(前半から続く)
● イラン核合意からの離脱
FP MAY 4, 2018
The United
States Should Seize on Iran’s Currency Crisis
BY SAEED GHASSEMINEJAD, RICHARD GOLDBERG
NYT May 6, 2018
Boris
Johnson: Don’t Scuttle the Iran Nuclear Deal
By Boris Johnson
NYT MAY 8, 2018
Trump’s
Reckless Act of Petulance Toward Iran
By Roger Cohen
NYT MAY 8, 2018
Where’s
That Better Deal, Mr. Trump?
By The Editorial Board
NYT MAY 8, 2018
Trump
Vandalizes the Iran Deal
By Nicholas Kristof
NYT MAY 8, 2018
Behind
Trump’s Termination of Iran Deal Is Risky Bet That U.S. Can ‘Break the Regime’
By DAVID E. SANGER
トランプ大統領と、彼が最も重視する2つの同盟国、イスラエルとサウジアラビアにとって、イラン核合意は単なる核兵器の問題ではない。それはイランの聖職者支配体制を正当化し、世界市場に参加することを認めて、彼らがその資金をシリアやイラクにおける軍事的拡大や、テロ集団御支援に使う、という問題なのだ。
トランプたちは、これでイランの経済的な背骨を粉砕できる、と考える。ヨーロッパの同盟諸故億は、それが致命的な誤算になる、と警告した。
オバマがイラン核合意のギャンブルを認めた理由は単純だ。彼はイランが、多くのスンニ派の近隣諸国より、潜在的に、アメリカにとって自然な同盟相手である、と考えたのだ。教育を受けた西側志向の若者たちは、高齢の聖職者に支配されることを嫌っている。
これはトランプの典型的な反応だ。彼は、より素晴らしい展望を得るために、ニューヨークのビルを打ち壊した。そして今回、彼はグローバルな諸大国を憤慨させつつ、選挙キャンペーンで離脱することを主張してきた体制を、打ち倒そうとしている。
NYT May 8, 2018
A
Courageous Trump Call on a Lousy Iran Deal
By Bret Stephens
NYT May 8, 2018
Trump’s
Most Foolish Decision Yet
By Susan E. Rice
イランは核開発を何の制約もなく行えるようになった。無節操なアメリカは同盟諸国から孤立し、安全保障がはるかに低い水準になった。
イラン核合意は意図されたとおりに機能していた。イランは濃縮ウランの97%を破棄し、遠心分離器の3分の2とプルトニウム施設のすべてを破壊し、歴史上最も厳格な査察と監視を受け入れた。
トランプは、ヨーロッパの最も緊密な同盟諸国からの訴えを無視した。同盟諸国との合意なしに、トランプは彼らを害し、合意に従うヨーロッパ企業を処罰するつもりだ。
これはアメリカのグローバルな指導力を大幅に破壊するものだ。世界はアメリカの信頼性や責任感を大幅に見直すだろう。すでに気候変動に関するパリ協定から離脱し、TPPからも離脱した。しかし、イラン核合意からの離脱ははるかに危険なものだ。
サウジアラビアなど、地域の諸国が核兵器を求めるだろう。イランの強硬派は核合意を嫌っており、これによって地域の不安定化や、ロウハニのような穏健派への攻撃を強めるだろう。アメリカに代わって、ロシアや中国の影響力が強まる。どのようなシナリオでもアメリカは、戦争するか、核武装したイランと対峙することになる。
トランプは、この決断が北朝鮮への強いシグナルだ、と考えるかもしれない。それは間違いだ。金正恩はトランプの約束を信じないだろう。日本、韓国のような同盟国、そして中国は、集団的な約束を守るアメリカの能力を疑うだろう。
大統領は、その任期における最も愚かな、危険な決断を示した。混乱が生じるとき、彼は皆を非難するだろう。しかし、これはたった一人、大統領の責任である。
FP MAY 8, 2018
The
Predictable Disaster of Trump’s Lonely Iran Strategy
BY EMILE SIMPSON
FP MAY 8, 2018
The North
Korean Playbook Won’t Work With Iran
BY MAHSA ROUHI
FP MAY 8, 2018
The Art of
the Regime Change
