前半から続く)


 日本の選挙

NYT OCT. 22, 2017

Election Risk Pays Off for Shinzo Abe of Japan as His Party Appears to Win Big

By MOTOKO RICH

FT October 23, 2017

Shinzo Abe gains big victory in Japan election

Robin Harding in Tokyo

安倍は2020年の東京オリンピックまで首相を続ける可能性が出てきた。アベノミクスと日銀の黒田総裁を継続し、憲法改正に挑む条件がそろった。

FT October 24, 2017

Japanese polls portend constitutional change

FT October 25, 2017

The Kobe Steel scandal reveals Japan’s perfect storm

John Gapper

Bloomberg 20171026

Japan Goes With Another Round of Abenomics

By Noah Smith

長期政権を得た自民党は,経済に何をしたいのか? 中国の成長が減速し,欧米の経済が停滞する中で,日本は輸出よりも金融政策によって成長と雇用を維持した.しかし,アベノミクスの成功が極めて限定されたものだ.

安倍政権は,日本企業の生産性を高めること,また,成長の成果を分配する包括的な成長を実現すること,をテーマとするべきだ.安倍はその政策をすでに示している.労働者が長時間働くことをやめさせ,正規雇用と非正規雇用との賃金格差をなくす,という方針だ.また,中途採用を増やし,高等学校や大学を無料化する.

アメリカの共和党は安倍から学ぶべきだ.


 ITと新しい社会契約

FT October 22, 2017

The (non) disappearing Phillips Curve: why it matters

Gavyn Davies' blog

PS Oct 25, 2017

Economic Growth Is No Longer Enough

MANUEL MUÑIZ

富の生産と分配に関する改革がなければ、政治の混乱は鎮められない。賃金と雇用を観れば、それがわかる。欧米諸国では、2008年の金融危機からGDPや雇用は回復したが、平均給与は停滞したままだ。

雇用が増加しても、国民所得に占める賃金の割合が低下したままである。逆に、金融危機後にできた富の多くは富裕層によって得られた。このことが先進諸国の消費の弱さ、また極度に金融緩和しても物価が上昇しないことを説明している。

雇用の増加は歴史的な経路を通じて生じていない。たとえば、多くの雇用が低生産性部門と高生産性部門で生じている。中間層は空洞化していく。かつて西側の中間層を形成した多くの人々が、経済的な中下層や下層階級を形成し、かつてない不安定な雇用に従事している。生産性の上昇も分極化している。その3分の1が、トップ5%の「フロンティア企業」によって実現され、他の民間企業は生産性が上昇していない。少数の企業に高い効率による利益をもたらされ、それが経済全体に広がらない。

賃金はもはや再分配の中心的な役割を果たさなくなった。資本の生産性上昇は、中間的な家計の所得を高めることにならず、リベラルな経済の依拠する社会契約に穴をあける。世界の経済が根本的な構造変化の過程にあることは明らかだ。「雇用・生産性・所得」という分配の三角形が傾いている。中産階級は消滅し、不安定なプレカリアートが登場した。

このことを理解するなら、一層の技術革新を推進するだけでは問題を解決できないことがわかる。コンピューターやロボットが生産性を高めても、それに応じて賃金は上昇しないからだ。指導者たちは急速な技術変化がもたらす外部性に対処し、経済的・政治的な持続可能性を回復しなければならない。言い換えれば、デジタル時代の新しい社会契約だ。

教育や税制を改革し、労働よりも資本にもっと課税すべきだろう。新しい再分配メカニズムを発見しなければならない。

NYT OCT. 25, 2017

Trump’s $700 Billion Foreign Aid Program

Paul Krugman


 労働集約型産業のロボット化

FT October 22, 2017

Robotics in the running for Nike’s factories of the future

Jennifer Bissell-Linsk in New York

ナイキは2012年にthe Flyknit Racerを導入した。それはより少ない労働と素材で、靴を作る特殊な機械である。スポーツ選手たちに歓迎され、多くの職人的な労働を不要にした。また、発展途上諸国で行われていた海外生産拠点の児童労働問題や労働条件のトラブルを、ロボット化は一気に解決した。

他方で、ILOOxfamは、発展途上諸国の雇用機会を急速に失わせるだろう、と懸念する。しかし、労働問題に関する運動を進めてきた社会活動家は、ロボットが問題ではない、という。もし緩やかに導入されるなら、失業問題は生じない。また、生産性上昇の利益が株主や企業幹部だけでなく、人口全体に波及するなら問題ではない、と主張する。

FT October 24, 2017

Curbs on posted workers will not fix the EU labour market

Alan Beattie

FT October 25, 2017

How the demon plays Go: AI advances that will render us obsolete

Anjana Ahuja

NYT OCT. 25, 2017

Video Games Are Destroying the People Who Make Them

By JASON SCHREIER


 民族自決権

The Guardian, Monday 23 October 2017

Catalonia, Lombardy, Scotland … why the fight for self-determination now?

