(前半から続く)
● ルワンダの指導者
FT August
28, 2017
Interview:
Kagame insists ‘Rwandans understand the greater goal’
David Pilling and Lionel Barber in Kigali
FP AUGUST
31, 2017
No Country
for Civilians
BY JASON PATINKIN
● 中国の転換と国際秩序
FT August
28, 2017
China’s
tech groups are building too much power
Henny Sender
FT August
29, 2017
Credit
default swaps are storing up trouble for China
Joe Zhang
中国の成長が減速するとき,債権の再評価が進めば多くの金融機関が破たんする.それが処理できるか,わからない.
Project
Syndicate AUG 29, 2017
The Global
Economy’s New Rule-Maker
MICHAEL SPENCE
中国の成長モデルは急速に転換しつつある.ネットで商品を購入する新しい中産階級が育っている.中国の国内市場は国際ルールを決定する交渉力を大幅に高めてきた.第2次世界大戦後の欧米に代わって,中国が国際ルールを決めるだろう,
そのカギは,投資と,国内市場へのアクセスだ.アメリカが包括的な成長モデルを見失って,トランプ政権の混乱を招いたのと対照的に,中国は開放的な国際秩序を指導できる.それは欧米が示したように,特に発展途上諸国から支持を得て,国際的な政治的地位を高めることを意味する.
China
Daily 2017-08-30
IMF
misreads the dynamics of debt
By Jia Kang
● 世界金融危機の回顧
VOX 28
August 2017
The
financial crisis, ten years on
Stephen Cecchetti, Kim Schoenholtz
2007-2009年の金融危機が正確にいつ始まったのか、なお合意がないことは注目すべきだ。黒澤明の『羅生門』のように、危機の説明は異なった性格を示している。アメリカで住宅バブルが始まった2006年半ばか? シャドーバンキングで流動性危機が起きた2007年後半か? リーマンブラザーズが破たんし、MMFなど、リザーブファンドの「背骨が打ち砕かれた」2008年9月か?
われわれの見解では、2007年8月9日であった。その日、BNP
Paribasが3つのミューニュアル・ファンドを、資産評価ができないという理由で、償還停止にした。
まず、金融危機とは何か? それは、納得のいくほど健全な均衡状態から、すなわち、高度に流動的な金融市場、低いリスクプレミアムで、容易に信用が得られる、資産価格の浮動性が低い状態から、まさにそれらと反対の性格を持つ、非常に不健全な均衡状態へと、突然、予想外にシフトすることを意味する。良い状態が悪化するのは容易だが、それを逆転することは非常に難しい。資産価格は連動し、企業、市場、異なる司法を超えて感染が広がる。金融システムと実物経済とのマイナスのフィードバックが作用する。
USドル建3か月物LIBORの金利スプレッドは、2007年8月9日に急上昇し、2009年5月7日に連銀が最初のストレステストの結果を公表するまで、この高い水準が元に戻らなかった。各国の中央銀行が銀行(そしてシャドーバンク)の短期の資金調達コストを減らすために活発な操作を行ったが、スプレッドが解消しなかったのは、取引相手の支払い不能リスクを恐れた、ということだ。
金融資産を担保としたコマーシャルペーパーasset-backed
commercial paper (ABCP)の発行残高を観れば、MBSやCDOsを含むモーゲージ関連証券のようなビジネスモデルが、8月9日に崩壊したことがわかる。それまで何年も、銀行はオフバランスシートでSIVsを利用してこうした資金調達で利益を得てきた。レバレッジとリスクの増大を管理できると考えていた。SIVsがファイナンスしたモーゲージ関連資産は4000億ドルを超えた。それが突然消えたのだ。ABCPの購入者たちは、SIVが破たんするリスクは十分に補償されていない、と考えたからだ。取引できる市場が蒸発した。
