(前半から続く)
The Guardian, Mon 11 Jun 2018
Trump’s
vulgarity could be the one diplomatic style Kim Jong-un understands
Simon Jenkins
FT June 11, 2018
Trump-Kim
summit: five things to look out for
Bryan Harris in Singapore
NYT June 11, 2018
Trump and
Kim’s Secluded Singapore Pleasure Island
By James Crabtree
NYT June 11, 2018
The Best
Model for a Nuclear Deal with North Korea? Iran
By Antony J. Blinken
FP JUNE 11, 2018
How North
Korea Can Strike It Rich
BY STEPHAN HAGGARD
ドナルド・トランプの魅惑戦略とは、将来の繁栄をぶら下げて、北朝鮮の指導者、金正恩に核兵器を破棄するように話しかける、というものだ。実現しそうにない約束だが。貧困にあえぐキムの国家は、「非常に豊かになるだろう」、とトランプは言う。これはトランプの幻想なのか?
その答えは、朝鮮半島の実験が示している。南半分は、権威主義国家の資本主義的経路をたどって、今や民主的な先進工業国である。北半分は国家社会主義を選択し、今も貧しく、孤立している。その結論は、北朝鮮がこの地域の韓国などの軌跡を追うことは可能だ、となる。
問題は、どうやって? 歴史が示す、その可能性と障害物を考慮しておくべきだろう。
第1に、何よりも重要なことは、体制が「戦略的な転換」を決断することだ。ポンペオ国務長官は、ピョンヤンが経済発展を犠牲にして核開発することは体制の生き残りを難しくするのであって、それを助けるものではない、と何度も言及した。
サミットの主な目的は、そのような転換が実際に起きているか、見ることである。その証拠はある。金正恩はすでに4月の中央委員会で先軍路線を放棄し、これからは剣ではなく鍬を持て、と示唆した。しかし、完全な非核化には数年を要する。その行動が示される段階でも制裁措置を解除し、地域に経済統合する機会を与えるべきだろう。
国内改革も重要だ。すでに北朝鮮は、1990年代前半の飢饉により、「下からの市場化」が起きていた。人々は自主的に生存のための市場活動を始めていたのだ。金正恩もそれを許すしかなかった。経済制裁も輸入代替という形で、この動きを強めていた。
北朝鮮の改革は3つの面で進む。すなわち、1.農業改革、2.商工業の民営化、3.外国からの直接投資、である。そのための基本的インフラ整備に必要な投資は、トランプではなく、国際機関が関係諸国と準備するだろう。
FP JUNE 11, 2018
Nukes
Aren’t the End of North Korea’s Arsenal
BY TROY STANGARONE
FP JUNE 11, 2018
Some
Summits Soar, Some Plunge
BY BRUCE W. JENTLESON
FP JUNE 11, 2018
The
Trump-Kim Summit Is WrestleMania for Pundits
BY VAN JACKSON
FP JUNE 11, 2018
Trump
Didn’t Prepare Much for His Meeting With Kim. Will That Matter?
BY PETER FEAVER
The Guardian, Tue 12 Jun 2018
Trump
really has achieved a historic breakthrough – for the Kim dynasty
Jonathan Freedland
もしオバマが1枚の紙切れに署名して北朝鮮の独裁者と握手したら、トランプやFox Newsは何と非難しただろうか?