Paul Mason

ウィルソンWoodrow Wilsonはヨーロッパの旧帝国を解体するためにそれを使い、レーニンVladimir Leninは帝国主義を破壊する目的でそれを促進した。国連はそれを憲章の第1条にした。人民の自決権は、ヴェルサイユ条約以来、国際法の1つの原則であり、1948年のカシミールから1973年のベトナム、1990年の東欧における国境画定でも、交渉の基礎であった。

しかしキルクークからバルセロナまで、国民国家の問題は近代民主主義とテクノクラート型の中央集権化に対する難問として再浮上してきた。左派は、民主主義や社会正義について、階級ではなく、民族やエスニシティから闘う準備がなく、EUは、その基本条約が民族自決権を含んでおらず、すでに国家となった民族だけを扱っている。

この問題について国際法が存在するのは、第1次世界大戦を終結させるうえで、自決権を求めて戦った人々がいたからだ。それはドイツとオーストリア=ハンガリー、そしてロシアの旧帝国に従わされた人々だ。またそれは、国際連盟の基礎にこの原則を入れたウィルソンであり、ボルシェビキたちだ。レーニンは、1920年の夏までに民族自決権を認めていたが、それは国家主権を求める闘いが、ロシアを侵略してきた諸帝国を解体させる力になると理解していたからだ。

欧州議会のAntonio Tajani議長が指摘したのは、まさに、恐怖の原理だ。彼はこの週末、Lombardy Venetoで自治権を求める人々を非難した。「小国の増殖を促すこと」が国際法の議論にはなりえない、と。

なぜ地域や都市、民衆が、今、民族自決権を問題にするようになったのか? スペインやイタリアで明らかなように、緊縮策、汚職、政治的機能マヒが重なって、地域民主主義が制限されたからだ。カタルーニャのように自立した地域が独立に向かい、Lombardy Venetoのような土地が財政の自律を求めるのは、中央政府が機能しないからである。

経済破たんや民族的分断に加えて、スコットランドからカタルーニャまで、ナショナリズムを推進する積極的な要因がある。それは技術変化だ。情報化した社会は人的資本の開発に大きな報酬をもたらす。第1言語を習得し、豊かな国民文化に参加する能力、国際投資を呼び込む独自のローカルな販売ポイントを持つことが、何より重要だ。もし地域や民衆、民族が「文化ナショナリズム」に向けてより大きな自由を要求するなら、それは技術変化とグローバルな競争によってさらに促される。

その影響として、大都市の成功がもたらされ、中小の市町村は荒廃していく。情報と文化のネットワークを濃密に集中させた大都市がグローバリゼーションに生き残る人々を助ける。地域の経済戦略は特別な「開発区」を創り出し、ますます巨大都市とその周辺に集中する。

離脱と自律の要求は、国際法の中に確立されている。12月、欧州司法裁判所は、国連憲章第1条がEU内でも法的強制力を持つ、と判決した。カタルーニャでも、フランダースでも、スコットランドでも、法に訴えるだろう。

PS Oct 26, 2017

Like the Palestinians, the Kurds Deserve a State

SHLOMO AVINERI

現在では、すべてのものが、パレスチナ人が国家を持つべきだということに同意する。ほとんどのイスラエル国民も同意する。多くの西側民主主義諸国では、左派の強い地域で、パレスチナ独立を支持するデモが行われる。

その基礎にあるのは、民族自決を支持する基本的な道義性である。しかし、クルド人の同じ権利については、西側は恥知らずに、奇妙な沈黙を示す。西側民主主義諸国は先月のクルド地域政府(KRG)の独立を求める住民投票を支持しなかったし、イラク政府やトルコ政府がクルドの独立を軍事力で阻止するという脅迫にも反対しなかった。

EUやアメリカの政府スタッフがクルド独立に反対する理由として挙げるのは、リアルポリティークであり、イラク領土の統一を脅かす、ということだ。また独立は、多数のクルド人少数派が住むトルコやイランを不安定化する、と言われる。

