(前半から続く)
● 金正恩の北京訪問
FP MARCH 23, 2018
3 Steps Trump Should Take Before
Meeting Kim Jong Un
BY MICHAEL SINGH
もし首脳会談を成功させたいなら、開催時期を延期するべきだ。首脳会談には多くの準備が必要だから。
1.下位官僚による情報交換で北側の意図を確認する。
2.アメリカはアジアの同盟諸国との意見交換が必要だ。米朝会談の結果は、日本や韓国、そして、中国やロシアの安全保障に重大な影響を及ぼす。
3.アメリカの国内機関で細部の調整が必要だ。首脳会談で何を求めるか、何を譲歩できるか。イランとの核合意でも、交渉の過程で最初の目標を下げることになった。
北朝鮮が非核化することと交換に何を提示できるのか、トランプ政権はアジアの安全保障の全体像を明確に意識しておかねばならない。朝鮮半島の非核化とアメリカの軍事的プレゼンスが低下することになれば、その最大の受益者は北京であり、最悪の立場にはアジアの同盟諸国が就く。
NYT MARCH 27, 2018
Kim Jong-un Met Xi Jinping in Secret
Beijing Visit, China Says
By STEVEN LEE MYERS and
JANE PERLEZ
NYT MARCH 27, 2018
What Kim Jong-un May Get in Reaching
Out to China
By
STEVEN LEE MYERS and CHOE SANG-HUN
中国は、米朝会談で彼らの関心が無視されることを恐れた。北朝鮮は、制裁が強化され続けることで、自国の経済が崩壊する道に進むことを恐れた。中国との関係改善が急がれた。
FT March 28, 2018
Kim Jong Un visits Beijing ahead of
Trump summit
Tom
Mitchell and Charles Clover in Beijing and Demetri Sevastopulo in London
FT March 28, 2018
Kim Jong Un’s ‘secret’ China visit
sends loud message to US
Charles Clover in Beijing
and Bryan Harris and Song Jung-a in Seoul
「キムは、中国の支援があれば、彼の交渉力が異なることをはっきりと意識している。特に、アメリカの安全保障チームが北朝鮮に関するタカ派で占められているときだから。」 「中国もまた、北朝鮮を取り巻く国際外交が中国を超えて進むことを懸念している。」
中国政府はこの訪問を認めていないが、これはアメリカに対する明確なメッセージである。北東アジアの地政学ゲームで中国を無視することはできない、と。
中国は6か国協議の主催者になってもよい、と考える。
The Guardian, Wed 28 Mar 2018
So what was the point of Kim
Jong-un’s mysterious trip to China?
Mary
Dejevsky
これはトランプとの首脳会談に向けた練習だ。
世界的な凶悪人から、安心して受け入れられる人物への変身。それに成功すれば、核兵器は目的ではなく手段となる。
FT March 28, 2018
Mr Kim goes to China
GIDEON RACHMAN
金正恩が北京を訪問した。この劇的な訪問の後、トランプの戦略は成功するのか?