キムが得たものは、かつてのパリア国家ではなく、アメリカ大統領と並ぶ世界的な政治家として認められたことだ。トランプはキムを、「とても才能ある人物、・・・自分の国を非常に愛している」と称賛した。記者会見では、あの若さで「国をしっかり運営する」とは、大したものだ、と感心した。
キムが得たお土産は、彼の王朝に対する国際的な正当性だけではない。トランプは朝鮮半島における軍事演習の中止を表明した。2万8000人の在韓米軍が撤退することも示唆した。
これに対してキムが与えたものは何か? 「完全な非核化」の約束である。しかし、注意して見るべきだ。声明文では、北朝鮮が朝鮮半島の将来の非核化を支持しているに過ぎない。その目標に向けて努力する、というだけだ。アメリカが長く要求してきたCVIDではない。
また「非核化」の言葉は、双方で異なった解釈をしている。北朝鮮にとって、それはあいまいな核のない地域を意味する。米軍は撤退し、韓国はその核の傘を失う。ピョンヤンはその言葉を、グローバルな核軍縮の一部とみなしている。単純化すれば、キムはこう言ったのだ。ロシアも、中国も、アメリカも、他の誰も核兵器を持たなくなれば、北朝鮮も核兵器を放棄する、と。
ソウルの専門家Andrei Lankovが次のように言うのは当然だ。「この合意には実際的な価値が何もない。アメリカは大幅な譲歩を引き出せたはずだが、そうしなかった。北朝鮮は意志を高めるだろうが、アメリカは何も得なかった。」
The Guardian, Tue 12 Jun 2018
The view
from Seoul: why the Trump-Kim ‘deal’ worries South Koreans
Hans Schattle
The Guardian, Tue 12 Jun 2018
The
Guardian view on Trump in Singapore: a huge win – for North Korea
Editorial
FT June 12, 2018
Kim Jong
Un outmanoeuvres Donald Trump in Singapore
JAMIL ANDERLINI
Bloomberg 2018年6月12日
Trump and
Kim Can Learn a Thing or Two From Singapore
By Tyler Cowen
NYT June 12, 2018
Trump
Gushes Over North Korea
By The Editorial Board
NYT June 12, 2018
Trump and
Kim Have Just Walked Us Back From the Brink of War
By Victor Cha
韓国のことわざでは、「始めたら、半分はできた。」 困難なことを達成するには、その最初の闘いが難しい。
共同声明は、明らかに、周辺諸国を巻き込む戦争の危機を回避したことを示す。しかし、多くの望ましいことは残されたままだ。核武装した無法国家の正当化と世界デビュー、写真撮影会であった。
南北朝鮮が、少なくとも、外交交渉を始めたことは確かだ。
NYT June 12, 2018
Trump Was
Outfoxed in Singapore
By Nicholas Kristof
NYT June 12, 2018
North
Korea Is a Nuclear Power. Get Used to It.
By Vipin Narang and Ankit Panda
NYT June 12, 2018
Vague on
Details, Trump Is Betting on ‘Special Bond’ With Kim to Deliver Deal
By David E. Sanger
NYT June 12, 2018
Pentagon
and Seoul Surprised by Trump Pledge to Halt Military Exercises
By Eric Schmitt
FP JUNE 12, 2018
Trump
Pardons Another Celebrity Criminal
BY MICHAEL J. GREEN
FP JUNE 12, 2018
North
Korea Is Following the Saddam Hussein Playbook
BY JAMES TRAUB
NYT June 12, 2018
Why the
North Korea Meeting Was the Trumpiest Moment So Far
By The Editorial Board
NYT June 12, 2018
The
Obama-Trump Grand Strategy
By Ross Douthat
NYT June 12, 2018
In Diplomacy,
Trump Is the Anti-Reagan
By Bret Stephens
FT June 13, 2018
Trump-Kim
summit must pave the way to real progress
北朝鮮の体制保障は、アメリカの仕事ではない。トランプが言うように、非核化プロセスがすぐに始まるのか、待ってみよう。
FT June 13, 2018
The
glorious absurdity of American diplomacy under Donald Trump
ROULA KHALAF
FP JUNE 13, 2018
Kim Got
What He Wanted in Singapore. Trump Didn’t.
BY WILLIAM TOBEY
FP JUNE 13, 2018
If Anyone
Gets the Nobel, It’s Moon and Kim
BY DOUG BANDOW
FP JUNE 13, 2018
Mike
Pompeo, Cleanup On Aisle 38
BY ELIAS GROLL, ROBBIE GRAMER
NYT June 14, 2018
Kim
Jong-un Isn’t Tough. North Koreans Are.
