前半から続く)


● AIと社会・政治革命

FT May 2, 2018

Facebook or Google — which should worry us more?

GILLIAN TETT

FT May 3, 2018

Priced out of the American dream

Sam Fleming in Palo Alto

3月から、造園労働者たちが家族とともに小さなバンで暮らしている。East Palo Altoの寝室1つしかないアパートがあまりに高価な家賃となって、出たからだ。彼らと同じように、シリコンバレーで、自動車、トラック、キャンピングカーで暮らす、多くの労働者たちがいる。そこはサンフランシスコ湾に面した、Facebookの急速に拡大するMenlo Parkから1マイルしか離れていない。

カリフォルニア州のホームレス人口は、2016-2017年、他の州に比べて、急速に増大した。過去10年間の住宅建設数は、以前に比べて半減している。

「住宅所有者たちは供給を制限することで利益を得ている。彼らはその価格やパワーを低下させたくないのだ。」とJenny Schuetzは言う。住宅建設を規制する法律が多くある。Enrico Morettian economics professor at the University of Californiaは、沿岸都市やNew York, San Francisco and Bostonで新規住宅建設を規制することが、高生産地域への労働供給を制限することで、アメリカ経済全体の成長を妨げている、と言う。

20世紀後半までのアメリカ史では、高生産性、高賃金の場所に大規模な国内移民が起きたし、それは住宅建設ブームをともなった。

ゾーニング規制は、アフリカ系アメリカ人が白人地区に入るのを拒むための、規制や官僚主義の複雑な合成物だった。それは政府が支援する人種隔離だったのだ。現代の規制は人種に依拠していないが、それでも社会正義を損なう問題である。十分な住宅建設を拒むことで、彼らは、特に若者たちに対して、ドアを閉ざしている。

ハイテク大企業のGoogleFacebookは、新しい住宅開発を計画している。しかし、企業だけでは解決できないだろう。州政府は地区住民との「対話」を求めるべきだ、とLeora Tanjuatco Rossは言う。またKaren Chapplea professor of planning at the University of California, Berkeleyは、住宅の大量供給だけでは問題を解決できない、と警告する。住宅価格の全般的な下落が求められるが、建設コストの高騰により、利益を得るのは高価格住宅の建設を進める開発業者である。収入の問題、教育政策など、他の政策と組み合わせるべきだろう。

PS May 3, 2018

The Politics of Machine-Learning Algorithms

MARK MACCARTHY

紀元前1200年ころ、中国の殷王朝では、日常生活や祭式に用いる、多数の巨大な青銅器を生産するため、工場システムが発展していた。大量生産システムの例として、多くの作業に分かれた労働者集団を、正確な秩序に従って動かす、複雑な計画が必要であった。

こうした初期の計画された作業システムが中国社会の形成に重要な役割を果たした、と考える研究者もいる。人々は官僚制的な構造を受け入れ、階層的な秩序を重視する心理を持ち、これが物事を実現する唯一の正しいやり方だ、という信念を持った。

産業の工場システムがヨーロッパに導入された19世紀に、フリードリヒ・エンゲルスのような、資本主義の激しい批判家も、大量生産が集権化された秩序を必要とすることを知っていた。資本主義でも、社会主義でも。20世紀のL.ウィナーは、原子爆弾も、「本来的に、政治的な産物である」と考えた。なぜなら「その致命的な重要性ゆえに、権限を集中し、厳格に階層的な命令系統を要求する」からである。

こうした思考は現代もさらに突き進む。学習するアルゴリズムを備えた機械がそうだ。彼らは人間の行動を模倣し、すでに労働現場で重要な役割を担っている。その結果、人間の任務が再定義されていく。その効率改善は多くのデータに依拠することで得られる。その条件は、人間の行動を記録し、利用できることだ。それは個人のプライヴァシーと対立する。

コミュニティーのメンバーに関する情報を公共的な利用に供するシステムは、社会学者Amitai Etzioniのような、社会規範を重視する共同体論者に似ている。しかし、アルゴリズムは社会規範に関心がない。

こうした技術変化は、個人主義者たちを意図しない共同体論者に変換すると同時に、アルゴリズムの評価に依拠するメリトクラシーの文化を信奉させる。人々は、こうした非人間的手段による階層化に従うのだ。それは、すでにクレジット・カードの利用者が信用評価されているのと同じである。