こうした主張はダブル・スタンダード(いんちき)である。パレスチナ人も、クルド人も、道義的な根拠がある。何世代にもわたり、クルド人が野蛮な弾圧を受けたことを軽視している。サダム・フセインのイラクでは、化学兵器によるジェノサイドの犠牲にもなった。トルコ軍は何百ものクルド人の町を破壊した。

イラクの領土の統一性を主張するほど、虚構で偽善的な主張はない。第1次世界大戦でオスマントルコ帝国が敗北したとき、イギリスの政治家たちがイラクを創った。それは彼らの帝国的な利益に従い、イラク領土の歴史や地理、人口、エスニックと信仰に関する多様性を無視したものだ。シーア派が多数で、多数のクルド人、キリスト教徒も住む国に、住みたいか、とだれも聞かれなかった。イギリスがHejazから移したスンニ派の王朝によって支配されたいか、とも聞かれなかった。

最初は、1920年にオスマントルコが署名したセーブル条約に従い、クルド人は、アルメニア人と同様に、独立国家を約束されていた。しかし勝利した連合諸国は、その約束を破棄したのだ。それ以来、クルド人は弾圧の下に暮らしている。イラク北部となった土地で、クルド人は自分たちの言語や文化も否定された。イラク領土の一体性は、弾圧の言い訳でしかない。

しかもKRGは、すでに開放的で多元的な社会を実現している。半自律的な地域として、イラクのクルディスタンは、複数の政党が競い合っており、イランやトルコがますます権威主義体制に向かうのに比べて、この地域では顕著な存在だ。人権運動は、リアルポリティークを超えて、パレスチナ国家だけでなく、クルド人の国家も支持しなければならない。

長い弾圧の歴史において、クルド人が繰り返し西側に見捨てられたことは、大いに恥じるべきことだ。再びこれを許してはならない。クルド人のペシュメルガは、イスラム国家を掃討する最強の同盟軍でもあったのだ。


 中国の経済改革

PS Oct 23, 2017

China vs. the Washington Consensus

ADAIR TURNER

ワシントン・コンセンサスに依拠するネオリベラルの主張は、中国経済が金融自由化の深化によって、次第に経済を国有企業から解放し、資本の効率的な配分に転換するだろう、ということであった。しかし、そうではないようだ。

世界金融危機後の成長を維持し、今後もthe “Made in China 2025” programを推進する政府の姿勢は、むしろ韓国や日本など、東アジアが成功したモデルに依拠するものだ。民間企業の活力を解放する分野を認めながらも、さまざまな政府の始動や金融管理体制・規制による資本の配分を戦略的に進めて、成長を加速していこうと考えている。

それには明らかに問題もある。都市の不動産部門は投機的なバブルを生じている。国有企業が過剰投資や拡大を続けて民間企業を衰退させるかもしれない。金融管理体制はシャドー・バンキングに資本を移転してしまう。しかし、政府が駆使する政策余地を過小評価するのは間違いだろう。成長を今後も維持する可能性はある。

NYT OCT. 23, 2017

Will the Next Steve Jobs Be From China?

By LENORA CHU

伝統的な中国の教育方法は時代遅れになった.次のスティーブ・ジョブズを作ろうと政府が教育改革を奨励している.

PS Oct 24, 2017

Empowering China’s New Miracle Workers

MICHAEL SPENCE

NYT OCT. 25, 2017

To Grow Stronger, China Has to Grow More Slowly

Ruchir Sharma

債務によって成長の目標を達成するのではなく,デジタル・マネーによるモバイル決済システムに依拠した新しい経済を目指すことで,習近平の中国がアメリカを超えるかもしれない.

FP OCTOBER 26, 2017

China Is Eyeballing a Major Strategic Investment in Saudi Arabia’s Oil

BY MISHAAL AL GERGAWI


 狂信者に愛を

NYT OCT. 23, 2017

How to Engage a Fanatic

David Brooks

狂信者と、どのようにかかわるべきか?