By Bari Weiss
FP JUNE 14, 2018
Singapore
Was Just the First Episode of Trump’s North Korea Show
BY DEREK CHOLLET
FP JUNE 14, 2018
Never Call
Kim Jong Un Crazy Again
BY STEPHEN M. WALT
シンガポールで起きた最も重要な変化は、秘密の、いくらか喜劇的な、圧倒的な殺人者の、おそらく非合理的な、「ヤドカリ王国」の指導者である金正恩が、真剣な、世界的指導者であるという評価に変わったことだ。
キム一族は、決して狂っていなかったし、非合理的でもなかった。逆に、彼らは困難な状況で、79年以上も権力を維持してきた。
敵を狂人とみなす傾向には長い歴史がある。アメリカ人は、ボルシェビキやソビエトの指導者たちを狂人とみなした。サダム・フセインやイランの指導者たちを「虐殺のマニア」とCIA長官は報告した。多くのアメリカ人は国際テロリストたちを、深く混乱した、非合理的で、幻を観ている。要するに狂った個人とみなして、彼らの政治的な動機、その思考、特別な戦術を採用した、多かれ少なかれ合理的なアクターとは考えなかった。しかし、彼らは一定の根拠によって、彼らの政治的動機をじつげんする最善のチャンスをテロに観ているのだ。
敵を本質的な狂人とみなす傾向は、重大なコストを生じる。もし敵が真に非合理的で、狂っているなら、予防的な戦争が受け入れられやすい。また、彼らの行動の背後にある本当の理由を無視することになる。北朝鮮、イラン、リビアのような国は、大量破壊兵器を求めたが、彼らが外国の攻撃を恐れるのは理由のあることだったし、それゆえ抑止力を求めたのだ。
もし敵が狂人で、非合理的で、非常に間違った情報を得ているなら、彼らの対応を飴と鞭や説得によって変えられるとは期待しないだろう。敵の非合理性を強調することは、外交の余地を奪ってしまう。それを検討するどころか、試みることさえなくなる。
● アフガニスタン
NYT June 8, 2018
Couchsurfing
With the Taliban
By Sam Dalrymple
SPIEGEL ONLINE 06/14/2018
Former
Afghan President Hamid Karzai
'We Failed
Miserably'
An Interview by Susanne Koelbl
● 安倍首相と日本
FP JUNE 8, 2018
Abe Just
Won’t Quit
BY WILLIAM SPOSATO
伝統的なことが大好きな安倍首相だが、スキャンダルで辞任するという日本の政治家の伝統には全く従う気がない。自分が犠牲になることは、彼の2つの目標、憲法改正と2020年の東京オリンピックの実現を諦めることだ。安倍は、内外で、日本のイメージを変えるために長期政権を維持し、有権者もそれを望んでいる。
NYT June 11, 2018
How Japan
Might Lose Out in the Korea Talks
By Yoichi Funabashi
NYT June 11, 2018
In Japan,
Too, Outrageous Is the New Normal
By Koichi Nakano
透明性や説明責任を民主主義の重要な原則として語ることはアメリカでも難しくなっている。その意味では、安倍政権が続く日本も同じだ。
PS Jun 14, 2018
The
Asia-Pacific Gender-Parity Imperative
OLIVER TONBY , ANU MADGAVKAR
新しい調査でthe McKinsey
Global Institute (MGI)が示すところでは、アジア太平洋の経済はジェンダーの平等を実現するだけで、2025年までに、GDPを4兆5000億ドル増やすことができるだろう。それはドイツとオーストリアの経済を合わせたものに等しい。特にインドでは、GDPの18%に及ぶ、その機会が大きい。
● 新興国の金融危機
FT June 9, 2018
Argentine
president’s $50bn bet comes with a price
JOHN PAUL RATHBONE
VOX 11 June 2018
Some ways
to introduce a modern debt Jubilee
Charles Goodhart, Michael Hudson
不平等を是正するために、歴史が示すように、土地・不動産への課税によって市民の債務を免除せよ。それはユートピアの主張ではなく、国家の安定化に資する実際的な要求だった。
PS Jun 13, 2018
Leveraging
the World Bank’s Capital Increase
BERTRAND BADRÉ, CHARLOTTE PETRI GORNITZKA
● ワールド・カップ
NYT June 9, 2018
The World
Cup Isn’t About Football. It’s About Everything.
By Musa Okwonga
FT June 11, 2018
Emmanuel
Macron uses ‘les Bleus’ as a political football
ANNE-SYLVAINE CHASSANY
NYT June 11, 2018
Is the
World Cup for Nationalists or Citizens of the World?