BY STEPHEN M. WALT
ドナルド・トランプは、そのエゴ、オバマへの見苦しい妬み、強固な支持者、新たに指名した強硬派の顧問たち、何より彼自身の無知により、イラン核合意から離脱した。
トランプの決定は、イランの核武装を阻止するためではない。それが目的なら、この合意を維持し、強化するはずだ。むしろ、イランではなく、アメリカが合意に違反してきた。
また、イランの中東における活動を抑え込むのが目的でもない。それなら、核合意とは別にイランと交渉して、地域の同盟関係を築くはずだ。しかし、イランはトランプの言葉を信用しなくなっている。
では何が目的か? それは「イランをペナルティ・ボックスに入れておくこと」である。イランを外交的に認め、国際関係に受け入れることを、トランプとその強硬派の顧問たち、ボルトン、ポンペオは嫌う。それこそがイスラエルとユダヤ人ロビーの目的だ。彼らはアメリカの政治家たちや知識人を買収している。
こうした強硬派たちの願いとは、イランの体制転換である。それには2つの方法がある、と彼らは考える。1つは、経済制裁を強化して、生活の悪化した民衆が政権に反対し、大規模な抗議デモを起こすことだ。それは勝手な願望でしかない。キューバでも、北朝鮮でも、経済制裁は無効だった。
たとえ、その考えが成功したとして、政権崩壊後には何が生まれるのか? 安定した、機能する、親米政権になる、という見込みはない。イラクは内戦状態になって、その後、イスラム国が台頭した。リビア、ソマリア、イエメン、アフガニスタン、シリアを観ればよい。反体制派の多くが、イランの核武装を支持し、アメリカからの独立を主張していることを、忘れてはならない。
もう1つの方法は、戦争だ。おなじみの「衝撃と恐怖」を組み合わせて、イランの核施設を破壊し、民衆が政府を打倒するのを促す。こんなシナリオはばかげている。アメリカがイラン人に爆弾を降らせて、彼らがアメリカに感謝すると思うのか? アメリカ・イスラエルの空爆キャンペーンは、イランのナショナリズムを燃え上がらせて、体制への忠誠心を固めるだろう。
もし戦争が起きて、多数の人命が失われ、莫大な戦費を消耗するとしたら、また、それが中東地域全体に紛争を拡大するとしたら、その失敗の原因はたった一人の男、今もホワイトハウスに居座っている男の責任である。
YaleGlobal, Tuesday, May 8, 2018
Keeping
Pressure on Iran
Jamsheed Choksy and Carol Choksy
FT May 9, 2018
Donald
Trump pulls US out of Iran nuclear deal
Sam Fleming in Washington and Katrina Manson in London
Bloomberg 2018年5月9日
Trump Is
Now Free to Fight for Iranian Freedom
By Eli Lake
The Guardian, Wed 9 May 2018
Europe
must make Trump pay for wrecking the Iran nuclear deal
Simon Tisdall
SPIEGEL ONLINE 05/09/2018
Trump and
Iran
Europe
Stuck Between a Bomb and a Hard Place
A Commentary by Christiane Hoffmann
FP MAY 9, 2018
Here’s
What to Expect Now That Trump Has Withdrawn From the Iran Nuclear Deal
BY RICHARD NEPHEW, ILAN GOLDENBERG
FT May 10, 2018
Only a
determined Europe will save the Iran nuclear agreement
ABBAS AKHOUNDI
PS May 10, 2018
Counting
the Costs of Trump’s Iran Policy
ANA PALACIO
FP MAY 10, 2018
What Iran
Really Wants in Syria
BY PAYAM MOHSENI, HASSAN AHMADIAN
FP MAY 10, 2018
The
‘Silver Lining’ to Trump Pulling Out of the Iran Deal
BY COLUM LYNCH, ROBBIE GRAMER, DAN DE LUCE
Bloomberg 2018年5月10日
Reality
Check: Europe Won't Roll Over on Iran