しかし、技術は宿命ではない。アルゴリズムがわれわれを変形する前に、われわれが彼らを変形する。人間生活の触れられたくない分野にはプライヴァシー・ネットを張る。データの有害な利用から人々を守る。他の重要な価値、すなわち、公平性、説明責任、透明性、をアルゴリズムの正確さとバランスさせるように求める。それはわれわれのパワーに委ねられている。

もしわれわれがアルゴリズムの自然法則にしたがえば、メリトクラシーと共同体文化は避けられない。その結果、われわれの民主的制度や政治構造が根本的に変容する。すでに中国についてDaniel A. Bell and Zhang Weiweiが警告した。中国では、集団的決定が市民の明示的な合意によらず、人々は政府に反対する権利をわずかしか持たず、特に、政府による監視について、反対する力がない。

現在のビジネスと消費の文化が向かうのは、個人主義やリベラルな民主主義の歴史ではなく、中国社会の伝統に近い姿だろう。

YT May 3, 2018

Industrial Revolutions Are Political Wrecking Balls

By Thomas B. Edsall


● グローバリゼーション

PS Apr 30, 2018

Why We Need Globalization

KOICHI HAMADA

グローバリゼーションへの反発は、各地でポピュリストたちにより政治的に利用されている。しかし、グローバリゼーションは分野によって異なる反応を生じる。多くの場合、貿易や移民には反対するが、同じ人々が、外国からの直接投資は歓迎する。

NYT May 1, 2018

The U.S. and China Are Finally Having It Out

By Thomas L. Friedman

これは貿易戦争ではない。新しい超大国である米中で国際関係を書き直す局面に入った、ということだ。その経済と支配力について、どのようなルールにするかを話し合う。

1局面は、反ソ連の米中同盟で、中国が西側のルールに従う形で市場に参加し、成長した。第2局面では、中国式の資本主義が成功し、巨大な工場と市場を実現した。WTOルールを書き直すより先に、中国は貿易や技術の不正な利用で成長した。

3局面は、この成功をハイテク先端分野に拡大し、産業政策を展開する“Made in China 2025”だ。アメリカもEUも、先端分野の企業買収を阻む、など、慌てて対抗策を立てている。

しかし、トランプは理解していない。中國と新しい貿易・投資ルールを交渉するには、EUや日本との協力が欠かせないこと。TPPは重要な優位をもたらす土台になること。アメリカ自身の教育やインフラに対する投資が、長期の産業育成につながること。


● イラン核合意

PS Apr 30, 2018

How Europe Can Save the Iran Nuclear Deal

MARK LEONARD

NYT May 2, 2018

To Win a Nobel, Trump Should Look to the Iran Deal

By Antony J. Blinken


● マルクス生誕200

PS Apr 30, 2018

Liberal Totalitarianism

YANIS VAROUFAKIS

NYT April 30, 2018

Happy Birthday, Karl Marx. You Were Right!

By Jason Barker

181855日に、ドイツ南部の町Trierでカール・マルクスは生まれた。生誕200周年である。

われわれは、彼の危険で、心を惑わす哲学から、何を学ぶべきか? 今に続く彼の貢献とは何か?

ネオリベラルの時代にも、マルクスの資本主義論を読むことには意味がある。教育ある、リベラル派の人々は、概ね、マルクスの基本的見解が正しい、と受け入れている。すなわち、資本主義とは深く分断される階級闘争が推進力となるシステムであり、支配的な少数派が、多数派の労働者階級から、剰余労働を利潤として得ている、という見方だ。

しかし、この「反秩序」をどうするべきか、この点では意見が大きく分かれている。そして、マルクス自身も答えを示さなかった。マルクスが達成したものとは、資本主義だけが可能な経済システムだ、というイデオロギーを打ち破ることだった。

マルクスはヘーゲル哲学に傾倒し、同時に、その観念論を逆転させた。神の権威ではなく、懐旧も国家もない共産主義という概念が、メルクスとエンゲルスの描く歴史とその物質化された未来であった。彼らが考えた階級の抑圧は、現在なら、人種の抑圧、女性の抑圧としても社会を分断している、と批判される。

マルクスは、思考の規範を破壊し、その社会的な基礎を破壊するように求めた。

新しい社会への移行が進めば、人々の間の諸関係が、資本の諸関係ではなく、最終的に、個人の価値を決める。

PS May 1, 2018

Is Marx Still Relevant?

