前半から続く)


 ドイツの選挙

FT September 11, 2017

Survivor Merkel primed for victory after a clever campaign

Stefan Wagstyl in Berlin

FP SEPTEMBER 11, 2017

The German Election Is a Christian Civil War

BY NOAH B. STROTE

アメリカのリベラルはドイツの選挙にまったく注目していないが、ドイツの退屈な、安定した老人たちが、国境を開放し、多文化の国に転換するという、最も劇的な挑戦に向かう。

SPIEGEL ONLINE 09/13/2017

March of the Trolls

Right-Wing Activists Take Aim at German Election

By Konstantin von Hammerstein, Roman Höfner and Marcel Rosenbach

SPIEGEL ONLINE 09/13/2017

The Victory of Rage

AfD Sets its Sights on German Parliament

By DER SPIEGEL Staff

FP SEPTEMBER 14, 2017

Angela Merkel Has Everything Except a Legacy

BY STEFAN KORNELIUS


 イエメン内戦

FT September 11, 2017

Yemen’s misery calls out for global intervention

イエメンの内戦は、20153月にサウジアラビア空軍がフーシ派の反政府勢力を攻撃してから、新しい破壊の循環に向かった。それはアラブ諸民族で最も古いこの国を急速に破滅に向かわせる。イラクとシリアにおける表向きは大きな地政学的殺戮の影に隠れて、この古代国家は世界から無視されており、国民は破局を経験している。残された時間はない。

アメリカ、イギリス、フランスは、サウジアラビアとUAEの主要な武器供給国であり、安保理常任理事国である。停戦を求め、人道的な支援を行うべきだ。ロシアは、同盟を組むイランとともに、停戦を仲介するべきだ。国際的な平和維持軍が必要になるだろう。イエメンのためのグローバルな開発支援が必要だ。

FP SEPTEMBER 11, 2017

From the War on al Qaeda to a Humanitarian Catastrophe: How the U.S. Got Dragged Into Yemen

BY DAN DE LUCE, PAUL MCLEARY, COLUM LYNCH


 非リベラルな資本主義

Project Syndicate, Sep 11, 2017

The Anatomy of Illiberal Capitalism

JACEK ROSTOWSKI


 911の再来

NYT SEPT. 11, 2017

The Day Nothing Changed

Paul Krugman

それは911の再来である。ほとんどだれも記念日であることを指摘しない。私は、911の後、起こるはずであったこと、それが起こらなかったことについて考えた。

悲劇の後、数週間、数か月は、ニュースが1つの物語を伝えた。基本的にそれは、真珠湾攻撃のとき、アメリカは真剣に、強い決意で、団結した、ということだ。それは、快い、安心感を伝えた。同時にそれは、全くのでたらめ、最初の数分で間違いとわかった。

真実は、今や我々が知っているように、ブッシュ政権は、まだビルが燃えているときから、彼らが常に望んでいた無関係な戦争を始める機会が来たことを喜んでいた。しかし、それがすべてではなかった。議会の共和党員たちは、最初から、この悲劇に党派的な利益の機会を見ていた。2日の内に、議会スタッフが私に、惨禍を利用して、キャピタルゲイン税の削減を共和党が企てている、と語った。

しかし、人々はこうした現実を聞きたくない。私が議会で起きていることをコラムに書いたとき、読者から怒りのメールが殺到した。読者たちは、共和党が事件を利用したことではなく、私がそれを伝えたことに憤慨した。「どうやって子供にそれを言えるのか?