それは就任以来、強い圧力をかけて北に核を放棄させることだった。特に、アメリカにとって直接の脅威になる核は許せない。しばしば軍事行動を取ると脅した。同時に、常に、北の最大の同盟国である中国を利用し、制裁を強化してきた。
訪中の声明を観ると、キムは朝鮮半島の非核化に同意した。ただし、それは理論上の問題で、細部はわからない。長年、北は米軍の朝鮮半島からの撤退を要求してきた。アメリカがそれを呑むことはあり得ないだろう。トランプは、アメリカ外交の正統を無視するかもしれないが。
広い意味で、南北対話が始まってから、凍結されていたすべての問題が解凍し始めている。朝鮮半島の和平協定も議論されるだろう。北に融和的なムン・ジェイン政権であるから、経済支援や人的交流が復活するかもしれない。
中国は朝鮮戦争を経て、今も北との安全保障上の同盟関係が続いている。朝鮮半島で戦争が起きることは、中国にとっても大きな脅威だ。この問題で中国政府が関わらないことを屈辱的に感じていただろう。しかし、交渉への関与は、習にとってのリスクにもなる。
さらに、2つの要因が問題を複雑化する。1つは、米中貿易摩擦だ。北京は北朝鮮を動かして、トランプ政権の貿易制裁を緩和したいと考える。もう1つは、強硬派のボルトンと、交渉の天才を自認し、成果に飢えているトランプ大統領の関係だ。
The Guardian, Thu 29 Mar 2018
The Guardian view on North Korea and
China: three in this relationship
Editorial
FT March 29, 2018
Trump, Xi and how to play poker with
Pyongyang
PHILIP STEPHENS
北朝鮮の金正恩は、おそらく、満足しているだろう。遅れた、2500万の国民を野蛮に弾圧する体制が、世界で最強の2国から関心を集めている。
国際社会はキムの北京訪問を歓迎する。その対案は戦争であるだろうから。数か月前に、トランプが炎と怒りを降らして北の核開発計画を破壊すると約束した。他方で、北京は、反逆する同盟国の隣人を抑える気がないか、それができなかった。
今や、真の外交が始まるのか? 冬のオリンピックは韓国との緊張関係を緩和した。金正恩がトランプと会談したいという提案は、アメリカの情勢分析を変化させ、軍事攻撃を延期させた。北京訪問は、それまで核開発計画を止めるように要求し、それを無視する金正恩を排除してきた北京が、その姿勢を変えねばならない、と感じたことを示している。
国営新華社通信は、「今年は朝鮮半島情勢を変える年になると約束されていたが、北朝鮮がこの方向で大きく努力したことに、われわれは感謝する。」という習主席の挨拶を伝えた。数年にわたり、国連による北朝鮮制裁決議を支持した、と北京に激怒したキムが訪中したことに、このへりくだった言葉がある。習はもはや、実質的に、皇帝以外の何物でもないが、キムがトランプに会う以上、この問題でわき役にとどまることは許されないからだ。
キムが、朝鮮半島を非核化したい、というとき、それは、韓国にアメリカ軍がいる限り、北が核保有する権利を持つ、という意味だ。アメリカ大統領のだれもそんな約束をしない。しかし、もし交渉が決裂したら、それを多くのアメリカにおけるアジア外交専門家たちは願っているだろうが、その責任はアメリカにある、というわけだ。
キムがアメリカとの対話で求めることは、北を完全な核保有国として認めることだ。アメリカの専門家たちは、太平洋を越えて核弾頭を運べるミサイルの開発に北がどこまで近づいたか、意見が分かれている。しかし、数年ではなく、数か月だろう、と考え始めている。
韓国は、南北首脳会談をセットできたことで、戦争の危機は去った、と感じている。平壌とおそらく北京も、ワシントンは騙されたと気づくだろうが、東アジアを軍事的に作り変える熱意を失うだろう、と考えている。対話は、封じ込めに代わるだろう。世界は今やトランプ後の外交を形成しつつある。北朝鮮もそうだ。
楽観論者は、トランプと習近平がすべての強いカードを出し合うポーカーゲームを考えている。その場合、勝つのはキムだ。ゲームの力学を変えるには、金正恩の手を知ることだ。
ここで明らかなことは、解決が何よりも米朝の合意に依拠しなければならない、ということだ。米朝ともキムが核を放棄することを求めている。トランプは軍事力を保持し、平壌は北京にエネルギーと食糧の供給を頼っている。北京は北の崩壊を恐れ、キムの核保有より、アメリカの影響力が中国国境まで迫ることを嫌う。こうして、キムは権力の座にとどまるのだ。
これを解きほぐす道があるとすれば、それは北朝鮮の領土を保証する米中合意だ。考えるのも恐ろしいことだが、北の体制を保障する。朝鮮戦争を終える和平条約に署名することだろう。キムがそれを拒めないような形で、米中が共同提案する。
FP MARCH 29, 2018
Did Kim’s Visit Just Hand China a
Trump Card?