By Leonid Bershidsky
トランプは、アメリカに市場と安全保障を依存するヨーロッパの小国たちを、ばかにしている。新任のアメリカ大使がドイツにきたとき、イランで操業するドイツの自動車会社は、今すぐに、操業を停止せよ、と命令した。その姿勢はドイツの政界に憤懣を高めている。
アメリカはキューバに対して同様の措置を行い、ヨーロッパ諸国はこれに従わなかった。
● カール・マルクスの失敗
The Guardian, Sat 5 May 2018
Two
centuries on, Karl Marx feels more revolutionary than ever
Stuart Jeffries
FT May 6, 2018
Living
Marxism: the Chinese Communist party reasserts control
Lucy Hornby in Beijing
Bloomberg 2018年5月8日
Remember
Marx for How Much He Got Wrong
By Noah Smith
マルクス生誕200年を祝う祭典には出席しにくい。20世紀の歴史を読む者、生きた者にとって、毛沢東の支配下で飢餓のために死んだ数千万人、スターリンによって粛清され、収容所に送られ、あるいは、餓死した数千万人、カンボジアで集団殺戮された数百万人のことを、忘れることはできないからだ。
たとえマルクスが虐殺を提唱しなかったとしても、これほどの蛮行と経済運営の失敗が、すべてマルクス主義の名の下に行われた。北朝鮮からベトナムまで、20世紀の共産主義は、人道に反する犯罪、貧困層の粉砕、その両方の結果に終わった。
マルクスの間違いを論じる例として、私が好きなのは、2013年のBrad DeLongが示したものだ。彼はマルクスのエッセンスを蒸留し、評価した。マルクスは、資本の投下により、生産性が上昇し、労働者の生活が改善することを評価しなかった。製造業からサービスへの移行を予告しなかった。資本主義経済の中にある価格システムの信号や誘因の重要性を過小評価した。
農業の集団化は、ロシアでも中国でも、政策失敗の顕著な例である。なぜこれほどしばしば、共産主義は蛮行をともない、指導者たちは長期に及ぶ失策に執着したのか? それは、マルクスが進化よりも革命を好んだからだ。
しかし、システムを破棄することは、通常、破滅をもたらす。革命が成功するのは、アメリカ独立のように、外国の支配を脱して、現地のシステムは無傷のまま継承する場合だ。ロシア革命、中国の内戦のように、暴力的な社会騒乱は、より多くの場合、社会的な分裂と苦悩が継続し、機会主義的、誇大妄想の指導者を生んだ。
最も成功した社会主義とは、北欧諸国の混合経済のように、暴力的な旧秩序の転覆ではなく、民主的で、部分的には資本主義的なシステムの内部で、漸進的に改革することで実現した。
PS May 9, 2018
Why Marx
Was Wrong
CARL BILDT
Bloomberg 2018年5月11日
China
Proves Marx Right
By Tyler Cowen
もしマルクスがよみがえることができたら、彼は現在の中国を、北京がマルクスを称賛するのとは違う意味で、称賛するだろう。中国は、高度に生産的な、しかし、危機をともなう工業資本主義が、社会主義への路である、という彼のテーゼを証明している、と思うはずだ。
● 1日5時間労働
FT May 6, 2018
The case
for a five-hour working day
PILITA CLARK
オーストラリアの金融顧問会社で、そのボスがパートタイムの労働を始めた。彼の妻が癌の治療を始めたからだ。彼は、以前の8時間よりも、5時間で同じだけ仕事をこなした。そこで考えた。会社全体でもやってみたらどうか?
30人ほどの会社が、給与はそのままで、1日5時間労働を試みた。朝、8時から9時の間に仕事をはじめ、午後1時か2時には仕事を終える。
不安にもかかわらず、仕事は好調だった。欠勤は大幅に減った。才能ある社員を雇用できた。
5時間労働ができた理由はいろいろある。長時間の無駄な会議をなくした。仕事が終わっても、ボスがいるから、5時まで残っていることもやめた。人によっては10時間の仕事を3時間で処理できたが、報酬は変わらない。それぞれにふさわしい働き方がある。
会社を去った者もいたし、職場のおしゃべりや協力をもっと重視する者もいた。どのような分野でも5時間労働ができるとは思えない。
彼は今、5時間労働を夏季に限り、その他は8時間労働に戻している。しかし、実験は続いている。
● 中国ではなく、Faangsと闘え
NYT May 6, 2018
Save
Barnes & Noble!