By Kanishk Tharoor
かつて、1930年にルーマニアのクーデタで王位を得たキャロル2世は、最初のワールド・カップに注目した。それは1か月後にウルグアイで開催された。ワールド・カップは、世界に対して彼の統治する国を示し、ルーマニア国民の世界的な剛毅を示すものだった。
しかし、多くのフットボール選手たちは心配だった。彼らはウルグアイまで旅し、3か月も海外で過ごして職場を休むため、仕事を失うかもしれなかった。そこで王様は、ナショナル・チームに属する選手たちが3か月の休暇をもらい、職にもどることを保証した。
時代は変わった。選手たちは船に乗らず、世界的な富裕者であり、工場の仕事を失う心配もしていない。ワールド・カップは今でも国ごとのチームを作って戦っている。ヨーロッパの諸帝国を解体した、ウィルソンの唱えた民族自決という理想を守っている。しかし、グローバリゼーションという言葉を聞く前から、選手たちはグローバル化していた。グローバリゼーションとナショナル・チームは、矛盾した2つの原理である。
ワールド・カップは、人々の国境を越えた移動を非常に活発化し、民族のルーツを破壊する。すでに選手の多く(今年の選手の65%)は外国チームで、特に、裕福なリーグのあるヨーロッパやイングランドで働き、選手の多くが外国で訓練を積んで強くなる。ワールド・カップのために集まるだけで、ナショナル・チームが国の伝統的な戦法を示すことはむつかしい。
多くのナショナル・チームは過去の植民地化と民族離散の遺産を示す。アフリカ諸国の5チームに4チームが、西ヨーロッパ、すなわち、フランス、ベルギー、オランダに生まれた選手を擁している。彼らは良い条件で訓練を受けた。モロッコ・チームの60%以上が国外で生まれた。彼らはフランス語、フレミッシュ、オランダ語の方が堪能だ。ポルトガル・チームとスイス・チームのほぼ3分の1が国外で生まれた。
ワールド・カップは国家形成の現場であるだけでなく、諸民族の集団的な夢と悲劇である。それは人類の普遍的な劇場となって、諸民族のアイデンティティを世界に示す。
YaleGlobal, Tuesday, June 12, 2018
Russia,
FIFA and the Power of Sport
Michał Romanowski
NYT June 12, 2018
When
Nationalists Don’t Like the National Team
By Musa Okwonga
The Guardian, Fri 15 Jun 2018
Welcome
to the World Cup, where national failure unleashes dark forces
Gary Younge
イングランドという国はない。11人のチームこそイングランドを示すシンボルだ。
ドイツでも、どこの国でも、移民の家族を持つ選手たちは2つの集団に帰属する。国家と民族のアイデンティティ。「統合化はギブ・アンド・テイクであるはずだ。」と、ベルリンに住むクルドとアルメニアの系譜を持つ若い労働者が言った。「しかし彼らはわれわれに独自の文化を棄てるように求める。あなたがここで生まれても、ドイツ語を話しても、関係ない。あなたはいつも外国人だ。彼らはいつもわれわれについて話す。われわれと一緒に話すのではない。」
ヨーロッパがナショナリズムに熱狂した時代は去った。それは、数百万人が「想像の共同体」をなした時代だ。それは11人のチームよりも本物だと信じられていた。
ヨーロッパ中で不安がある。フットボール・チームは、珍しく、マイノリティーが多数を占める部隊である。しかし、ここでも人種的・エスニック・国民的な偏見が再現されている。
FT June 15, 2018
The
welcome distraction of the World Cup
● Brexitと議会
The Guardian, Sun 10 Jun 2018
As their
cause crumbles, Brexiters turn to fantasy and bitter recriminations
Will Hutton
FT June 12, 2018
MPs need a
meaningful vote on the Brexit deal
FT June 13, 2018
It is time
for Theresa May to make tough Brexit choices
SEBASTIAN PAYNE
FT June 15, 2018
Playing
chicken over the post-Brexit Irish border
MARTIN WOLF
● 米中対立
FT June 10, 2018
US-China:
Why Taiwan is back on the agenda
Tom Mitchell in Beijing, Demetri Sevastopulo in Washington and
Edward White in Taipei
アメリカ上院議員の代表団が3月に北京を訪問した。中国政府との対話は貿易戦争や米朝首脳会談にほとんどあてられるだろう、と予想していた。しかし代表5人は、もっぱら台湾に関する詰問と憤慨の声に直面した。トランプ政権と議会が、台湾旅行法を成立させたからだ。
中国側の外交官はアメリカの説明を全く受け入れなかった。北朝鮮問題ではなく、台湾とその他の領土主権に関する「核心的利益」に関する問題こそが、米中関係が戦争にまでおよぶ危険を生じる深刻な罠となる。アメリカの上院議員たちはそう理解した。
PS Jun 12, 2018
Who Lost
the South China Sea?
BRAHMA CHELLANEY
NYT June 13, 2018
Why Are
Hong Kong’s ‘Localists’ on Their Own?