担保融資やABCP発行に関する問題とは、それがリスクの高いサブプライム債務をリパッケージするやり方、その複雑さである。モーゲージを担保とした証券発行が、良い者と悪い者とを、迅速かつ安価に、投資家は判断できなかった。言い換えれば、それは情報に敏感な証券であった。パリバ・ショックの後、市場の逆選択が始まった。
なぜ8月9日なのか? US住宅価格の信用ブームはその1年以上前に終わっていた。BNP
Paribasの示したことは、システムが極度に脆弱である、ということだった。金融システムは複数均衡状態にあり、小さな火花でも、健全な均衡状態から悪い状態へとシフトする恐れがあった。
本当の問題は、小さなかく乱が拡大するのを止めることだった。橋の建設工事と違い、現代の金融システムを止めることはできない。システム設計者は、そのためにショック・アブソーバーを必要とする。アメリカでも、ヨーロッパでも、金融システムにそれが欠けていた。資産価値の下落や破たんに対応できる十分な資本、一時的な流動性不足に応じる高品質な流動的資産保有のことだ。もし金融機関にそれらがあれば、中央銀行の画期的な信用供与は効果を発揮しただろうし、さらに、それが債権者たちに、有害な資産を判別する時間を与えただろう。
FT August
29, 2017
Three
radical ideas to transform the post-crisis economy
Martin Sandbu
金融危機は、歴史的に、深刻な社会政治危機を介して、金融システムや政策の根本的な改革を実現した。
F.D.ルーズベルトのニューディールは、危機を機会に変えた典型であった。1933年に政権に就いてから数家月内に、ドルは金本位制を離脱し、リフレのために切り下げられた。銀行システムを閉鎖し、預金保険制度を導入してから再開した。大規模な公共工事、ウォール街の規制、最低賃金を導入した。社会保障、自由貿易、住宅政策改革が続く。
第2次世界大戦後、すべての西側諸国で、社会民主主義的な混合経済に関するコンセンサスが成立した。
それに比べれば、過去10年の改革は弱腰であった。豊かな世界は数十年に1度の危機を経験したが、それに見合う政策を実現する努力は現れていない。確かに政府な金融市場に介入し、財政刺激策も協調して採用した。しかし、金融システムは大きく変化しなかった。ヨーロッパの銀行同盟は重要な改革であったが、時期尚早と反対する声も大きい。
「前例のない」金融緩和を中央銀行は行った。しかしその手法は既存のものだ。革命とは言えない。
ニューディールに匹敵する根本的な改革アイデアは、3つある。
貨幣供給を民間の銀行システムに頼る限り、その過剰とひっ迫との繰り返しから逃れられない。それに代わる方法は、貨幣供給の国有化である。現代の技術で、中央銀行の口座を通じて、すべてのものに貨幣を供給することができる。銀行の既存の預金を効率的に投資に仲介する機能に限定される。
経済安全保障に関しては、さまざまな社会保障制度ができたが、それでも多くの者が貧困状態で暮らしている。ユニバーサル・ベーシック・インカムの提案が再発見されている。
最後に、アメリカの反トラスト法だ。かつて石油、産業、鉄道の市場支配に反対する声が高まり、指導者たちを動かした。現在は、インターネットの巨大企業だ。彼らは市場や政治を動かす力を持つ。インターネット・サービスは公共サービスに似ており、規制されるべきだ。
しかし、多くの人々は躊躇している。こうしたラディカルなアイデアを拒み、現状維持を望むなら、その結果は、非リベラルな政治運動がそれを強制するだろう。
Project
Syndicate AUG 30, 2017
Odiousness
Ratings for Public Debt
RICARDO HAUSMANN and UGO PANIZZA
Project
Syndicate AUG 30, 2017
Barbarians
at the Monetary Gate
ANDREW SHENG and XIAO GENG
Project
Syndicate AUG 30, 2017
The
Persistence of Global Imbalances
CARMEN REINHART
経常収支不均衡はなくならない.1980年代,アメリカは対外収支の赤字に苦しんだ.そのころは日本の黒字が原因とされた.1986年,日本はGDPの4%に相当する経常黒字を出した.日本政府は輸出「自主」規制を行い,1985年のプラザ合意では協力して円高を導いた.
その後,円高,不動産・株式バブル,その破裂により日本の成長率は急落した.韓国,中国も,黒字を責められた.しかし,IMFなどの予測よりはるかに早く,中国の黒字は減少した.そしてドイツの黒字が注目される.
