IPEの果樹園2018
今週のReview
4/2-7
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貿易戦争への対応 ・・・ジョン・ボルトン ・・・トランプとアメリカ外交 ・・・Facebookの個人データ濫用 ・・・Brexitまで1年 ・・・プーチンと亡命ロシア人殺害 ・・・金正恩の北京訪問 ・・・ハイテク企業の株価下落 ・・・トランプ・ブームの終わり ・・・中間層の空洞化 ・・・中国のガバナンス ・・・イスラム教徒との対話
[長いReview]
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主要な出典 Bloomberg, FP: Foreign Policy, FT: Financial Times,
The Guardian, NYT: New York Times, PS: Project Syndicate,
SPIEGEL, VOX: VoxEU.org, そして、The Economist (London)
[これは英文コラムの紹介です.私の関心に従って,いくつか要点を紹介しています.関心を持った方は正しい内容を必ず自分で確かめてください.著者と掲載機関の著作権に従います.]
● 貿易戦争への対応
NYT MARCH 22, 2018
Bumbling Into a Trade War
Paul
Krugman
PS Mar 23, 2018
Europe Should Not Retaliate Against
US Protectionism
HANS-WERNER
SINN
トランプの「保護主義によってアメリカを再び偉大にする」行動に、ヨーロッパはどのように反撃するべきか?
トランプは、容易に勝利できる、と言うが、貿易戦争では誰も勝利できない。トランプはすでに、BMWやメルセデスのような自動車への関税も約束している。他方、欧州委員会も、報復関税を考慮していることを公表した。それは、逆に、貿易戦争を招き寄せるかもしれない。
ガラスの家に住む者は、石を投げるべきでない。EUの域内貿易は脆弱である。アメリカからの輸入自動車に10%の関税を課している。アメリカが輸入するヨーロッパの自動車には2.5%の関税だ。また、EUは輸入農産物に極端に高い関税を課している。それはEECの初めから行われてきた。独仏間の望ましくない政治的妥協による。
ヨーロッパの農産物は世界価格より約20%も高い。保護主義は発展途上国にも損失を強いている。その意味で、トランプがヨーロッパの保護主義を批判するのは間違っていない。
EUが、真に、自由貿易の砦になるには、アメリカが保護主義の手段を使っても、消費者・市民の利益を損なってはならない。フランスの農業保護ロビーからの圧力や、イギリスの財政移転を失う欧州委員会の心配に屈さないことだ。
欧州委員会は、アメリカとの保護主義による対抗戦略を避け、むしろ関税率を下げて、TTIP(the
Transatlantic Trade and Investment Partnership)の交渉を進めることだ。それにより、トランプの勝利宣言を聞くとしても、EUの軛から消費者を解放し、生活水準の改善をもたらす。
PS Mar 23, 2018
How to Avoid a US-China Trade War
SHANG-JIN
WEI
トランプ政権が中国の知的財産略奪に関する制裁を発表したことで、貿易戦争がさらに刺激される、と一斉に報道されている。
しかし、米中間の貿易不均衡を拡大するアメリカ議会の減税法案成立こそ、より重大な貿易摩擦を生むだろう。なぜなら、そのような措置はアメリカの財政赤字を増やし、貿易収支を改善するより、大きく赤字を増やすからだ。
米中間の不均衡は、究極的に、貯蓄と投資の不均衡を反映している。それを調整する手段を描いたまま貿易に介入することは、消費者とその他の世界に不利益を強いるものだ。
NYT MARCH 23, 2018
Trump Just Pushed the World Trade
Organization Toward Irrelevance
By
PETER S. GOODMAN
FT March 26, 2018
Trade wars and the prisoners’
dilemma
GAVYN
DAVIES
FT March 27, 2018
How China can avoid a trade war with
the US
MARTIN
WOLF
中国はトランプの保護主義に、どのように対応するべきか? その答えは、戦略的に応じよ、だ。
トランプの関税引き上げは、その目的がわかりにくい。中国の先端技術分野における政策を阻止するために、アメリカはさまざまな行動を取っている。
しかし、トランプ自身は、中国がアメリカに対して1000億ドルも貿易黒字を出すことに、2国間で不均衡を減らすべきだ、と主張してきた。そのような主張は間違っているし、実現不可能だ。