なぜ911は何も変えなかったのか? ある意味、真珠湾攻撃と違って、テロは生存を脅かす危機ではなかったし、今もそうではない。だれも、イスラム派のテロリストが西側を乗っ取るとは思わない。つまり、政治的な黒幕は悪事を続けながら、そのためにテロを利用できた。

それ以上に、2001年までに共和党の過激化が進み、政治の分極化がすでに深まっていた。もし1941年の共和党が2001年のような状態であったら、真珠湾攻撃にどのような反応をしたか、と考えてみる必要がある。共和党員たちは、それがF.D.ルーズベルトの失策だ、と宣言し、第2次世界大戦の戦費を支払う政府債の発行に反対し、ましてや価格統制や割り当てなどしなかったはずだ、と私は思う。

アメリカ史において、911の物語は、真珠湾攻撃の対極にある。最初の汚名は国を団結させ、われわれの基本的な強さを示した物語であったが、第2は、われわれをさらに分裂させ、政治の腐敗を強調した物語だ。

FT September 13, 2017

The empty shell of America’s two-party system

Edward Luce

サンダースは財源なしにヨーロッパ型の国民皆保険を唱え、ヒラリー・クリントンは新著の講演ツアーを行った。トランプの歓心を得るために、オルト・ライトと超富裕層とは対立するが、ともに民主党と妥協することだけはない。

アメリカに2大政党があり、政治が機能する時代はあった。しかし、今は政党の内部に対立がある。アメリカ政治は、4つ、もしくは、5つの勢力が争っている。民主党内の主流派と社会民主派。共和党内のポピュリストと減税派。

トランプがもっと有能なら、この分裂状態を利用して目的を達成するだろう。

NYT SEPT. 13, 2017

Bernie Sanders: Why We Need Medicare for All

By BERNIE SANDERS


 イランとの核合意

FP SEPTEMBER 11, 2017

The Case Against the Iranian Nuclear Deal Is One Big Lie

BY STEPHEN M. WALT

1948年にもどったと想像してみよう。ヨシフ・スターリンが、ソ連の核兵器開発を15年間停止すると提案する。その取引には、国連による査察を認めること、ソ連のすべての核施設を監視することが含まれる。さらに彼は、国連職員が十分な理由を示せば、ソ連の他の施設で核開発が行われていないか、査察することを認める、とさえ言う。取引に応じやすくするため、スターリンはソ連がすでに備蓄している濃縮ウランの多くを放棄する、とまで言う。核兵器を作るのには足りない量だけ残せばよい、と。その代わりに彼が求めるものは何か? 戦争で破壊されたソ連経済を建て直すため、経済的な譲歩を求めるだけだ。

もちろん、偏執的なソ連の独裁者がそのような提案をするとは考えられない。しかし、もし彼がそうしたら、トルーマンたちHarry Truman, George C. Marshall, and Dean Achesonは受け入れると思うか? もちろんだ。そして1953年に合意が成立したら、Dwight D. Eisenhower and John Foster Dullesはなんとしてもそれを維持しただろう。その理由は明らかだ。合意はソ連が核武装するのを(少なくとも)1960年代初めまで遅らせたし、モスクワが(1949年に行った)核実験でわれわれを驚かすことはなくなるからだ。最低でも、その合意はソ連との核軍拡競争を遅らせただろう。

この事実に反するシナリオを考えることで、復活している、イランとの核合意JCPOAに反対する運動がいかに非現実的な、あらっぽい、近視眼的なものか理解できる。その最新の表現は、国連大使Nikki Haleyが、先週、the American Enterprise Instituteで行った、不誠実な、誤りに満ちた講演だった。

ヘイリーは間違った主張をする。「この合意は、われわれが望むものを与えるという一時的な約束と交換に、イランは求めるものを先に得た。」 真実は180度逆である。イランは濃縮ウランを放棄し、13000の遠心分離器を破壊し、Arak原子炉を解体して、国連の監視装置を設置し、NPTの追加措置を実施し、その他の手段もとった。それらはすべて、アメリカなどが制裁を解除する前に行ったのだ。

ヘイリーはまた、イランが何度も違反した、と言うが、それは嘘だ。アメリカ政府もIAEAも、イランが合意を守っている、と何度も確認した。彼女は、ネオコンの主張を繰り返した。彼女の疑いを晴らすには、イランがすべての研究所、軍事基地、モスク、ホテル、妊婦や羊飼いの用具を、国中で検査させるしかない。