黒字国を非難することは意味がない.アメリカは2世代にわたって慢性的に,経常赤字を出してきた.ジャクソン・ホールでは黒字国に支出を増やすか貯蓄を減らすような国際的圧力をかけるべきか,と話し合われたが,それは間違いである.第2次世界大戦後,アメリカは経常黒字を続けて,グローバルなドル不足の耳朶であった.同じような問題を考えてみることだ.
アメリカのドルに代わる世界の準備通貨は存在しない.まだ当分は,アメリカは経常赤字を容易に維持できるだろう.しかし,それがよいことかどうか,は別問題だ.
● トランプ外交
FP AUGUST
28, 2017
What Trump
Got Right About Foreign Policy
BY STEPHEN M. WALT
トランプ外交のすべてが間違っている、という批判は正しくない。
ロシアとの関係改善には双方の利益がある。プーチンを悪者にすることは外交として正しくない。世界貿易秩序に関して、中国の通貨操作を非難するのは間違っている。しかし、中国は多くの産業スパイ行為に関わっている。アメリカ企業から先端分野の優位を奪う国家戦略を進めている。また、NAFTAはすでに25年近くを経て、改革が必要だ。NATOによる安全保障の分担は見直すべきだ。中東和平の「2国家案」は関係諸国の関心から外れている。アメリカの安全保障に関係なく、軍事介入と「国家再建」でアメリカが関与することは間違いだ。アフガニスタンの戦争は続けられない。
トランプ政権は、重要な外交転換の機会を無駄にしてしまった。たとえ正しい方針であっても、政策として実現しなければならない。
FT August
31, 2017
Russia’s
dual response to the west creates policy confusion
Lilia Shevtsova
NYT AUG
31, 2017
What the
President Really Meant to Say
Antony J. Blinken
● クルド独立
FP AUGUST
28, 2017
With
Referendum Approaching, Kurds Wait for More U.S. Military Aid
BY PAUL MCLEARY
● イランとの核合意
FT August
29, 2017
Donald
Trump’s nuclear obsession with Iran is misplaced
Roula Khalaf
トランプ大統領は、イランとの核合意を破棄できると考えている。イランの合意違反を調査するべきだ、と主張する。またこれはオバマ政権が求めた合意であり、アメリカは罠にかかったのだ。彼は合意に至る細部や、国際条約の関係諸国の姿勢に関して考えない。
NYT AUG.
29, 2017
Iran Is
Taking Over Syria. Can Anyone Stop It?
By
DAVID W. LESCH
FP AUGUST
30, 2017
Trump’s
Next Self-Inflicted Crisis Is a Nuclear Iran
BY JEFFREY LEWIS
もしアメリカがイランをJCPOAの枠組みから外すなら,イランは速やかに核兵器と弾道ミサイルを開発し,おそらく,トランプが任期を終える前に,それらを手に入れるだろう.
Bloomberg 2017年8月31日
Americans
Are a Little Too Relaxed About Nukes
By Faye Flam
● トランプの経済政策
Project
Syndicate AUG 29, 2017
The Trump
Administration’s Economic Potential
KOICHI HAMADA
トランプ政権は、ビジネスに友好的な、規制緩和を約束し、大規模なインフラ投資を約束したが、貿易不均衡では間違った理解を前提していた。トランプ政権が自国経済を強くする姿勢は、正しく行われれば、株価を上昇させ、アメリカの一般市民にも利益がある。
FT August
31, 2017
Donald
Trump’s debt to Deutsche Bank
Ben McLannahan, Kara Scannell and Gary
Silverman in New York
● ドイツ選挙
SPIEGEL
ONLINE 08/29/2017
Uphill
Battle
Merkel
Challenger Schulz Hopes Debate Will Turn the Tide
By Christiane Hoffmann, Alexander Kühn,
Veit Medick and Ralf Neukirch
FT August
30, 2017
Germany’s
‘comfort zone’ election could still surprise
Nikolaus Blome
● インドと中国の外交
Bloomberg
2017年8月29日
India and
China Turn Down the Heat
By Mihir Sharma
小さなDoklam高原で、インド・中国国境が小さな王国ブータンに出会う。世界最大規模の2つの軍隊がここで対峙している。中国の兵士たちはここが中国領だと確信し、建設機械を持ち込んで道路を作った。インドの兵士たちは,ここを係争中の土地とみなし,領土を動かすものを阻止した.3か月間,両軍は数メートル離れて駐屯した.インド軍は高台,中国軍は小さな谷であった.どちらの政府も後戻りしそうになかった.