By David Leonhardt
FT May 7, 2018
Fight the
Faangs, not China
RANA FOROOHAR
アメリカと中国は、技術に関して異なる方向を目指している。アメリカ政府は、「中国製造2025」を阻もうとしている。しかし北京は、アメリカの技術から中国を独立させる計画を決して放棄しない。
アメリカは自国のハイテク分野を囲い込もうとしている。Qualcommの買収を拒否し、ZTEとの契約を禁じた。米中間で、ハイテク分野の統合は終わった、ということだ。
この問題はハイテク分野の将来に重要な問題を提起する。技術革新に成功するのは、集中型経済モデルか、分散型か? 中国は前者である。Baidu, Alibaba and Tencentは国営企業ではないが、体制に大きく影響されている。7億人のスマートフォン利用者からデータがAI開発を加速する。また、政府は産業政策に従い、企業の資源を利用する。
しかし、集権的な管理は短期的に有利かもしれないが、長期的には問題を生じる、と考えることも可能だ。毛沢東の計画経済や、最近では中国が自動車産業を支配しようとした例がそうだ。
アメリカのハイテク分野も、ますます集中化が進んでいる。かつてガレージで起業した人々より、トップからの経営重視が目立っている。ハイテク分野が準独占の巨大企業に支配されている。小企業のときに技術革新の多くを行って、集中が進むと、労働よりも資本に大きな利益をもたらし、低賃金と不平等を拡大することは、現在の最重要問題となっている。
独占化が分散型の革新的システムを苦境に追い込む。ハイテク大企業の特許権に関するロビー活動は、バイオやソフトウェアの中小企業を弱めた。
アメリカはトップダウン型の競争力促進で中国と競うことができない。しかし、分散型システムのメリットを再強化することはできる。いわゆるFaangs
— Facebook, Apple, Amazon, Netflix and Googleの支配を制約するべきだ。
アメリカの競争慮億を高める最善の策は、中国と闘うのではなく、Faangsと闘うことだ。
● 長期停滞論
FT May 7, 2018
The threat
of secular stagnation has not gone away
LAWRENCE SUMMERS
「長期停滞」論は、今も重要である。アメリカは、また、世界の工業諸国は、成長を高める十分な需要をどこに見出すのか? 投資を刺激し、貯蓄が減ることを願うだけで、政府のサプライサイド政策が「長期停滞」を解消することはない。
FT May 8, 2018
We may be
missing the productivity revival in the global economy
BART VAN ARK
● 移民論争と政治
FT May 7, 2018
Migration
will drive western politics for decades to come
GIDEON RACHMAN
かつて政治顧問をいらだたせたセリフは、「(選挙結果を決めるのは)経済なんだよ、当たり前だろ!」だった。しかし、西側の政治では、最近、それに代わって、「移民問題だよ、当たり前だろ!」と言われている。
トランプの大統領選挙も、Brexitも、さらには、ドイツ、ハンガリー、オーストリア、フランス、スウェーデン、そしてイタリアでも。イタリアは過去4年間で、6000万人の国民に、60万人の移民が入ってきた。
それは最近になって減少したが、決して長期的に減ることはない。アフリカの人口圧力と経済状態は、今後の数十年間、大規模な移民を流出させるからだ。特に、ナイジェリアは、1960年の4500万人から、現在は1億8700万人、さらに2050年までに4億1000万人に増加するよと予測されている。2060年にはEU27ヵ国よりも人口が大きくなる。
ヨーロッパの人口は減少し、しかも高齢化するだろう。欧米の右派指導者たちは、制御できない移民流入から、特に、イスラム教徒の流入から「西側文明」を防衛する、という点で一致している。リベラルな人々は、それを人種差別と呼ぶが、有権者のますます多くが共鳴する。
西側政治のダイナミズムは1つの方向だけで働くのではない。人権団体や弁護士たち、法律によって右派の行動は阻まれる。また同じ有権者が、抽象的に、移民を敵視しながら、他方で、移民たちの個人的な苦しみには同情する。
西側の政治家たちは、「正しい解決策」を知らない。彼らは移民の流入を阻止しながら、その問題を政治から隠そうとしている。メルケルのようなリベラルな理想を信じる政治家でも、移民の流入が再現することを許容できないと理解し、トルコ政府との合意を通じて、難民の移動を抑えた。それはトルコ国内やシリアの戦闘地域に多くの難民を滞留させている。
新しい移民政策・管理体制が見いだされるまで、この問題は右翼政治家の台頭を刺激し続ける。