事実でも論理でも反対派は勝てない。すると、もっと良い合意が獲得できた、という話をする。しかし、合意に加わった他の国は、それを支持しない。再交渉で改善できるというのは、むなしい、ばかばかしい夢想である。アメリカに無限の交渉力があると前提し、取るか、やめるか、というアプローチは2000-12年に試みた。その間に、イランは遠心分離器を12000基以上に増やしたのだ。

JCPOAを破棄する場合、イランの核開発を制限するものはなくなる。アメリカでJCPOAを否定する者は、イランの体制転換を唱えるタカ派である。だから、それに対抗して、テヘランのタカ派は核武装を進めるだろう。JCPOA体制の放棄とは、イランが核武装するか、あるいはアメリカが先制攻撃をする、という意味だ。

イラク、シリア、イエメン、アメリカは中東で多くの戦争を続けながら、さらに新しい戦争を起こすのか? JCPOAの決定は、トランプ政権ではなく、議会の権限である。

NYT SEPT. 13, 2017

Trump Can Make the Most of a Bad Iran Deal

By MICHAEL SINGH

FP SEPTEMBER 14, 2017

Iran Nuclear Deal Critics Push Plan for ‘Global Economic Embargo’

BY JANA WINTER, DAN DE LUCE


 サウジアラビア

FT September 12, 2017

The Saudi Arabian reform slowdown and the oil price dilemma

Jason Bordoff

サウジアラビアは、石油供給の管理者として、中東地域の安定性と安全保障にとって、非常に重要である。サウジアラビアが石油依存を減らし、外国投資家に市場を開放し、社会を自由化することは、支持すべきだし、促進するべきだ。しかし、その挑戦は非常に大きく、特に、シェル・ガスの時代に石油価格が下落し、サウジアラビアの財政赤字が増えて経済が減速する中では、注意を要する。


 バフェット

FT SEPTEMBER 12, 2017

How Warren Buffett broke American capitalism

Robin Harding


 EMS危機からBrexitまで

FT SEPTEMBER 12, 2017

The long journey from Black Wednesday to Brexit

Helmut SchlesingerBundesbank president 1991-93

1992916日、イギリスはヨーロッパ通貨システムEMSの為替レートメカニズムから離脱したが、それは重要な結果をもたらした。その日は「ブラック・ウェンズデイ」と呼ばれるようになった。ある意味では、昨年のBrexit投票で頂点に達した、イギリスとEUの緩やかな離反はこのとき始まったのだ。

相対的に狭い幅で為替レートを固定する為替レートメカニズムに参加した多くの国は、その弱点、特に投機的な攻撃に対する脆弱さを過小評価していた。参加国の通貨が切り下げられると予想する投機家は高い利潤を得られるし、もし切り下げられないときでも特別なリスクはなかったのだ。

ブラック・ウェンズデイのすぐ後にドイツを訪問したエリザベス女王は、「投機はそれほど強いのか?」 と私に尋ねられた。私は、「このシステムでは、利益の可能性が非常に高く、リスクは無視できるほどです」と答えた。

多くの専門家は、1990年にポンドがERMに参加した為替レートは高すぎた、と考えていた。しかし、加盟諸国とこの点を深く議論することはなかった。

通貨の減価に対する防衛策は、その効果は限られるが、「弱い」通貨と「強い」通貨との金利差を拡大することだ。当然、1992年、ドイツのブンデスバンクには金利引き下げを求める強い声があった。しかし、1990年、ドイツの東西再統一が、非常に異なった経済構造を急激に統合したことで、通貨的な強い緊張を生じた。特に、インフレを加速したのだ。ブンデスバンクは、たとえEMS諸国が経済状況からドイツの金利引き下げを求めても、インフレを抑えるために高金利を続ける必要があった。

こうした緊張を解くために、EMSのルールでは為替レートを調整する可能性があった。ブラック・ウェンズデイに至るまでの時期、ブンデスバンクは個々の通貨を支援しなければならなかったが、特に、イタリア・リラがそうだ。イタリア中央銀行はドイツ政府にERMの再調整を求めた。

ERMのルールに従えば、それはヨーロッパ通貨委員会を開いて協議するべきだったが、2国間の電話会談しか行われなかった。イギリスはドイツの意向を何も知らなかったのだ。最初、イタリア・リラの切下げから何も起きなかった。