それが変化した.どのように,なぜ起きたのか,わからない.月曜日,中国外務省は,インド側が「撤退」した,と述べた.中国側は引き続き高原で主権を行使している,と.インド政府高官は,匿名で,中国側も撤退した,と述べた.道路の建設機械を撤去した,と.
おそらく,双方が妥協したのだ.インド側が先に撤退し,インド側は道路建設を,永久ではないが,当面見合わせた.テロ対策,一帯一路構想,関係ない分野でも,他に取引が行われたのかもしれない.われわれにはわからないが,すばらしい.重要なことは,核武装した2大国が,しかも,大きな野心を持つ,高度にナショナリスト的な政治指導部,「力」を誇示する指導者を持つ両国が,その困難な状況から脱したことだから.
これは成熟した関係を示す兆候である.国際政治的には相手を非難することが有利である.しかし,それはどちらの国の利益にもならない.双方は緊張を緩和した.それは,モディ首相がBRICSサミットのために訪中する,数日前のことだ.
中国は,その台頭にふさわしい地位を世界で占めると決意しており,インドの台頭に場所を残す気はまるでない.北京の戦略家たちは,経済規模が中国の5分の1しかないインドを無視している.しかし,インド人は状況をそのようには見ていない.たとえ今は中国と同じでないとしても,数十年で同じになる.そうであれば,今から対等に扱うべきだ.こうした見方は具体的な緊張において必然的に現れる.
世論が重要だ.対立をエスカレートさせるメディアがインド側にあるが,今回はそれを抑えた.中国側の報道は,終始,抑制されたものだった.外交官たちが緊張緩和に成功した.両国の衝突は今後も避けられないだろう.高原の湖畔で両軍兵士は乱闘したが,インドとパキスタンの境界と異なり,だれも銃を撃たなかった.
● マクロンの改革
FT August
31, 2017
France can
learn from Germany on labour reform
George de Menil
Bloomberg 2017年9月1日
Macron's
Labor Reform Isn't Enough to Lift Economy
By Leonid Bershidsky
● ロボット・AIの普及
The
Guardian, Thursday 31 August 2017
Why the
rise of the robots could allow humans to flourish again
Giles Fraser
なす価値があることと価値のないこととの間違った区別から解放される生活が,ロボットの普及により可能になる.
FT
September 1, 2017
AI’s rapid
advance sparks call for a code for robots
John Thornhill
ますますロボットが普及する中で,事故を起こしたAIに関して,だれがその道義的な,法的な責任を負うのか? 生産者か,プログラマーか,利用者か?
● ハリケーン・ハーヴェイ
NYT AUG
31, 2017
Hurricanes,
Climate and the Capitalist Offset
Bret Stephens
ハリケーン・ハーヴェイの犠牲者は,今の時点で,38人である.その破壊力に比べて驚くほど少ない.世界はどこでもこのようにハリケーンを過ごせなかった.1998年,中央アメリカを襲ったハリケーン・ミッチは1万1000人から1万9000人を犠牲にした.そのほぼ10年後,サイクロン・ナジスはミャンマーを破壊し,13万8000人という驚くべき犠牲者を出した.
自然の猛威は予測できないが,その効果はランダムに生じていない.豊かな国ほど犠牲者は少ないのだ.その場合,死者の数ではなく,経済的コストが示される.
しかも,ハーヴェイの何十億ドルもの経済的損失よりも,アメリカ経済がその衝撃を速やかに吸収する力に注意するべきだ.ヒューストンの被害額5030億ドルは,アメリカ経済を成長から2か月ほど離脱させる,とMoodyのアナリストは予測した.
資本主義は災害を大きくしている,と批判する者がいるけれど,豊かになるほど災害のダメージは抑えられる.その被害からの回復も可能なのだ.