楽観論者は、両国の取引で終わる、という。しかし、非案論者は、2大国の交渉が無限に続く、と考える。あるいは、さらに報復の連鎖が続き、敵意を増す、と。
それを決めるのは中国の対応である。アメリカの認識が変化したことを知るべきだ。中国の台頭はアメリカの衰退を意識させる。共産主義者の専制支配は、アメリカの民主主義とイデオロギー的に衝突する。中国の貿易が主たる理由ではないが、アメリカの工業労働者が経験する苦境は「チャイナ・ショック」を広めた。アメリカ政府は、こうした労働者やコミュニティーに十分なセーフティーネットも積極的支援も行わなかった。
かつて、米中間の摩擦は、人民元の為替レートや外貨準備の蓄積、経常収支不均衡の大きさであった。それらは今や解消された。今は、2国間の貿易不均衡、企業買収が米中摩擦になっており、アメリカ企業は、中国政府が技術移転を強制することを嫌っている。
中国は、トランプ政権の不満を次のように扱うべきだ。1.焦点を絞って、正確に、限定的に、報復する。2.正当な不満を緩和し、中国の利益になる国内改革を推進する。技術移転への圧力はWTOルールに反することだ。3.アメリカから液化天然ガスを輸入して不均衡を減らすような、一定の譲歩を行う。ただし、中国が主要な市場となっている商品で、こうした政府介入は好ましくない。4.多角的な協議で議論することを促す。なぜなら、2国間では、大国が互いに譲歩したとみられることを嫌うからだ。
最後に、ヨーロッパを味方にする。ヨーロッパはアメリカと同じ不満を持つが、ルールを尊重する。中国がWTOルールを支持すれば、ヨーロッパは味方になる。これがわれわれの住む、新しい戦略的な競争、の時代である。
Bloomberg 2018年3月28日
How to Stop a U.S.-China Trade War
Before It Starts
By
Daniel Moss
FT March 28, 2018
Europe and China must stand together
against protectionism
LIU
XIAOMING
PS Mar 28, 2018
High Tariffs on Chinese Imports
Would Weaken America
JUSTIN
YIFU LIN
FT March 29, 2018
The art of dealing with Donald
Trump’s tariffs
PS Mar 29, 2018
How Asia Should Respond to US
Protectionism
LEE
JONG-WHA
トランプの関税に報復するより、アジア諸国は、ダンピングや補助金を排除し、地域内で関税を引き下げ、TPPを引き継ぎ、自ら成長を刺激して外部の需要に頼らない合意を結ぶべきだ。
FP MARCH 29, 2018
The U.S. Wants Back in the TPP? Good
Luck With That.
BY
KEITH JOHNSON
● ジョン・ボルトン
FP MARCH 22, 2018
Trump Taps Uber-Hawk Bolton as
National Security Advisor
BY
COLUM LYNCH, ELIAS GROLL
FT March 23, 2018
John Bolton completes Trump’s
America First goals
EDWARD
LUCE
アメリカ外交を嫌う場合、その最悪の顔がボルトンJohn Boltonだ。彼が嫌いな戦争はない、と非難される。平和的な関与など考えることのない、軍事力優先の大統領補佐官だ。強硬派のJesse Helms上院議員も、ハルマゲドンの扉を開ける男、と呼び、George W Bush政権のRichard Painterも、ボルトンを入れたら戦争になる。おそらく、核戦争だ、と述べた。
かつて解任される前のバノンに、イラン核合意を破棄する手順を示し、この数か月の間、繰り返し、北朝鮮を攻撃するように求めた。
トランプ政権は、明らかに、好戦的な新モードに移行した。1.マクマスターやティラーソンは、トランプを「パックス・アメリカーナ」のルールに合わせようとした。ボルトンはNATOを否定する。2.ボルトンはネオコンではない。ネオコンはイラク戦争を民主化推進に変えて失敗した、とボルトンは言う。彼が支持するのはアメリカの利益だけだ。トランプ以前の「アメリカ・ファースト」である。3.ボルトンの国防長官指名で、トランプの政権革命は完成した。何の制約も受けない、むき出しのトランプが解き放たれる。
日ごとに、パックス・アメリカーナは消滅する。
FP MARCH 23, 2018
Give John Bolton a Chance
BY
PETER FEAVER
FP MARCH 23, 2018
John Bolton Is a National Security
Threat
BY
COLIN KAHL, JON WOLFSTHAL