BY
PATRICIA KIM
● ハイテク企業の株価下落
NYT MARCH 27, 2018
How Mark Zuckerberg Can Save
Facebook — and Us
By
Thomas L. Friedman
YaleGlobal, Thursday, March 29, 2018
Data for Sale
Susan
Froetschel
FT March 29, 2018
A moment of weakness for Tech’s
oligopolists
アメリカのハイテク大企業が急速に下降線を描いている。水曜日の朝、‘Faang’( Facebook, Amazon, Apple, Netflix and Google)の株価が一斉に下落したのだ。
彼らの膨大な利潤や将来の期待は、そのデータの扱いや寡占支配構造、新しい規制を意識され始めたことで、株価の再評価をもたらした。
● トランプ・ブームの終わり
NYT MARCH 23, 2018
The Trump Boom Is Making It Harder
to See the Next Recession
By
ROBERT J. SHILLER
トランプ・ブームがいつ終わるのか、エコノミストは予測できない。特に、トランプは大衆心理に影響を与え、自分の言ったことに合わせてデータを変えてしまう。
景気変動も、地球温暖化も、彼の直感に合わない。トランプはそれを否定し、説明しない。「ガッツで行け!」と、彼は2007年の本で書いた。「ビジネスでも人生でも、大きく考えろ。相手のケツを蹴とばすのだ。」
経済は永遠に拡大する、と前提している。平均すれば、5年に1度は不況になった、という事実を忘れさせる。しかし、1854年以来、アメリカには33回の景気後退があった。すでに前の景気後退から102か月が経っている。
貿易戦争を始めることで不況になるのか、もっと普通に、不況が起きて、アニマル・スピリッツと大衆心理は間接的な要因にとどまるのか、わからない。エコノミストは何が起きるか知らないが、安心しなさい。次の不況は必ず来る。
● 中間層の空洞化
Bloomberg 2018年3月24日
As Long as There Are Humans, There
Will Be Jobs
By
Noah Smith
PS Mar 26, 2018
Saving the Shrinking Middle
MOHAMED
A. EL-ERIAN
多くの人が自分は中産階級だとみなした時代があった。社会的に、政治的に、そしてビジネスにおいても、それは好ましい、安定的な、望むべき成果につながった。中産階級は社会のアンカーとなり、中規模の企業が繁栄することで社会の活力と回復が促された。中間層は個人としても集団としても、福祉の水準を示すものだった。
しかし近年は、中間層が安定性を欠き、予測しがたい、捉えがたいものになった。経済、政治、ビジネス、資産管理、さらにスポーツでも、その重要性はますます維持不可能になっている。
技術変化と、解き放たれたグローバリゼーションの潜在的な分配効果を政策が十分に抑制しなかったことが重なって、次第に、世界中の中間層が空洞化してしまった。既成政党が依拠する政治的中道は失われ、政治は怒りを刺激するものに変わった。分極化と分断化が進むと、2大政党制で政策を実現するのは非常に困難だ。
この傾向は、専門的な意見や規制制度に対する人々の信頼を失わせている。そして、より極端な党は、エスタブリシュメント批判が優勢になる。中産層はビジネスにおいても目にしない、不安定な存在になった。金融部門がそうだ。高度な規制と法令順守のコストに縛られて、ますます中規模の金融機関は生き残ることができなくなっている。
しかし、中産層の消滅は不可避なのか? 1つの好ましくない状態から他のもっと好ましくない状態へジャンプする、「複数均衡」の世界で生きるのか? あるいは、自然な中間層が回復し、責任ある政策が中道の健全さを回復するのか?