19929月になって、もっと多くの切下げを期待する投機が起きた。ポンドの緊張は、イギリス政府がERMを離脱するまで消えなかった。狭いバンドのERMの通貨システムは、その角に野心的な構造によって失敗したのだ。このことは、1993年夏にフランス・フランが強い圧力にさらされて、明確になった。バンドはプラス・マイナス15%まで拡大された。こうしてリスクのない投機への誘因が取り除かれた。

為替レートをめぐる政治的衝突は新しいものではない。イギリスは切下げを拒み、ERMを離脱して、それによる国家の自律性喪失を逆転させた。当時はECとして、加盟諸国の行動の自由は、協力によって制約されていた。1999年の経済通貨同盟は、こうした制限をさらに深刻なものにした。

単一通貨の成立が経済的緊張を終わらせることはなかった。世界金融危機の後、拡散傾向が強まった。為替レートの調整は存在せず、財政・金融政策による内的調整が促された。それは関係する諸国内で、また、加盟諸国間で、激しい緊張を生んだ。

それでも、こうした諸国は一層の統合化に向かうだろう。イギリスがEU離脱の交渉で直面する困難は、他の加盟国に離脱を促すものではない。

FT September 14, 2017

China needs to come clean on its exchange rate policy

Eswar Prasad

中国人民銀行は、人民元の増加を抑えるために資本流出を許し、金融改革として資本自由化を進めた。しかし、人民元の減価と資本流出のスパイラルが起きると、資本勘定の取引を規制した。

各国は通貨制度の改革に独自の経験を持っている。しかし、歴史に共通した教訓は、固定レート制や厳格な管理為替レートから、減価の圧力で、混乱に陥ることだ。その離脱過程はカオスとなり、さらに管理が難しい。強力な通貨として、資本勘定を自由化する政策と組み合わせて、為替レート制度の移行をすれば、こうした圧力を回避できる。

為替レートの浮動性に応じて、資本勘定の自由化を進めたり、逆転したりするのは、その他の政策を含めて、政府・通貨当局の信頼を損なう。政策は疑われ、その効果を削がれるだろう。市場が決定する変動為替レートを、より開放的な資本勘定と一緒に実現することは、中国経済にとって利益がある。外国投資家が参加して国内市場に活気を与え、国内投資家には資産の多様化を可能にする。


 トルコとNATO

NYT SEPT. 12, 2017

Turkey Signs Russian Missile Deal, Pivoting From NATO

By CARLOTTA GALL and ANDREW HIGGINS

トルコのエルドアン大統領は、西側・NATOから抜けて、ロシアに接近する方針を明確にした。ロシアの地対空ミサイルシステムを導入する契約に署名したのだ。

ワシントンとブリュッセルは不安を隠さない。


 アフガニスタン

FP SEPTEMBER 12, 2017

On the Edge of Afghanistan

BY SUNE ENGEL RASMUSSEN


 東欧の植民地化

Bloomberg 2017912

How Western Capital Colonized Eastern Europe

By Leonid Bershidsky

ドイツ、オランダ、フランスの企業が東欧諸国への直接投資の多くを実行している。彼らにとって東欧は、伝統的な市場から遠くではない立地で、生産コストを抑えて、自国と同じ保護を受けられる。ポピュリスト政府は、こうした行動を「植民地化」として攻撃し、特別な税金を課そうとしている。


 S. フィッシャー

Bloomberg 2017912

Stanley Fischer and the IMF Changed Asia for Good

By Daniel Moss

アジア通貨危機でIMF融資の条件に苦しんだ諸国は、S.フィッシャーの退任を喜んだだろう。


 Brexit交渉

The Guardian, Wednesday 13 September 2017

Tory Brexit is doomed. Corbyn has a chance to build the Europe he wants

John Palmer

The Guardian, Wednesday 13 September 2017

Brexit is a great British bore. Europe has moved on, and the UK should be worried

Guntram Wolff

双方の妥協による合意は可能である、と願っている。しかし、EUからの関心は薄い。イギリスはBrexitによって何を得たいのか? EUの忍耐は失われつつある。

FT September 14, 2017

Merkel’s message to Theresa May: Brexit means Brexit

Philip Stephens


 民主主義の危機

NYT SEPT. 13, 2017

Is Democracy Endangered?