これはアメリカ外交の方向を根本的に変える人事だ。ボルトンの指名は、アメリカが1つではなく、2つの戦争に向かうリスクを高める。北朝鮮とイランだ。
ボルトンはイラク戦争を支持する最強硬派であった。2003年のイラク侵攻直後に、彼はイスラエル政府関係者に語った。サダム・フセインを排除したら、次はシリア、イラン、北朝鮮を処理する必要がある、と。ボルトンにとって、戦争が答えにならないような国際問題はほとんどない。
北朝鮮の核危機が重要な局面に入る時期に、ボルトンが大統領補佐官に任命されることは、平和的な解決への道を見失わせる。先月、WSJの論説としてボルトンが発表した“The Legal Case for Striking North Korea First.” は、イラク戦争に突き進んだブッシュ政権の失敗を思い出させた。脅威は本物であり、アメリカには手遅れになる前に予防戦争を行う権利がある、というものだ。
3月8日、トランプが、5月末までに金正恩と会談する、と発表したことは世界に衝撃を与えた。それは外交的解決への突破口となるか、あるいは、何万人もの犠牲者を出す米朝戦争になるか、大きな賭けである。ボルトンの反応は、会談が成功するいかなる見込みもないから、アメリカは他のオプション、すなわち戦争を始める、というものだ。交渉でキムが非核化に応じることは決してない。時間の無駄にするな、と。
イラク、北朝鮮、イランに対するボルトンの見解は、その一般的パターンを示す。ボルトンは、最悪のケースを考え、悪辣な国家との戦争を始めることに知性のすべてを傾け、同盟諸国や国際機関を非難し、アメリカの軍事力と体制転換をむやみに信じ、その結果によって、どれほど恐るべき手段も正当化する。
このスタイルはトランプにとってふさわしい。アメリカの国家安全保障会議のプロセスは完全に破壊される。
NYT MARCH 24, 2018
A Hawk Takes Flight
Ross
Douthat
NYT MARCH 25, 2018
Trump and Bolton’s Plan to Isolate
Allies and Encourage Enemies
By
WENDY R. SHERMAN
PS Mar 29, 2018
Trump’s New National Security Team
CHRISTOPHER
R. HILL
● トランプとアメリカ外交
FT March 23, 2018
Chaos has its limits even in Donald
Trump’s White House
TIM
HARFORD
FP MARCH 23, 2018
Welcome to the Dick Cheney
Administration
BY
STEPHEN M. WALT
ボルトンの指名は、アメリカを戦争に導く、裏庭に避難壕を掘るべきだ、といった意見があふれるだろう。しかしボルトンは、アメリカの外交専門家たちのサークルに生きる1人である。
選挙戦で、アメリカを無意味な戦争に巻き込んだ無責任な専門家たちを追放する、とトランプが示した、ある意味で正当な主張を実行したのか? 違う。ボルトンの指名は、「アメリカ・ファースト」ではない。すなわち、アメリカの海外における軍事負担を減らし、戦略的な地位の改善、アメリカを安全で豊かにするような政策に限定する、という姿勢に転換したわけではない。
最近の3人Bolton, Pompeo, and
Haspelの指名は、むしろ「チェイニー主義」の復活である。それは、脅威を誇張し、外交努力を省き、同盟国は重荷であると考え、国際機関を軽蔑し、アメリカには何でもできる軍事力がある、と信じている。外交政策の問題は、すべて軍事的に解決できる、と。
それは、うまくいったではないか? トランプがそれをまねるのも不思議ではない。
これはボルトンという個人の問題ではない。アメリカ外交のエスタブリシュメントが問題なのだ。イラク戦争のような大失策を犯しても、彼らは何も悔いていない。彼らが責任を取ることもなかった。ワシントンDCには、ボルトンだけでなく、多くの専門家が北朝鮮やイランとの戦争を主張している。
ボルトンが心配だ、と言うなら、この戦争中毒の外交をいつまでも改めない国のことをもっと心配するべきだ。このシステムがある限り、われわれは何度でも間違いを犯す。
NYT MARCH 23, 2018
The Failure of H.R. McMaster
By JONATHAN STEVENSON
FT March 24, 2018
The demise of the White House
moderates
Bloomberg 2018年3月24日
Trump's New National Security Guru:
Himself
By
Hal Brands
FT March 26, 2018
The steady rise of an America First
world
PS Mar 26, 2018
Can Mike Pompeo Save US Foreign
Policy?