FT May 9, 2018
Mohamed
Salah’s success resonates far beyond football
ROULA KHALAF
PS May 9, 2018
Human
Rights and the Fate of the Liberal Order
JOSEPH S. NYE
● 核兵器禁止体制
PS May 7, 2018
The Long
Road to Nuclear Disarmament
RAMESH THAKUR
グローバルな核兵器管理に関する秩序が緊張期にある。トランプ大統領はイラン核合意の拒否を決断するか。また、続いて北朝鮮の金正恩との首脳会談をどう迎えるか。
国際社会は、1968年の核拡散防止条約(NPT)の維持に関する厳しい交渉を控えている。多国間の合意は常に運用のギャップが問題であり、この条約でもそうだ。イスラエルは核保有を処罰されたことがないし、インドは、核の平和利用を同意した諸国により、核保有を認められた。パキスタンや北朝鮮をどうするのか。
不完全なNPT体制では、核保有諸国が自国の核軍縮を議論しないことに、多くの国は不満を持っている。NPTの条文を、核保有国は自分たちの核保有を禁止するとは解釈しない。彼らは核抑止論を支持し、核保有の削減は世界平和を損なう、と主張する。他方、当然だが、非保有諸国はそれに反対する。
現在、国連では核保有禁止条約TPNWに58か国が署名し、8か国が承認している。この条約が発効すれば、核兵器の使用、脅迫、保有が禁止される。TPNWは、新しい国際規範の確立に一歩を進めた。それは2つの主張、核の傘・シェアリング、核抑止、を否定する。その意味で、核保有諸国の強い反対がある。
グローバルな非核化体制のためには、NPTにおける2つの対立する見解が和解しなければならない。すなわち、核保有諸国の核保有量削減が、地域とグローバルな安全保障を高める形で、国際秩序を築く戦略に合意することだ。
PS May 7, 2018
Denuclearization
Means the US, Too
JEFFREY D. SACHS
● 民主主義の崩壊
PS May 7, 2018
The
Destruction of the Republican Party
BRADFORD DELONG
NYT MAY 8, 2018
Why Are So
Many Democracies Breaking Down?
By Michael Albertus and Victor Menaldo
NYT May 9, 2018
Does Trump
Want Even More Chaos in the White House?
By Chris Whipple
● マレーシアの選挙
NYT May 7, 2018
What Is
Wrong With Malaysia?
By Umapagan Ampikaipakan
FT May 10, 2018
Malaysians
reject fear tactics and opt for change
CHANDRAN NAIR
FT May 10, 2018
Malaysia:
a victory for Asian democracy
VICTOR MALLET
FT May 11, 2018
Malaysia
has the chance for more accountable rule
FT May 11, 2018
Mahathir
returns weighed down by baggage and promises
Ben Bland and Harry Jacques in Kuala Lumpur
● Brexit
The Guardian, Tue 8 May 2018
The Brexit
deal will be a mess. In the end its cheerleaders will abandon it
Rafael Behr
The Guardian, Tue 8 May 2018
The
Guardian view on Boris Johnson and Brexit: crazy is as crazy does
Editorial
FT May 8, 2018
The real
divide over the UK’s post-EU future is hope and despair
NORMAN BLACKWELL
The Guardian, Wed 9 May 2018
Suddenly,
soft Brexit can happen. Thank the Lords
Martin Kettle
● タックスヘイブン
The Guardian, Tue 8 May 2018
Tax-haven