NYT AUG
31, 2017
In
Hurricane Harvey’s Wake, We Need a Green ‘New Deal’
By
REBECCA ELLIOTT
歳の破壊された景観と犠牲者の間には関連性がある.ハリケーンや洪水の犠牲者には,住宅債務で家を失った人々が多い.
都市を再建するとき,開発業者の利益ではなく,地域の貧困や排除を減らすことに注意しなければならない.
********************************
The Economist August 19th 2016
Dual citizenship: Double
happiness
Italian politics: Return
of the crooner
Chinese monetary policy:
Dynastic equilibrium
(コメント) 二重国籍問題では民主党代表が辞任する結果になりました.これはオーストラリアの問題です.記事は,現代における世界の変化を反映して,二重国籍を称賛しています.
イタリアでベルルスコーニが復活する,という記事に驚きました.選挙法が小党の乱立状態を広め,ファイブ・スター運動が既存政党との連立を拒否して,「がんばれイタリア」のベルルスコーニが新しい連立政権を陰で動かす役割を担うかもしれないのです.
中国が世界経済を指導する地位に就く前に,金融と企業の国有比率を引き下げ,不良資産の整理や金融政策の市場型アプローチが必要になる,という指摘です.
******************************
IPEの想像力 9/4/17
報道特集を観ました.高島市サポートセンターの話です.
47歳の男性は,知的障害があります.18歳の時に母が亡くなり,父とは音信不通です.仕事がなく,食べ物を盗んだりして,刑務所に入りました.
彼には誰も頼る人がおらず,孤独で,人とのつながりがありません.サポートセンターのスタッフ,保健師や精神科医が,彼の生活を支えています.どこかの施設に入るより,自分で暮らしたい,という本人の希望を実現することが,彼にとっても,社会にとっても,望ましいのではないか,と伴走型支援を担うスタッフは考えています.
彼のために生活保護を申請し,その給付額から1日当たり1000円を渡して,何に使うのか相談に乗ります.部屋を借りますが,男性は部屋の片づけや掃除が十分にできないため,スタッフが定期的に訪問して手伝います.ゴミだらけになったり,虫が入ったりしているのを彼に注意して,少しでも自分で生活できるように支援します.
刑務所は良かった.食事も3度,食べれた・・・.男性は,少し残念そうに言います.しかし,支援スタッフが一緒にスーパーマーケットへ出向き,彼の行動を観察します.お店に入って,値段を考えずにほしいものをかごに入れる,その様子を観て,スタッフは彼に買い物の仕方を助言するのです.
さらにスタッフは,男性に電車の乗り方を教えました.彼の家からサポートセンターまで,自分で通うことができるように.そして,実際に一人で通うことで,自信を持って話すようになります.彼に勧めて,共同作業所に連れて行きます.たえ少しでも,仕事の報酬を得られることに彼は意欲を示します.
****
NHK日曜討論で河野太郎外務大臣が語っていました.北朝鮮の核危機,拉致問題,中国,韓国,ロシアとの関係について,慎重に,説得的に,日本の外交姿勢を説明しました.
その語り口を聴きながら,タカ派の政権に入ったハト派の,リベラルな国際秩序を重視する政治家が,どのような外交政策を展開するのか,私は期待したいと思いました.
日本がアメリカ(そして韓国)との安全保障共同体を形成しているのであれば,ヨーロッパの共通通貨にも似た,政治統合の問題が常に重要になります.安倍首相が,トランプ大統領やプーチン大統領との関係を重視する一方で,河野外相は中国との関係改善に重要な役割を担います.
それは,確かに,ありえないような組み合わせですが,内閣を組織した以上,彼らは話し合っているはずです.今,強大な圧力の下で,権力の容器が飛躍するしかないのだ,と思いました.
****
9月の始業式を,深い悩みや不安とともに迎えた若者が,各地で自殺しました.自殺しない者も,多くが今も苦しんでいるのでしょう.
帝国ホテルのラウンドリーで働く男性は,高校卒業後にホテルに勤め,その後,このラウンドリー部門を希望して配属され,そこで技を磨きました.彼はその仕事に誇りを持ち,精一杯,満足できる状態で衣類を仕上げ,宿泊客に返します.
いい仕事がしたい,とだれもが心から望むはずです.それを実現できる社会や国際秩序であってほしい,と思います.
******************************