NYT March 28, 2018
Trade Is Not a Job Killer
By
Donald J. Boudreaux
● ナイジェリアのラゴス
FT March 26, 2018
Nigerian economy: Why Lagos works
David
Pilling in Lagos
● 中東の民主主義
FT March 26, 2018
Democracy’s faint pulse in the
Middle East
GIDEON
RACHMAN
● ビットコイン
FT March 26, 2018
Sorry Jack, Bitcoin will not become
the global currency
Jamie
Powell
● 中国のガバナンス
PS Mar 26, 2018
The Right Way to Judge Chinese
Governance
ANDREW
SHENG, XIAO GENG
NYT MARCH 27, 2018
The Orphans of China’s Economic
Miracle
By
LIJIA ZHANG
5年から7年へ飛び級した13歳の少女Huang
Kailongは、輝く未来を約束されていた。しかし、その後、彼女は失踪する。両親への手紙には、その理由が書かれていた。私は愛されていない、と。
彼女は中国で最も開発の遅れた貴州省の美しい村、Jidaoで育った。両親は出稼ぎに出て、1歳のとき、彼女は叔母の家にいた。その後も、1年に4か月の出稼ぎに両親が行くと、いろいろな親戚の家を頼った。
1月、世界のソーシャル・メディアは、8歳の少年Wang Fumanの風に焼かれた顔に驚いた。彼は雲南省の離村で祖父母と暮らし、毎日、学校まで約3マイルを歩いて通う。ある朝、彼は頭全体に霜が覆った姿で教室にいた。その写真を教師がインターネットに載せて、世界に広まった。多くの中国人の子供たちが、両親から離れて田舎に住んでいることを世界は知ったのだ。
この30年間、2億8000万人の中国人が、仕事を求めて田舎から繁栄する都市に出た。それは人類史上でも最大の移住であった。しかし、家族の将来を長期的に豊かにするためであったが、その子供たちは田舎に残された。家族と一緒に住む者もいたが、ときには子供たちを守る者がいなかった。
信頼できる統計は少ないが、婦人連盟の2013年報告では、3000万人の子供たちが両親と離れて暮らしている。それは中国のすべての子供の10%以上である。2016年の政府統計では、少なくとも36万人の子供が一人で取り残された。両親が子供を残すのには、多くの理由がある。都市の生活費は高く、不安定な雇用しか得られず、中国の居住管理制度によって社会給付が制限される。
近年、都市の子供たちは急速に知識水準を向上させてきた。それは田舎には当てはまらない。特に、取り残された子供たちは高校に行くことも少ない。田舎の教育水準や設備は悪く、教育コストが高くて学校にやれない。最も重要な理由は、そばに両親がいないことだ。
2015年6月、貴州省で、残された4人の兄弟が農薬を飲んで自殺した。政府は対策を命じたが、決して十分ではないだろう。このままでは「チャイニーズ・ドリーム」が田舎に届くことはない。
NYT MARCH 27, 2018
Is China’s Version of Capitalism
Winning?
Steven
Rattner
FT March 28, 2018
China’s immigration and aid agencies
a sign of global aspirations
Wang
Huiyao, Center for China and Globalization
● カタルーニャ
Bloomberg 2018年3月27日
Catalan Separatists Need to Stop the
Pointless Games
By
Leonid Bershidsky
● チェコ、スロヴァキア、ハンガリー
FT March 27, 2018
Czech Republic and Slovakia flirt
with authoritarianism
DALIBOR
ROHAC
NYT MARCH 27, 2018
How Viktor Orban Bends Hungarian
Society to His Will
By
PATRICK KINGSLEY
ハンガリーのオルバン首相は、さまざまな手段で世論を動かした。特に難民危機はそのテーマとなった。
今では教科書だ。8年生の教科書では、オルバンが難民をハンガリーへの脅威とみなすことを学ぶ。そして、彼が正しいと信じる。「異なる文化が共存することは問題につながる。」 右翼のメッセージが学校の教育課程に侵入する。
● ユーロ圏
PS Mar 27, 2018
The Lesser Evil for the Eurozone
JEAN
PISANI-FERRY
● 貿易額
PS Mar 28, 2018
The Dark Matter of Trade
RICARDO
HAUSMANN
FT March 29, 2018
Tax allegations threaten to blot
Gucci’s carefully crafted image
RACHEL
SANDERSON
● 難民キャンプの子供たち
NYT March 28, 2018
These Kids Could Tutor World Leaders
By
Nicholas Kristof
● パトリオット・ミサイル
FP MARCH 28, 2018
Patriot Missiles Are Made in America
and Fail Everywhere
BY
JEFFREY LEWIS
アメリカのパトリオット・ミサイルはサウジアラビアに販売された。しかし、その防衛システムは、イエメンのフーシ派反政府軍がリヤドに向けて発射した弾道ミサイルを、迎撃していない。アメリカは腐ったレモンを売ったのだ。そもそもパトリオット・ミサイルが迎撃に成功したと誰が主張するのか?