野球の試合を観に行ったとき、トランプ支持者が私と妻や息子に、10分間も冒涜的な言葉を吐き続けた。ノースカロライナ大学では、過激主義者の発言をキャンパス内で許すべきか、激しい論争があった。マドリードでは、カタルーニャ独立運動の指導者たちがあまりにもラディカルで、理性的に説得できない、と多くのスペイン人が語った。ロンドンでは、Brexitの賛成派と反対派との市民対話を試みた。

狂信者と市民的な対話をしても無駄である。彼らを追放するべきだ。同じように対抗する力を示すべきだ。彼らには軽蔑しか値しない。

しかし、私はさらに考え、Stephen L. Carter1998年の本“Civility”に同意する。狂信者には、唯一、愛をもって対抗するしかない、と。狂信者に本当の質問をする。彼らの言葉がいかに嫌いでも、彼らの運命と魂に心から配慮する。

それは自分自身のためになる。暗黒の情念に打ち勝ち、より良い情熱を持てる。

それは彼らのためになる。狂信者の多くはニーチェの超人ではなく、むしろ孤独で、悲しい。彼らの狂信は傷ついたプライドから生まれている。

それは、自分たちの国、市民的な共通のきずなを強くできる。われわれは共通のプールを泳いでいるのだから。Carterは、市民であるとは「共に暮らすためにわれわれが求められる犠牲のすべてのことである」と書いた。

あなたが狂信者を好きになる必要はない。Martin Luther Kingがしたように、敵の心に愛を与えるのだ。

PS Oct 26, 2017

Mourning Poland’s Burning Man

SŁAWOMIR SIERAKOWSKI

1019日の午後、54歳の男性がワルシャワのthe Palace of Culture and Science前で、ポーランド国民宛の複数の手紙を出した後、焼身自殺した。半世紀前のベトナム戦争に抗議した僧侶の焼身自殺、1969年にプラハの春を弾圧したソ連軍に抗議するため焼身自殺したチェコの学生を思い出す。

残された手紙は理性的な内容だった。ポーランド政府が法の支配やリベラルな民主主義を攻撃したことについて非難している。与党PiS(法と正義)とその支持者だけでなく、反対派にも民主主義の支配を守るよう呼び掛けている。


 ラテンアメリカ

FP OCTOBER 23, 2017

Is Populism Making a Comeback in Latin America?

BY ROBERT MUGGAH, BRIAN WINTER


 シェフィールド

The Guardian, Tuesday 24 October 2017

Look to Sheffield: this is how state and corporate power subverts democracy

George Monbiot


 ドイツの選挙結果

Bloomberg 20171024

Why Germany Is Better at Resisting Fake News

By Leonid Bershidsky

現代の選挙は、次第に、伝統的なメディアを信頼する者たちと、それに代わるソーシャル・ネットワークに頼る者たちとの2つの局面で動くようになっている。後者はフェイク・ニュースにはるかに多く侵食されがちである。ドイツではその問題と戦う姿勢が明確である。

FT October 25, 2017

Germany’s coalition requires compromise

SPIEGEL ONLINE 10/25/2017

Joschka Fischer on Rise of the AfD

'We Know How This Movie Ends'

Interview Conducted by Ann-Katrin Müller and Ralf Neukirch

SPIEGEL ONLINE 10/26/2017

What Macron Means for Europe

'How Much Will the Germans Have to Pay?'

An Essay by Jürgen Habermas

マクロンの唱えるEU改革の熱意に応じて,ドイツはその無関心を改めるべきだ.


 希少通貨条項

PS Oct 24, 2017

Resurrecting Creditor Adjustment

ROBERT SKIDELSKY

保護主義的な議論がすべて出てくるトランプ政権について、持続的な対外不均衡に対する顕著な是正手段についてだれも言及しないことは驚きである。それは1944年のブレトンウッズ協定に示された「希少通貨条項」"scarce-currency clause"である。

協定の第7条は、加盟諸国が一時的に希少通貨の取引を制限することを認める。希少通貨国とは、経常収支黒字を続けて、外国為替市場で希少となる通貨の発行国である。

J.M.ケインズは、国際清算同盟案で、継続して債権国となる加盟諸国に対する次第に重くなる制裁措置を提案した。それは経常収支黒字国に圧力をかけることを意味する。アメリカは世界最大の債権国であったから、ケインズ案を拒否した。しかし、ケインズ案を提出したイギリスをなだめるために、第7条を加え、ドル不足に陥った諸国がアメリカ財の購入に制限を加えることを許したのだ。

希少通貨条項はそれ以降も無視されてきた。戦後、アメリカはヨーロッパ諸国の収支ギャップをマーシャル・プランの援助で埋めた。1970年代初めから、アメリカは貿易収支の赤字を出してドルを供給した。逆にアメリカ議会が希少通貨条項をヨーロッパや日本の黒字に適用することを求めたが、成功しなかった。