ANA
PALACIO
PS Mar 26, 2018
Pax Trumpia
JOSCHKA
FISCHER
FT March 27, 2018
How America’s aristocracy rule the
White House roost
JENNY
LEE
● Facebookの個人データ濫用
FT March 24, 2018
Halting the slide towards a digital
dystopia
JOHN THORNHILL
かつてスターリンはソビエトの作家たちに、イデオロギーの力は軍事力に勝る、と言った。「それを行使して新しい精神を創り出せ。」 コンピューターとインターネット、情報操作の時代に、この言葉はさらに重大な意味を持つ。
Facebookの個人データ濫用に関する最近のスキャンダルは、先進民主主義国における大規模情報操作の危険性を示した。2016年、アメリカ大統領選挙において、Cambridge Analyticaは精神の改造を試みた。5000万人のFacebookのデータが調査されて、標的となる有権者が選ばれたのだ。
軍事戦略家たちは、次の戦場はわれわれの脳をめぐる情報戦争だ、と論じてきた。2014年にAP通信は、USAIDがキューバで社会不安を醸成するために、ZunZuneoと呼ばれる偽のソーシャル・メディアを立ち上げ、4万人の利用者を集めた、と暴露した。
2020年の大統領選挙では、現実の政治家が話したこともないビデオが偽造され、流されるだろう、と専門家は予想する。ソーシャル・メディアのサイトは、そのような「ディープ・フェイク」の舞台となる。すでにリベンジ・ポルノがその技術を用いている。
Facebookの問題は、特定の人口集団に対して広告を行い、料金を取る、そのビジネスモデルを破壊しない限り解決しない。
● 金融政策
FT March 23, 2018
Be sceptical about great monetary
policy convergence
Karen
Ward
FT March 25, 2018
Financial markets fail to reflect
the eurozone time-bomb in Italy
WOLFGANG
MÜNCHAU
PS Mar 27, 2018
Why Aren’t US Bond Investors
Panicking?
ANATOLE
KALETSKY
● Brexitまで1年
PS Mar 23, 2018
“Global Britain” Is
Already on Its Own
MARK
MALLOCH-BROWN
ソールズベリーの殺害未遂事件は、UKの国際政治における地位について、Brexit推進派の無視する重要な帰結を示している。離脱に向かうイギリスの脆弱さは、ヨーロッパの安全保障を破壊するプーチンの戦略にとって最適の攻撃目標になった。
The Guardian, Tue 27 Mar 2018
As novichok unites Europe, Brexit
seems more absurd
Natalie
Nougayrède
The Guardian, Tue 27 Mar 2018
Brexit Britain, beware: the supply
of Europeans is drying up
Jonathan
Portes
FT March 27, 2018
Brexit threatens an end to Northern
Ireland’s era of ‘civility’
Arthur
Beesley in Dublin
The Guardian, Wed 28 Mar 2018
The Guardian view on Brexit: now is
the time to change course
Editorial
イギリスがEUを正式に離脱するまで、残り1年となった。
議会の多数は正式な離脱交渉を開始すると決議したが、それは国民投票に示されたBrexitを実行するためであった。しかし、メイ首相の示すBrexitを議会が何でも承認するという意味ではない。国益や「人民の意志」を逆転させる、と、Brexit批判を無視するのは間違いだ。民主主義は多数派の意見に従うが、多数派内の対立を調整し、人々が離脱を選んだ動機を解きほぐさねばならない。また、48%という巨大な「少数派」を無視することも許されない。
メイは、内閣にも十分に相談せず、強硬離脱案を示した。それが総選挙で否決され、DUPとの連立で生き延びた。しかし、30年に及ぶ内紛を経て成立した北アイルランドの和平は脆く、維持しなければならないから、Brexitでもハードな国境線を受け入れない。
EUを離れたイギリスは、どのような形でも、経済的に見て悪化する。Brexitはイギリスの国際的地位を引き下げ、攻撃的なナショナリズムの時代に、EUを離脱することは、その防壁を失うことだ。
しかし、何百万もの国民が変心したという十分な証拠もなく、国民投票の結果を逆転することはできない。残留派は、離脱派の判断や意見は無価値であるとか、彼らが騙された愚か者やレイシストである、と主張することが、社会的・政治的に重大な影響を及ぼすことを軽視してはならない。
2008年の金融危機以後、制度への信頼は失われ、支配階級に対する怨嗟が渦巻いていた。UKは深刻な分断状態にあり、民主主義的・平等主義的な価値が損なわれている。
ユーロ懐疑派のイデオロギーがどこから来るか、知るべきだ。それはイギリス社会や政界の右派である。多くの離脱票が裕福な街の保守派、南部の満足したベビーブーマーから生じた。Brexitが、持たざる者の不満を表す叛乱だった、というのは誇張である。
他方、残留派には一貫したEU支持論がない。ここにパラドックスがある。多くの人々が信頼しなくなった政治システムを作り変えるために、EUを拒否するだけでは、彼らが直面したさまざまな問題を解決できない、ということだ。しかもBrexitによって経済福祉が悪化し、その最も厳しい結果を強いられるのは離脱を選んだ人々だ。EUを非難するのは、慢性病の間違った処方箋である。その病根は、サッチャー主義の脱工業化と、賃金に及ぼすグローバリゼーションの効果を抑えられず、まともな公共サービスも欠いたことだ。
複雑な合意形成の時間はない。シンプルな将来の関係を示す大まかな合意が、Brexit推進派によって創られるだろう。細部は政府が決める。これは主権の回復や、約束された民主主義の活性化などではない。忍び足の右傾化革命だ。
社会の競合する諸利益と要求を仲裁し、混沌とした、しばしば矛盾する「人民の意志」を法制化するのは、議会である。民主主義とポピュリズムとの違いは、安定した制度に依拠する政府と群衆支配との違いだ。ユーロ懐疑派の主張にもかかわらず、主権は議会にある。
FT March 29, 2018
May heads for autumn showdown as
countdown to Brexit begins
The Guardian, Thu 29 Mar 2018
We have six months to foil Brexit.