PETER SINGER

1949年に毛沢東の共産主義者たちが中国の内戦に勝利してから、40年後にベルリンの壁が崩壊するまで、カール・マルクスの歴史的意義は大きかった。人類の10人中4人がマルクス主義者を自称する政府の下に暮らし、多くの国でマルクス主義が左派の支配的思想になり、右派の政策はしばしばマルクス主義に対抗するために示された。

マルクスの評価は大きく損なわれた。それは、マルクス主義を標榜する体制が虐殺に関わったからだ。しかし、マルクス自身がそうした犯罪を支持した証拠はない。共産主義体制が崩壊したのは、ソ連圏や毛沢東の中国が、資本主義体制下の多くの人々が示す生活水準に等しい生活を提供できなかったからだ。

これはマルクスの共産主義像が間違っていたからではない。なぜならマルクスは共産主義社会を決して描かなかったから。マルクスの欠陥は、人間の本質に関して、である。彼はそれを「社会関係の集まり」とみなした。それゆえ、新しい社会の人々は、資本主義下の人々と非常に異なっているだろう、と。

異なる経済システムの下では人間性が異なるというのは、ヘーゲルの歴史哲学の応用だった。ヘーゲルによれば、歴史は人間精神の解放であったが、マルクスは「観念論」の説明を「唯物論」に転換した。歴史の原動力は、物質的な要求を満たすことであり、その解放とは階級闘争によって実現する。

マルクスは考えた。労働者たちが生産手段を集団的に所有するなら、「協調的な富があふれ出す。」 それは非常に豊富であるから、もはや分配問題は存在しないだろう、と。だから彼は、富の分配に関する細部を書く必要がないと考えた。

しかし、生産手段の私的所有を廃止したソ連や中国でも、人々が共有の富を信じることなく、自分たちの権力、特権、奢侈を追求した。それが明確に示したのは、皮肉なことに、私的な富の方が、集団的な富よりも豊富に生み出される、ということだった。中国経済が急速に成長したのは、毛沢東の下ではなく、私的企業を許した鄧小平の下であった。

中国経済はもはやマルクスと関係ない。それでもマルクスの知的な影響は残っている。彼の歴史的唯物論は、その毒素を取り除いて、人間社会のダイナミズムを理解するわれわれの知識になっている。それは、碾き臼が封建領主をもたらし、製鉄所が資本主義社会をもたらす、という粗野ものではない。

思想、宗教、政治制度は、われわれが必要を満たす手段、その周りにわれわれが築く社会構造、それらが生み出す金融的利益から、独立したものではない。これはわざわざ書くまでもない、当たり前のことである、と思うだろう。われわれは皆、その見解を自分のものと思っているからだ。その意味で、今や、われわれすべてがマルクス主義者である。


● 為政者の哲学

NYT April 30, 2018

Robert E. Rubin: Philosophy Prepared Me for a Career in Finance and Government

By Robert E. Rubin

それはギリシャ哲学の教授から学んだ、批判的思考方法、であった。

FT May 3, 2018

Donald Trump shatters international trust in America

PHILIP STEPHENS


● イスラエルとイランの戦争

FP APRIL 30, 2018

Israel’s Calm Before the Storm

BY PHILIP GORDON

NYT May 1, 2018

Benjamin Netanyahu’s Nuclear Nothingburger

By Steven Simon

FT May 2, 2018

Trump and Netanyahu miss the real threats posed by Iran

DAVID GARDNER

FT May 2, 2018

Benjamin Netanyahu is bending Donald Trump’s ear on Iran

ROULA KHALAF

NYT May 3, 2018

Who Can Prevent a War Between Israel and Iran? Russia

By Joost Hiltermann


● タックス・ヘイブン

The Guardian, Tue 1 May 2018

The Guardian view on UK tax havens: MPs are right to get tough

Editorial

FT May 2, 2018

The City’s approach to oligarchs is craven

JOHN GAPPER

FT May 4, 2018

Fewer dark corners for dirty money to hide in

火曜日、下院はイギリスの海外領で登記された企業に対して受益者を公表するように求めた。このことをすべてのものが喜んではいないだろう。富裕層のプライヴァシーと、犯罪行為の取り締まりとは、バランスを取って判断しなければならない。

それはカリブ海域や太平洋で行われているだけではない。


● 経済学の失敗

FT May 1, 2018

Has economics failed?