FP MARCH 28, 2018
Merkel’s Military Revival
BY
JEFFREY A. STACEY
● イラク戦争からBrexitまで
The Guardian, Thu 29 Mar 2018
Fifteen years on, the Iraq war is
still poisoning our national life
Gary
Younge
イラク戦争はBrexitまでつながっている。
● 炭素価格
FT March 29, 2018
How to make a carbon pricing system
work
MARTIN
WOLF
地球温暖化を抑えるには、炭素排出権に価格を付けて取引することが非常に有効なメカニズムになる。価格は人々の行動に、強力かつシステミックに、影響を与える。しかし、世界単一価格を決めることは、政治的に、不可能だ。貧しい者が炭素を排出できないことに対する公平な補償制度がないからだ。実際は、各国ごとの炭素排出規制が行われている。炭素税と炭素取引とのハイブリッドなシステムができている。
● イスラム教徒との対話
NYT March 29, 2018
The Wrong Way for Germany to Debate
Islam
By
Jochen Bittner
食事に誘ったら、ラマダンだから、とシリアから来たイスラム教徒の友人に断られた。私は、もし北極圏であれば、日が暮れるまで食事できないラマダンで餓死するよ、と言って笑った。ムハンマドも、ダマスカスの日没でよい、と認めるのではないか? と言って、さらに笑わせた。しかし、彼はコーランの言葉にはそう書かれていないから、という理由で拒んだ。
私は、複雑な気分だった。友人は冗談を楽しむし、イスラム教徒がラマダンで貧者の苦しみに共感することに私は敬意を払う。しかし、彼が宗教的な規律を信じて疑わない姿勢にとまどった。
これはドイツが直面している難問だ。新しい内務大臣Horst Seehoferは、「イスラムはドイツに帰属しない。」と発言した。彼は保守的なキリスト教社会同盟CSUの議長だ。
ドイツの、概ね世俗的な、リベラルな伝統や文化と、イスラム教徒たちの、世俗の法律より宗教的規範を上位に置く文化とは、顕著な緊張状態にある。問題は、この状態を一連の失敗として理解することだ。すなわち、第1に、労働力不足をトルコからの移民労働者「ゲスト・アルバイター」に頼った保守派の失敗、第2に、価値を問題にせず、すべての外国人を受け入れた左派の失敗、第3に、イスラム教徒と、多元主義の世俗的民主主義とを和解させなかった、すべての党派の失敗、である。
しかし、ドイツには多くのイスラム教徒が住んでおり、イスラム教徒の中にも、宗教的なドグマや、コーランの字句に過度にこだわる姿勢、反西側の教育、を批判する声はある。しかし、彼らは少数派で、多数のドイツ人イスラム教徒から敵意を受ける。
彼らもドイツ市民である。過去の失敗を責めるより、イスラム教徒の市民について、2つのことを理解すべきだ。市民であるとは、何よりも、市民の価値観や法律を重視すべきこと、また、世俗的な多数派は、その例外である、保守派のイスラム教徒をどのように受け入れるか、学ぶ必要があること。
確かに、歴史的理由から、ドイツ人はこうした姿勢を好まない。しかし、ポピュリストではない多くのドイツ人が、多元主義の社会に生きる条件を説明することを、恐れてはならない。
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The Economist March 17th 2018
The battle of digital
supremacy
The attempted murder of
Sergei Skripal: A poisoned relationship
Energy: Electric dreams
North Korea and America:
The summit of all fears
Venezuela’s
“crypt-currency”: A sunny place for a shady currency
Bagehot: Globaloney
Assassinations: Dealing
in death
Central-bank digital
currency: Proceed with caution
Free exchange: Faction
and friction
(コメント) ほかにも、日本の土地・住宅が市場としてうまく機能していない、という2つの記事があります。いろいろ並べましたが、いずれも私はポイントをつかみきれなかったようです。
デジタル時代の覇権戦争はどうなるのか? 貿易戦争のほんとうの意味は、これか? また、化石燃料からいよいよ離脱する時期が来たのでしょうか? これも新しい覇権戦争の意味を帯びます。イギリスにおける亡命ロシア人の殺害に関して、あるいは、イスラエル、アメリカをはじめ、世界中で行われている外国領土における敵対勢力の暗殺について。
暗号通貨・仮想通貨の中央銀行との関係も、なるほど、そうなるのか、というわけにはなっていません。自由貿易を支持する勢力が、グローバリゼーションを推進する結果として、いつの間にか、新しい保護主義の政治同盟を形成してしまうのか?