And here’s how we can do it
Timothy Garton Ash
推進派は何が何でも離脱する戦術だ。ナイジェル・ファラージもこのBrexitボルシェビキに属する。他方、反Brexit派は、10も異なるプランがあり、その結果、実現する力はゼロである。
Brexitを支持した有権者で態度を変えた者は少数だ。国民の多くは、このままEUとの交渉が長く続いて、次第にイギリスの条件は悪くなっている、と思っている。無数の小さなステップを踏んでイギリスは没落する。
それゆえ、あなたは議員たちに、e-mail、Facebook、Twitterで、孫たちが「Brexit投票でおじいちゃん(おばあちゃん)は何をしたのか?」と尋ねたときに、どう答えるのか? 正直に国益を考えて、議会が民主主義を実行せよ、と求めるべきだ・
The Guardian, Thu 29 Mar 2018
Brexit can be harnessed for good.
The left hasn’t realised this yet
Faiza
Shaheen
FT March 29, 2018
Brexit and Britain’s two-faced
ruling class
SIMON
KUPER
● プーチンと亡命ロシア人殺害
PS Mar 23, 2018
Putin’s Pyrrhic Victory
CARL
BILDT
FP MARCH 27, 2018
Britain Has No Clue Why It’s
Punishing Russia
BY
MARK GALEOTTI
FT March 28, 2018
Russia and the west’s moral
bankruptcy
EDWARD LUCE
ロシアは西側民主主義に対抗している、とよく言われる。しかし、それは誤解である。ロシアは、ウラジミール・プーチンとその寡頭制のサークルの利益に従って動いている国だ。その体制は、他国に育ちつつあるクレプトクラシー(略奪支配体制)のモデルなのだ。
プーチンの略奪システムは、西側の道義的な失敗、その黙認によって支配を広げている。特に、アメリカとイギリスだ。多くの西側民主主義国家と異なり、米英は匿名の所有権を認めている。民主主義諸国は、法的に、誰が企業や不動産の所有から利益を得ているか、知らせるように要請する。しかし、米英は違うのだ。財務省によれば、およそ3000億ドルの資金洗浄がアメリカで行われている。イギリスとその国際金融センターでは、約1250億ドルだ。
その最大の割合を占めるのがロシア人だろう。Anders Aslundによれば、プーチンの個人資産は500億~2000億ドルと推定される。その低い方の額でさえ、国連加盟諸国の多くのGDPを超えている。
西側がロシアの外交官130人を追放した。しかし、これは何もしないよりずっといいが、伝統的な追放合戦で危機の幻想を広めるだけで、プーチンの利益にしかならない。UKにおける今月の神経ガスによる暗殺未遂事件には、プーチンの署名が余りにも強く残されていた。
この10年間、少なくとも14件のロシア人の死について十分な捜査が行われなかった。2013年、亡命ロシア人Boris Berezovskyの死は「自殺」として処理された。2014年、内通者であったAlexander Perepilichnyの死も「自然死」とされた。メイが内務大臣であった6年間、彼女は捜査の情報公開を安全保障上の理由で拒んだこともある。
国外追放は何も変えないだろう。ロンドンの不動産取引の最大の担い手はロシア人と推定される。ロンドンの銀行、不動産会社、高級サービス業界は、ロシア・マネーで潤っている。
ロシアの経済規模はイタリアより小さい。ロシアの軍隊は壊れている。ロシアの支配者は恐怖からすべてを手放そうとしない。プーチンがもっとも恐れるのは、情報公開である。
FP MARCH 29, 2018
How Not to Pressure Putin
BY
ROBERT SERVICE
(後半へ続く)