JOSHUA OLIVER

先週、Tom Clarkeditor of Prospect magazineChris Gilesthe FT’s economics editor2人の作家が論争した。

Martin Wolf ・・・経済学は、その限界を知れば、必ずもっと改善できる。正しい答えを示すというより、システマチックに、厳密な思考の枠組みを提供する。

Diane Coyle ・・・それは、男性の、白人の、贅沢な職業だ。

Gavin Jackson ・・・民主主義を動かす、大衆のための知識になっていない。

Mariana Mazzucato ・・・均衡、限界、平均を方法とした点で、資本主義の本質である革新を見失った。

Maurice Obstfeld ・・・批判のいくつかは正しいが、経済学にできることは限られている。

Tim Harford ・・・オークション・セオリー、外部性、国民所得、実験的方法・・・ で何か役に立ったか? 何もない。


● 一帯一路

VOX 01 May 2018

The Eurasian Landbridge: Linking regional value chains

Richard Pomfret

VOX 02 May 2018

The Eurasian Landbridge and China's Belt and Road Initiative

Richard Pomfret


● マクミランの保守主義

FT May 2, 2018

Theresa May cannot solve her customs union conundrum

SEBASTIAN PAYNE

PS May 2, 2018

Can a European Capital Market Survive Brexit?

HOWARD DAVIES

FT May 4, 2018

Tories pay for forgetting Macmillan’s courageous pragmatism

MARTIN WOLF

マクミランHarold Macmillanは、最も過小評価されているイギリス首相である。そして、今では失われた、賞賛すべき保守主義を体現していた。現代の保守党はあまりにも破壊的である。マクミランの保守主義とは、勇気あるプラグマティズムであった。

1957-63年に首相であった時期、2つの戦略的な決定を行った。保守党を説得して、帝国主義を放棄し、EEC(ヨーロッパ経済共同体)を受け入れるように変えたのだ。これが保守主義の精神だ。変化に飛び込むことなく、そうすることが必要なときは、変化を受け入れる。

1960年、マクミランは南アフリカで有名な演説をした。「アフリカ大陸には変化の風が吹いている。われわれが好むかどうかに関係なく、国民意識の成長は政治的事実である。われわれはそれを事実として受け入れ、政策もそれを考慮しなければならない。」 多くの保守派は帝国を失う現実に和解できなかった。しかし、マクミランは、それが不可避であると認めた。チャーチルなら、それを守るために不毛な戦争をしただろう。

1961年、マクミランはその一歩を踏み出した。EECへの加盟申請だ。内閣は3つの理由で俺に合意した。戦後イギリスの沈滞した経済活動を刺激する。足元に巨大な統一市場ができるとき締め出されることを防ぐ。帝国の偉大さも、産業の指導力もない、ヨーロッパ沖の島になって、政治的な周縁に追い込まれることを阻む。

マクミランの指導の下で、保守党は大胆な一歩を踏み出した。他方、労働党は深い分裂に陥った。保守党こそが、イギリスの位置に起きた根本的な変化を受け入れて、冷静かつプラグマティックに決断したのだ。

イギリスは長く、敵対的な指導者による統一ヨーロッパが現れることを阻止するために闘った。今、それは友好的で、平和な、統一ヨーロッパである。イギリスは孤立して商業帝国を築く、という世界が消滅したのだ。イギリスは、その一部となった、ヨーロッパ大陸の運命と切り離せない。1961年以来の大きな変化にもかかわらず、このことは変わらない。

彼の申請を拒否したのは、フランスのド・ゴール大統領だった。「その本性、構造、状況において、イギリスは大陸諸国と全く異なっている」、と。

マクミランは世界におけるイギリスの位置を受け入れるプラグマティストだった。しかしド・ゴールは、当時、真実を述べた以上に正しかった。Brexitで、孤立性がマクミランの常識を破った。