エコノミストのVladimir Maschは、アメリカが“compensated free trade” (CFT)を推進すると示唆した。それは希少通貨条項をアメリカが一方的に発動する仕組みだ。トランプ政権はアメリカの貿易赤字に毎年の上限を課す。そして主要な貿易相手国にその黒字額の限度を示すのだ。Masch案では、限度を超えた国はそれに応じて罰金を支払う。支払わなければその国の輸出を阻止する。

しかしこの仕組みでも、ドイツがユーロ圏内で生じている黒字は減らない。2008年の世界金融危機以後、EUMacroeconomic Imbalance ProcedureMIP)を定めて、GDP6%を超える黒字国と4%を超える赤字国に罰金を科すことにした。しかしMIPにはケインズ案に比べて2つの欠陥がある。1.継続的黒字国に対して自動的に発動しなかった。2.債務国(赤字国)の保護措置を省いた。

経常収支不均衡を解消する1つの方策として、ユーロ圏諸国が所得と貿易の大きさに応じてEuropean Monetary FundEMF)に資金を拠出し、EMFが独自の希少通貨条項を定め、黒字国からの輸入を差別化することを許すべきだ。マクロンは、先月、ソルボンヌの演説でEMFを提案した。その細部は示されていない。黒字国への制限はEUの自由貿易原則に反するが、経済統合は常に黒字国にも調整を求める。それなしには国境を開放することは維持できない。


 インドの経済改革

YaleGlobal, Tuesday, October 24, 2017

Made in China: Millions of Hindu Gods

Farok J. Contractor

2016年、インドの商品輸出額は2640億ドル。中国は2980億ドル。中国とインドの2国間貿易では、41で中国の輸出が大きい。

ナショナリズムだけでは、中国からの輸入をインドの国内生産に代えることはできない。むしろ官僚の不要な介入をやめさせるべきだ。

FP OCTOBER 24, 2017

Tillerson’s Views on India Defy Trump’s Incoherent Foreign Policy

BY MANPREET S. ANAND


 ニュージーランド

The Guardian, Thursday 26 October 2017

New Zealand wants to ban rich foreign homebuyers. Labour, take note

Polly Toynbee


 アメリカ連銀議長の指名

PS Oct 26, 2017

The Next Fed Chair

JEFFREY FRANKEL

ホワイトハウスが示す5人の候補は、そのすべてが好ましいものではない。

Janet Yellen ・・・成果がその優秀さを示している。連銀の副議長となった2010年、アメリカの失業率は9.9%だった。議長となった2014年には6.7%に低下し、現在は4.2%だ。インフレ率も低いままである。

Jerome Powell ・・・連銀理事となって5年が経過している。Yellenのハト派の政策と、自身の共和党員としての金融ビジネス経歴とを、妥協させる役を担ってきた。彼はエコノミクスのPh.Dを持たないから、多くのスタッフを指示するのに問題がある、という意見もあるが、それは間違いだろう。私見では、彼が候補者の中で最善だ。

Kevin Warsh ・・・多くの共和党員と同じく、金融危機後、経済を刺激する連銀の金融緩和を強く批判してきた。高インフレをもたらす、と警告したタカ派である。失業率は9.5%もあったときだ。彼の経済に関する理解は疑わしい。

John Taylor ・・・学術の世界でも非常に尊敬されている。しかし、Warshと同様に、彼は金融緩和が過剰であると考えていた。その批判は、自分が財務省で次官であった時期に、当時の連銀議長Greenspanに言うべきだった。ところが住宅バブルを生じたのだ。

Gary Cohn ・・・トランプ政権の国家経済会議議長である。しかし、金融経済論を学んだことはない。

どれほど良い中央銀行家でも、その決定は政治的に批判される。経済にとって何がベストであるか、彼が信じることに基づいて決断する。


 インデックス・ファンド

Bloomberg 20171026

Maybe Index Funds Will Destroy Capitalism

By Matt Levine


 ビザと不動産投資

FT October 27, 2017

The US visa-for-sale scheme is set to stagger on

Gillian Tett

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The Economist October 14th 2016 

The world’s most powerful man

Iraq and Islamic State: Squandering the peace

Cambodia: The man who foiled the UN

Xi Jinping after five years: Life and soul of the party

South Korea: Promising the moon

Banyan: Land to the tiller

Austrian politics: The Wunderwuzzi

Charlemagne: Breakaway blues

Schumpeter: The nuclear option

(コメント) 中国の習体制が安定することは,権力の過度の集中と不安定化を意味する.イスラム国家から解放された大都市が以前の政治システムによって再生できるか.日本が内戦終結後の民主的選挙による再出発を誘導したはずのカンボジアが1人の強権体制に堕落している.

