは有機的であることも、何度も押し付けられもする。
アイデンティティの意味や、その過度の政治化を克服する方法について、論争は避けられない。
SPIEGEL ONLINE
08/29/2018
Who Are
We?
Examining
the State of German Identity
By Sebastian Hammelehle
SPIEGEL
ONLINE 08/31/2018
Return of
the Ugly German?
The Riots
in Chemnitz and Their Aftermath
By DER SPIEGEL Staff
● 日本
PS Aug 29,
2018
Pro-Growth
Education for Japan
KOICHI HAMADA
FT August
31, 2018
Donald
Trump’s tariffs prompt thaw in China-Japan ties
● 人民元
PS Aug 29,
2018
Why is the
Renminbi Depreciating?
YU YONGDING
● マクロンとヨーロッパ政治
PS Aug 30,
2018
Europe
Could Miss Its Opportunity for Political Realignment
JEAN PISANI-FERRY
● インドのルピー
FP AUGUST
30, 2018
Don’t Buy
the Panic About the Rupee’s Fall
BY ARVIND PANAGARIYA
1月以来、インドのルピーは9%も減価した。ルピーの価値が減少したことで、メディアや政策関係者たちの手を縛り、アジア最悪のパフォーマンスを嘆いている。
しかし、インドの中央銀行は何かすべきだろうか? 為替レートを管理する責任があることで、その価値が下落するのを逆転させるのか? 私の答えは、No、である。
為替レートは自国の財価格と他国の同様の財価格とを交換する比率である。ドルに対するルピーの価値が下落すれば、インドの輸入財はルピー建て価格が上昇し、インドの輸出財はドル建て価格が下落する。それゆえ、輸入は減少し、輸出は増加するだろう。インドは巨額の貿易赤字を出しているから、これは良いことだ。貿易赤字は外国からの融資を増やし、対外債務を増やす。
さらに、ルピーの価値下落が望ましいかどうか、判断するには、インフレが問題になる。貿易相手国より高いインフレ率は競争力を失わせる。それゆえエコノミストたちは、実質為替レートを重視する。インドの実質為替レートは、主要な貿易相手国に対して、2014年と2018年初めの間に増価している。
これは懸念すべき副作用を持つ。第1に、財の多数は貿易されるが、サービスの多くは貿易されない。インド経済はサービス部門が支配的であるから、実質為替レートの上昇は財生産に不利、サービス生産に有利である。サービス部門が製造業ほど高賃金の雇用を増やさない点を重視し、モディ首相は批判し、「メイク・イン・インディア」キャンペーンを推進している。
第2に、実質為替レートの上昇が政府に関税の引き上げを求める国内の政治圧力を強めることだ。それは正しいが、実質為替レートが是正されても、関税は残るだろう。むしろ正しい対応は、名目為替レートを低くして、輸出可能財や輸入と競争する財の生産を増やすことだ。この夏のルピー下落は、まさにそのようなことを意味する。
ルピーの価値が下がると、特に海外の投資家たちは、それを災難とみなして騒ぐ。しかし政策担当者としては、真にインドの利益が何か、を考えるべきだ。
FP AUGUST
30, 2018
India Is
Getting Cold Feet About Trump’s America
BY ATMAN TRIVEDI, APARNA PANDE
The
Guardian, Fri 31 Aug 2018
The
Guardian view on Modi’s mistakes: the high costs of India’s demonetisation
Editorial
● トランプ支持者に示す政策
FP AUGUST
30, 2018
Planning
for the Post-Trump Wreckage
BY STEPHEN M. WALT
トランプの支持者たちを説得する最も良い方法は、もっと優れた政策・制度を示すことだ。
ドナルド・トランプ大統領が示す、無遠慮、腐敗、気まぐれな外交政策により、アメリカの長期的な世界構想力は損なわれている。彼は、アメリカが持つその制度的な能力を徐々に蝕んでいるのだ。それでも彼はすべての関心を自分に集める天才である。
外交専門家たちがトランプ後の世界を準備するのは、今でも、早すぎるとは思えない。それはトランプ以前の状態を維持するのではなく、新しい現実に応じた、われわれの未来を目指す条件についてアレンジすることだ。
1.大国間政治の構築 ・・・外交は未来に向けて動き始めている。アメリカはヨーロッパやアジアを放置するのか? NATO諸国や日本は、ロシアや中国を抑えるために地域のパートナーと組むのか? アメリカはモスクワと北京の間にくさびを打つのか? インドのような国はどのような役割を果たすのか?
今後数十年にわたり、どのような大国間関係が現実的であり、また、望ましいのか? 考え抜く必要がある。大国の指導者たちは、自分たちの利益を守りながら、大国間政治を想像し、理想的には軍事力を使うことなく、その構想を実現する必要がある。
2.サイバー世界のもたらす新しい現実に対応する。
3.世界経済のための新しい制度を築く。
4.中東世界をどうするのか?