ただ1つだけ、よくわかるのは、グローバル・ブリテンを標榜するイギリス政府とBrexit推進派たちの中身の無さです。
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IPEの想像力 4/2/18
中朝首脳会談が非公式に行われました。まるで封印列車です。
冷戦構造の崩壊は東の第2幕を開けたのでしょうか?
ベルリンの壁が崩壊したとき、ロシアの国内改革も同時に進み、旧体制の崩壊が迫っていました。崩壊後は、ドイツが東西再統一を目指し、サッチャーの強い反対にもかかわらず、アメリカのブッシュ・シニアは統一を支持し、EUの一部として支持する、という政治的合意に向かいました。
アジアの冷戦構造が溶解するとしても、西側の崩壊に比べて、東側の崩壊は全く意味が異なります。北朝鮮の体制を温存したまま、アジア・太平洋における米中核管理体制に向かうのでしょうか? それは、もちろん戦争よりも優れた解決策です。
あるいは、日本が積極的に関与する、核抑止・廃棄を目指す体制の多角化・制度化に向かうのでしょうか? その両方が進むように思います。
NHK日曜討論を観ていると、興梠一郎氏は、中国の優先目標は冷戦構造の維持だ、と明確に述べていました。朝鮮半島の戦争に再び人民解放軍が介入しなければならないことは困るが、北朝鮮が崩壊してアメリカ軍が中国国境まで迫ることも困る。どちらも好まない。北朝鮮を残すことが望ましい、と。
自国にミサイルが届くことを憂慮する姿は、アメリカが地域外のバランサーである、ということを感じます。自分の支持を高め、中間選挙を乗り切ることしか考えないトランプは、貿易障壁と軍事衝突を望むのか?
しかし、米軍基地がグアムに引き上げた場合、アジアの安全保障を担う私たちに、その能力(装備、人員、意志・合意形成メカニズム)はあるのでしょうか?
イギリスで多くの亡命ロシア人を暗殺した、と批判されているプーチンは、朝鮮半島についてどう考えているのか? 西側を牽制するため、ウクライナ東部に紛争地帯を凍結し、中国を恐れ、シベリア開発に日本の政府・企業、その資金を呼び込むことが有効だ、と考えているのでしょうか? ここでも地域紛争を刺激してから凍結して、外交のカードとして温存する?
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中短距離ミサイルを保持し、数十個の核弾頭も保持した北朝鮮が残り、尖閣諸島の紛争(そして、竹島、北方4島)を凍結したまま、アメリカとの貿易摩擦が続いても、中国主導の貿易・投資体制には最後まで参加しない。
しかし、やはり重要な決断は金正恩が下すべきものです。50年後、独裁者として体制を維持した末に、老人の衰弱と体制崩壊の不安を抱えた金正恩は、どのような回想録を書くのか? あのとき、経済改革と南北融和を確実に進めておくべきだった、と。それは、日本と中国を変えただろう。
核武装・抑止の時代は終わった。大国間政治・軍事的均衡の時代も終わった。日本の活気ある経済と高度な安全保障体制を支える、技術と外交の成果が、多角的貿易決済網とともに、世界の紛争・隣接地帯で採用される時代に向かいます。
中国指導部が1000年の歴史から観るという姿勢を堅持するなら、北朝鮮を積極的な開発モデルとして中国の経済圏に組み込み、同時に、台湾、日本をも包括する、世界の貿易・投資システムに向かう平和の一歩とみなすでしょう。
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