By Yi-Zheng Lian
FT June 14, 2018
Donald
Trump’s retreat is the greatest threat to global security
PHILIP STEPHENS
FT June 14, 2018
China’s
Belt and Road plans dismay Pakistan’s poorest province
Adnan Aamir
FP JUNE 14, 2018
China
Smells Opportunity in the Middle East’s Crisis
BY DANIEL KLIMAN, ABIGAIL GRACE
● タックスヘイブン
NYT June 10, 2018
Tax Havens
Blunt Impact of Corporate Tax Cut, Economists Say
By Jim Tankersley
● アメリカの出生率
PS Jun 11, 2018
America’s
Baby Bust
ADAIR TURNER
● インド
FT June 12, 2018
London as
a ‘Bollygarch’ bolthole rankles with New Delhi
JAMES CRABTREE
YaleGlobal, Thursday, June 14, 2018
In Search
of the Real Indo-Pacific
Donald K. Emmerson
シンガポールのシャングリラ対話(IISSアジア安全保障会合)は、米朝首脳会談よりも、インド太平洋に関する議論が圧倒的な割合を占めた。しかし、中国は一帯一路ほどの投資計画を進めていないし、アメリカはG7を破壊して、ルールに依拠した国際秩序を汚している。インドはプラグマティックに対応するべきだろう。
● スペイン
FT June 12, 2018
Spain’s
government brings some hope of a modest but fresh start
DAVID GARDNER
● 貨幣と金融政策
VOX 12 June 2018
Digitalisation
of money and the future of monetary policy
Peter Bofinger
VOX 12 June 2018
Macroprudential
tools, capital controls, and the trilemma: Insights from the Bretton Woods era
Eric Monnet
● トルコ
NYT June 12, 2018
Can Turkey
Overcome Its Bitter Factionalism?
By Jenny White
● 中間選挙
NYT June 12, 2018
How to
Lose the Midterms and Re-elect Trump
By Frank Bruni
● 国連
FP JUNE 12, 2018
At U.N.,
Russia and U.S. Wage Quiet War Over Appointments to Advance Broader Agendas
BY COLUM LYNCH
● 生産性の上昇
FT June 13, 2018
The long
wait for a productivity resurgence
MARTIN WOLF
● 世界の専制国家復活
SPIEGEL ONLINE 06/13/2018
Rise of
the Autocrats
Liberal
Democracy Is Under Attack
By DER SPIEGEL Staff
プーチンはフットボールのファンではない。しかし、最高のホストとして、2018年のワールド・カップは、世界の専制国家復活を祝福する祭典となるだろう。2年前のクーデタ以降、エルドアンはおよそ170人のジャーナリストを投獄し、7万人以上を逮捕した。ドナルド・トランプはカナダのG7サミットをドタバタ喜劇と化し、北朝鮮の独裁者、金正恩と会うために去った。その米朝会談を主催し、最も多くの利益を得るのは習近平である。
世界政治の表舞台に、リベラルな民主主義をあからさまに軽蔑する男たちが現れた。彼らは、政治、経済、司法、メディに及ぶ絶対的な支配を要求する。グローバル化し、ハイテクに満ちる、ますます情報化、啓蒙化した21世紀の世界は、権威主義的な支配者たちの手に落ちようとしている。
この世界的な傾向をどうやって説明できるのか? 専制的支配者は本当のそれほど強いのか? リベラルな民主主義は弱いのか? それは同質的社会でしか成長を実現できないのか? 21世紀の諸問題を民主主義が解決する能力について、なぜこれほど多くの人が疑っているのか?