オーストリア政治の変貌,そして,アメリカがドルとその金融システムを用いた地球規模の懲罰的権限.それを,ヨーロッパや日本のような安全保障をアメリカに依存する国ではなく,中国に対して行使されるとき,その報復は全く異なる破滅的な結末に至る.・・・

韓国,ムン・ジェイン大統領の最低賃金引き上げ政策やチェボル解体政策が,新しい成長モデルに向かうのか,興味深い考察があります.

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IPEの想像力 10/30/17

「護憲」という主張は政治のダイナミズムを失いました。しかし,立憲民主党が自民党に対抗するには、保守派を取り込むリベラルになるべきだ、という日本の政治解説は間違っていると思います。

カタルーニャの独立宣言.クルディスタンの後退。あるいは、イスラム国の領土消滅と,その後のテロ,ガバナンス回復。The Economistに見る,韓国,カンボジア,南スーダン,オーストリア.

Reviewが示すグローバルな政治経済構造の変容に,この国に生きる市民が対抗できる条件を,日本は提供できるのですか? 既存の支配秩序に対抗して,リベラルな市民的国際秩序の維持・調整に関する小国と大国の関係を問い直す,深い考察を示さねばなりません。

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Janan Ganesh ・・・国民であるとは、豊かな地域が当然のこととして、すすんで他の地域のために支払うことを意味する。もしこの気持ちが失われたら、国民の中身が失われる。

ヨーロッパの最も裕福な諸都市は、周辺も含めて、自治を行っていたものがあるし、その帰属する国家よりも古くから存在した。・・・保守派は国民国家を強化し、怒りに燃える地方を代弁することができなくなる。それは、収奪の関係だ。国民性を長期的に脅かすものは、生産性の高い、外向きの地域から来るのである。

MANUEL MUÑIZ ・・・富の生産と分配に関する改革がなければ、政治の混乱は鎮められない。賃金と雇用を観れば、それがわかる。・・・賃金はもはや再分配の中心的な役割を果たさなくなった。・・・指導者たちは急速な技術変化がもたらす外部性に対処し、経済的・政治的な持続可能性を回復しなければならない。言い換えれば、デジタル時代の新しい社会契約だ。

Paul Mason ・・・ウィルソンWoodrow Wilsonはヨーロッパの旧帝国を解体するためにそれを使い、レーニンVladimir Leninは帝国主義を破壊する目的でそれを促進した。・・・スペインやイタリアで明らかなように、緊縮策、汚職、政治的機能マヒが重なって、地域民主主義が制限されたからだ。・・・大都市の成功がもたらされ、中小の市町村は荒廃していく。情報と文化のネットワークを濃密に集中させた大都市がグローバリゼーションに生き残る人々を助ける。

ROBERT SKIDELSKY ・・・経常収支不均衡を解消する1つの方策として、ユーロ圏諸国が所得と貿易の大きさに応じてEuropean Monetary FundEMF)に資金を拠出し、EMFが独自の希少通貨条項を定め、黒字国からの輸入を差別化することを許すべきだ。・・・黒字国への制限はEUの自由貿易原則に反するが、経済統合は常に黒字国にも調整を求める。それなしには国境を開放することは維持できない。

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希少通貨条項に関して検索すると、「岩田一政の万理一空」の「20101025日 経常収支数値目標とプラザ合意II」がありました。世界金融危機後、G20でマクロ数値のガイドラインを合意することができなかった、という話が興味深いです。

戦争を回避し,暴力による優位を許さず,市民の安全と権利を保障して,富の生産と分配をめぐるルールに合意できるのか? 1国でも,国を超えて,地域や世界の秩序再編でも,その能力が問われます.

イギリス政治においては,EU離脱から資本主義をめぐるイデオロギー論争が復活しました.アメリカの政治はトランプ後にも残る長期的な意味を問い始め,超国家的なドル体制の限界,米中貿易・金融戦争に備えています.内外に新しい秩序を描く,積極的な構想を持って初めて,日本で政権を担うための「保守派を取り込むリベラルになる」意味があります.

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