● ワイマールの教訓

PS May 2, 2018

Ten Weimar Lessons

HAROLD JAMES

ワイマール共和国が崩壊し、ナチズムが権力を握った時代の教訓は、今もドイツ人にとって重要だ。しかし、世界の民主主義諸侯が同様に緊張状態を示している。

2つの教訓がある。1つは、経済的なショックが、すなわち、インフレの加速、不況、銀行倒産があるとき、政権や政治体制は挑戦を受ける。どのような変化も今よりましだ、という感情が広まる。もう1つは、比例代表制は事態を悪化させる可能性がある。極左も極右も、既存の「システム」を拒み、妥協しなくなる。政治は解体していくだろう。

しかし、この2つの教訓は、バラバラに理解されて、間違った安心感を生んだ。すなわち、極端な経済危機だけが政治システムを転覆する、とか、比例代表制でなければ政治は維持できる、とか。

ワイマール時代の危機を語る8つの追加的教訓を指摘したい。

1.国民投票は危険である。特に、経験がないとき。2.法律が定めない時期の議会解散は危険である。3.優れた憲法がシステムを守るわけではない。4.議会ではなく業界のロビー活動が議会の合意形成を損なう。5.政治的敵対関係を善悪の2極論で描く政治文化は民主主義を破壊する。6.指導者の家族は問題を生じる。7.戦闘的な集団は選挙の多数を得ることなく権力を握る。8.不満層に財政的な買収を行う現職者が成功することで、長い目で見て、債務に依存し、国家を滅ぼす。


● ベーシックインカム

NYT May 2, 2018

Universal Basic Income Didn’t Fail in Finland. Finland Failed It.

By Antti Jauhiainen and Joona-Hermanni Mäkinen


● ローマ法王

NYT May 2, 2018

The Pope vs. the Populists

By Ivan Krastev


● 王族の結婚

FP MAY 2, 2018

Royal Weddings Are a Fairy Tale. They Used to Be High-Stakes Diplomacy.

BY RICHARD EVANS

世界中で数百万人が、519日のハリス王子と、アメリカ人女優、マークルMeghan Markleとの結婚式のテレビ放送を、熱心に観るだろう。王族の結婚は、心温まる童話であり、われわれの日常的な些事や苦しみを忘れさせる。

王族の結婚は、伝統のショーケースでもある。イギリスの王室家族は、共同体や安定性の理想を表しており、現在の瞬間も過去に根差すものであり、ある物事が永久に引き継がれることを確認する。結婚に向けてマークルはすでにイギリス市民となり、イギリス国教会に受け入れられる。

王族の結婚は、国民の文化行事でもある。しかし、かつてはそれが、国益と国際的な野心を表現するものとみなすのが当然であった。16世紀、17世紀のヨーロッパを考えてみればよい。国家は君主のものであり、結婚は領土の拡大や他国との重要な同盟関係を固めることであった。結婚は常に家族の所有物を確認する手段であるが、その所有物の1つが国家そのものであった。

19世紀初めまでに、近代国家が成立し、王族は土地を集積することができなくなり、王族の結婚は、もはや領土的意味を持たなくなった。1789年のフランス革命が主権の意味を変えたのだ。主権は人民あるいは国民にあると考えられ、君主は形式的な、象徴的存在になった。

しかし、なお王族の結婚は、王位が下層の人々によって薄められるべきではない、と多くの人々が考えたために、ヨーロッパの王族内の小さな集団で引き継がれた。この慣習は、市民政府が王族の結婚を外交の手段とする決定によって、さらに強化された。その政策は時には破局をもたらしたが。第1次世界大戦は、王族の結婚が国際関係を決定する上で何の意味もないことを示した。


● 市民権

Bloomberg 201852

Why Citizenship Matters

By Clive Crook

FT May 3, 2018

The question of identity cards

Sebastian Payne, Karuna Nundy, Frederick Studemann and Tammy Lai-Ming Ho


● 雇用保障

The Guardian, Thu 3 May 2018

The Guardian view on a job guarantee: a policy whose time has come

Editorial


● アフリカの発展

PS May 3, 2018

Africa’s Alternative Path to Development

BRAHIMA COULIBALY


● バングラデシュの労働者

PS May 3, 2018

Empowering Bangladesh’s Female Garment Workers

RUCHIRA TABASSUM NAVED, SADIKA AKHTER


● インド洋

YaleGlobal, Thursday, May 3, 2018

India’s Indian Ocean Challenge

Harsh V Pant

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The Economist April 21st 2018

What has become of the Republican Party?