By SERGE SCHMEMANN

他の政治システムに比べて,民主主義の優位は,人々の発言を政治に反映させること,また,指導者を平和的に交代させることである.しかし,常にそうであるとは限らない.

NYT SEPT. 13, 2017

How Strongmen Co-opted Democracy

By KISHORE MAHBUBANI

民主主義が世界に広がれば,リベラルで,西側に親近感を持つ指導者たちが,選挙によって登場する,と期待された.しかし,結果は多くの,明らかに非西側のアイデンティティを持つ指導者たちが選出されたのだ.そのリストは,日本の安倍晋三, Recep Tayyip Erdogan of Turkey, Narendra Modi of India and, looking back further, Vladimir V. Putin of Russiaを含む.中国の習近平をここに加えるのもよいだろう.

トルコとインドには西側に対する激しい怨嗟がある.また,日本の安倍とインドのモディは,中国の州もそうだが,自国の国民的アイデンティティに強くこだわっている.3国は,かつて,西側の模倣を推進した.今は,全く違う.

NYT SEPT. 14, 2017

South Koreans Worked a Democratic Miracle. Can They Do It Again?

By HA-JOON CHANG

韓国の民衆は植民地支配,独裁,軍政と戦った.民主主義を機能させるのは,国民の強い関与である.それにソーシャル・メディアのような通信技術の発達があったことで,平和的に政権を倒すような,民主主義の奇跡は起きた.


 金融危機

Project Syndicate Sep 13, 2017

The Mystery of the Missing Inflation

NOURIEL ROUBINI

The Guardian, Thursday 14 September 2017

The financial system is still blinking red. We need reform more than ever

Rana Foroohar

NYT SEPT. 14, 2017

What Trump Can Do to Prevent the Next Crash

Ruchir Sharma


 クルドの独立

Bloomberg 2017913

Iraq's Kurds Have Earned Their Right to Independence

By Eli Lake


 仮想通貨

FT September 14, 2017

To coin a craze: Silicon Valley’s cryptocurrency boom

Richard Waters in San Francisco

FT September 15, 2017

In cryptocurrencies, tech and speculation meet


 プーチンとリビア

FP SEPTEMBER 14, 2017

Inside Putin’s Libyan Power Play

BY LINCOLN PIGMAN, KYLE ORTON


 オーストラリアの同性婚論争

FT September 15, 2017

Same-sex marriage reignites Australia’s culture wars

Jamie Smyth in Sydney

オーストラリアのターンブル首相は,同性婚をめぐる文化戦争に巻き込まれた.郵送式の国民投票で同性婚の是非が問われ,その論争過程で連立政権は崩壊状態に向かった.その他の論争,気候変動,電力不足,言論の自由,が重なって分裂を招いている.

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The Economist September 2nd 2016 

How to cope with floods

North Korea’s nuclear provocations: Stand by Japan

Japan and North Korea: Shooting over Japan’s head

Turks in Europe: Home and away

Indentured labour: 100 years since servitude

India’s economy: Drifting apart

Mikhail Gorbachev: The story of a good Soviet man

(コメント) 気候変動に対処しないだけでなく,洪水の危険を予測されながら政府が適切な対応をしていなかったことを批判します.貧しい国には天災と連動する債券(保険になる)を発行するように求めます.

北朝鮮のミサイル発射に対して,トランプは安全保障の「アメリカ・ファースト」ではなく,日本,韓国との同盟を強調しなければならない.中国とロシアも参加した国連制裁で対処するのがよい,と考えます.

興味深いのは,ドイツにおけるトルコ系住民と,ドイツとエスドアン政権との関係です.ドイツ社会の2極化や経済的分断を懸念するより,エルドアンの扱いやトルコとの対立より関係正常化を模索します.ある意味で,イギリスが帝国の植民地にインド系移民労働者を送ったことも,現代のインド・アイデンティティ高揚とともに,関係しています.