transparency won’t stop money laundering in Britain
Prem Sikka
VOX 08 May 2018
Tax
evasion and inequality
Annette Alstadsæter, Niels Johannesen, Gabriel Zucman
● トランプの通商政策
FT May 8, 2018
Donald
Trump’s irrational trade demands on China
FT May 8, 2018
Donald
Trump declares trade war on China
MARTIN WOLF
トランプ政権は中国に対する最後通牒を発表した。その内容は、驚くべきものだ。
貿易不均衡を12か月で1000億ドルずつ、2年間減らす、解消する「具体的で、検証可能な行動」を要求する。/市場を歪める補助金を即座に廃止する。/技術や知的財産を狙ったサイバー攻撃を止める。/アメリカによる投資規制に対して、反対や報復をしない。/中国市場への公平・効果的・無差別のアクセスをアメリカ企業に保証する。/関税を下げる。/この合意を守っているか監視する。中国は反対しない。WTOに苦情を出さない。
こうした要求は、無差別・多角主義の原則に違反する。アメリカが築いた貿易システムを否定する。不均衡がアメリカの側にも、特に、財政赤字に原因があることを無視する。第3国への悪影響を無視する。
アメリカが中国の技術革新を阻止できるような主張を、中国は決して受け入れない。アメリカが裁判官で、法廷で、法の執行者であるという考えは、19世紀の「不平等条約」を現代化したものだ。このような要求は、中国を侮辱し、それだけでなく、アメリカの同盟諸国にも貿易戦争を挑むものだ。
中国は多角的貿易システムを支持するだろう。そして、中国の経済を開放して、だれともウィン・ウィンの関係を求める。中国がそれを指導し、ヨーロッパも日本もそれを支持するだろう。
PS May 8, 2018
How Europe
Should Respond to Trump’s Steel Tariffs
DANIEL GROS
PS May 10, 2018
The Double
Standard of America’s China Trade Policy
DANI RODRIK
中国はグローバリゼーションの顕著な成功例である。それは、経済の自由化と同じくらい、非正統的な、体制による創造的産業政策によって達成された。「中国製造2025」はそれを継承している。
中国がグローバリゼーションで取った政策は、われわれがブレトンウッズのルールと呼ぶものだ。戦後初期の世界経済は、より多くの独自の政策を許容していた。そして実際、中国が行ったことは、多くの先進諸国が、歴史的に、キャッチアップの時期に採用してきた政策と同じである。
異なる経済・社会モデルに対して、選択できる政策を制限することは間違いだ。経済発展の水準、価値観、歴史的経過が多様な諸国にとって、多様な資本主義のモデルが有効である。トランプの通商目標はあまりにも重商主義的であり、アメリカ企業の利益を特別視する。すべての参加者にとってグローバルな貿易を改善する政策には関心がない。
通商体制の黄金律とは、「同じ状況で自分が採用しないような政策を、他国に押し付けるな」である。
YaleGlobal、Thursday,
May 10, 2018
10 Quick
Facts on US Trade
Farok J. Contractor
● コスタリカ
PS May 8, 2018
How Costa
Rica Gets It Right
JOSEPH E. STIGLITZ
コスタリカは500万人足らずの国だが、軍隊を廃止し、国連平和大学を招致した。豊かで多様な生態系を守り、森林の回復にも努めている。電力はすべてクリーンな水力発電だ。
世界中に権威主義体制や準ファシズムが広まる中、生協や社会企業中心の資本主義に代わる経済システムに依拠し、平等な成長と民主主義を実現しているコスタリカの経験から、諸国が学ぶものは多い。
● 仮想通貨の発行特権
FT May 9, 2018
Cryptocurrency
creeps into the mainstream
PS May 10, 2018
Initial
Coin Scams
NOURIEL ROUBINI
仮想通貨のユートピアでは、すべての商品やサービスがそれぞれの通貨を発行する。消費者はその価格が比較できない。仮想通貨のトークンは、レートが非常に浮動的で、購買力もわからない。
それは楽園ではなく、石器時代だ。
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The Economist April 28th 2018
Within reach
Financial
regulation: Taming crypto