PS Jun 13, 2018
Populism
With Socialist Characteristics
MITCHELL A. ORENSTEIN
PS Jun 14, 2018
When
Populism Comes Home to Roost
FEDERICO FUBINI
● ヨーロッパの競争政策
FT June 14, 2018
The
Franco-German deal that could derail Europe’s competition police
Rochelle Toplensky and Alex Barker in Brussels
● ハイテク労働者
FT June 14, 2018
Gig
workers need better employment protections
● 難民のエンパワーメント
PS Jun 14, 2018
The Power
of Empowering Refugees
JOSEPH MUNYAMBANZA
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The Economist June th 2018
Perfected in China,
a threat in the West
Italy and the
euro: Handle with care
Inside
Xinjiang: Apartheid with Chinese characterstics
Banyan: Not
cricket
Running San
Francisco: Reach for the sky
Data
Detectives: I know what you’ll do next summer
(コメント) イタリアの政治混乱とユーロ危機が連動するなら、EU解体に向かいます。
情報管理技術が社会や政治の在り方を変えてしまうことに、私たちが望む社会や政治の姿が追いつかない。高度な管理社会・警察国家を目指す中国と、政治の泥仕合を延々と続けるインド、住宅規制やホームレスの問題をめぐって市長候補たちが戦うサンフランシスコも加えて、私たちは悩み続けます。
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IPEの想像力 6/18/18
イスラエルのセキュリティー技術会社を訪れた記者は、「あなたは自分のことを私に説明することができる」と言われた。「しかし、あなたのスマートフォンを15分貸してくれたら、私があなたのほんとうの姿を説明します。」
The Economistの特集記事は探偵小説風 “Data
Detectives” です。その中には、こう書いてあります。「ANPRS(automatic number
plate readers)とCCTVに顔認証を組み合わせれば、国家はタイム・マシーンを手に入れる。」 つまり、都市の主要な地域に設置された多数の監視カメラと自動車のナンバー・プレートを読み取るシステム、個々人の顔認証システムがあれば、だれが、いつ、どこで何をしていたか、時間をさかのぼって追跡できる、と。
記事は、犯罪捜査において、特に、テロ対策として、情報の収集がきわめて効果的であることを認めています。ある意味では、犯罪は、それを犯す前から、人物を追跡できるのです。それに対して、固定電話や郵便物の時代にプライヴァシーを保護した法律は役に立ちません。裁判所は、さまざまな情報をどこまで証拠として認め、どのような捜査を許すのか? スウェーデンやニュージーランドのケースと、中国やロシアのケースでは、そこに大きな違いが生じています。
もし情報の収集や利用が自分たちの生活に及ぶ影響を制限したいと思うのであれば、私たちは強く、声を挙げねばなりません。特に、それが権力者によって悪用され、極端なバイアスを生じているとしたら。東ドイツの体制が1989年に崩壊したとき、人々の憎悪は国家秘密警察の情報管理部に向かい、そこを襲撃して破壊しました。
同じThe
Economistに、新疆ウイグル自治区の完全な警察・監視国家が詳述されています。2015年1月、自治区政府はウイグル住民のすべてに、生まれた土地へ帰って新しいカードを受け取るよう命じました。そこでは国家による最新の住民管理、中国的特徴を加味したアパルトヘイト、ウイグル人への組織的なエスニック・クレンジングが遂行されています。
ウイグル自治区におけるイスラム教徒がテロを行った2009年以降、中国政府は広大な西部領域に監視システムを築いてきました。裁判所の認めた令状による捜査や逮捕ではない、共産党や警察の命令による拘束・拘留が行われます。公式には認めていない拘置所、収容所が「群島」のように広がります。それは監獄ではなく、「再教育キャンプ」です。イスラム教徒住民の多数にだけ偏った、さまざまな理由による、その期間もわからない拘束です。
携帯電話には政府の求めるアプリをインストールしなければなりません。住民たちはIDカードを携帯し、そのカードには多くの情報が記録されています。町中に監視カメラが設置され、自動車の運転も登録された者しかできません。Hotan、Kashgarでは、8台から10台のビデオカメラを設置したポールが、すべての通りの100から200メートルおきに立っています。
ナイフや鋏を買うのは、日本で銃を買うのと同じくらい困難だ、と記事は述べます。台所の包丁は壁にチェーンで固定することを求めます。検問所ではバスを降りるように命じられ、警察はすべてのウイグル人のIDカードをスキャンし、写真や指紋を採取し、眼球の認証システムを使用します。若者はスマートフォンの提供を求められ、本人がパスワードを入力して、警察は情報を移して後でチェックします。
国家は市民を評価し、社会給付や雇用、地位、居住に反映します。改宗し、改名する者、イスラム教の伝統に従って毎日5回の礼拝をおこなう者、自宅にコーランを置き、子供にイスラム教徒にふさわしい名前を付ける者、衣装や音楽、踊り、など。警察はそれらを評価して、潜在的犯罪者のリストを作成します。
誰がこの情報世界を楽しむのか? Der Spiegel (Rise of the Autocrats:Liberal Democracy Is Under Attack, SPIEGEL ONLINE 06/13/2018) は、リベラルな民主主義体制を侵食しつつある、世界の専制支配者たちを考察します。
中国共産党が権力の正当性を維持する源泉は4つある、とMinxin Peiは考えます。手堅い成長持続、ハイテクを駆使した反政府勢力の弾圧、国家の誘導するナショナリズム、さまざまな社会エリートとの共謀。歴史教育を権力の正当化に利用し、巨大な国家プロジェクトを推進します。
面接も、自己紹介も要らない世界。情報管理型・警察国家の話を読みながら、私は加計学園の理事長が安倍首相と、各地で何度も、獣医学部の新設を親しく相談している画像、音声、動画が手に入るだろう、と思いました。
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