5.アメリカの外交能力を再建する。
● Airbnb
The
Guardian, Fri 31 Aug 2018
Airbnb and
the so-called sharing economy is hollowing out our cities
Gaby Hinsliff
● アルゼンチンとIMF
FT August
31, 2018
Argentina
raises interest rate to 60%
Colby Smith and Robin Wigglesworth in New
York and Benedict Mander in Buenos Aires
FT August
31, 2018
Argentina’s
search for insurance backfires
FT
September 1, 2018
IMF
wrestles with history in tackling Argentine peso crisis
Benedict Mander in Buenos Aires, Sam
Fleming in Washington, Colby Smith and Robin Wigglesworth in New York
マクリ大統領とIMFは、2001年の経済崩壊に関する記憶によって、その行動を制約されている。IMFが融資条件を厳しくすれば、逆に、その国の信用を破壊するかもしれない。政治的な不安と金融市場の信認確保に挟まれた、安定化に向かう狭い道を探る。
中央銀行は金利を15%から60%に引き上げた。マクリは再選のための選挙公約に制約される。
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The Economist August 11th 2018
Stuck in the
past
Democracy in
America: Sign me up
Foreign direct
investment: Prudence not protectionism
Land-value
tax: On firmer ground
Liberal
thinkers: Alexis de Tocqueville: The French exception
(コメント) 税制をめぐる欠陥は、金融危機や政治の混乱、ポピュリストたちの反乱にもつながります。もっと公平で、透明な税制はないのか? リベラルは昔から、土地に課税せよ、と求めてきました。ヘンリー・ジョージの土地に対する課税に注目している。不労所得であること、関連する公共投資や民間経済活動の隆盛によって利益を私物化すること、市場の効率性を損なうこと。
フランスの貴族でありながら、個人の自由を重視したトクヴィルが取り上げられています。政府は個人の自由を守らねばならないが、民主的な政府が自由を制限するかもしれない、という(フランス革命政府に関する)悲観論を克服するために、アメリカの民主主義に注目します。
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IPEの想像力 9/3/18
何より、これは事実上の日本の首相を決める選挙である、という説明が不満です。安倍や石破は自民党内の権力闘争をしているのであって、現に首相であることを放棄して、その時間や能力を党内の多数派工作に費やしているのです。こうした姿勢は、むしろ国民に対する犯罪行為です。
これは自民党内の、彼らが勝手に決めたルールに従う、権力争奪ゲームであって、何の公的な行事でもありません。いわば、夏祭りのようなものです。
その意味で、自分たちの都合の悪い話題には見向きもせず、自分たちの宣伝にしっかり協力し、互いの攻撃や、相手の主張を批判するふりをします。国民のためではなく、自民党の優位を得るために行っているのです。党内抗争としての潰し合いは、水面下で、金や地位、コネや利権、情報操作、(言葉や組織)恫喝や暴力を駆使して、すでに終わった話です。
党内ゲームの対外ショーは、日本の国政や公共放送、国民意識の形成に歪みを生じる、特殊利益の偽装である、と思います。自民党だけがそうではなく、アメリカの共和党も、イギリスの労働党も、ドイツの社会民主党も、習近平やモディでも、そうでしょう。
それが意味のある日本の(そして世界の)政治過程に役立つとしたら、批判的なメディアや有権者の問題意識、疑問や不満を、彼らが強く意識して、真剣になる条件がそろっているからです。自民党一強、安倍翼賛体制の中で、福島原発廃炉問題、沖縄基地問題、トランプ政権やプーチン政権との不透明な関係、北朝鮮の核兵器や拉致問題、安倍政権が進めた国内諸政策への評価は何もなく、実にいい加減にしか議論されていない、と私には見えました。
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安倍内閣の顧問になった浜田宏一が、かつてアベノミクス「3本の矢」を評価して、A、B、Eと駄洒落にしたのは、欧米のメディアに関心を持ってもらう宣伝の一環でした。今もそうです。
Adam Posenは「1.日本の民間銀行が国債の購入を促された.2.それを支えるため,日本の預金者が低金利を耐えた.3.国債の外国人保有率が低く,日銀が購入を強いられたため,市場圧力が生じなかった.4.GDPに占める政府支出と税収の規模が低かった.」と指摘しました。今もそうでしょうか。
安倍首相の本心では、保守主義・憲法改正と対中強硬論が最優先課題であり、The Economistの評価は妥当なものだと思いました.安倍首相の経済重視は,”only skin-deep” である,と疑っていたのです.(IPEの想像力 3/18/13)
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私は日本の問題を、「ABCDフィッピー」(A高齢化、B官僚制、C中国、Dデフレ、F財政赤字・債務累積、I不平等・貧困の拡大、P政治的混迷、Y若者)と示しました。
自民党が安倍晋三にぶらさがり、このまま議席を保持することを願うのであれば、野党やジャーナリストが積極的に応えてほしいです。日本各地を回って有権者の声をよく聴き、専門家たちの検討会を重ねて、諸問題を統一した形で、解決への道を示してください。そして、政府にもっと強く迫るべきでしょう。
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