ゴルバチョフが一方的にベルリンの壁を開き,東西ドイツ再統一を認め,無血のソ連邦解体や冷戦終結,西側によるNATO拡大に至ったことを,その人物の生い立ちから考察します.

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IPEの想像力 9/18/17

安倍晋三首相が衆議院を解散したとき,さあ,これで日本の政府が新しい挑戦にふさわしい姿に変わるぞ,と期待できるためには,何が必要でしょうか?

民進党が党首・指導部の交代で政権獲得を目指そうとしたとき,スキャンダル報道で幹事長候補の離党騒ぎになり,森友・加計問題(そして豊田議員の暴言ショック)で支持率を落としていた安倍政権には「絶好の機会」と見えたようです.北朝鮮の核の脅威は,安倍首相にとって,明らかに「追い風」でした.

しかし,これでいいのか,と多くの国民は戸惑うでしょう.選挙で生きるしかない政治家の計算としは,確かに,そうかもしれませんが,国民にとっての重要な選択の機会であるはずの選挙が,こうした理由で行われることは間違っています.何を選べと言うのでしょうか?

私は,こんな風に考えました.

1に,野党の弱さを嘆くのは無駄でしょう.むしろ,もっと自分たちのビジョンを示し,国民が納得する理念を掲げて,一人一人の政治家が何度でも党派を結成することです.しかし,政党を基本とした選挙になっている現在のシステムでは,自民党が政権を維持する上で有利な状況は変わりません.対抗できる野党がないのです.

逆に,自民党には政権にかかわるため多様な政治家が寄り集まっています.だから自民党と野党の垣根を外して,勝手に野党を作ってしまう,というのはどうでしょうか? 主要な政策への支持・不支持,これまでの発言や行動を整理し,その人物の基本的な考え方,代表する利益を軸に,政治集団を描きます.さまざまなバーチャル「野党」の誕生です.選挙は,バーチャル野党を通じて「政治配置」を変えるでしょう.

2に,私たちが知りたい争点を示して,回答を求めることです.選挙は,しばしば,間違った争点で勝敗を決め,多数を得た政党にさまざまな問題で方針を具体化する権限を与えてしまいます.本当は,弁舌の巧みな,深い思想を示す,戦略にもたけた政治家が一国の指導者になってほしいですが,1年をかけたアメリカ大統領選挙がトランプを大統領に決めたことは,日本の選挙でも,大きな不安が生じます.

まず,有権者が知りたい問題,政治家として考えておくべき問題を,私たちから提示して,政治家の姿勢を明確にします.私は「日本病」として,貧困や高齢化を含む,ABCDフィッピーへの対応策を求めました.また,日本の政治が閉塞し,現代のグローバルな論争から切り離されていることを心配します.画期的な,未来の争点を示して,自民党や民進党,という枠が消えた政治の世界を展望してはどうでしょうか? すなわち,同性婚,徴兵制,移民・難民,天皇制,香港や台湾の民主主義,グローバリゼーションなど,政治家としての見識を問いたいです.

3に,民主主義と選挙の危機をどう見るかです.日本の政治にも,安倍晋三より強硬なナショナリスト,強権指導者,軍備拡大論者,戦争や内乱を叫ぶ煽動家が現れるでしょう.フェイクニュースや暴言を組織的に流布し,国民の政治意識を歪曲する,激しい人種差別や暴力事件を引き起こす集団や,警察や自衛隊に潜入する集団が現れるでしょう.民主的な選挙が実施できないような暴力行為の蔓延,それを奨励する政治家が出るかもしれません.

どうすれば民主的な制度を活性化し,集団的な意思決定を通じた政治の革新,この国のかたちと戦略を,内外で平和的に実現することができるのか? 政治家たちにネット上で回答してもらいます.これは,憲法改正と外交・安全保障との関係を問う選挙です.

だれが,いつ,どのような思惑で解散したとしても,選挙は有権者の意思を問います.権力者は選挙を恐れよ,と思います.

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