Global
logistics: Thinking outside the box
Banyan:
Misunderstood youth
Farming in
Africa: Squeezed out
Commodities
and geopolitics: The 800-pound-gorilla effect
(コメント) ユニバーサル・ヘルス・ケアUHCが特集されています。ユニバーサル・ベーシック・インカムUBIの議論と重なって見えますが、別の議論です。社会の集団的能力を高める枠組みを提供できる公共的な権力の問題を、はっきりと示しています。
それは、仮想通貨の規制問題や、グローバルなロジスティクス(物流)についても、北朝鮮の核危機と朝鮮戦争の終結でも、部分的に重なって現れています。アフリカが世界の食糧庫になる、という話と、トランプ政権が世界の商品市場や通貨市場をかく乱する話に注目しました。
UHCとUBIがあれば、アメリカが抜けた世界(そして朝鮮半島の危機が続く世界)でも、次の指導的な諸国家がアフリカに登場するかもしれません。
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IPEの想像力 5/14/18
震災の後、残された家族2人、父と息子が7年間をどうして過ごしたか、NHKが紹介していました。自分の父母と妻、幼い子供を亡くし、お父さんは小さな息子に何とか不自由させないよう、必死に働き、慣れない家事を勤めます。
しかし、たった一人残されたら、どうしたのでしょうか? 父だけ、あるいは、幼い子供だけの日々は、さらに寂しく、悲しく、苦しいものであったと思います。どのような慰めも、補償も、それを回復するものではないでしょう。
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サハラ砂漠より南のアフリカには、まだ多くの未耕作地があり、もしこれが現代の農業技術によって耕作されるとしたら、世界の食糧庫・パン籠になるだろう、というThe
Economistの記事に希望を感じます。その未耕作地の広さは、2億ヘクタールです。
なぜ利用しないのか? その多くの土地が、内戦状態の国家に属している、というのが重要な理由です。・・・スーダン、コンゴ民主共和国。また、農耕をするには、伝統的な放牧業者と土地利用の対立が生じます。
政府が土地を、バイオ燃料や輸出用の商品作物を植える外国企業に、大規模に貸し出すこともあります。また、広大な自然公園に指定し、住民たちの利用を制限する場合もあるのです。家畜の飼料用の土地、狩猟用の土地、など、さまざまな用途によって農耕は排除されています。都市の住民が土地を保有するのは、農耕以外の目的で投資し、耕作しません。
もし化学肥料や優れた農機具、耕作機械、など、最新技術を導入すれば、生産性は大きく高まり、農民も豊かになれます。しかし、農業で就労できる人口は大幅に減るでしょう。AIの普及を恐れる富裕な工業諸国と同様の問題です。
FTの記事で、G.
Rachmanが、移民・難民問題が解決できなければ、民主主義の将来をポピュリズムや人種差別集団が支配する、と警告しています。アフリカの人口増は、それに対して人口減少と高齢化を生きるヨーロッパ諸国に移民圧力を及ぼすからです。ナイジェリアだけでも、その人口はEU諸国の全人口より多くなる、と予測されています。
****
日本には、優れたインフラがありながら、それを利用する住民は減少しています。都市のインフラを維持するコストは、少なくなった人口にとって負担となり、都市の規模を縮減する計画を検討しているようです。
駅前の、シャッターが下りたままの商店街でも、積極的に若い人口を受け入れて、子供を育てる家族が移住してきたら、あちこちに、素晴らしい街がよみがえると思います。
日本に多くの外国人観光客が訪れて、お寿司を食べたり、神社仏閣を訪ねたり、桜やモミジの美しい景色を観て、インターネットに写真を載せます。アジアやラテンアメリカ、中東、そしてアフリカにまで、日本は治安のよい、住みやすい国である、という認識が広まることで、きっと次の人口圧力や戦争、難民危機の過程で、日本が最終の目的地である、と言われるようになるでしょう。
被災地で苦悩する残された家族が、もし父親1人、あるいは、子供1人であれば、一緒に助け合って暮らせたらよいのに、と私は思いました。グローバリゼーションも同じです。もし政治が、対話と合意形成の優れた能力を発揮するなら、さまざまなインフラと機会を提供し、日本はもっと多くの難民家族を受け入れることができます。そして、すばらしい日本人を得るでしょう。
移民・難民の受け入れを国際的に分担し、成長につなぐモデルを築くことが、民主主義の将来を決めるのです。
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