Artificial intelligence: The Kamprad test

America’s Republicans: How the elephant got its Trump

Censorship: No laughing matter

Driving: One country, three systems

Refugees: Yearning to be free? Bad luck

Enoch Powell, race and migration: Fifty years down-river

Integration refugees: Making them welcome

(コメント) 難民・移民に関する記事が多く載っています。欧米の政治がこの問題によって深く変形しつつあることがわかります。政治がますます分裂状態や機能不全を示すことで、移民や難民を攻撃する声と重なるからでしょう。また、インターネットやAIを使った監視・宣伝が政治を変容することで、国民すべてが、移民のような不安を感じる世界になるかもしれません。

中国の都市は自動車が増えるのを抑制するために、くじ引きやオークションを行っている、ということです。しかし、くじ引きの「公平性」は汚職・買収を誘発することによって損なわれ、オークションの「合理性」は、貧富の格差をあからさまに示すことで憎まれます。

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IPEの想像力 5/7/18

たまたま目にした「地球タクシー」は香港でした。ドライバーは、植民地時代と比べて、今の方が「不自由」だと感じています。香港を統治する者は、大した警備も付けていなかった。すぐ隣にいて話すことができるほど。しかし、今は違う。

返還された香港が、まるで以前の植民地支配を懐かしむような、不思議な話です。それは、犯罪組織が支配する九龍城砦のスラムが「自由」で、返還後、再開発されて、昔の面影は「観光資源」に変わったようなものかもしれません。しかし、香港住民が雨傘革命の後、何かを失ったと感じるとしたら、それはやはり「自由」なのでしょう。今や、香港は中国からの投資と政治支配による「新しい植民地」です。

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マルクス生誕200年を記念して、トリーアの町には中国政府から巨大な彫像が贈られた、とニュースは伝えています。

マルクス主義が政治思想や経済学を揺さぶった時代は、もう再現されないでしょう。しかし、なぜ歴史に大きな影響を及ぼしたのか、その政治経済的条件を理解できる時期が来たわけです。

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移民・難民たちが人為的な境界線を越えて移住・避難できることは、領土や境界、私有財産に縛られた私たちの側の問題を先鋭に示す形で神経症的な論争を喚起します。すべてはそもそも私たちの社会が生み出した悪徳や悪弊なのだ、と思います。

もし誰もが自由に土地を耕し、自由に職を得て、自由に学び、自由に自分の意見を表明できるなら、この世界に移民や難民などいるでしょうか? 彼や彼女は、どこにいても人として当たり前のことを求め、働いて暮らすことを認められると思います。

難民の統合化について、The Economistが紹介します。ウガンダの南西部の村は、スーダンからの難民を受け入れ、彼らに土地を貸し与えて、耕作することを許しました。地元の長老は、それが中央政府から見放された彼らの選択だった、と語ります。新しい学校や医院ができ、道路ができることを願います。自分たちの子どもにも職場が得られるだろう、と。

もし社会の最上層の人々も、最下層の人々と、その衣食住に関して、大きな違いがないのであれば、例えば、8倍以内の差に制限されているなら、もっと自由に職場や社会的地位を変わっていけると思います。

他のヨーロッパ諸国に比べて、ドイツでは、難民の統合化が成功しています。それはドイツが労働市場を改革して、移民たち、低賃金労働者の入りやすい建設分野を解放しているからだ、と記事は指摘します。フランスのような移民が集中する郊外都市はなく、アメリカのように豊かな白人が都市中心部から逃げ出す再分離も起きていません。

Paul Collierらは、豊かな諸国がもっと難民を受け入れ、雇用するべきだ、と考えます。犯罪や異文化を恐れて、豊かな国がドアを閉ざすなら、十分な投資を得られない土地では、Paul Romerが唱えるチャーター・シティを建設するかもしれません。

自由で、平等な社会を築く。それをマルクス主義と呼ぶ時代もあったわけです。これからも、人々の理想は形を変えながら、政治的、社会的な格差や境界線、隔離や分断を乗り越える要求、連帯の運動として、世界中に現れます。

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